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外食産業の動向

数字で見る米国のレストラン業界 ‐ 州別データと外食産業の現状

2010年10月
分野:食品・農林水産物

米国は、レストラン業界に従事している人口が多く、経済に及ぼす影響が大きい。今回は、レスラン業界の店舗数、就労者数等の州ごとのデータを紹介する。

レストラン業界売上高の推移

National Restaurant Association (全米レストラン協会)の調査によると、全米の労働者の10人中1人がレストラン業界に従事している。2010年度の総売上高は約5,800億ドルと予測している。これは、米国の2009年度国内総生産が14兆2,563億ドルだったことを考えると、レストラン業界が米国経済に及ぼす影響が非常に大きいことがうかがえる。

グラフ1:全米レストラン総売上高の推移

出所:National Restaurant Association(全米レストラン協会)

レストラン数の多い各州別状況

2010年にジェトロが発行した「米国における日本食レストランの動向」によれば、日本食レストランの州別店舗数は1位カリフォルニア州、2位ニューヨーク州、3位フロリダ州、4位ワシントン州、5位ニュージャージー州、6位テキサス州、7位ハワイ州、8位ノースカロライナ州、9位ジョージア州となっている。

グラフ2:9州の日本食レストラン数(2009年)

出所:2009年ジェトロ調査に基づく

グラフ3:9州の飲食店舗数(2008年)

出所:National Restaurant Association(全米レストラン協会)

2010年にジェトロが行った「米国における日本食レストラン市場調査」によると、日本食レストランの伸び率が高いとされるノースカロライナ州、ジョージア州においては、州に占めるアジア系人口の比率が低いにもかかわらず、2005年から2010年の5年間において日本食レストランの伸び率が高くなっている。アジア系以外の顧客にも、日本食レストランの人気は高いため、カリフォルニア州、ニューヨーク州はレストラン市場の成熟度が高く、新規に店を開くのは容易ではないと思われるが、米国南部においては新たな日本食の市場開拓の可能性が高い。

表1:9州のアジア系民族
州名 アジア系民族の
人口比率(%)
カリフォルニア 12.7
ニューヨーク 7.1
フロリダ 2.4
ワシントン 7
ニュージャージー 7.8
テキサス 3.6
ハワイ 38.8
ノースカロライナ 2
ジョージア 3

出所: US Census Bureau,2009

主要国の外食事情の比較

2010年10月11日に発表された市場調査会社NPDの報告によれば、世界の主な国でまだ回復の兆しがみえないとしながらも、フードサービス業界全体では、わずかながら回復しているとみている。

米国、カナダ、日本、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、中国の2009年上半期に対する2010年上半期の外食における消費者動向をまとめたものが以下の表である。

表2:主要国の外食における消費者動向 2010年上半期(前年同期比)
支出額 食事代 顧客数 平均食事代
(1回/USドル)
米国 0.40% 1.90% -1.50% 5.94
カナダ 2.40% 2.10% 0.50% 6.3
日本 -3.00% 0.00% -3.10% 8.26
英国 0.30% 2.20% -1.90% 5.55
フランス -0.60% -0.50% -0.10% 7.29
ドイツ 0.40% 1.50% -0.10% 6.97
イタリア -2.50% 0.50% -3.10% 5.58
スペイン -2.90% 0.30% -3.20% 6.04
中国 15.60% 2.40% 12.70% 2.58

出所:The NPD Group

カナダ、中国においては、すべての項目において増加しており、外食傾向が高まっているといえる。EU諸国は顧客数において、各国とも減少している。特にイタリア、スペインでは顧客数、支出額とも大幅に減少しており、ギリシャに端を発した経済不安の影響も考えられる。

米国においては、顧客数は減っているものの食事代が前年同期に比べ1.9%増加した結果、外食における支出額はわずかながら増加している。2010年上半期には食品のデフレ傾向が終息し、天候不順による生鮮食品の値上がり、乳製品の価格上昇などが影響していると考えられる。

ファストフード店は増益傾向

2010年4月23日発行の「ウォールストリート・ジャーナル」紙の記事によれば、米国の消費者は1年前と比較し外食に対し積極的である。メキシカングリルのクイックサービス店として人気の高い「Chipotle」は、第一四半期の売り上げが前年同期比16%増加、利益は同49%増、マクドナルド、スターバックスといったチェーン店でも前年と比較し増益傾向にあると報告されている。これら、クイックサービス、ファストフード業界の増益の要因は、仕入れコストの低減、安価な原材料、新しい低価格商品の開発など、企業努力によるところが大きい。

2010年10月25日の米国農務省のデータによれば、食品に関する2010年の消費者物価指数は、0.5~1.5%上昇した。これは1992年以来最も低い上昇率である。しかし、米国農務省は、2010年末および2011年上半期は食品価格、エネルギー価格の上昇が原因となり、2~3%のインフレ率を予想している。

今まで多くのレストランが顧客を取り戻すために、メニューの価格を抑えるなど、企業努力によるコスト削減で利益を確保してきた。食品価格の上昇、エネルギー価格の上昇を今後どこまで吸収できるかといった課題もあり、しばらく外食産業にとっては厳しい状況が続くものと予想される。

フローズンヨーグルト店「ピンクベリー」人気の要因

依然外食産業の不振が続くなか、2005年に韓国人の若者がオープンしたフローズンヨーグルト店「ピンクベリー」が、世界一のアイスクリーム消費国である米国で人気を博している。カリフォルニア州で60店舗以上を瞬く間に開店し、ほかの11州にも店舗を拡大している。また、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦といった中近東、メキシコにも海外店をオープン。ピンクベリーが火付け役となり、ほかのフローズンヨーグルト店も数多く出店している。

ピンクベリーが短期間に店舗を拡大できた要因は、消費者のニーズにマッチしたサービスを提供していることである。

消費者の健康志向が高まっているなか、ピンクベリーは、無脂肪牛乳を主成分とし、卵も使用しないヨーグルト感覚のフローズンデザートを提供している。既製のアイスクリームに比べてカロリーが低く、好みに応じて果物、ナッツ、チョコレートといったトッピングをすることも可能な、半オーダーメイドスタイルであることも、若者に人気を博している理由である。

2009年フランチャイズ権を得て店をオープンしたある店主の話によれば、約3年で初期投入した資金は回収可能だという。店舗によっては、最近では近隣オフィスへのデリバリーなどが売り上げの多くを占めているとのことである。

不況下でも消費者のニーズにマッチしたサービスを提供することにより成功する、最適のビジネスモデルといえるかもしれない。

(ロサンゼルス・センター)

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