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外食産業の動向

変わりゆくドリンク事情 ‐ 紅茶の国に押し寄せる変化の波

2010年10月
分野:食品・農林水産物

英国といえば、19世紀のヴィクトリア朝時代から始まり「紅茶」のイメージが強いが、近頃は、フレーバーティーやアイスティー、デザートドリンクなど、お茶のバリエーションが豊富になり、ドリンクの勢力図が変わりつつあるようだ。

変わりゆくお茶メニュー

英国の食品業界誌「ケータラー&ホテル・キーパー」のウェブサイトに2010年6月18日付で掲載された記事によれば、「米国人の風習だとして英国では飲まれていなかった、生クリームやシャーベット、ヨーグルトをアイスティーや、フレーバーティーとミックスしたスムージーや、ミントティーとホットミルクのブレンドに生クリームを浮かべチョコレートパウダーを振りかけたドリンク、フレーバーティーにオレンジを絞り入れたドリンクなど、デザートやカクテル感覚で楽しむお茶の売り上げが伸びている」という。

ティー・バー、ブームの鍵はどこに?

こうした新しいお茶メニューを楽しめる店として、最近、英国で増えつつあるのがティー・バーだ。茶葉(紅茶、中国茶、日本茶)の販売と喫茶を兼ねた店で、文字通り、バー・カウンターだけの店もあれば、テーブル席を設けたもの、日本式の野点(のだて)(※1)セットがある店など様々である。有名な店は、ロンドンのボウティー、ティー・スミス(日本からの輸入雑貨も販売)、マンチェスターのムンボ、グラスゴーのチャイ・オヴナなどである。

「ガーディアン紙」ウェブサイト内フード・ブログの2010年8月26日付記事では、「コスタやカフェ・ネロなど、ここ10年間に英国でチェーン系コーヒーショップが急増したことへの反動からか、個人経営のティー・バーを支持する動きがでているようだ。しかし、急激に店舗数が増えることはなく、ティー・バーのチェーン展開も見受けられない。なぜだろう?」と読者に疑問を投げかけている。

英国人にティー・バーについて意見を求めてみたところ「コーヒーショップには紅茶もコーヒーもあるのに、ティー・バーにはコーヒーがなく、選択肢が限られる」「おいしい紅茶は自宅でも飲めるので、あえて高いお金を払って外で飲む気がしない」とのこと。このような意見を持つ消費者を新規顧客に取り込むためにも、もうひと手間かけたデザート感覚のお茶メニューが、今後、ティー・バーの主力商品として発展していきそうだ。

また、新しいお茶メニューが大きなブームになれば、抹茶をはじめとする日本茶全般の需要が上がることは間違いない。ブームに乗じて、チェーン系コーヒーショップやレストランなどもメニューの改革に積極的になることが予想される。

※1, 屋外で茶または抹茶をいれて楽しむ茶会のこと

次代のスーパーヒーロー「抹茶」

英国の食品業界誌「ケータラー&ホテル・キーパー」のウェブサイトに2010年6月18日付で掲載された記事の中で、紅茶ブランド「ティー・ピッグ」(ハーブティーやフレーバーティーなど、斬新な組み合わせでブレンドした商品を販売)のニック・キルビィ氏は「新しいお茶メニューを牽引するスーパーヒーローは抹茶だ」という。「米国のティー・バーでは、既に抹茶を使用したラテ、チャイ、スムージー、アイスティーが定番化しているが、英国はまだまだ。しかし、徐々にメニュー開発に取り組む店が増えている。ティー・ピッグでも、現在、抹茶についての研究と試行錯誤を重ねており、2011年はその成果を出せる年になると思う」と語っている。同社は、ウェブサイトで抹茶の抗酸化作用などを詳しく説明し、抹茶をかくはんするハンドミキサーとショットグラスをセットにした抹茶キットを販売するなど消費者への情報発信にも力を入れている。なお、販売する抹茶は愛知県西尾市産の製品である。

(ロンドン・センター)