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市場・トレンド情報

報道等にみられる食に関する消費動向・トレンド ‐ 米国人の食への関心、景気の影響、消費行動の変化

2011年1月
分野:食品・農林水産物

調査会社 Nielsen(2010年11月22日発表)の調査によれば「米国では、毎月約7,000万人の人々が食・料理関係のウェブサイトを閲覧しており、110万人以上の人々がプライムタイムと呼ばれる午後7時から9時、あるいは午後8時から11時の時間帯に、食関係の番組を視聴している」としている。これは1年前に比べて9%増加している。また、一般書籍の売り上げが4%減少しているにもかかわらず、料理関係書籍の売り上げは5%上昇しており、多くの人々の「食」に対する興味が拡大していることが分かる。

高品質な商品を求めて

調査では、ウォルマートを例に取り、食料品以外の商品の売り上げが落ち込む中、生鮮品をはじめとした食品の売り上げが伸びていることを示唆し、消費者が求めているものを以下のように述べている。

  1. 改良されたReady-to-Eat(インスタント)食品
  2. 高品質な加工食品
  3. 店頭で販売される品質の高い惣菜

これらに共通する特徴として、一般的で平凡な商品ではなく、消費者がより喜びを見出すことができるような商品であることを挙げている。金融危機以降の内食傾向に伴い、消費者は今まで以上に厳しい目で商品を選別していることがうかがわれる。

最近では、ウォルマート、一般ドラッグストア、ダラーショップ(取り扱う商品の販売価格のほとんどが99セントか1ドル)といった店でも生鮮食品の取り扱い量が増えており、これは消費者にとっては、一般商材の購買と同時に食品を手軽に安価で購入することができるため好都合であり、売り手と買い手のニーズが上手く結び付いた結果といえる。

有名レストランブランド、セレブリティシェフブランドの広がり

Nielsenの調査によれば、2年前に比べて、有名レストラン、セレブリティシェフブランドが販売する加工食品の売り上げは、12.6%の伸びを見せた。2008年以降は内食傾向が強まったが、外食を控える分、時にはブランド食品を購入し、家庭での食事に華を添えたいという消費者が増えた。そのような消費者心理をついて、スーパーには、有名レストランの冷凍ピザをはじめセレブリティシェフがレシピを監修したソース類などすぐに家庭でプロの味を食すことができる商品が多く出回っている。

オンライン料理教室

女性ばかりではなく、休職中の男性や、自宅で仕事をする男性が増える中、男性や子供に焦点を当てたオンラインクッキングクラスが人気を博し、消費者の食品購入の動機付けにも貢献している。 以前に比べて、料理に興味を持つ人々が多様化しており、本格的な調理器具、あるいは子供向けの料理本といったものも増える傾向にある。

2011年、家庭における「食」

PR Newswireが2010年12月8日に配信したインターネットニュースによれば「2011年は、家庭における料理は“より速く”“便利”そして“多様性”を包括したものとなるであろう」としている。本調査は、年間5億1,500万人の人々が利用している食関係のウェブサイト Allrecipes.com外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます によって行われた。

2011年に家庭での「食」は、以下のような傾向を示すだろうと予測している。

  1. 多くの人々が、レシピ検索、食料品の価格比較、買い物リスト作成のために、コンピューターやスマートフォンといった電子機器を利用する。
  2. この数年間でエスニック料理が台頭し、多くの人が自ら調理もこなすようになってくる。これらの消費は、2010年には約29%増加しており、特に南米、日本、韓国料理が非常に速い勢いで成長している。
  3. 金融危機以降、大勢で集まる際には外食ではなく、節約のために家庭でのパーティーをする人々が増加。自家製オリジナルのカクテルを作るといったことから家庭でのアルコール摂取が増えている。著しく消費が増えた蒸留酒はテキーラである。
  4. 肥満が大きな社会問題となっている中で、近年は糖分あるいは油の多い加工食品の摂取を減らし、野菜や果実を中心としたバランスのよい健康的な食生活を心がけることが、消費者の大きな関心事である。
  5. 地元の小売店を重視する傾向がさらに強まってくる。
  6. 調理時間を短縮する半加工済み商品が人気である。例:冷蔵のパンやピザ生地
  7. シリコンを使ったキッチンツールをはじめ、カラフルな楽しいイメージの調理器具が出回る。
  8. 男性が料理をする機会がさらに増える。

以上から分かるように、景気後退がもたらした「内食傾向」は、すっかり消費者に定着し、より楽しむものへと変化していると思われる。インターネットの発達により、簡単に世界中のレシピが検索可能であり、テレビでは一日中トップシェフの料理番組や美味しいレストランの情報が発信され、消費者にとっては、食の世界が非常に身近なものとなっている。節約のためだけではない「内食」が始まったようである。

人気の日本食

Allrecipes.com が、ウェブサイトに訪れる人を対象に行ったエスニック料理に関する調査で、約8,600人から回答を得た結果より、日本食は、多くの人々に人気となっていることが分かった。

図1:好きなエスニック料理/外国料理

図2:エスニック料理を家庭で調理するか

図3:よく使うエスニックスパイス

※1, メキシコ料理でよく使用される。トマトベースのものが一般的
※2, メキシコ料理に使用されるチリペッパーの一種

図4:エスニック料理を調理する頻度

図5:Allrecipes.comの中でどのエスニック/外国の料理のレシピをよく見るか

図6:エスニック料理についてどう思うか

今回の調査結果から、回答者の多くが他国の食に興味を持っており、過半数の人が「他国の料理はレストランで食することが多い」と回答しているとわかった。しかし、外食時だけではなく家庭でも他国料理の調理を試みている人々がいることも分かる。

