貿易管理制度

最終更新日:2023年10月16日

管轄官庁

経済省、連邦関税庁など。

経済省(Ministry of Economy外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

Address:P.O.Box 901, Abu Dhabi, UAE
Tel:8001222(国内のみ無料電話)
Fax:+971-2-6260000
E-mail:info@economy.ae

連邦関税庁(Federal Customs Authority外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

Address:P.O.BOX: 111333, Abu Dhabi, UAE
Tel:+971-2-6979700
Fax:+971-2-6735221
E-mail:FCA@fca.gov.ae

UAEでは、通商政策策定全般に関しては連邦政府が主要な役割を担うものの、その施行や実務的な管理・監督については各首長国の権限が大きいため、注意を要する。各首長国の関連政府機関については、「関税制度」「投資促進機関」のページを参照。

輸入品目規制

麻薬、アルコール、武器・弾薬など。

GCC統一関税法、国際条約等により、一部品目は輸入が規制されている。

  1. 輸入禁止品目
    • 麻薬
    • 偽造紙幣
    • 鳥類で「ハバラ」と呼ばれるノガン
    • 象牙、サイの角
    • 公序良俗に反する本、印刷物、写真、絵画、彫刻
    • その他、法令または国際条約で禁止されている物品
  2. 輸入規制品目
    次の品目は、所管の政府機関による事前承認が必要(カッコ内は主管官庁)。
    • ラクダ(環境水資源省)
    • 武器、弾薬(国防省)
    • アルコール、酒類(各首長国市庁)
    • 植物、種子(環境水資源省)
    • 医薬品、健康食品、医療機器(保健省)
    • 出版物、ビデオテープ(文化青年地域開発省)
    • 軍事転用可能な通信機器(国防省)
    • 食品(各首長国市庁)
    • 花火、爆発物(国防省)
    • ウマ科の動物(環境水資源省)
    • ワシントン条約により規制されているその他の動物(環境水資源省)
    • その他、法令または国際条約で規制されているもの

これらに加え、2007年9月30日には、新たに貿易管理法(2007年連邦法No.13)が施行された。同法は、国家の安全保障、衛生、環境、外交政策などに脅威となる物品の輸出入、再輸出、積み替えを包括的に禁止または制限するとしているが、同法施行後も輸入規制品目は特定されておらず、実態は施行前と変わっていない。

輸入地域規制

カタールからの輸入は禁止されていたが、2021年1月以降、実質的に解除。

2017年6月のカタールとの断交以降、カタールからの輸入は不可となっていたが、2021年1月、サウジアラビアのカタールとの国交正常化に追随する形で、UAEも航空便や貨物の往来を再開するなどの動きがあり、カタールからの輸入は実質的に解除された。それ以外の地域的輸入規制はない。

1972年以来、イスラエル・ボイコット(アラブ・ボイコット)により、イスラエルからの輸入は不可となっていたが、2020年8月にイスラエルとの国交正常化を発表(翌9月に国交樹立)したことに伴い、廃止となった(2020年8月31日付ジェトロの記事「UAEが対イスラエル経済制裁措置を廃止」を参照)。

輸入関連法

GCC統一関税法、貿易管理法、国際条約等。

輸入通関に関する基本事項は、GCC統一関税法(2003年1月発効)によって定められている。GCC域内は無税、対外税率は5%(ただし、タバコは100%、アルコールは50%)だが、生きた動物、野菜、魚介類、医薬品等については、域外からの輸入で課税が免除される品目がある(「関税制度」のページ参照)。また、国内のフリーゾーンは、保税地域となっている。

輸入管理その他

ライセンスが必要。

船積前検査は義務付けられていない。商業ライセンスおよび会社コードを取得した現地法人であれば、輸入は可能(「輸出入手続」のページ参照)。日本からの輸入について、特別な優遇措置はない。

輸出品目規制

国際条約等により規制されている品目以外は、原則として輸入品目規制はない。

貿易管理法(2007年連邦法No.13)が、戦略物資(武器や武器転用の恐れのある物品など)の輸出、再輸出、技術供与、取引仲介などを禁止または制限している。同法では、リストに掲載されている品目の規制に加え、政府から通知された物品または兵器製造などに利用される懸念があると輸出者が知り得る物品も規制の対象となる、いわゆる「キャッチオール規制」も適用されると規定されている。規制が免除される「ホワイト国」の概念はない。

ただし、規制品についての輸出許可取得の仕組みなどは施行後も整備されておらず、実際には運用されていない状況が続いている。

輸出地域規制

カタール向けの規制があったが、2021年1月から解除。

2017年6月のカタールとの断交以降、カタールへの輸出は不可となっていたが、2021年1月、サウジアラビアのカタールとの国交正常化に追随する形で、UAEも航空便や貨物の往来を再開するなどの動きがあり、カタール向け規制は解除された。ただし、UAEが原産地の荷物は、カタール商工省およびカタール税関の輸入事前許可を取得する必要があり、実質的に輸出が困難となっている。GCC統一関税法により、GCC諸国向けの輸出は無税。

1972年以来、イスラエル・ボイコットにより、イスラエル向けの輸出が規制されていたが、2020年8月にイスラエルとの国交正常化を発表(翌9月に国交樹立)したことに伴い、廃止となった(2020年8月31日付ジェトロの記事「UAEが対イスラエル経済制裁措置を廃止」を参照)。

輸出関連法

GCC統一関税法、貿易管理法、国際条約等。

輸出管理その他

ライセンスが必要。

商業ライセンスおよび会社コードを取得した現地法人であれば、輸出入業務を行える(「輸出入手続」のページ参照)。