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アルコール飲料の現地輸入規則および留意点:フランス向け輸出

質問

フランス向けにアルコール飲料を輸出する際の現地規則と留意点について教えてください。

回答

フランスでアルコールを輸入・販売する際には、フランス語での規定項目の表示、EU指令に基づく容量基準などを満たす必要があります。容量により、関税率が異なっていることにも留意する必要があります。

I. 輸入許可・ライセンス等規制

  1. 輸入ライセンス
    フランスにアルコール飲料を輸出する際に輸入側で輸入ライセンスは必要ありませんが、認可倉庫業者(entrepositaire agréé de boissons)として物品税登録番号(numéro d’accise)の取得が必要です。ただし、少量であれば保税措置をしないで関税・物品税等を全額支払うことを条件に物品税登録番号の取得なしに輸入が可能です。物品税番号なしに輸入できるアルコールの量は、蒸留酒10リットル、日本酒など醸造酒20リットル、ワイン90リットル、発泡ワイン60リットル、ビール110リットルです(輸入一般法典附属書3、110-0A条)。
  2. 小売販売業ライセンス
    フランスでアルコール飲料を輸入販売するには、認可倉庫業または飲料小売業(débitant de boissons)のステータスが必要です(輸入一般法典302G条)。飲料小売業には小売形態と、販売する飲料に対応したライセンス制度があります。公衆衛生法典L3321-1条外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(catégories de licences)により、以下の5つのグループに分けられます。なお、当初は第5グループまで規定されていましたが、2018年4月現在は第2グループはありません。
    1. 第1グループ
      ノンアルコール飲料(炭酸水、ジュース、コーヒー、茶など)
    2. 第3グループ
      ワイン、ビール、リキュールなど
    3. 第4グループ
      ラム酒、果物を蒸留したアルコール飲料など
    4. 第5グループ
      その他のアルコール飲料(日本酒・焼酎を含む)

II. ラベル表示

  1. 表示に関する規定
    消費法典(R112-1~15条)および「消費者への食品情報提供に関する欧州議会・理事会規則1169/2011」に基づき、以下の記載が義務付けられています。いずれもフランス語で、消費者が読みやすい大きさで表示しなければなりません。
    1. 品名
      (例)
      1. 100%醸造の日本酒
        「boisson fermentée à base de riz(コメベースの醸造飲料)」 + 「saké」
      2. アルコールを添加した日本酒
        「boisson fermentée à base de riz avec adjonction d’alcool(アルコール添加したコメベースの醸造飲料)」+「saké」あるいは「boisson à base de riz fermenté et d’alcool(醸造米とアルコールベースの飲料)+「saké」
      3. 焼酎
        「boisson spiritueuse(スピリッツ飲料)」 + 「shochu」(任意)
    2. 成分リスト
      アルコール強度1.2%を超える場合は表示義務なし
    3. アレルギー成分
      アルコール飲料の場合、特に注意すべきは二酸化硫黄(SO2)で、濃度が1キロあるいは1リットルあたり10mg超の二酸化硫黄を含有する場合は、「二酸化硫黄を含む(contient des sulfitesあるいはcontient de l’anhydride sulfureux、英語表記のcontains sulfites dioxideも認可)」と表示する。蒸留酒製造に使用される小麦・大麦等の穀物、乳清、ナッツはアレルギー表示義務の対象外となるため、麦焼酎にアレルギー表示として「麦」と記載する義務はなし。
    4. 正味容量
      メトリック表示(リットル、センチリットル、ミリリットル)
    5. 賞味期限
      ぶどう以外から造られるワイン、アルコール強度10%を超える場合は記載不要
    6. 使用・保存方法
      説明がないと商品が適切に使用・保存できない場合のみ表示する
    7. 製造者・ボトリング業者またはEU域内に居住する販売社名
    8. 原産国
    9. アルコール度数
      アルコール強度が1.2%を超える場合はその度数を小数点以下1桁まで表示(○~○度と幅のある記載は不可)。アルコール度数の後に「%vol」と表記し、アルコール含有を意味する「alcool」、または「alc」をアルコール度数の前に表記することも可能。
    10. ロット番号(Lに続けて番号表示)

    ラベル表示および添加物に関する詳細につきましては、「EUにおける食品ラベル表示に関する規制」(2014年3月)「食品添加物規制調査EU」(2016年2月)をご参照ください。
    EUでは2016年12月から栄養表示が義務化されていますが、アルコール飲料は表示義務の対象外となっています。カロリーのみを任意で表示することは可能です(ただしカロリーを表示する場合、100ml単位のエネルギー価をkJ(キロジュール)とkcal(キロカロリー)両方で記載しなければなりません)。