イタリア料理、メキシコ料理、ラテンアメリカ料理に次いで、多くの回答者が「日本食を好きである」と回答していることからも、日本食の認知度と好感度の高さがうかがわれる。また、回答者の4人に1人は、よく使用する調味料として日本の代表的な調味料であるしょうゆを挙げている。しょうゆは米国人の食卓でも馴染みのある調味料となっており、ロサンゼルス界隈の米系マーケットでもエスニック調味料の棚に必ず並んでいる。

エスニック料理を家庭で調理しない理由としては「時間がかかる」「材料入手が困難である」ことが大きな要因となっている。人気のインド料理、タイ料理は手軽に家庭でレストランの味が再現できるソースが多く開発、販売されて、市場に浸透し始めている。インドカレーやタイカレーに使用する肉や野菜も米系一般スーパーマーケットで入手可能なため、ソースが充実していればすぐにレストランの味を再現できる。また、長粒米に各種ハーブを混ぜたパック入りライスや、調理済みの冷凍米も市場に出回っており、短時間で簡単に本場の味を楽しめるといった点も市場拡大に一役買っていると思われる。今後、日本食を米国の家庭に浸透させていくためには、誰もが簡単に日本食の味に調理できるソースの開発や、ソースと材料が一緒になった製品の開発といったことも必要であろう。

価格重視傾向

コンサルティング会社Alix Partners LLPが、2010年12月に消費者1,000人を対象に行った調査によれば、消費者は2011年に1回の外食にかける費用は、前年平均の13.6ドルに比べ、5%低い12.9ドルになると予測している。また、11%の回答者が、一回当たりにかける食費に関しては5ドル、あるいはそれ以下に予想している。これは前年比で6%の増加である。さらに、半数以上の回答者が、クーポンやプロモーションなどの割引を利用すると予想している。以上より、消費者が値段に敏感になっていることがわかる。

また、強まるインフレ傾向のしわ寄せを、外食産業の経営陣は販売価格に転嫁させずにコストを吸収していくのか、値上げにより消費者に転嫁させていくのかなど、2011年は外食産業にとって新たなチャレンジの年となるであろうと予想している。

消費者の購買パターン

経済危機以降、消費者の購買パターンに変化がみられている。Nielsenによると、2011年1月13日にウォールストリートジャーナルが「消費者は以前に比べ頻繁に買い物をし、1回当たりの買い物量は少なくなっている」と報じた。これは、経済状況に不安を持つ多くの消費者が、家計の支出を抑えているためで、こういった消費者の購買行動を受けて、食品をはじめとしたパッケージ商品が小型化されるようになってきているという。

Nielsenは、1回あたりの購買パターンを以下の4つのグループに分けている。

  1. Immediate(すぐに必要なものを購入)— 平均15ドル前後支出
  2. Fill-In(多少価値のあるものを購入)— 平均51ドル前後の支出
  3. Routine(習慣的に決められたものを購入)— 平均98ドル前後の支出
  4. Stuck-up(買い置きを含めた買い物)— 平均242ドル前後の支出

これら4つの購買パターンを消費者数で見た場合は、以下のとおりである。

図7:購買パターン別消費者数

このことからも、一度にまとめ買いをする傾向が減り、必要なものを必要な量だけ、必要な時に買う傾向がうかがわれる。2008年から2010年にかけてImmediateグループの購買パターンをとる消費者は、ほかのグループの消費者が微増する中(Fill-Inグループが0.7%増加)、1%減少している。Immediateグループの買い物先は、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ダラーストアなどがよく利用される。購入される上位5位の商品は以下であった。

1位 牛乳
2位 ベーカリー商品
3位 ペット関係
4位 チーズ
5位 ポテトチップス等の塩気のあるスナック

一方、Stuck-upグループの買い物先は、コストコやサムズクラブといった大型量販店が利用される。

こういった消費者行動を裏付けるように、2010年11月30日にリサーチ会社NPDは、「多くの消費者は買い物に行く前に何を食べるかを事前に決めている」と伝えている。「買い物に行く前に、夕食のプランをある程度立てている人は71%、完璧にプランを立てている人は24%、また、昼食のプランをある程度立てている人は53%、完璧にプランを立てている人は13%に及ぶ」と発表している。また、食事のプランを立てることにより、買い物のサイクルも自然と決まり、食事プランを立てるために多くの人々がレシピを参考にするとしている。購入要因としては、「便利さ」「価格」などが挙げられ、製造業者や販売者はこういった消費者のニーズを満たすことができる商品を開発することが今後非常に重要であろう。

金融危機以降、消費者の消費行動にも変化がみられ、無駄を省いた計画的な購買行動がうかがわれる。 最近、米系スーパーマーケットでは買い物用のバスケットを多く用意しており、以前のように大型カートを使用する人が減っているように見受けられる。また、商品も小型化したもの、ジッパー等の付いたパッケージで再開封のできるもの、保管がしやすいスタンド型のものといったように消費者ニーズをよく研究している商品が増えているといえる。今後、消費者の心をつかむためのキーワードは「適正価格」「便利」「簡単」「安全」といったことであろう。

(ロサンゼルス・センター)

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