外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用
最終更新日:2023年11月17日
外国人就業規制
EUおよびEEA以外の国籍の外国人労働者は、就業前に労働許可を取得しなければならない。
外国人労働者の労働許可は、雇用主が内務省移民局に申請して取得する。労働許可の取得後、滞在許可証を取得する必要がある。
在留許可
一般に、入国後180日のうちに滞在日数が合計3カ月を超える場合、滞在許可証の取得が必要。滞在許可証は1年間有効で延長が可能。日本から派遣される出向者は、滞在許可証の取得前に出向許可証(有効期間1年)の取得が必要である。出向でルーマニアに派遣される外国人労働者の出向許可証は、雇用主が取得する。
担当機関
内務省移民局(General Inspectorate for Immigration / Inspectoratul General pentru Imigrări)
*本ウェブサイトは公開されていますが、安定したアクセスができない可能性があります。
教育省(Ministerul Educației)
在ルーマニア日本国大使館
領事情報 ルーマニア入国に必要な手続き
手続きの方法や申請書類は頻繁に変更されるため、申請を行うに当たっては必ず各当局に実情を確認することが望ましい。
短期滞在ビザ
3カ月以内(入国した日から数えて180日以内に合計3カ月を超えない期間)のルーマニア滞在の場合、日本国籍保有者は短期滞在ビザを取得する必要はない。非EU圏のうち、ルーマニアへの入国に際し、短期滞在ビザの取得が必要とされない国の一覧は、内務省移民局(Inspectoratul General pentru Imigrări)のLISTA statelor pentru ai căror cetăţeni nu este obligatorie viza de intrare în România(416KB)を参照。
滞在許可証
6カ月の期間中におけるルーマニアでの滞在日数が90日を超える場合、滞在許可証の取得が必要となる(滞在が許可された期限の30日前までの申請が必須)。
滞在許可証は1年間有効で、延長が可能。
日本人の場合、観光および商用目的でルーマニアに入国する場合、入国ビザを取得する必要はない。ただし、この場合の最大滞在期間は、ルーマニア入国後180日間における通算3カ月間までとなる
現地法人(ルーマニア子会社)などの従業員として勤務する場合、まず雇用主が労働許可証を入手してから、当該従業員の滞在許可証を申請する。外国法人の子会社、支店、駐在員事務所の代表に任命された外国人の場合、労働許可証の申請は不要で、滞在許可証のみ必要。また、出向者の場合には労働許可証の代わりに出向許可証の取得が必要。
必要な申請書類は、申請する滞在許可の種類(商業活動、労働、専門家、学生など)によって異なる。必要書類について、移民局は電話やメールでの問い合わせには通常応じていないため、申請窓口での確認を要する。
経済活動目的の滞在についての詳細は、内務省移民局ウェブサイト参照。
内務省移民局 "BUSINESS ACTIVITIES"
*本ウェブサイトは公開されていますが、安定したアクセスができない可能性があります。
日本人駐在員の労働形態別取得手続きは次のとおり。
就労目的の滞在についての特別条件
- 海外企業のルーマニア子会社および支社の代表を任された外国人(日本国籍保有者を含む)の場合、労働許可証の申請は不要であり、滞在許可証のみが必要。
滞在許可証を取得するためには、次の書類をルーマニア移民局に申請する必要がある。滞在許可証取得までの所要期間は、必要書類を提出した日から約30~45日。- 駐在予定者側が用意すべき書類
- 申請書
- パスポート(オリジナルおよびコピー)
- 住居証明書(例:賃貸借契約書)(オリジナルおよびコピー)
- 医療保険の加入証明書(オリジナルおよびコピー)
- 健康診断書(業務遂行が可能なことおよび公衆衛生を危険にさらす病気に罹患していないことの証明)
- 収入を得る手段の証拠、または給料明細票
- 写真2枚
