小口貨物の通関制度:ベトナム
質問
ベトナムの小口貨物の通関と関税制度について教えてください。
回答
ベトナムには、小口貨物と大口貨物の明確な区別はなく、日本の簡易税率制度のような少額貨物の輸入減免税制度はありません。
I. 形態別の免税条件
物品を輸出する際に免税となる条件を以下に記します。通関手続きの詳細については、『小口貨物の輸入制度(2014年3月)(471KB)』をご覧ください。
- 国際宅配便・国際郵便
輸入地を管轄する税関(支局)により申告価格が2,000万ドン以下の貨物は機械検査、申告価格が2,000万ドン以上の貨物には検査者による検査が行われます。 国際速達サービス(国際クーリエサービス)を利用する100万ドン以下の輸入品に関する輸入税および付加価値税は免除されます(No.78/2010/QD-TTg、2011年2月1日施行)。 - 海外旅行者の携帯品
- 個人用手荷物の免税範囲
具体的な各品目の免税数量は、政令第66/2002/ND-CP号に定められています(ワイン: アルコール度22度以上1.5リットル、アルコール度22度未満2リットル、その他のアルコール飲料・ビールなど3リットル、たばこ:紙巻たばこ400本、葉巻100本、お茶5kg、コーヒー3kg など)。 - その他:外貨、ベトナム通貨(ドン)
出国する個人が、5,000米ドルもしくは相当額以上の外貨現金、または1,500万ドン以上の現金を所持する場合、税関申告する必要があります(国家銀行通達第15/2011/TT-NHNN号第2条第1項)。ただし、クレジットカード、預金通帳、株券は価額を問わず税関申告する必要はありません。 - その他:金・宝石類
合計300グラム以上の金・宝石類(地金、装飾品、金塊、原料用金)を持ち込む場合、税関申告が必要です(国家銀行の決定第1165/2001/QD-NHNN号第4条)。
- 個人用手荷物の免税範囲
II. その他目的別の免税条件
- 見本品
展示会等向けの見本品は、以下を条件に免税扱いで輸入できます。
- 見本目的のみに使用される旨が表示されていること
- 1つの商品につき5点まで
- 当該貨物に添付されるインボイスに「見本品」である旨が明記されていること
- 贈答品
以下の条件に該当する場合は総理大臣の規定により、免税扱いを受けられます(38/2015/TT-BTC第107条4項b)。
- ベトナム組織(政府組織など)への寄贈等物品であること
- 人道目的、または慈善目的の寄贈等物品であること
- 職業用具
以下職業貨物に関連する物品を輸出する場合は、免税扱いを受けられます(38/2015/TT-BTC号第103条)。
- ベトナム組織・個人またはベトナムにある外国の組織・個人へ移送中の資産(第103条2項)
- 外交官貨物、特権享受の外国組織・個人による輸入(第103条3項)
- 契約合意された輸出加工機械・設備(ただし、契約期間終了後は再輸出されねばならない)(第103条4項)
- 個人持ち込み免税枠内のもの(第103条5項)
- 投資奨励プロジェクトにおける固定資産となる輸入物品(第103条7項)
III. その他留意点:輸入禁止品目
小口貨物であっても、政令第187/2013/ND-CP号にて定められた輸入禁止品目は輸入できません。品目の詳細はジェトロウェブサイト「輸入禁止品目一覧」を参照ください。
ホーチミン市投資貿易センター:
政令第187/2013/ND-CP(英訳)
ベトナム産業貿易省:
国家銀行通達第15/2011/TT-NHNN(ベトナム語)
参考資料・情報
在ベトナム日本国大使館:
ベトナム出入国情報(持ち込み、持ち出し外貨規制の記載あり)
ジェトロ:
税関法(54/2014/QH13)(583KB)
調査時点:2015年10月
記事番号: A-061108
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