衣料品の現地輸入規則および留意点:フィリピン向け輸出

フィリピンに衣料品を輸出する際の現地輸入規則および留意点について教えてください。

I. 輸入規制品目
新品の衣料品は自由に輸入する事ができますが、「古着およびぼろ着」の輸入は禁止されており、違反した場合、罰金または懲役の規定があります(Republic Act No. 4653)。

II. 輸入関税および諸税
日本とフィリピン間では、日本・フィリピン経済連携協定(JPEPA)および 日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)が発効しており、日本原産品として要求される原産地規則・基準を満たし、それを証明する特定原産地証明書を提示すれば、無税で輸入が可能です。なお、EPA/FTAに規定された原産地規則を満たさない場合は、最恵国税率(MFN)が適用されます。

また、輸入時には関税のほか、付加価値税(VAT)12%が課されます。

III. 販売規制
輸入販売される衣料品はフィリピン国内製造の衣料品と同様、商品の品質・安全性・ラベル表示および包装に関する規定に準拠する必要があります(消費者法〔Republic Act No. 7394〕)。

  1. 安全性 :消費者の安全保護のため、有害物質(アゾ系染料、ホルムアルデヒド、ニッケル)規制を遵守する必要があります。
  2. ラベル表示 :製品名、原産地、原料、組成(Composition)、洗濯(Washing)、取扱い(Care)および可燃・難燃(Flammable / Inflammable)などの表示が必要です。

IV. 知的財産権
商標権が確立されている衣料品を輸出する場合、正規の商標権者より「商標権使用許諾書」を入手し、輸入地税関での許諾書提示要求に備える必要があります。

また、既製服、特に有名商標の既製服を輸出する場合は、自ら保有する知的所有権に対する侵害を阻止するために、フィリピンで商標を登録することが賢明です。

V. 輸出者が留意すべき事項
払込資本金250万米ドル未満での外国人の小売業への参入は外国投資法(Foreign Investment Act of 1991、第10次ネガティブリスト)により禁止されています(ただし卸売業への参入は可)。たとえば、外国の輸出業者または製造業者が、フィリピンの輸入業者を独占的な小売業者または販売代理店に指定した場合には、フィリピン国内で違法に小売行為を行っているとみなされます。また、フィリピンの小売業者が、外国の輸出業者または製造業者から委託を受け、自らの名称で小売行為を行わずに、外国の輸出業者または製造業者の名称で小売行為を行った場合も同様です。

関係機関
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税関(BOC)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
財務省財務局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
知的財産庁(IPOPHL)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令
関税法(RA No. 1937)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
消費者法(RA No. 7394)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
知的財産法(RA No. 8293)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
古着およびぼろの輸入禁止令(RA No. 4653)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報
経済産業省:
日本・フィリピン経済連携協定(JPEPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
日・ASEAN包括的経済連携 (AJCEP) 協定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2015/09

記事番号: A-041124

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