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アルコール飲料の現地輸入規則および留意点:米国向け輸出

質問

米国へアルコール飲料(日本酒、ワイン、焼酎などの酒類)を輸出します。現地での輸入規制および留意事項を教えてください。

回答

米国内での酒類の輸入・販売には、輸入関税、連邦酒税、州酒税、市・郡酒税および売上税が課されます。2015年10月現在の関税、その他の税金の税率・税額は以下のとおりです。税率は毎年変わる可能性がありますので、文末の「ジェトロ:世界各国の関税率(World Tariff)」などで、最新のデータをご確認ください。

  1. 関税分類番号(HSコード)および関税
    1. 日本酒(Rice wine or Sake)(HS2206.0045):0.03ドル/リットル
    2. ワイン(Wine of fresh grapes including fortified wines)(HS2204):0.053ドル〜0.224ドル/リットル(種類、リットル当たりの価格により異なります)
    3. 蒸留酒(焼酎など)(Spirits, liqueurs and other spirituous beverages)(HS2208):無税
  2. 関税以外の諸税
    商業貨物関税使用料(Merchandise Processing Fee)や港湾維持料(Harbor Maintenance Fee)が課されます。詳細は文末の「ジェトロ:関税制度」の「関税以外の諸税」を参照ください。
    1. 州酒税(イリノイ州の例)
      イリノイ州の酒税は州歳入局が取扱い、酒類とアルコール度数によって、税率が異なります。
      1. ビールまたはアルコール度数0.5%~7%のりんご酒:0.231ドル/Gallon
      2. アルコール度数14%以下のビール以外の酒:1.39ドル/Gallon
      3. アルコール度数14%超20%未満の酒:1.39ドル/Gallon
      4. アルコール度数20%以上の酒:8.55ドル/Gallon
    2. 郡・市の酒税(イリノイ州の例)
      イリノイ州シカゴ市には市酒税があり、市歳入部(Chicago Dept. of Revenue)が課税します。また、シカゴがあるクック郡にも郡酒税があります。
      1. シカゴ市の酒税
        1. アルコール度数14%以下の酒:0.36ドル/Gallon
        2. アルコール度数14%超20%未満の酒:0.89ドル/Gallon
        3. アルコール度数20%以上の酒:2.68ドル/Gallon
        4. ビール:0.29ドル/Gallon
      2. クック郡の酒税
        1. アルコール度数14%以下のビール以外の酒:0.24 ドル/Gallon
        2. アルコール度数14%超20%未満の酒:0.45ドル/Gallon
        3. アルコール度数20%以上の酒:2.50ドル/Gallon
        4. ビール:0.09ドル/Gallon
    3. 売上税(イリノイ州の例)
      売上税は6.25%です。これに州内の市、郡および特別区ごとに地方税(Local Tax)が加算されます。シカゴ市での売上税は合計で10.25%です(2016年1月以降)。
    4. 連邦酒税
      連邦酒税は、ビール、ワインと蒸留酒に大きく分類されます。
      1. ビール:18ドル/Barrel (1Barrel=31Gallon)
      2. ワイン
        1. アルコール度数14%以下のワイン:1.07ドル/Gallon
        2. アルコール度数14%超21%以下のワイン:1.57ドル/Gallon
        3. アルコール度数21%超24%以下のワイン:3.15ドル/Gallon
        4. スパークリングワイン:3.40ドル/Gallon
      3. 蒸留酒:13.50ドル/プルーフGallon (100プルーフまたはアルコール度数50%)

税金はアルコール度数に応じて調整され、ビール、ワインには、製造量によって軽減税率が適用される場合があります。詳細は文末の「アルコール・タバコ税貿易管理局:連邦酒税規則」を参照ください。

II. 酒類の管理規制

米国では酒類はビール、ワインと蒸留酒に分類されます(連邦アルコール管理法[Federal Alcohol Administration Act:FAA Act])。日本酒は、内国歳入庁(Internal Revenue Service:IRS)の内国歳入コード(Internal Revenue Code:IRC)によってビールと同じ規制を受ける一方、容器のラベルはFAA Actに基づき、ワインと同じ扱いを受けるという二面性を持っています。すなわち、日本酒には、連邦規則集(Code of Federal Regulations:CFR)Title 27 Part 25のビール規則と、Title 27 Part 4のワインの容器ラベルの規則の2つが適用されます。

