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健康食品の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出

質問

中国向けに健康食品を輸出する際の現地規則および留意点を教えてください。

回答

I. 中国における輸入規制

健康⾷品(中国語では「保健⾷品」、以下、保健⾷品)とは、保健⾷品登録と届出管理弁法(国家⾷品薬品監督管理局令第22号、2016年2⽉26⽇公布、2016年7⽉1⽇施⾏)第2条により認定を受け特定保健効能をうたった製品またはビタミン、ミネラルの補充を⽬的とする製品を指します。
保健食品の輸入には現在、統一の規定がありません。

2009年施⾏の「⾷品安全法」および「⾷品安全法実施条例」は⾷品の⽣産・販売について厳格な規定を定めました。また国務院は、保健⾷品に関する具体的管理⽅法を定めるよう明確に規定し、国家⾷品薬品監督管理総局(以下、CFDA)を保健⾷品の監督管理の主管機関としました。2018年3月、中国国務院機構改革方案が第十三回全国人民代表大会(全人代)の審議を通過したことにより、国家⾷品薬品監督管理総局は取り消され、旧CFDAの機能は、国家市場監督管理総局に移管されました。各地の保険食品を監督管理機能は、各地の国家薬品監督管理局を保有します。

国務院の「保健⾷品監督管理条例」は2009年に発表され、意⾒聴取⼿続きに⼊りましたが、まだ正式に施⾏されていません。そのため、現在、保健⾷品および同品の輸⼊監督管理は、「改正⾷品安全法」および「改正⾷品安全法実施条例」に加え、「保健⾷品管理弁法」、「保健⾷品登録と届出管理弁法」など、複数の規定により監督管理されています。

II. 関税分類番号(HSコード)

関税分類上、「保健食品」という分類はありません。
事前に税関に使⽤材料、構成⽐率、製法などの情報を提⽰し、HSコードを確認することをお勧めします。参考として、⽇本の税関に確認することもできます。関税は貨物のCIF価額に課されます。さらに、CIF価額と関税額の合計に16%の増値税が課され、関税と合わせて徴収されます。

III. 輸入手続き

初回輸⼊にあたっては、あらかじめ薬品監督管理部門に申請し、「保健⾷品登録証書」を取得する必要があります(「保健⾷品登録と届出管理弁法」)。申請および証書取得の条件は以下のとおりです。

  1. 輸⼊する保健⾷品の届出者が中国国外で既に販売されている保健食品の⽣産者であること
  2. 申請する保健⾷品の効能、原料および補助材料がCFDAの「保健⾷品の検査と評価技術規範」等で公布された保健効能の範囲内で、関連法規の要求を満たしていること
  3. 申請者が国外企業である場合、中国国内に駐在する代表機構、または委託する中国国内の代理機構が⼿続きを⾏うこと

申請⼿続きは薬品監督管理部門の定める資料を提出し、同時にサンプルを指定の検査機構に提出して検査を受け、検査報告書を受領後、現場検証、サンプル検査、専⾨家による技術評定を受け、合格すれば「保健⾷品登録証書」を取得できます。有効期間は5年です。有効期間満了3カ⽉前から延⻑を申請できます。

保健食品の登録は、下記通りの書類を用意しなければなりません(「保健食品登録手続き指南(試行)」)。

  1. 健康食品登録申請書及び申請者が申请書類の真実性に対して法律責任を持つと声明する書類
  2. 申請者主体の登録証明(「営業執照」)のコピー
  3. 製品の研究開発報告
  4. 製品の原料表
  5. 製品の生産工芸書類
  6. 安全性と保健機能を評価する書類
  7. 包装材料の書類、名称
  8. 製品ラベル、説明書のサンプル
  9. 3つの最小販売ユニットのサンプル
  10. 製品生産国(地区)政府、所轄期間または法律サービス仲介業者が発行する、保健食品国外生産メーカーの資格を証明できる書類
  11. 製品生産国(地区)政府、所轄期間または法律サービス仲介業者が発行する、当該保険食品が既に1年間以上販売している書類、あるいは国外販売、食用にかかる安全性報告書
  12. 製品生産国(地区)または国際組織が発行する保険食品に関する技術的法規及び関連標準
  13. 製品生産国(地区)で市販される包装、ラベルと説明書の実物サンプル
  14. その他の関連書類