- 個別の労働契約書
- 雇用主の電子登録のスクリーン・ショットの画面(個別の署名済みの労働契約書に関連する日付を確認するため)
- ルーマニア会社側が用意すべき書類
- 国立商業登記所(National Trade Register Office:ONRC)発行の確認証明書(certificat constatator)
- 申請者と代表者間の法的関係の証明書
- オフィススペースの法的所有権の証明書(例:賃貸借契約書)(オリジナルおよびコピー)
- 駐在予定者側が用意すべき書類
- 外国企業駐在員事務所の代表を任された外国人の場合、労働許可証の取得は不要であり、滞在許可証のみが必要。
滞在許可証の取得には、次の書類をルーマニア移民局に申請する必要がある。滞在許可証取得までの所要期間は、必要書類を提出した日から約30~45日。- 駐在予定者側が用意すべき書類
- 申請書
- パスポート(オリジナルおよびコピー)
- 住居証明書(例:賃貸借契約書)(オリジナルおよびコピー)
- 医療保険の加入証明書(オリジナルおよびコピー)
- 健康診断書(業務遂行が可能なことおよび公衆衛生を危険にさらす病気に罹患していないことの証明)
- 収入を得る手段の証拠
- 写真2枚
- ルーマニア駐在員事務所側が用意すべき書類
- 申請者と駐在員事務所の法的関係の証明書
- 申請者と代表者間の法的関係の証明書
- 経済省発行のライセンス(オリジナルおよびコピー)
就労目的の滞在についての詳細は、内務省移民局ウェブサイト参照。
内務省移民局 "SINGLE PERMIT"*本ウェブサイトは公開されていますが、安定したアクセスができない可能性があります。
- 駐在予定者側が用意すべき書類
出向目的の滞在についての特別な条件
- 外国からの出向者の場合(5年間に限り出向は可能)、出向許可証を得てから滞在許可証を申請する。
滞在許可証を取得するためには、次の書類をルーマニア移民局に申請する必要がある。
滞在許可証取得までの所要期間は、必要書類を提出した日から約30日。
滞在許可証申請前に、出向労働許可証を取得する必要がある。- 駐在予定者(出向者)側が用意すべき書類
- 申請書
- パスポート(オリジナルおよびコピー)
- 出向契約書(オリジナルおよびコピー)(公証翻訳人による翻訳が必要)
- 医療保険の加入証明書(オリジナルおよびコピー)
- 健康診断書(業務遂行が可能なことおよび公衆衛生を危険にさらす病気に罹患していないことの証明)
- 住居証明書(例:賃貸借契約書)(オリジナルおよびコピー)
- ルーマニア平均賃金レベルの収入を得る手段の証拠
- 写真2枚
- ルーマニア会社側が用意すべき書類
- 出向許可証(オリジナルおよびコピー)
- 駐在予定者(出向者)側が用意すべき書類
- EUおよびEEA加盟国法人からの出向者の場合は、その加盟国の滞在許可証を所持していれば、出向許可証は必要ない。
滞在許可証を取得するためには、次の書類を内務省移民局に提出する必要がある。
滞在許可証取得までの所要期間は、必要書類を提出した日から約30日。- 駐在予定者(出向者)側が用意すべき書類
- 申請書
- パスポート(オリジナルおよびコピー)
- EUおよびEEA加盟国の滞在許可証(オリジナルおよびコピー)
- 出向契約書(オリジナルおよびコピー)(公証翻訳人による翻訳が必要)
- 当該加盟国で関係当局に登録された雇用契約書(公証翻訳人による翻訳が必要)
- 医療保険の加入証明書(オリジナルおよびコピー)
- 健康診断書(業務遂行が可能なことおよび公衆衛生を危険にさらす病気に罹患していないことの証明)
- 住居証明書(例:賃貸借契約書)(オリジナルおよびコピー)
- ルーマニア平均賃金レベルの収入を得る手段の証拠
- 写真2枚
- 駐在予定者(出向者)側が用意すべき書類
商業活動目的(会社設立目的等)の滞在についての特別な条件
滞在許可証を取得するためには、本人がルーマニア法人の経営および管理の担当者であり、次の書類をルーマニア移民局に申請する必要がある。
滞在許可証取得までの所要期間は、必要書類を提出した日から約30~45日。
