1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. 北米
  4. カナダ
  5. マーケティング情報
  6. 円高による日本食市場への影響‐日本品と中国品のはざ間でシェア広げる韓国品
市場・トレンド情報

円高による日本食市場への影響‐日本品と中国品のはざ間でシェア広げる韓国品

2010年11月
分野:食品・農林水産物

最近の円高傾向はカナダ・ドルに対しても続いており、トロントで日本食品を輸入する企業にも大きな影響を与えている。当地企業はコストダウンや日本産以外への切り替えで何とか急場をしのいでいるが、ウォン安を追い風とする韓国産のシェア拡大も進む中、今後の日本産食品の行方が危ぶまれている。

円高による仕入れコストの上昇が小売価格に大きく影響

最近の円高の影響について、日本から水産物を輸入して当地で卸・販売しているSAKANAYAの丹社長は「当社は築地と福岡から週に一度仕入れを行っているが、円高で仕入れコストが上昇している。支払いは毎回、積み荷の到着時にカナダ・ドルに換算して行うので、円高はそのまま仕入れコストの上昇につながり、円高になればなるほどその影響は大きくなる」と、その深刻さを強調した。

また、「鮮魚の場合、特に規模の小さな魚市場ほど、その値段は為替以上に漁獲量の影響を受けることが多い。当然のことながら天然魚の価格は漁獲量に左右されやすいために、その値動きは激しい。一方で養殖魚(マダイ、カンパチ等)は値動きが少ない分、為替の影響を直接受けやすいともいえ、それが売れ行きに影響することになる」と、天然魚か養殖魚かによって円高の影響度合いが異なるという。

さらに、当地の西本貿易の市川社長も同様に、円高による仕入れ価格の上昇分を価格に転嫁せざるを得ない実情を述べるとともに、「あえていうなら、メーカー名の入ったブランドものは、今のところ円高の影響をそれほど受けていないと思われる」と、知名度の高いブランド品についてはなんとか円高の影響を凌いでいるという。

円高にはコストダウンや日本産以外への切り替えで対応

このように円高の影響は深刻であるが、当地企業は日本産以外への切り替えやコストダウンなどで、何とか難局を乗り切ろうとする動きをみせている。市川社長は「食品が船で日本から入ってくるまでに2カ月程度のタイムラグがあるが、円建てで決済しているために、今後は当地の小売価格を円高の分だけ値上げしていくことになる。これに対しては特販やコストダウンで対応していく。また、日本産を中国産や東南アジア産に切り替える動きも増えてきている」とコメントした。また、丹社長は、「最近は週に2日、ギリシア、ポルトガルからアジをはじめ、スズキやクロダイ、カサゴに似た魚が入ってきており、日本産と比較すると価格が安い。当地でも価格差が2~3割程度であれば日本産のほうがよいが、4~5割程度にもなってくるとさすがに日本産に勝ち目はない。店頭でもこれら欧州から輸入した魚の割合を増やさざるを得ないのが現状である」と、苦肉の策として欧州産の割合を増やすことで対応しているとコメントした。

ウォン安を追い風にシェアを拡大する韓国産食品

日本企業が円高に悩まされる中、韓国産の輸出品はそのシェアを拡大させているようだ。SAKANAYAの丹社長は、「代表的な韓国産食品としては海苔や海藻類が挙げられるが、当社ではこれら食品の7割程度を韓国産が占めている。日本産食品は安全面での信用度が高いが価格も高い。一方で中国産食品は一般的に言うとその逆である。そのはざ間をぬって韓国産の人気が上昇してきている」と、韓国産食品の浸透ぶりを強調した。

また、韓国勢はウォン安を追い風に積極的に輸出プロモーションを展開しているようだ。トロントの日系商社や輸入業者からは「韓国政府が強力なプロモーションを行っており、現に取引先が釜山の展示会に勧誘されている」「韓国は国を挙げて驚くほど輸出に力を入れている。韓国政府は国内企業に対して、輸出のために全面的な支援をしているようだ」といった声が聞かれる。価格面で日本産より、安全性の面で中国産より優位な韓国産食品は、今後も当地でその存在感を増していくと思われる。

中国の食料輸入増大がもたらす日本食品の対カナダ輸出の好機

一方で、最近は中国における国民の生活水準の向上が著しく、これに伴って同国の食料輸入が増大しているのは周知の事実である。このような状況において、これまで中国から輸出されていた食品であっても、一転して中国が輸入に転じるケースもみられ、グローバルな輸出入の相関関係において、日本企業が入り込む余地が生じてきているのも事実である。

トロントの韓国系食品輸入商社であるパン・アジア・フード社のリー社長は、「つい3年前までは中国産のゴマ油は高品質かつ安価で非常に競争力のある輸出品であった。ところが、中国国内の需要増加に伴い、中国は2年前にゴマ油の輸入国に転じ、2009年は、世界最大のゴマ油の輸入国になってしまった。当社ではこれまでカナダ向けに中国から輸入していたが、代わりに日本産のゴマ油を探しているところである」と、円高にもかかわらず、新たな日本産食品を仕入れたいとコメントした。確かに円高は日本からの輸出には逆風であるが、それとは別のところで、世界の食料需給関係の変化というさらに大きな視点でみると、為替の次元を超えた日本食へのニーズも垣間見える。

(トロント・センター)

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。

  • 印刷する
  • Twitterにツイートする
  • Facebookでシェアする
  1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. 北米
  4. カナダ
  5. マーケティング情報
  6. 円高による日本食市場への影響‐日本品と中国品のはざ間でシェア広げる韓国品

閉じる

マイリスト
マイリスト機能を使ってみませんか?
ジェトロ・ウェブサイトのお好きなページをブックマークできる機能です。
ブックマークするにはお好きなページで追加ボタンを押してください。