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市場・トレンド情報

日本産および日系企業現地生産品の小売での販売動向:アジア食品店における日本産競合品および類似品の販売

小売価格は高いが、日本ブランドの付加価値で勝負

2011年2月
分野:食品・農林水産物

シドニー市内のアジア食料品店「ミラクル」の外観

オーストラリアの都市部に多いアジア食料品の専門店は、日本産食品の重要な販路の1つとなっている。一般的な大手スーパーと比較して、アジア食品の品揃えが幅広いため競争も激しい。シドニー市内にある大型店で販売されている日本製加工食品の中から売れ筋の品目をピックアップして、他国製の競合品や類似品の傾向と対策を探った。

新規参入の機会は大きい

日本食品を含むアジア食品の販路には、外食店向けの卸売とスーパーなどの小売がある。さらに小売はコールズとウールワースの寡占状態にある大手スーパーと、都市部に多いアジア食料品店の2系統がある。

一般向けのスーパー業界はこれらの大手2社で74.5%(オーストラリア統計局=アルコール飲料を含む)を占めており、各店舗の一角に設けられたアジア食料品売場は日本産食品を売り込む上で小売販路では最大のボリュームゾーンとなっている(大手スーパーにおける日本産食品および競合品・類似品の販売動向については2010年9月の本リポートを参照)。

このため、オーストラリアへの輸出を計画する日本の食品メーカーは、まず大手2社への販路開拓を模索するケースが多い。だが、新規参入は容易ではない。その背景には、主な顧客層が一般的な欧州系オーストラリア人であり、売れる品目が非常に限定されていることがある。

また、大手スーパーは取引業者の選別基準が厳しいこともあり、直接輸入している一部の大手日系メーカーを除くと、大手スーパーに商品を卸しているのは華僑系の大手輸入業者1社による独占状態となっている。買い手市場であることも参入のハードルが高い一因となっている。

一方、中小企業が多いアジア食料品店は、新規参入する食品メーカーや輸出業者にとっては販路開拓の機会が大きい。立地はアジア人の多い大都市の中心部や郊外に限られているものの、主な顧客層がアジア系であるため売れる品目が幅広く、商品を卸す日系やほかのアジア系の輸入業者も選択肢が多いためだ。

調味料、キャンディー類は日本製が台頭

中でも華僑系の「ミラクル・スーパーマーケット」は、国内最大規模のアジア食料品チェーンである。シドニーの郊外型ショッピングセンター内に6店舗、市内中心部に1店舗の合計7つの大型店を展開。主に日本人在住者を対象とした日系スーパー以外では、シドニーで日本産食品の品揃えが最も充実している小売販路となっている。

週末の午後、市内南部の複合商業施設「ワールド・スクエア」の地下1階、コールズに隣接する同社の旗艦店で実地調査を行った。中華街に近い繁華街の真ん中に立地しており、中国人や韓国人の若者で賑わっている。多くはないが日本人の留学生の姿もある。

入口付近には日本発祥でアジア各都市でブームとなっている菓子パン店や和風のスイーツ店も入居しており、いずれも流行のオープンキッチンでの調理が外から見えるようになっている。一般的なオーストラリア人向けの店では見られない臓物や特殊な部位を売る精肉店も併設している。高い棚にはアジアの加工食品や冷凍食品が所狭しと並んでおり、レジには行列が絶えない。

韓国製の日本式マヨネーズと日系メーカーのタイ製

日本食売場を見ると、しょうゆ、みりん、酢、料理酒、ぽん酢、とんかつソース、液体および粉末だし、かつおぶしなどの基礎的な調味料は、他国産は見られず全て日本産であった。近年オーストラリア人にも人気が高まっている日本式マヨネーズは、日系大手のタイ産(500g)が8.19豪ドル、韓国メーカー製(500g)が5.99豪ドルで売られている。

シドニーのアジア食料品店の最近の一般的傾向として、以前はほとんど見られなかった日本製のあめ・キャンディー類やスイーツ、和菓子の取扱いが増えている。菓子売場ではポテトチップスなどのスナック菓子は中国製、香港製、韓国製などが多いが、あめ・キャンディー類はほぼ全て日本製であった。価格は日本での小売価格の3倍程度するが、日本製菓子類を専門に取り扱っている輸入業者の経営者によると「富裕層の中国人や華僑の留学生の間では、高い日本の菓子を買って持ち歩くのがステータスなのだ」という。

