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日本食品の輸入動向

輸入統計からみる日本産食品の可能性 ‐ みそと菓子を例に

2010年11月
分野:食品・農林水産物

米国のみそ輸入相手国第一位は日本

USDA Foreign Agricultural Serviceによると、2009年の米国のみその輸入は、輸入金額、輸入量ともに日本が1位である。輸入金額合計は25,92万1,684ドルで、そのうちの42%を日本産が占める。つづいて、2位の中国産が20%、3位の台湾産が19%、4位の韓国産が8%、5位のカナダ産が8%となっている。輸入量でも、この上位5カ国の順位に変更はない。

2010年1~9月までのUSDA Foreign Agricultural Serviceの統計においても日本が輸入相手国で1位となっており、輸入金額では、世界全体の43%、輸入量では34%を占めている。日本産みそは、輸入量に比べ輸入金額での占有率が高く、平均単価は、輸入数量合計に占める上位5カ国のうち最も高い。一方、韓国産みそは2009年、2010年1~9月ともに輸入量に比べ、輸入金額での占有率が少なく、平均単価が安価であることが分かる。

図1:2009年輸入金額

図2:2009年輸入数量

図3:20010年1-9月輸入金額

図4:20010年1-9月輸入数量

統計資料出所:USDA Foreign Agricultural Service

2010年1~9月のみその輸入金額の世界合計は、前年同期比で13%以上の伸びを示しており、景気回復とあいまって今後の消費の伸びが期待されるところである。

表1:みその輸入金額推移(単位:USドル、%)
国名 2009年1~9月 2010年1~9月 前年同期比
世界全体 18,940,001.0 21,467,404.0 13.3
日本 7,706,636.0 9,253,840.0 20.1
中国 3,919,394.0 3,878,265.0 △1.1
台湾 3,691,101.0 3,911,433.0 6.0
韓国 1,739,257.0 1,727,754.0 △0.7
カナダ 1,495,841.0 2,165,843.0 44,8

出所:USDA Foreign Agricultural Service

輸入数量においても、2010年1月~9月は世界合計で前年同期比12%以上の伸びを示しており、日本産においては、円高の逆風にもかかわらず15%以上の伸びであった。カナダ産は、輸入金額では、約1.5倍、輸入数量では2倍近い伸びを示しており、大豆の豊作により価格が抑えられ、輸入増加に結びついたものと考えられる。中国産みそに関しては、輸入数量では12%増加しているものの、輸入金額は減少しており、安価なものの輸入増加がうかがえる。

韓国産みそだけが、輸入金額、輸入数量共に減少している。現在韓国系スーパーにおいても、日本産あるいは米国産みそは数多く陳列販売されており、韓国産みそを凌ぐ勢いである。これは、日本食の普及が進み、近年韓国人所有の日本食レストランが増加傾向にあることも要因の一つとして考えられる。日本産みそは韓国産みそに比べ熟成度が高く、うまみに優れており、日本産みそは他国系の市場も席巻しはじめていると言える。

表2:みその輸入数量推移(単位:トン、%)
国名 2009年1~9月 2010年1~9月 前年同期比
世界全体 7,964.3 8,994.3 12.9
日本 2,571.1 3,017.7 17.4
中国 1,650.0 1,845.3 11.8
台湾 1,632.2 1,639.7 0.5
韓国 1,290.1 1,122.0 △13.0
カナダ 618.9 1,100.9 77.9

出所:USDA Foreign Agricultural Service

2009年1~12月、2010年1~9月の各国の平均輸入単価を表にまとめると以下のようになる。

表3:平均輸入単価(単位:ドル/kg)
輸入相手国 2009年1~12月 2010年1~9月
世界全体 2.41 2.39
日本 3.08 3.00
中国 2.37 2.10
台湾 2.26 2.26
韓国 1.34 1.54
カナダ 2.36 1.97

出所:USDA Foreign Agricultural Service

世界平均からしても、日本産みその価格は高く、韓国産の2倍近くとなっている。2009年と比較し、2010年では韓国、台湾産みそを除き、僅かではあるが輸入単価は安くなっている。特にカナダ産においては、約16%単価が下落している。これは、カナダの大豆産地であるオンタリオ州、ケベック州、モニトバ州において記録的な収穫があったためと思われる。

強さをみせる日本産みそ

輸入単価が高いにもかかわらず、日本産みそが、輸入量において1位を占めるのは、その品質の良さ、味の良さによるところが多く、日系コミュニティーのみならずアジア系、米系市場へと広がりつつある。

ロサンゼルスの多くの日系スーパーには常時20~30品種のみそが陳列販売されている。その種類は、白みそ、赤みそ、合わせみそ、無添加みそ、有機認定みそ(JAS有機認定、USDA有機認定)、仙台みそ、麦みそ、八丁みそに至るまであり、その種類の多さには目を見張るものがある。

以下は、日系マーケットで販売されているみその一例である

メーカー名 商品名 内容量
(g)
価格
(ドル)
100gあたり
(約ドル)
原産地
ヤマタカ 合わせ 無添加みそ 750 7.99 1 日本
西京味噌 西京白みそ 500 6.49 1.3 日本
上仙 仙台みそ 750 5.99 0.8 日本
ひかり味噌 有機みそ(USDA認定) 550 5.18 0.9 日本
ひかり味噌 無添加みそ 550 3.98 0.7 日本
マルコメ だし入り料亭の味 900 5.98 0.7 日本
はつゆき屋 天塩 麦みそ 1,000 10.99 1 日本
やまじるし こうじ味噌 1,000 6.28 0.6 米国
やまじるし 合わせ味噌 1,000 7.48 0.7 米国

