KCマーク制度の概要:韓国
質問
韓国のKCマークについて教えてください。
回答
KCマーク(Korea Certification Mark)は、韓国の国家統合認証マークです。国家標準基本法に「認証等を受けた製品にマークを表示するように法令に規定する場合、所管中央行政機関の長は国家統合認証マークを導入しなければならない」とあり(第22条の4 国家統合認証マークの導入)、KCマークを国家統合認証マークとすると定められています(同法施行令別表6)。対象製品は必ず安全性を確認し、KCマークを表示しなければなりません。
I. 概要
かつて韓国では製品の監督行政機関(知識経済部、雇用労働部、環境部、放送通信委員会、消防防災庁等)ごとに認証制度が存在し、消費者向け製品等の法定義務認証マークだけでも13種類ありましたが、国家標準基本法の改正(2009年4月)に伴い、13種類の強制認証マークのすべてが、2011年以降、KCマークに統一されました。
現在は電気用品安全認証のほか、工産品安全認証、工産品自律安全確認、子供を保護するための容器、エレベータ部品認証、高圧ガス容器点検、計器検定、エネルギー消費効率等級、放送通信機器、浄水器品質検査、消防用品などの認証にKCマークが導入・施行されています。 従って、これらの製品を韓国に輸出する場合、安全認証等を受け(または安全確認を行い)、KCマークを貼付する必要があります。KCマークは輸出前に取得することが推奨されています。また、工場審査の必要な危険度の高い機械製品等は通関時にマーク貼付がチェックされます。KCマークを日本で取得すべきか、韓国で取得すべきかは製品によって異なるため、詳しくは認証取得代行機関等の各専門機関にお問い合わせください。
なお、2018年7月より同法の再改定に伴い、危険度の低い生活用品については新たに「安全基準遵守対象生活用品」に分類され、製品試験及びKCマークの対象から除外されました。該当製品としては家庭用繊維製品、皮製品等が含まれます。また、並行輸入業者や個人向け購買代行業者に対して、定められた条件の下、輸入時にKCマークの取得が免除されることになりました。詳細は添付資料を参照いただくか専門機関にお問い合わせください。
II. 認証機関
認証は技術標準院(Korean Agency for Technology and Standards: KATS)が指定する認証機関が行います。電磁波を発する電気用品や放送通信機器の電磁波適合性(EMC)は、国立電波研究所(RRA)が管轄です。
- 電気製品の主な認証機関
韓国産業技術試験院(Korea Testing Laboratory: KTL)
韓国機械電気電子試験研究院(Korea Testing Certification: KTC)等 - 生活用品等の主な認証機関
韓国建設生活環境試験研究院(Korea Conformity Laboratories: KCL)
FITI試験研究院(Testing & Research Institute: FITI)等
III. 認証申請手続き
KCマークの認証申請手続きは、上述の認証機関に直接申請する方法と、これらの認証機関と業務提携し権限を与えられている日本の認証取得代行機関を通じて申請する方法とがあります。日本から申請するには、後者の方法が便利です。一般的には、日本の代行機関で申込受付後、サンプルの各種試験および必要に応じて工場検査を実施し、結果レポートが韓国の認証機関に送付され、審査後に安全認証書(または申告確認書)が発行されます。
関係機関
KATSが指定する安全認証機関(例)
- 韓国産業技術試験院(Korea Testing Laboratory: KTL)
- 韓国機械電気電子試験研究院(Korea Testing Certification: KTC)
- 韓国建設生活環境試験研究院(Korea Conformity Laboratories: KCL)
- FITI試験研究院(Testing & Research Institute: FITI)
- 韓国化学融合試験研究院(Korea Testing &Research Institute:KTR)
日本における製品安全試験・認証取得代行機関(例)
- (株)UL Japan
- (株)e・オータマ
- (株)コスモス・コーポレイション
- テュフラインランドジャパン(株)
- 一般財団法人ボーケン品質評価機構(BOKEN)
- キューセス
- 一般財団法人日本電気安全環境研究所(JET)
- 一般財団法人日本品質保証機構(JQA)
- 一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)
参考資料・情報
調査時点:2016年12月
最終更新:2024年3月
記事番号: A-011119
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