鮮魚の輸入手続き:日本

海外から鮮魚を輸入し、日本国内で販売したいと思っています。この場合の輸入手続きについて、教えてください。

I. 海外から鮮魚を輸入して国内で販売する場合、輸入通関時に、輸入価格が決まっていない場合と、決まっている場合が考えられます。
ご質問の輸入・販売形態が、競り値を基準として輸入価格、関税額、消費税額を算出するものと仮定すると、関税法第73条の規定にある「外国貨物の輸入許可前引取り」に相当します。また課税価格については関税定率法第4条の3の「国内販売価格または製造原価に基づく課税価格の決定」に従うことになります。よって以下の手続きが実際のビジネスを開始する前に必要となります。

  1. 輸入申告を行おうとする空港(港湾)を管轄する税関に対し、「輸入貨物の評価(個別・包括)申告書」を提出し、評価申告の内容について承認を得ておくこと。
    輸入価格が国内での競り値を基準とすることや、対外決済に先立ち控除される販売に当たって生じた費用、輸入者の口銭額(率)などを輸出者と輸入者の間で事前に取り決めておく必要があります。可能ならば提出時に契約書を持参すれば間違いがないでしょう。
  2. 関税法第73条、関税法施行令第8条に従い、関税額に相当する担保を税関に提供すること。
    輸入許可の前、つまり関税の納付前に貨物を保税地域より搬出することになるので、予想される関税額を担保によってカバーする必要があります。この担保は金銭や国債、株式、不動産、税関長が確実と認める保証人の保証などでできます。


競りが終わり、競り値が確定したら、上記「輸入貨物の評価(個別・包括)申告書」の内容に沿って輸入価格、関税額、消費税額を算出します。輸入申告にあたっては、競り値、そのほか競り値から控除される費用についての証憑が必要なので注意してください。
輸入申告が許可されて一連の「外国貨物の輸入許可前引取り」が終了します。


II. また、輸入通関時に輸入価格が決まっている場合、税関への輸入申告時にインボイス、パッキングリストを提出することになります。


また、食品の輸入ですので、関税法第70条、食品衛生法第16条に従い、輸入のつど「食品等輸入届出書」に必要事項を記入して、輸入申告を行おうとする空港(港湾)を管轄する厚生労働省の検疫所輸入食品監視担当窓口に提出する必要があります。届出書の記載内容は品名、製造者名、原材料・添加物名などです。審査の後に問題ないものは食品等輸入届出済書が返却され、上記a.、b.が済んでいれば、それを輸入申告時に税関に提出することで貨物を引き取ることができます。


平成23年8月現在、最近の海外産地の水質汚染、人為的薬剤、添加物の使用を受けて、貨物の日本到着後の細菌、添加剤に関する命令検査、モニタリング検査が実施されています。これらの検査は、対象となる魚種、産地、加工程度、加工業者によって実施の有無が決められていますので、輸入する魚種を決める前に必ず検疫所に問い合わせて検査の実施状況を確認してください。


各手続きについては、鮮魚扱い経験の豊富な通関業者に良く相談することをおすすめします。


関係機関
税関


関係法令
関税法
関税法施行令
関税定率法
食品衛生法


参考資料・情報
厚生労働省:
輸入食品監視業務ホームページ

調査時点:2011/08

記事番号: A-011007

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