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市場・トレンド情報

調達先の切替と日本産高品質商品アピールの両面で対応 —商品別、消費者階層別アプローチ—

2010年11月
分野:食品・農林水産物

円高は米国で日本食品の販売にかなり大きな影響を与えている。コストの削減による対応にも限界が出てきており、東南アジア製品への切替を行う動きや、日本産の高品質な商品をアピールしていこうとの動きもみられる。

一般消費者向け商品に大きな円高の影響

ジェトロ・ロサンゼルス、シカゴ、ニューヨーク3センターのインタビューによると、米国における日本食品の輸入を行う多くの企業において、円高は売上・収益に大きな影響を与えていることが明らかになった。円高の影響は、日本から商品または原材料を直接輸入しているものや、一般消費者をターゲットにする商品など、価格上昇に敏感なものに顕著にみられているようだ。

「韓国系・中国系食品との価格競争があり、為替レートは1ドルが100円くらいでないと厳しい。本音を言えば、韓国系・中国系と勝負する環境としては、1ドルが110円くらいでないと勝つのは難しい」(日系食品卸売業者)、「人気のすしネタであるハマチは日本で養殖が行われており、それを日本から持って来るため原価が高くなる。だからと言って、景気が良くないので値段を上げられない」(すしレストラン)、「日本産の食材にこだわっているので、調味料の高騰による影響が大きい。麺のように米国での現地生産というわけには簡単にいかない」(ラーメン店)との声が聞かれた。

日系食品卸売業者においては、日本での調達先に対して「安くしなければ、米国で売れない」と訴えて調達価格を引き下げるよう努力しているとのことであるが、一方で「これ以上価格を下げると品質が低下したり、調達が難しくなったりする」(中堅日系食品卸売業者)との声もある。

日本産食品を多く仕入れている日本食レストランでは、原材料の価格高騰を商品価格に転嫁できないことから、日本側メーカーに原材料の価格を抑制するよう要請するとともに、レストランで働く従業員の数を減らすなどして今の苦しい状況をしのいでいるとの声もあった。一方の日本食レストランに商品を納入しているメーカー側でも、これまでに苦労して日本食レストランの市場を開拓してきたこともあり、現在の取引を手放さないように価格面で努力をしている。

東南アジアからの輸入に切り替えも

このような中、米国での現地生産に切り替えたり、東南アジアから商品を調達する動きもみられている。

米国では、韓国系・中国系の安い食品との競争が激しく、また韓国系・中国系スーパーも日本食品の重要な納入先となっており、そこでは陳列商品の価格比較が行わるため、円高による日本食品価格の上昇は、日本食品の販売に厳しい競争を強いることとなる。

一般消費者は価格に敏感であり、少しでも安い商品を購入する傾向がみられるため、そのようななかでも売れる商品を提供するためには、東南アジアからの商品調達を行わざるを得ない状況のようだ。

インタビューでは、「東南アジアでの生産といっても、日本企業が関与して生産しており、品質面では問題がない」(大手日系食品卸売業者)との声が聞こえる一方で、「東南アジアにルートがなく、日本国内のみからの調達となっている」(中堅日系食品卸売業者)との声も聞かれた。

米国大手小売店では、日本食品はアジアフードのカテゴリーで販売されていることが多いが、現在そのカテゴリーでは、他の東南アジア産の商品が増えている。日本産の食材は価格が高いことから、米国で現地生産している商品を除き、その比率は横ばい、または減少傾向にあるとのことだ。

高品質の日本食品は富裕層向けに

一方で、高品質の日本食品にターゲットを絞って商品を販売していく動きもみられる。これは、円高により、米国での価格が割高になることを前提として、高い値段でも購入する富裕層をターゲットに、高品質を武器に販売をかけていく動きである。

ある酒造会社では、日本で300ml入りを1,000円で販売している非常に高品質の果実酒200ml入りを14~15ドルで高級レストランに卸すという、富裕層をターゲットにした販売戦略をとっている。この場合のレストランでの価格は35~45ドルになるとみられる。

また、「高級で単価の高い緑茶製品は、富裕層の市場が確立されているため、多少値上げをしても需要が落ちない」(緑茶販売業者)との声もあった。

割高な日本産の商品は、高品質を武器に富裕層をターゲットとして販売するとしても、大量に販売していくのは容易ではないとみられる。米国の日系企業では、東南アジアからの商品は一般消費者向けに活用し、日本からの輸入品は高品質を売りにするなど、商品別特性に合ったマーケティングを行っているようだ。

(ロサンゼルス、シカゴ、ニューヨーク・センター)

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