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日本産および日系企業現地生産品の小売りでの販売動向

ドバイ市場で高まる日本産「たけのこ」人気 ‐ 価格で需要が二極分化

2010年12月
分野:食品・農林水産物

和食の中東への浸透の波に乗り、ドバイのレストランや個人消費では、たけのこの需要が高まっている。高級路線の日本食レストランの増加で知名度を高めつつあるたけのこは、低カロリーで健康意識や和の雰囲気を醸し出す素材として、人気を集めている。大型スーパーでもたけのこ水煮の缶詰や真空パックが目につくようになった。金融危機以降の消費者層の入れ替わりで、ホテルレストランでは高級日本産が首位を占めているが、安価なタイ、中国産への需要も大きく、価格面で二極分化が続いている。今後、日本産が首位を維持するためには、日本産たけのこならではの特質のアピールとそれを評価してくれるシェフや顧客層の開拓にかかっている。

たけのこ:和食=健康のイメージが追い風に

ドバイの和食ブームの傾向は、2008年まではすしネタ用の魚介類など高級食材の売れ行きが好調だったが、金融危機以降は食をめぐる環境も著しく変化している。顧客の減ったレストランでは、日本産高級食材から地元産、近海産あるいはより低価格な日本産以外の食材への切り替え等の節約が行われている。このようななか、手ごろな冷凍ミックス野菜やえだまめ、その他特徴ある野菜類の輸入は堅調だ。なかでも、最近の健康意識の高まりから、低カロリー、目新しさを売り物にしたたけのこの伸びが目立ち、日本やタイ、中国からの輸入は好調だ。

たけのこといえば、2008年のドバイの好調期までは日本産は注目されることは少なく、安価なタイや中国産、インド産が市場に供給されていたが、最近では中華レストランや日本食レストランにおいても、日本産たけのこを使った日本料理がメニュー(中国原産で、日本で加工されたたけのこも含む)に登場している。ドバイ税関の輸入統計によると、ドバイのたけのこ(水煮)輸入額は、2010年1~8月期は前年同期比で47%増と順調な伸びを示している(表1)。

表1:たけのこ(水煮)の輸入量の変化

2009年
国名 輸入量(Kg) 輸入額(AED)
タイ 40,642 164,728
トルコ 26,985 25,371
日本 116 7,171
中国 885 1,365
     
     
(合計) 68,628 198,635
2010年
国名 輸入量(Kg) 輸入額(AED)
日本 13,524 190,676
タイ 25,324 72,816
中国 8,525 21,421
フランス 1,089 7,511
フィリピン 54 227
米国 25 150
(合計) 48,541 292,801

(出所)ドバイ税関統計

背景としては、日本食ブームの高まりとともに、政府機関が取り組む肥満などの生活習慣病対策による国民の健康志向への意識変化が、目新しい食材である「たけのこ」の認知度やイメージの向上を後押ししたと言えそうだ。中でも日本産のたけのこの伸びが大きく、対前年の輸入額より約25倍の伸びが見られる。輸入量ではタイ産がいまだ首位を占めているが、輸入額でみると平均単価が日本産の約5分の1で、輸出金額の首位を日本に譲り、対前年比ではほぼ半減している。求められる品質や味などの感性価値も、購入の際の重要な選別のファクターであり、今後のドバイの景気回復に伴い食材需要の二極分化の傾向が続くとみられる。

その他の加工野菜:高品質で便利に使える多用途野菜へのニーズ増

ドバイ税関の輸入統計によると、日本産のその他の加工野菜のドバイへの輸入額は、2010年1~8月期は前年同期比で17倍増の6万7,000ディルハムと未だに少額ではあるものの、順調な伸びを示している。ミックス冷凍野菜やえだまめの他、日本ならではの野菜も含まれており、多用途に使えるため、レストラン用や家庭用の小売りが伸びている。

豊富な品揃え、長い消費期限、英語・アラビア語のパッケージがかぎ

外食産業界では、日本産の食材は高価格ではあるが人気があり、特に高級レストランでは品質と味の良さから根強い需要があり、在庫を抑えて定期的に輸入する傾向にある。また、スーパーなど小売店でも小さいながらも日本食コーナーが設けられ、珍しい素材を眺めていく外国人客が見られるが、その多くは日本人か日本をよく知るアジア人・欧米人であると言われている。レストランや小売店で揃えられる日本産の食材に求められる重要な要素としては、多様な需要を満たすための「豊富な品揃え」、廃棄リスクや在庫切れを防ぐことの出来る「長い消費期限」が挙げられる。消費期限については、ドバイでは、輸入時点で製造年月日から消費期限までの期間が半分以上残存していなければ販売ができない規定となっているため、特に需要が限られる小売店では、日本産よりも消費期限の長い欧米や南ア産などの製品が好まれる。さらに、小売店では幅広い顧客層を狙うためにパッケージの工夫も必要となる。しかし、現在輸入されている日本産食品のパッケージのほとんどは日本国内市場向けのものであり、ドバイへの輸入・販売に際しては、英語とアラビア語の小さなラベル貼付のみである。ドバイにおいて、新たな顧客層の関心を惹きつけるためには、多くの顧客に訴求し、記憶してもらうための「ブランド名」を打ち出すことや、商品の味、原材料、品質等について「英語・アラビア語表記」で説明書きをつけるなど日本食初心者向けの「パッケージ」を模索することが成功のかぎとなる。

(ドバイ事務所)

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