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アルコール飲料の現地輸入規則および留意点:フィリピン向け輸出

フィリピン向けにアルコール飲料を輸出する際の現地輸入規制と留意点について教えてください。

アルコール飲料の輸入・流通・販売業者や再包装業者は、営業許可(License to Operate: LTO)と製品登録証明(Certificate of Product Registration: CPR)もしくは適正製造基準(Good Manufacturing Practice: GMP)を取得する必要があります。アルコール飲料の輸入販売にかかる免許(ライセンス)はありません。

I. 営業許可(LTO)の取得

アルコール飲料の輸入・流通・販売業者もしくは再包装業者は、まず食品薬品管理局(Food and Drug Administration: FDA)から営業許可(LTO)を取得しなければなりません(フィリピン共和国法第3720号、Republic Act No.3720)。 輸入者の業態(輸入業、卸業、その他一般企業、個人)により必要とされる登録、許認可の種類は異なります。LTOの有効期間は1年で、以後2年ごとの更新が必要です。 輸入業者がLTOを申請する場合の必要書類は以下のとおりです。

  1. 申請書(証明写真も必要)
  2. 貿易産業省(DTI)から発行される企業登録証(Certificate of Business Name Registration)または証券取引委員会(SEC)から発行される法人登記証
  3. 事業管轄市長等からの事業許可書面
  4. 海外業者との代理店契約書(輸出国にあるフィリピン領事館の認証が必要)(独占契約の場合)
  5. プロフォーマ・インボイス(非独占契約の場合)
  6. 輸出国当局による製造業者の登録証明または輸出国の政府機関が認めた認証機関による適性製造基準(Good Manufacturing Practice: GMP)の規定を順守していることの証明(輸出国にあるフィリピン領事館の認証が必要)
  7. 輸入品のリスト
  8. 事業所や倉庫の賃貸契約書およびフロアプラン
  9. 原産国の管轄規制省庁が発行する自由販売証明 (輸出国にあるフィリピン領事館の認証が必要)

LTOおよび製品登録証明(CPR: 下記参照)の申請に際し、原産国の管轄規制省庁が発行する自由販売証明書(Certificate of Free Sale: CFS)の原本を提出することが義務付けられています<フィリピン厚生省食品薬事管理局(Department of Health, Food and Drug Administration: FDA)による通達第2007-006号(Bureau Circular No. 2007-006)「フィリピンでの流通向けの加工食品輸入に関する追加要件」>。

2013年6月20日より、日本の各地方厚生局にて自由販売証明書が発行されることになりました。詳しくは、文末の厚生労働省ウェブサイトをご参照ください。

II. 製品登録証明(CPR)

LTOを取得後、FDAに商品登録をしなければなりません。商品登録に必要な書類は以下のとおりです。商品登録が完了すると、製品登録証明(CPR)が交付されます。有効期間は1年間で、以降は5年ごとの更新が必要です。

  1. 輸入者の申請書
  2. 営業許可証(LTO)
  3. 商品情報
  4. 原料成分表(多いものから順に)
  5. 製品規格
  6. 商品サンプル(検査用)
  7. 商品ラベル、ラベルの材料
  8. 賞味期限
  9. 製造方法の概略
  10. 分析証明書(分析方法も)
  11. 登録費用、検査費用の納付
  12. 輸出国当局が発行した自由販売証明書

なお、FDAによる分析検査は必須条件です。

III. ラベル表示

食品のラベル表示については、共和国法第3720号(Republic Act No.3720 : Food, Drug and Cosmetics Act)、FDA行政命令第88-B(Administration Order 88-B)、およびその改訂版にあたるFDA行政命令第2014-0030(Administration Order No.2014-0030)などによって規定されています。これらの規則で表示が義務付けられている情報は以下のとおりです。

  1. 商品名
  2. ブランド名、トレードマーク(ある場合のみ)
  3. 原料成分(含有量の多い順)容量(メートル法でネット表示)
  4. 製造業者、包装業者、輸入業者いずれかの会社名、住所
  5. ロット識別番号
  6. 保存方法
  7. 消費期限
  8. アレルギー表示(該当する場合)
  9. 栄養成分表示
  10. アルコール度数
  11. 原産国

表示言語は、英語またはフィリピン語の表記が義務付けられています。

IV. 諸税

  1. 関税
    1. 清酒(HS 2206.00.20):5%(MFN税率)
      日本フィリピン経済連携協定(JPEPA)、日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)により、清酒の輸入関税は無税です。
    2. 焼酎、ワイン
      JPEPA、AJCEPにより、輸入関税率は段階的に引き下げられます。
      1. 焼酎(HS 2208.90.90): 15%(MFN税率)
        JPEPAあるいはAJCEPのEPA特恵税率が適用されれば、2016年:2%、2017年:1%、2018年からは無税になります。
      2. ワイン(容量2リットル以下、アルコール度数15%以下の場合 2204.21.11):7%
        JPEPAあるいはAJCEP税のEPA特恵税率が適用されれば、無税になります。

    最新の関税率については、輸出予定のアルコール飲料のHSコードを確認の上、参考資料・情報の「世界各国の関税率」を参照してください。
    EPA税率の適用を受けるには日本の特定原産地証明書の取得が必要となります(日本商工会議所が発給)。同証明書がない場合は、MFN(最恵国待遇)税率が適用されます。

  2. 物品税(Excise Tax)
    一部のアルコール飲料は物品税の対象となっています。税率は文末の内国歳入庁(Bureau of Internal Revenue: BIR)を参照してください。
  3. 付加価値税
    (CIF価格+関税+物品税)合計額の12%

V. 日本の原発事故に伴う規制

2011年3月11日に発生した原子力発電所事故により、フィリピンへ輸出される食品について輸入制限を受けることがあります。現時点ではアルコール飲料は輸入規制の対象外ですが、輸出される前には念のため、文末の参考資料・情報にある「農林水産省:原発事故に伴う各国・地域の輸入規制」をご参照ください。

関係機関

フィリピン厚生省(Department of Health)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品医薬品管理局(Food and Drug Administration)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フィリピン税関(Bureau of Customs, Department of Finance)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
内国歳入庁(Bureau of Internal Revenue)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係法令

食品医薬品管理局(Food and Drug Administration):
ラベル表示規則(Administrative Order: AO 88-B s 1984) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ラベル表示規則改訂版(Administration Order: No.2014-0030)of Prepackaged Food Product外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸入食品の登録手続きに関する通達(Bureau Order: BO 163 s 1997)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フィリピンでの流通向けの加工食品輸入に関する追加要件食品薬品局通達第2007-006号(BC 2007-006)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フィリピンでの流通向けの加工食品輸入に関する追加要件食品薬品局通達第2007-006-A号(Bureau Circular: BC 2007-006-A)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

参考情報・資料

内国歳入庁:
アルコールの物品税(Excise Tax Rates)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

農林水産省:
原発事故に伴う各国・地域の輸入規制外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

厚生労働省:
自由販売証明書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジェトロ:
世界各国の関税率
フィリピンにおける日本食品の市場動向調査(2012年3月)PDFファイル(806KB)
フィリピンにおける加工食品の輸入制度について(2014年3月)PDFファイル(806KB)

日本商工会議所:
EPAにもとづく特定原産地証明書発給事業外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2016/12

記事番号: A-030117

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