保健効能をうたった場合は、必ず保健⾷品登録⼿続きをしなければなりません。保健効能をうたっていない場合は⼀般⾷品として輸⼊できます。ただし、製品にビタミン補充またはミネラル補充を表記し、あるいは広告でこれらの効能をうたう場合は、保健⾷品としての輸⼊⼿続きが必要です。

保健⾷品と⼀般⾷品は、主に以下の点で区別されます。

  1. 保健食品は特定の保健効能を強調する。一般食品は栄養成分を強調する
  2. 保健食品には一定の摂取量を規定する。一般食品には通常食用量に関する要求がない
  3. 保健食品はその保健効能の特定体質への適合性の有無による区分がある。一般食品は原則区分しない

なお、中国に保健食品を輸出する企業またはその代理業者、輸入保健食品の荷受人は、品質監督検査検疫局に輸出の届出手続きをしなければなりません。

IV. 輸入通関前の検疫および税関への輸入申告

輸⼊申告前に、輸⼊者は輸⼊する港湾等を管轄する輸出⼊検査検疫局に衛⽣検疫を申請し、貨物の国家標準(規格)への適合の検査を受けます。保健⾷品に関する国家標準には、「保健(功能)⾷品通⽤標準」(GB16740-1997)があります。また、業界標準には「輸出⼊保健(功能)⾷品検査規程」(SN/T1568-2005)があります。

輸⼊申告には薬品監督管理部門の発行した「保健⾷品登録証書」を提出する必要があります。その他、「輸⼊貨物検査票」、輸⼊契約書、パッキングリスト、貨物引換証、インボイス、原産地証明書および保健⾷品のラベル、説明書等の書類を提出し、「輸⼊貨物通関票」を取得します。「輸⼊貨物通関票」取得後、通常の通関書類とともに税関に提出し申告します。

V. ラベルと包装容器・表示についての留意点

  1. ラベルは輸入者の指示により日本側で生産者が作成する方法と、輸入者が作成して輸入港の指定倉庫で貼付する方法があります。ラベルは「保健(功能)食品通用標準」(GB16740-1997)に基づき作成します。
  2. 製品の容器包装は保健食品の商品名、原材料表、効能成分および栄養成分表、製造年月日、賞味期限、原産地、保存方法、内容量、食用方法、輸入業者名称、所在地および連絡方法等を明記する必要があります。
  3. 中国が輸入する包装済み食品には、中国語ラベル、中国語説明書をつける必要があり(食品安全法第66条)、輸入通関時に審査されます。輸出者は「中国国家標準(GB規格)」に基づきラベル等を作成します。事前に中国国内で販売されている類似品を参考に中国の法規に精通した輸入業者に表示の見本や原版作成を依頼し、それに基づき食品ラベルを作成することをお勧めします。

    なお、包装済み食品の栄養表示は、「食品栄養表示管理規範」、「包装済み食品栄養ラベル通則」(GB28050-2011)で規制されています。

    1. ラベルは日本で輸出時に貼付する必要はありません。輸入通関後に保税倉庫で貼付することもできます。
    2. 市販用に限らず、業務用原料品にも中国語表示が要求されます。
    3. 日本語ラベルの上に中国語ラベルを貼付することは認められます。
    4. 現在、中国語説明書は厳しく要求されていませんが、「包装済食品ラベル通則」(GB7718-2011)の施行に伴い、今後、厳格化される可能性があります。
    5. 内容量は内容物のみのネット重量を表示します。日本で行われているように個包装紙込みの内容量は認められません。

VI. 留意点

保健食品輸入に関する法規の変更に伴い、輸入手続きも変更される可能性があります。輸出にあたっては、事前に現地の状況を確認するとともに、法規の更改に注意してください。