加工食品のコーナーでは、電子レンジで簡単に加熱調理できる即席飯が2種類あった。日本製(コシヒカリ、ひとめぼれ、つがるロマンのブレンド=200g)は3.45豪ドル、競合する米国製(カリフォルニア産の「錦」=210g)は3.19豪ドルであった。レトルトカレーは、日本の大手メーカー製(210g)が4.65豪ドル、韓国製(200g)が2.49豪ドル。原材料はともに、検疫規制上オーストラリアに輸入できない肉や動物性の脂が入っていないベジタリアン仕様である。

日本製と米国製の即席飯

日本製と韓国製の、検疫規制に合わせて肉が入っていないレトルトカレー

のりの佃煮は、大手日系メーカーの日本製(180g)が7.45豪ドル、日系メーカーの台湾製(150g)が3.95豪ドルで、低価格の台湾製が日本産の商品を圧倒していた。台湾製はしいたけまたはとうがらしが入った2種類の商品が販売されていた。味付けのりは、日本製(8枚×5袋=20g)が4.45豪ドル、韓国製(1例=3袋15g)が1.99豪ドルだった。味付けのりは様々な種類の韓国製が売場を席巻しており、高い人気があることをうかがわせた。

スナックとしても人気がある韓国製味付けのり

低価格の台湾製ののりの佃煮と、日本製ののりの佃煮

ラーメンやうどん、中華麺などの即席麺・カップ麺の売場は、日本以外の第三国製の日系および現地メーカー品であふれており、日本製はほとんど見られない。唯一販売されていた日本製は大手メーカーのカップ焼きそば。価格は5.65豪ドルと台湾製の焼きそば(2.55豪ドル)の2倍以上である。

日本の平均的な小売価格からすると、現在の為替レートで460円以上(1豪ドル=約82円=10年2月24日現在)するカップ焼きそばは高価格である。だが、日本製と台湾製で類似の風味のものがあるインスタントラーメンと異なり、台湾製カップ焼きそばは中華料理風の味付けであり、純日本風のソース焼きそばには代替品がない。そのため、高価な日本製の商品でも、一定の需要があるとみられる。

オーストラリアでは高級品になる日本製カップ焼そば

中華風のXO醤味の台湾製カップ焼そば。わかめととうふのインスタントお澄ましの「おまけ」も付属。

類似品に見られる日本ブランドの人気

一方、日本の有名なスナック菓子のコピー品とみられる商品、パッケージに不正確な日本語を多用した商品、日本の地名を堂々と印刷したものなども散見される。

左が台湾製の商品。右が「かっぱえびせん」のタイ製で「原味 ORIGINAL オリジナル」と3カ国語で本物であることをアピールしている

その中でも日本の「かっぱえびせん」に類似した商品は非常に種類が多く、アジア圏での人気の高さがうかがえる。例を挙げると「ノンフライ製法」を日本語で唄った台湾製(80g=1.49豪ドル)、韓国製の「シュリンプ・クラッカー」(75g=1.09豪ドル)などがある。日本のカルビーのオリジナル商品は、日本製はなくタイ製(85g)が1.65豪ドルで売られている。ほかに、菓子類では日本の「草加せんべい」によく似た商品(150g=2.99豪ドル)もある。

日本イメージを全面に出した「江戸拉麺」

「日本原味100%」、「伝統の味自慢」といった日本語が踊る中国製の「北海道うどん」

シンガポール製で香港企業が販売しているインスタント・らーめん「江戸拉麺」(100g=1豪ドル)は、パッケージに、本格的なしょうゆ味の東京ラーメンの写真が印刷されている。「弾力弾性の食感」「甘りしょうゆ味醤油と独特香いごま胡麻油」(原文そのまま)という日本語のキャッチコピーが印刷されているが、日本語を理解できない消費者には、チープな印象を与えることはないと思われる。

また、中国製の、「北海道うどん」(1袋200g×4袋=1豪ドル)という冷蔵不要の生麺もあった。

こうした類似商品が散見されるということは、アジアにおいて日本食品の「クールさ」がマーケティング戦略として有効であることの裏返しと言える。オーストラリアのアジア食品市場に新規参入を図る日本の食品メーカーや輸出業者にとっては、そうした風潮を逆手に取り、日本産であることを全面に押し出したパッケージ・デザインやマーケティング戦略を行うことが有効な手段の1つとなりそうである。

(シドニー・センター)

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