出所:ジェトロ作成

当地においては、日本から輸入したみそのみならず、みそを製造している日本のメーカーがあり、小売用以外に業務用等米国系市場にもその販売先は拡大されている。米国産みそと日本産みその価格差がさほど大きくないこともあり、米国は日本産みそにとっては有利な市場と言えるであろう。

米系レストランでもドレッシングにみそが使用されるなど、その汎用性は今後ますます広がると思われ、日本産みその輸入はこれからも増加傾向をたどると予想できる。

菓子類の輸入動向

圧倒的な輸入量を誇るカナダ産菓子

USDA Foreign Agricultural Serviceの統計によると、菓子類の輸入動向において、圧倒的な輸入量を誇っているのはカナダであり、米国へ輸入される菓子の約45%近くは、カナダ産が占めている。

カナダ、米国、メキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)を締結しており、ヨーロッパ連合に次ぐ大きな経済圏となっている。カナダからは、農作物、畜産物をはじめ、多くの加工食品が輸入されており、菓子類もその一つである。米国の大手ナチュラル系スーパーで販売されているオーガニックワッフルなどをOEM生産(※1)している工場もあり、米系販売網を通して流通する菓子類では、2位のメキシコを大きく引き離している。
※1, OEM生産:製品の使用や、設計は委託元がし、それに基づいて、委託先が製造等を行う生産方法のこと。

以下は、菓子の輸入額、輸入量における2009、2010年の比較である。

上期(1~6月) 第3四半期(7~9月)
輸入額(ドル) 輸入量(トン) 輸入額(ドル) 輸入量(トン)
世界合計(2009) 2,208,605,620 780,948.20 1,405,561,173 467,262.40
世界合計(2010) 2,644,394,320 860,695.20 1,582,209,228 503,147.60
カナダ(2009) 1,080,107,129 372,162.20 611,743,627 207,208.00
カナダ(2010) 1,301,511,037 393,723.90 712,809,777 218,817.20
メキシコ(2009) 467,319,657 208,642.00 194,075,678 120,699.80
メキシコ(2010) 604,581,629 254,972.20 217,879,609 133,150.80
中国(2009) 64,148,230 23,752.00 33,385,104 18,788.10
中国(2010) 63,880,187 23,063.50 68,201,037 22,217.00
ドイツ(2009) 61,120,130 15,372.30 61,921,297 13,627.80
ドイツ(2010) 77,333,405 18,235.40 75,550,531 17,302.70
日本(2009) 24,455,343 2,926.80 12,482,374 1,430.80
日本(2010) 26,983,488 2,948.00 13,419,360 1,378.30

出所:USDA Foreign Agricultural Service

この表から分かるように、2010年上期(1~6月)は、前年同期に比べ、中国以外の国で輸入額、輸入量共に伸びを示しており、景気回復の兆しが現れているといえよう。

2010年第3四半期(7~9月)は、日本以外の国において前年同期で比較した場合、大きな伸びが見られる。特に中国は、輸入額で前年同期の2倍以上となっている。

日本は輸入額で8%弱の伸びを示しているが、輸入量は減少している。これは、この1年で急激に進んだ円高の影響が強いと考えられる。しかしながら、近年日本のスナック菓子は人気が上昇しており、米国系マーケットでも馴染みのある商品となりつつある。米国では、日本の製菓メーカーのように季節ごとに新商品が開発、販売されることは少ない。一例を挙げると、日本では季節限定でいろいろなフレーバーのチョコレート菓子「キットカット」が販売されているが、米国では単一フレーバーの商品構成である。こういった点からも、米国人にとって日本の菓子は興味深い商品であろう。

日本のスナック菓子は、米国系マーケットにその販売網を拡大する可能性を持つ日本産品の有力候補の一つである。

図5:米国における菓子輸入量の推移(2010年1~9月)

出所:USDA Foreign Agricultural Service

拡大するヒスパニック、ラティーノ市場

メキシコ産の菓子は、米国系マーケットで見かけることは少ないため、多くがヒスパニック、ラティーノ市場で消費されていると考えられる。「U.S. Census Bureau」 の2009年度データによれば、米国におけるヒスパニック(中南米のスペイン語圏内からの移民)、ラティーノ(スペイン語圏内に限らず、ブラジルやハイチといった国の人々)の人口は4,841万9,324人で、米国総人口3億700万6,556人の内、約16%近くを占めている。さらにメキシコ人は3,168万9,879人で、ヒスパニック、ラティーノ系人口の65%以上を占めている。このことからも、米国におけるメキシコ人市場の大きさがわかる。

USDA Foreign Agricultural Serviceの統計によると、現在、米国への菓子輸入量の約30%近くをメキシコ産が占めている。単純に輸入単価を比較した場合、メキシコ産の菓子が最も安価である。人口比率からするとヒスパニック、あるいはラティーノ系移民が菓子を多く消費する傾向にあるのではないかと考えられる。

ヒスパニック、ラティーノ向けのスーパーマーケットでは、日本人には馴染みのない菓子が販売されており、人工着色料が用いられているようなカラフルな菓子をよく見かける。

米国は国全体が10月のハロウィーンから年末までホリデーシーズンとなるため、キャンディーやクッキーといった菓子類の需要は、夏以降上昇する傾向にあるとみられる。

(ロサンゼルス・センター)

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