  2. その他の表示規定
    ラベル表示については文字の大きさに規制があり、表示面積が25~80平方センチメートルまでは小文字のエックス「x」の高さが0.9mm以上、80平方センチメートル以上の場合小文字のエックス「x」の高さが1.2mm以上となる大きさで表示しなければなりません。
    また、妊娠中の飲酒に対する以下の警告文あるいは所定の絵表示を掲載する必要があります。
    「La consommation de boissons alcoolisées pendant la grossesse, même en faible quantité, peut avoir des conséquences graves sur la santé de l'enfant」(妊娠中の飲酒は少量でも胎児の健康に大きな影響を与える可能性がある)

III. 容量規制

ワインおよび蒸留酒については、欧州議会・理事会指令2007/45/ECに基づき、容量の規制があり、定められた容量サイズで販売する必要があります。
ワインおよび蒸留酒の定格容量は、100ml、200ml、350ml、500ml、700ml、1,000ml、1,500ml、1,750ml、2,000mlの9種類です(2,000mlより大きいサイズについては規制の定めなし)。
蒸留酒に対する容量規制はかなり厳格に運用されていますので、焼酎などの蒸留酒は定格容量で輸出する必要があります。

IV. 諸税

  1. 関税
    フランスの関税はEU共通関税に準拠します。
    CNコード(合同関税品目)分類上では、容器の容量が2リットル以下と2リットル超に分けて記載されており、関税率が異なることに注意が必要です。
    ※CN(Combined Nomenclature)コードはEUで使用される合同関税品目で、「HSコード6桁」に2桁を加え、「8桁」で運用されています。
    【日本酒・焼酎が該当する関税コードと関税率】
    22060039
    ワイン等を除くその他の醸造酒、醸造酒の混合物及び醸造酒と非アルコール飲料の混合物で発泡性のもの
    19.2ユーロ/100リットル
    22060059
    ワイン等を除くその他の醸造酒、醸造酒の混合物および醸造酒と非アルコール飲料の混合物で非発泡性、容量2リットル以下のもの
    7.7ユーロ/100リットル
    22060089
    ワイン等を除くその他の醸造酒、醸造酒の混合物および醸造酒と非アルコール飲料の混合物で非発泡性、容量が2リットルを上回るもの
    5.76ユーロ/100リットル
    22089056
    その他の蒸留酒で容量が2リットル以下のもの
    無税
    22089077
    その他の蒸留酒で容量が2リットルを上回るもの
    無税
  2. 酒税(物品税)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    1. アルコール度数1.2%超、15%以下の日本酒(アルコール非添加)
      3.77ユーロ/100リットル
    2. アルコール度数15%超、22%以下の日本酒(アルコール非添加)
      188.41ユーロ/100リットル
    3. アルコール度数1.2%超、22%以下の日本酒(アルコール添加)
      188.41ユーロ/100リットル
    4. 蒸留酒(焼酎)およびこれらを使ったリキュール
      1,737.56ユーロ/純アルコール100リットル
  3. 付加価値税(VAT)
    20%
  4. アルコール飲料(社会保障分担金)税(アルコール度数18%超)
    1. 蒸留酒
      557.90ユーロ/純アルコール100リットル
    2. その他
      47.11ユーロ/100リットル
  5. 特別(プレミックス)税(アルコールとアルコール以外の飲料のミックスで、アルコール度数が1.2%を越え12%未満の飲料)
    11ユーロ/純アルコール デシリットル

関税・酒税の分類は複雑なため、一般的な日本酒と異なるタイプ(例:炭酸や糖分を添加したもの)の関税・酒税は、必要に応じて管轄当局に問い合わせる方が確実です。

なお、日本における酒類の輸出免税手続き等については国税庁のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

関係機関

FranceAgriMer(農産物・水産物を所管する国家機関)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
経済・財務省(関税・間接税総局)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(フランス語)

関係法令

Legifrance:
輸入一般法典外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(フランス語)
公衆衛生法典外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(フランス語)
社会保障法典外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(フランス語)

Eur-lex:
EUの包装容量規制(EU指令Directive/2007/45/EC)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(68KB)(英語)
EUのラベル表示規則(EU指令Directive/1169/2011)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.16MB)(英語)

欧州委員会:
EUのアレルギー表示ガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(736KB)(英語)

参考情報・資料

EU:
表示規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

国税庁:
輸出支援の取組み(酒類の輸出免税等の手続について)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロ:
世界各国の関税率
フランスへの日本酒の輸出ガイドブック(2016年8月)
EUにおける食品ラベル表示に関する規制(2014年3月)
食品添加物規制調査EU(2016年2月)
EUにおける食品香料・食品酵素に対する規制動向(2017年3月)(ジェトロ)
EU食品輸出ガイドブック(2018年2月)(ジェトロ)

調査時点:2016年8月
最終更新:2018年5月

記事番号: A-031019

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