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アルコール飲料の現地輸入規則および留意点:英国向け輸出

質問

英国向けにアルコール飲料を輸出する際の現地輸入規制と留意点について教えてください。

回答

I.輸入許可・販売ライセンス

  1. 輸入許可
    アルコール飲料を英国へ輸出する場合、輸入業者は2016年1月から、英国歳入関税庁が導入する「アルコール飲料卸売業者登録制度(AWRS)」へのオンライン登録が必要になります。輸入事業開始の45日前までに登録を行う必要があります。
  2. 小売販売業ライセンス
    英国内で酒類を販売するには、ライセンスの取得が必要です。ライセンスには、施設ライセンスと個人ライセンスの2種類があります。店舗などでアルコールを販売・提供する場合には、施設ライセンスの取得に加えて、個人ライセンスを有する者を施設管理者とする必要があります。なお、一般の従業員は、個人ライセンスを取得する必要はありません。ライセンスの取得申請は、通常地方自治体に対して行います(オンライン申請も可能)。詳細は、文末の参考資料・情報「英国内務省(Home Office): アルコール飲料販売ライセンスのガイダンス」をご参照ください。 また、アルコール小売業者も輸入業者と同様に、前述のAWRSへの登録が必要です。

II.ラベル表示

食品情報規則2014年(The Food Information Regulations 2014)にて、包装食品全般の表示義務が規定されています。

  1. 概要
    1. 品名
      ワイン、ビール、酒などの名称。商標やブランド名は表記できますが、名称として使用することはできません。清酒のラベル表記の例は「Rice Wine」、焼酎のラベル表記の例は「Shouchu」あるいは「Shouchu(Spirits)」です。
    2. アレルギー成分
      蒸留酒に使用される小麦・大麦などはアレルゲン表示義務の対象外ですが、亜硫酸塩が10mg/ℓ以上含まれる場合、アレルゲン表示が必要になります。
    3. 正味容量
      アルコール飲料の場合、体積単位で、「ミリリットル」、「センチリットル」、「リットル」のいずれかで表示します。
    4. 賞味期限
      アルコール飲料の場合は、ロット番号を代わりに記載することで省略が可能です。
    5. 保存・使用条件
      特別な方法が必要な場合は、明記しなければなりません。
    6. 製造者・ボトリング業者・輸入業者のいずれかの名称または会社名と住所
    7. 原産国
    8. アルコール度数
      アルコール度数が1.2%を超える場合は、アルコール度数を小数点一桁まで明記する必要があります(○~○度は不可)。また、アルコール度数の後には「%vol.」と表記しなければなりません。アルコール含有を意味する「alcohol」、または「alc」をアルコール度数の前に表記することもできます。
  2. 注意事項
    ラベル表示に際しては、包装面の最大面積が80平方センチメートル以上の場合、アルファベットの小文字の高さが1.2mm以上となるフォントサイズで表示しなければなりません(25~80平方センチメートル以下の場合0.9mm以上)。
    また、日本では義務付けられていないアルコール飲料に対するアレルギー表示が、英国では表示が義務付けられていることに留意が必要です。
    EUでは2016年12月から栄養表示が義務化されますが、アルコール飲料は義務付けの対象外となっています。また、カロリーのみを任意で表示することも可能です(ただしカロリーを任意表示する場合、kJとkcalの両方を記載しなければなりません)。

III. 容量規制

ワインおよび蒸留酒については、欧州議会・理事会指令2007/45/ECに基づき、容量が規制されており、定められた容量サイズで販売する必要があります。
蒸留酒の容量基準は、100ml、200ml、350ml、500ml、700ml、1,000ml、1,500ml、1,750ml、2,000mlの9種類です(2,000mlより大きいサイズについては規定なし)。ただし、EU諸国での容量規制の実態として、容量規制の対象となる蒸留酒で720mlなどの規定外容器での販売を見かけることもあり、規則が厳密に守られていないケースもあると推察されます。

IV.諸税

  1. 関税
    英国の関税はEU共通関税に準拠します。CNコード(合同関税品目)分類上では、容器の容量が2リットル以下と2リットル超とで分けられており、関税率が異なることに注意が必要です。
    【日本酒・焼酎が該当する関税コードと関税率】
    2206003900
    ワインなどを除くその他の醸造酒、醸造酒の混合物及び醸造酒と非アルコール飲料の混合物で発泡性のもの
    19.2ユーロ/100リットル
    2206005900
    ワインなどを除くその他の醸造酒、醸造酒の混合物及び醸造酒と非アルコール飲料の混合物で非発泡性、容量2リットル以下のもの
    7.7ユーロ/100リットル
    2206008900
    ワインなどを除くその他の醸造酒、醸造酒の混合物及び醸造酒と非アルコール飲料の混合物で非発泡性、容量が2リットルを上回るもの
    5.76ユーロ/100リットル
    2208905600
    その他の蒸留酒で容量が2リットル以下のもの
    無税
    2208907700
    その他の蒸留酒で容量が2リットル以上のもの
    無税
  2. 酒税(物品税)
    酒税について、日本酒はワインと同じ税率が課されます。税率は以下の通りです。
    アルコール度数が1.2%超、4%以下のもの 88.93ポンド/100リットル
    アルコール度数が4%超、5.5%以下のもの 122.30ポンド/100リットル
    アルコール度数が5.5%超、15%以下の非発泡性のもの 288.65ポンド/100リットル
    アルコール度数が5.5%超8.5%未満の発泡性のもの 279.46ポンド/100リットル
    アルコール度数が8.5%~15%の発泡性のもの 369.72ポンド/100リットル
    アルコール度数が15%超22%以下のもの 384.82ポンド/100リットル
    アルコール度数が22%超のもの 28.74ポンド/純アルコール1リットル
    蒸留酒(焼酎)およびこれらを使ったリキュール 28.66ポンド/純アルコール1リットル
  3. 付加価値税(VAT)
    20%

V. その他

日本での酒税類の輸出免税手続きについては、文末の参考資料・情報「国税庁:輸出免税手続き」をご覧ください。

関係機関

食品規準庁(Food Standards Agency: FSA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
環境・食料・農村地域省(Department for Environment, Food and Rural Affairs)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農村歳出庁(Rural Payments Agency)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
保健省(Department of Health)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

EUの容器容量規制 Directive/2007/45/ECPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(68KB)(英語)
The Food Information Regulations 2014外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

参考情報・資料

内務省:
アルコール飲料販売ライセンスのガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

環境・食料・農村地域省:
食品ラベル表示に関するガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

食品規準庁:
アレルゲン表示のガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

歳入関税庁(HMRC):
アルコール飲料卸売業者登録制度(AWRS)への登録について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
関税検索ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)
酒税(物品税) の税率外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)

ジェトロ:
EUにおける食品ラベル表示に関する規制(2014年3月)PDFファイル(922KB)
英国日本食品消費動向調査(2015年3月)PDFファイル(2.82MB)
流通構造調査(英国)(2015年3月)PDFファイル(312KB)

国税庁:
輸出免税手続き外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2015年11月
最終更新:2018年5月

記事番号: A-030302

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