VII. 改正食品安全法

2015年4月24日に実施された第12期全国人民代表大会常務委員会第14回会議において、食品安全法の改正案が可決、公布され、2015年10月1日に施行されることとなりました。 これは、2009年の食品安全法施行以降、初めての改正です。
中国で食品の生産・取り扱いに従事、または中国へ食品を輸出する日系企業は、自社の食品生産・取り扱い、ないしは輸出体制が同改正法に適合するかを確認し、対応する必要があります。

中国へ食品を輸出する企業に影響を与え得る改正点の概要は以下のとおりです。

  1. 食品の生産・取扱者が確立すべきシステム・制度の強化(同法第42条、第44条、第47条)
    食品の生産・取扱者については、従前より、a.食品の安全管理制度および、b.従業員の健康管理制度の確立が求められていたところですが、さらに、c.トレーサビリティシステムおよび、d.自主検査制度の確立を義務づけました。
  2. 食品の生産者に求められる管理の追加(同法第46条)

    食品の生産者は生産する食品が食品安全基準に合致することを保証するため、以下の項目を管理する上での要求を制定、実施する必要があることを新たに規定しました。

    1. 原材料購入、原材料検収、原材料投入等における「原材料」
    2. 生産工程、設備、貯蔵、包装等の「重要な生産段階」
    3. 原材料検査、半製品検査、完成品の出荷検査等の「検査」
    4. 「輸送および納品」
  3. 食品リコール制度の改正(本法第63条)

    食品リコール制度に関して、従前の内容に加えて、以下の2点を新たに規定しました。

    1. 食品生産者は、ラベル、表示または説明書が食品安全基準に合致しないことに起因してリコールした食品について、改善措置を講じかつ食品の安全性を保証できることを前提に販売を継続できること(ただし、販売にあたっては講じた改善措置を消費者に明示する)
    2. 食品生産者は、リコールした食品について無害化処理、廃棄を行う必要がある場合、その時間、場所を事前に所在地の県の級人民政府食品薬品監督管理部門に報告しなければならないこと

    特殊食品に関する厳格な管理の追加(同法第74条~第83条)
    保健食品、特殊医学用途調製食品、および乳幼児用調整食品等を特殊食品とカテゴライズした上で、特殊食品に対して厳格な管理監督を実行する旨、および各食品に対する具体的な規制内容を規定しました。

    例としては、以下が挙げられます。

    1. 保健食品が保健機能を標榜する場合、科学的根拠を具備しなければならないこと
    2. 輸入した保健食品は輸出国(地域)の主管部門が市場での販売商品として許可したものでなければならないこと
    3. 保健食品のラベル、説明書、広告において当該製品を医薬品の代わりにすることはできないことを明示しなければならないこと
    4. 保健食品の広告の内容について所在地の人民政府食品薬品監督管理部門の審査、承認を得なければならないこと
  4. 食品の輸出入に関する改正について(同法第91条~第101条)

