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外食産業の動向

ホテルを拠点に日本食文化の普及を目指す ‐ 「ホテルJALタワー・ドバイ」内に日本食レストランが開店

2011年1月
分野:食品・農林水産物

Khaleej Timesによると、ドバイの2010年1~9月期の観光収入は、前年同期比で6%増加し、92億3,000万ディルハムに達した(※)。

565軒のホテル及びサービスアパート(前年同期は533軒)において、約600万人の宿泊客を迎えるなど、金融危機やドバイショックを乗り越えて、2011年のドバイ経済は引き続きゆるやかな回復基調にある。

このように観光産業回復の兆しが見える中、2010年11月、ドバイの目抜き通りのシェイク・ザイード・ロード沿いに「ホテルJALタワー・ドバイ」が開業した。

※ 出所:2010年12月27日付けKhaleej Times Online記事

ジャパンブランドの総合拠点として期待

JALホテルズは、2007年、同国のインド洋に面したリゾート地フジャイラに257室のホテルを開業している。ドバイから1時間半の距離にあり、国内はもちろん周辺国からも顧客を集め、リゾートホテルとしてJALブランドの認知度を上げてきた。

ドバイの好景気に乗り、数年前から同市内への早期開業が期待されていたが、ドバイの景気回復期に重なるタイミングで2010年の開業となった。ホテルJALタワーは、ホテル棟及びテナント棟の2棟から成り、ホテル棟はホテルとレストラン、会議場等で構成されている。テナント棟は別会社が経営しているが、オフィス機能および居住スペースが集約されており、日系企業の入居希望も多く寄せられている。2つの機能を持ったJALタワーは、日本食のみならず日本の誇る文化、企業活動も含めたあらゆるジャパンブランドの情報発信・ビジネスの拠点としても期待できる。

新たな日本食レストラン「弁慶」が開店

ホテル内には8つのレストランがあり、特に日本食は、最上階の51階から49階までの3フロアにわたり、すし、鉄板焼、伝統的日本料理という3つの特徴を持った日本食レストラン「弁慶」を用意している。この3種の日本食レストランはコースメニューにより連携され、すしレストランに居ながら鉄板焼や伝統的な和食が楽しめるなど、バラエティに富んだ食事ができるように工夫されている。

それぞれのレストランの特徴をみると、すしレストランでは、テーブル席のほかにすしカウンターを備え、シェフと会話をしながら心ゆくまで食事が楽しめる日本ならではの雰囲気作りが施されている。すしねたは、まぐろの大トロなどの高級素材を築地市場から輸入するなど、品質を重視して食材を選んでいる。ほかにもシェフの目利きによる近海産の素材を取り入れるなど豊富な食材を提供し、のりやしょうゆはもちろん、そのほかの日本料理の素材も日本産を含めて順次そろえられる予定だ。

鉄板焼は、ドバイでは和食のカテゴリーに位置付けられており、すしカウンターと同じコンセプトで、シェフとの会話を楽しみながら料理を堪能してもらうというスタイルをとっている。素材も厳選し、牛肉はオーストラリア産WAGYUを使用しているが、今後は日本産和牛を提供していくことも検討している。また、多くのアラブ人顧客の来訪が期待されるため、豚肉料理の提供は差し控える方針だ。

伝統的日本料理についても、正統派の和食の提供を目指しつつ、遊び心のあるメニューも取り入れた新たなコンセプトの“和食”の提供が検討されている。

酒は、和食に合い、かつ外国人の嗜好も考慮した日本酒等がこれから選定されていく予定であり、日本の酒文化の発信拠点としても期待される。

付加価値のあるホテル・日本食レストランを目指す

これまでに、観光客や地元アラブ人、西欧人の知日派を含む高所得者層に、本格的な日本料理が堪能できるとの評価を得てきたドバイの日本食レストランは、グランドハイアットホテルの「すし」、ハイアットリージェンシーホテルの「京」、ル・メリディアンホテルの「菊」、ラディソンSASホテルの「港」、アトランティスホテルの「ノブ」、ドバイ国際金融センター(DIFC)の「ズーマ」、エミレーツタワーズホテルの「東京」、メイダンホテルの「芝」、アルマーニホテルの「Hashi」、アル・カリージュ・パレスホテルの「喜作」、クラウンプラザの「サクラ」、アスコットホテルの「焼き鳥ハウス」などがある。

しかしながら、金融危機やドバイショック、長引く円高の影響による日本産輸入食品の価格高騰等の要因が重なり、日本産以外の代替食材の使用を増やす、食材の品質を落とすなどの方策を取るホテルのレストランも一部出てきている。

このような厳しい競争の中に登場したホテルJALタワーズ・ドバイの強みあるいは戦略のキーワードは“おもてなし”とのことである。ホテル内の各レストランで提供される料理はもちろんのこと、これまでに日本や世界のJALホテルで培われた “和の心”をホテルの全サービスにおいて提供し、サービスの総合力でリピーターを獲得していくという方針とのこと。

今後の日本産食材および文化の広がりに期待

日本産食材や日本食文化をさらに普及させるためには、ホテルが提供する場を、ドバイ在住の日系企業あるいはアラブ諸国、西欧諸国等の知日派の集う拠点として、また、知日派を超えた日本ファンの裾野を拡げる情報発信拠点として、積極的に活用することも一つの方法である。ドバイにある本格的な日本食レストランは、それぞれ個性のある日本食の提供で顧客を引きつけてきている。しかし、昨今の円高などの影響で日本産食材はさらに競合産地との価格差が大きくなってきている。ドバイにおける日本産食材普及の阻害要因としては、ホテルJALタワー・ドバイなど一部のホテルを除き、食材の仕入れをホテルの担当者が一括で行っており、日本食レストランのシェフの意見がとおりにくいことが挙げられている。今後の日本産食材の普及拡大のためには、価格差を縮減する努力、魅力ある食材の供給はもちろんのこと、日本食を提供するホテルおよびレストランが協働し、顧客へアピールしていくことが必要と考えられる。日本食レストランのシェフやホテルにおける食材の仕入れ担当者らが情報交換し、日本発の新商品や食材等を積極的に取り入れていくことが、日本産食材および日本食文化の普及につながるだろう。

本記事中、1ディルハイム(AED)=22.83円(2010年12月1日)(出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

(ドバイ事務所)

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