III. 輸入時の規制

  1. 輸入業者の認可
    1. 新たに酒類を輸入しようとする者は、財務省のアルコール・タバコ税貿易管理局(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau:TTB)に輸入業の申請を行います。この許可取得には、米国内に事業拠点を持つ必要があります。
    2. 上述の輸入業許可に加えて、州政府や地方自治体の酒類取扱い許可が必要な場合があります。事前に十分確認してください。
  2. 食品安全強化施設登録(バイオテロ法)
    米国に輸入される食品・食料を製造、加工、包装、運送、受領、保管する国内外の施設は、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)への登録(バイオテロ法305条)と輸入事前報告(バイオテロ法307条)が義務付けられています。米国へ食品を輸出しようとする者は、当該施設での作業の開始前に米国の代理人を通してFDAへ登録する必要があります。また、実際に米国への輸入が行われる段階で、事前に輸入の事実をFDAに報告することが必要です。適切な事前通告なしに輸入した場合、当該輸入品は、通関で留め置かれるか、FDAにより安全な施設への移動が指示される可能性があります。
    登録施設は偶数年の10月1日から12月31日の間に登録の更新が必要です。なお、FDAは登録施設が製造した食品が重大な健康上の影響を及ぼす合理的な疑いがあると認めた時は、登録を一時停止できる権限を持っており、施設の登録が停止されれば輸入できなくなります。詳細は文末の「ジェトロ:バイオテロ法に関する情報」を参照ください。
  3. 容器のラベル
    1. 米国で酒類を輸入しようとする者は、TTBが発行するラベル承認証明書(Certificate of Labeling Approval:COLA)の交付を受け、輸入基本許可を取得します。製品によっては、ラベル承認証明書を取得するためのラベル承認事前証明(Pre-COLA)が必要な場合があります。
      ラベル承認証明書の申請は、申請書(Application for and Certification/Exemption of Label/Bottle Approval: TTB F 5100.31)をオンラインまたは郵送でTTBに提出します。
      TTBはラベルに表示される商品名や品質が適切な情報であることを求めており、偽りまたは誤解を招く表示は禁止されています。
    2. 日本酒のラベルの記載内容は、27CFR Part 4にあるワインの規定が適用されます。記載項目は以下のとおりです。
      1. ブランド名
      2. 等級、タイプ
      3. (ブレンド品の場合)外国産(米国産以外)の比率
      4. 生産者、輸入者などの名称、住所
      5. 正味容量
      6. アルコール含有量
      7. 原産国
    3. 蒸留酒に区分される焼酎の容器ラベルは、27CFR Part 5で規定されています。記載事項は、日本酒とほぼ同じですが、加えて、焼酎、ウイスキーやウォッカなどの品名を表示します。
    4. すべての酒類に対して、健康についての警告文を記載する必要があります(27CFR Part 16)。詳細は文末の「アルコール・タバコ税貿易管理局:連邦行政規則27CFR」を参照ください。

IV. 販売時の規制

  1. 食品医薬品化粧品法による規制
    FDA は、米国に輸入される酒類を含む多くの食品について、州または米国領土とその外部との間の取引を連邦食品医薬品化粧品法(Federal Food, Drug and Cosmetic Act)で規制しています。輸入食品も同法の規制対象で、製造や流通のすべての段階で安全確保のための法令の順守が求められます。米国に輸入されたアルコール飲料は、通関時に検査が行われ、適用法規に適合しないと判断された場合、輸入通関は拒否されます。
  2. 容器の容量規制
    蒸留酒やワインは容器の容量が規定されていますが、日本酒にはこの容量規制は適用されません。従って日本酒は、日本で一般的な720ミリリットル、1.8リットル入りの容器で輸出できます。
    1. 蒸留酒(27CFR Part 5)
      ガラス瓶:1.75、1リットル、750、375、200、100および50ミリリットル入りの容器で輸出できます。
      金属缶:355、200、100および50ミリリットル入りの容器で輸出できます。
    2. ワイン(27CFR Part 4)
      3、1.5、1リットル、750、500、375、187、100および50ミリリットル入りの容器で輸出できます。

    V. 福島県内の原発事故関連の規制

    米国向けアルコール飲料については、米国に到着後サンプル検査が実施されるため、出荷前の放射性物質検査などは不要です。ただし、当該規制は変更される可能性があるため、文末の関係機関で最新情報を確認の上、米国への輸出手続きを進めてください。

    関係機関

    内国歳入庁外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    米国税関国境保護局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    アルコール・タバコ税貿易管理局外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    関係法令

    アルコール・タバコ税貿易管理局:
    連邦アルコール管理法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    連邦酒税規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    連邦行政規則27CFR外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    食品医薬品局:
    連邦食品医薬品化粧品法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    バイオテロ法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
    米国食品安全強化法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    参考資料・情報

    ジェトロ:
    世界各国の関税率(World Tariff)
    関税制度
    米国食品安全強化法の解説(2012年10月)
    米国食品安全強化法の概要及び分析(2011年10月)
    東日本大震災の国際ビジネスへの影響
    バイオテロ法に関する情報

    農林水産省:
    東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    アルコール・タバコ税貿易管理局:
    Pre-COLAについて外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    調査時点:2015年12月

記事番号: A-000972

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