    輸入食品等が食品安全国家基準等に合致することを確保するための条項を規定します。

    例としては、以下が挙げられます。

    1. 国外の輸出者、生産者が中国に向けて食品、食品添加物、食品関連製品を輸出する場合、同法、中国のその他の関連法律、行政法規の規定および食品安全国家基準の要求に合致することを保証しなければならず、かつラベル、説明書の内容について責任を負わなければならない。
    2. 輸入者は、国外の輸出者、生産者に対する審査制度を構築し、(1)に定める内容を重点的に審査しなければならない。
    3. 輸入者は、輸入食品が中国の食品安全国家基準に合致しないまたは人体の健康に害を及ぼす可能性があることを証明する証拠があることを発見した場合、即時に輸入を停止し、同法第63条の規定に基づくリコールを行わなければならない。
  5. 法的責任について(同法第122条~第149条)
    法的責任については全面的に加重されており、既存条文において罰則が引き上げられるほか、新たに多くの条文が追加され、条文数が15条から28条に増加しました。
  6. 2015年度の改正は、⾷品安全基準の強化、⾷品検査の強化、トレーサビリティ制度の導⼊、⾷品事故が⽣じた場合の対応強化、違反時における罰則引上げ等多岐にわたる⼤幅な改正である。また、その中に⾷品の輸出⼊の管理強化が含まれており、輸出者や輸出する⾷品の⽣産者等にとって、以下の新たな対応が求められます。
    1. 輸出者(あるいは輸出代理者)および中国側の輸入者による「届出」の義務化
      中国に輸出されるすべての食品について、輸出者(あるいは輸出代理者)および中国側の輸入者は、事前に中国国家質量監督検験検疫総局へ「届出」する必要があります。
    2. 指定食品の製造加工施設の事前「登録」の義務化
      一部の指定された食品(平成27年7月14日時点では食肉、水産物および乳製品)については、その製造加工施設が中国国家認証認可監督管理委員会にあらかじめ「登録」されていることが必要です。
      現状では、日本からの食肉の輸出は認められていません。
      水産品および乳製品の製造加工施設の登録は、従来の登録と同様に、厚生労働省が対応しています。

関係機関

中国国家質量監督検験検疫総局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国衛生・計画生育委員会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国国家食品薬品監督管理局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国税関総署外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関連法令

中国中央人民政府:
⾷品安全法(中国主席令第21号 2015年4⽉24⽇、2015年10⽉1施⾏、2018年中国主席令22号により一部改正)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
⾷品などの安全製品の監督管理についての特別規定(中国国務院令第503号、2007年7⽉26⽇公布、施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ:
中国改正⾷品安全法の概要(2015年8⽉)⾷品安全法実施条例(仮訳)
包装済⾷品栄養ラベル通則(発布⽇2011年10⽉12⽇、施⾏⽇2013年1⽉1⽇)
国家市場監督管理総局:
保健⾷品管理弁法(中国衛⽣部令第46号、1996年3⽉15⽇公布、1996年6⽉1号施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
保健⾷品登録と届出管理弁法(国家⾷品薬品監督管理局令第22号、2016年2⽉26⽇公布、2016年7⽉1⽇施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
保健⾷品検査と評価技術規範(2003年版)に関する保健⾷品の受理および審査認可に関連する件の通告(国⾷薬監注「2004」第13号、2004年01⽉17⽇公布、2003年5⽉1⽇施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「輸入食品輸出入者届出管理規定」及び「食品輸入記録と販売記録管理規定」の公布に関する公告(国家品質監督検査検疫総局公告2012年第55号、2012年10月1日施行)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品メイト網:
輸出⼊⾷品、化粧品のラベル審査制度の調整に関する公告(国家品質監督検査検疫総局公告2006年第44号、2006年3⽉26⽇公布、施⾏) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
⾷品安全国家標準保健⾷品GB16740-2014(2015年5⽉24⽇施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸出⼊保健(功能)⾷品検査規程SN/T1568-2005(2005年12⽉1⽇施⾏) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
国家質量監督検験検疫総局:
⾷品リコール管理規定(国家品質監督検査検疫総局令第98号、2007年8⽉27⽇公布、施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「⾷品表⽰管理規定」の改正に関する決定(国家品質監督検査検疫総局令第123号、2009年10⽉22⽇公布、施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸⼊⾷品、⾷品添加剤検査の適⽤標準問題に関する公告(国家品質監督検査検疫総局、衛⽣部公告2009年第72号、2009年7⽉22⽇公布・施⾏)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国日本商会:
中華人民共和国食品安全法(改正版)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考資料・情報

国家市場監督管理総局︓
保健食品輸入販売許可申請書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
中国食品安全網外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ:
世界各国の関税率「World Tariff
農林水産省:
原発事故に伴う各国・地域の輸入規制外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
東日本大震災の国際ビジネスへの影響外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2015年9月
最終更新:2019年6月

記事番号: A-031006

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