外資に関する規制

最終更新日:2023年08月05日

規制業種・禁止業種

会社法によって、外国企業には一定の制限が加えられる。

金融、医療機関等一部の業種を除き、ほとんどの業種が外資に開放されている。現地法人を設立する際に設けられていた出資規制は、2021年6月より廃止された(次の「出資比率」の項を参照)。ライセンスは各首長国政府から取得できるが、フリーゾーン内を除くすべての外国企業は経済省への登記を必要とし、また石油・ガス、製造業、医薬品関連産業等の業種については連邦政府の承認が必要となる。

出資比率

現地法人設立の場合、外国資本の出資比率は最大で100%。ただし、首長国ごとに運用が異なる。

2021年6月に、それまで外国資本が現地法人を設立するため必要とされていたUAE国民による51%以上の出資条件は不要となった。ただし、首長国ごとに、改正後の制度運用の状況には差があり、外国資本100%出資の運用が開始されている首長国においても、その可否および追加的要件の有無が事業分野によって異なる。このため、現地法人の設立前に、アブダビ経済開発局やドバイ経済開発局など、各首長国の政府機関に確認する必要がある。例えば、100%出資を認める業態(アクティビティー)は、首長国ごとにホワイトリストで定められている。

その他、外国資本100%で設立できる形態は以下のとおり。

  • 外国企業の支店または駐在員事務所の場合。UAE国民または100%UAE資本の法人による「サービス代理人」(Service Agent。一般に「スポンサー」と呼ばれる)が必要だったが、外資規制撤廃とともに不要となった。
  • 専門的職種の個人事業体(医療サービス、法律コンサルタント等)。ただし、スポンサーは必要。
  • フリーゾーンに設立する場合。

外国企業の土地所有の可否

外国人の土地所有は制限されている。

外国人の土地所有を認める連邦法は存在しないが、各首長国が独自の法律で規定している。ドバイでは、UAEおよびその他GCC諸国の国民(または同100%出資企業)は、所有または99年間の長期リースが可能で、その他の外国人は指定地域に限り可能(2006年法No.7)。またアブダビでは、UAE国民は所有可能、外国人は指定地域内に限り所有が可能(2005年不動産法、2019年4月改正)。

アラブ首長国連邦で多く活動する不動産開発・販売業者は、自国民・外国人の双方に、オフィス、住居、土地(自社オフィス・工場の建設等に利用)の長期リースや販売を行っている。

資本金に関する規制

「出資比率」の項を参照。

その他規制

主にアブダビ首長国の政府系入札において「内国価値(In-Country Value:ICV)プログラム」が導入されている。「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」「外国企業の会社設立手続き・必要書類」のページを参照。

主にアブダビ首長国の政府系入札においては、現地人雇用、商品・サービス調達の現地化を促進するための「内国価値(In-Country Value:ICV)プログラム」が導入されており、入札参加者は「ICVスコア」の提出が求められる。概要は以下PDFファイルを参照。
ジェトロ:アラブ首長国連邦における内国価値(ICV)プログラムPDFファイル(229KB)

外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

外国企業の会社設立手続き・必要書類