米国との取引条件FOBについての解釈の違い

米国の企業とFOB条件で輸入商談を進めています。米国ではインコタームズとは別の貿易定義が使用されることがあると聞きました。注意点を教。

米国には6種類のFOB条件が存在します。
日本では、貿易条件として、一般に「インコタームズ2010(Incoterms 2010)」を使用します。インコタームズで定められているFOB条件は以下の1種類です。

インコタームズ2010のFOB(Free on Board(named port of shipment):「本船渡し条件」
売主の費用とリスク(危険) 負担は、売主が、買主の指定した本船の甲板に貨物を置いた時点で売主から買主に移転します。 また、既にそのように引き渡された物品を調達されたときに移転します。

それに対し、米国では貿易条件として「1941年改正米国貿易定義」が慣用され、その中では6種類のFOB条件が定義され、それぞれ下記のように買主側への費用負担分岐点とリスクの移転時点が異なります。6種のFOB条件の解釈と定義を以下に示します。

  1. FOB(named inland carrier at named inland point of departure):「指定国内出荷地点における指定国内運送人積込渡し条件」
    売主が米国内の指定出荷地点で指定国内運送人へ貨物を引渡した時点
  2. FOB(named inland carrier at named inland point of departure): Freight Prepaid to(named point of exportation):「指定国内出荷地点における運賃込み指定国内運送人積込渡し条件」
    上記b-i.の条件で、運賃込み
  3. FOB(named inland carrier at named inland point of departure): Freight Allowed to(named point of exportation):「指定国内出荷地点における運賃控除指定国内運送人積込渡し条件」
    上記b-i.の条件で、運賃控除
  4. FOB(named inland carrier at named point of exportation):「指定国内輸出地点における指定国内運送人渡し条件」
    売主が輸出船積港の駅やコンテナターミナルなどで指定国内運送人へ貨物を引渡した時点
  5. FOB Vessel(named port of shipment):「本船渡し条件」
    この条件がインコタームズ2010のFOBに相当します。ただし、インコタームズ2010のFOBで規定されている「既にそのように引き渡された物品を調達されたときに移転する」旨は含みません。
  6. FOB(named inland point in country of importation):「輸入国指定地点持込渡し条件」
    売主が輸入国側の指定地点で貨物を引渡した時点


米国の企業との商談では、売買当事者間の貿易条件に関する誤解を避けるため、価格はどのFOB条件に基づくものであるのか、両当事者の合意のもとに確定する必要があります。また、売買契約締結では、契約書の表面条項または裏面条項の中で、双方の合意に基づく貿易条件を明記する必要があります。


(参考)

  1. 「インコタームズ2010(Incoterms 2010)」
    国際商業会議所において制定された「貿易条件の解釈に関する国際規則(International Rule for the Interpretation of Trade Terms)」で、2010年に改訂されました。
  2. 「1941年改正米国貿易定義(Revised American Foreign Trade Definitions, 1941)」
    1941年に米国商業会議所および米国の貿易関係団体によって改訂されたものです。


参考資料・情報
インコタームズ2010、1941年改正米国貿易定義


調査時点: 2011/08

記事番号: A-010926

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