- 駐在予定者側が用意すべき書類
- 申請書
- パスポート(オリジナルおよびコピー)
- 住居証明書(例:賃貸借契約書)(オリジナルおよびコピー)
- 医療保険の加入証明書(オリジナルおよびコピー)
- 健康診断書(業務遂行が可能なことおよび公衆衛生を危険にさらす病気に罹患していないことの証明)
- 収入を得る手段の証拠(共同営業者の場合月に500ユーロ、株主の場合700ユーロ)
- 写真2枚
- ルーマニア会社側が用意すべき書類
- 会社登録書類(会社定款、会社登録証明書、会社設立に関する裁判所の裁定)(オリジナルおよびコピー)
- 確認証明書(certificat constatator):売上、利益など会社にかかる詳細を表す書類
- ルーマニア外国貿易・投資促進センターの裏書
- オフィススペースに関する法的所有権の証明書(例:賃貸借契約書)(オリジナルおよびコピー)
滞在許可証は1年間有効であるが、投資額が50万ユーロ以上または新規雇用者数が50人以上となった場合は、3年間の延長が可能。
滞在許可証の発行費用は、領事手数料120ユーロと発行手数料259レイを合算した金額。
外国人経営者および株主に関しては、「必要経費を賄う適切な手段を有していることを示す証拠を提示することなく、ルーマニア国内での一時的な滞在権を延長することができる」(政府決定590/2003年 -官報番号376/2003年)とされているため、内務省移民局ウェブサイト内に示されている「有限会社の株主は月額500ユーロ、株式会社の株主の場合は月額700ユーロの資金」に関する証拠書類の提出も不要。
商業活動のための滞在許可詳細は内務省移民局ウェブサイト参照。
内務省移民局 "BUSINESS ACTIVITIES"
*本ウェブサイトは公開されていますが、安定したアクセスができない可能性があります。
他の目的のための滞在の場合
5万ユーロ以上の投資(固定資産の取得など)がある会社の経営者(代表者)は、管理者としての派遣が可能であるため、労働許可証の取得は不要で、滞在許可証のみが必要。
滞在許可証の取得には、次の書類を内務省移民局に申請する必要がある。
滞在許可証取得までの所要期間は、必要書類を提出した日から約30日。ただし、管理者としての滞在許可証取得は、1人のみに適用可能である。
- 駐在予定者側が用意すべき書類
-
申請書(238KB)
*本ウェブサイトは公開されていますが、安定したアクセスができない可能性があります。
- パスポート(オリジナルおよびコピー)
- CAS(医療)保険の加入証明書(オリジナルおよびコピー)
- 健康診断書
- 収入を得る手段の証拠(契約に応じての活動から少なくとも月額500ユーロの収入)
- 住居証明書(例:賃貸借契約書)(オリジナルおよびコピー)
- 写真2枚
-
申請書(238KB)
- ルーマニア企業側が用意すべき書類
- 任命に関する書類(辞令や契約書など)
- 確認証明書(certificat constatator):売上、利益など会社にかかる詳細を表す書類
- 国立商業登記所(ONRC)発行の証明(過去2年間、従業員または出資者ではなかったことの証明)
- 投資額5万ユーロ以上の証明(例:決算書による資本金額または固定資産額の表示)
他の目的のための滞在許可の詳細は、内務省移民局ウェブサイトを参照。
内務省移民局 "OTHER PURPOSES"
*本ウェブサイトは公開されていますが、安定したアクセスができない可能性があります。
労働許可証(政令2014年25号、政令2016年25号)
ルーマニア国内の企業が外国人従業員を雇用する場合、当該従業員は労働許可証を取得することが必要となる。
- 労働許可証は、申請が受理されてから30日以内に発行され、許可証の有効期限中は雇用主が保管する。
- 同企業・職種の場合、労働許可証の延長手続きは、滞在許可証の延長手続きと平行して行われる。延長期間は、最長で1年。転職した場合は、再度申請しなければならない。
- 外国人出向者を雇用する場合は、同出向者が就労する少なくとも5日前までに労働局への報告が必要。
ルーマニア入国前の手続き、すなわち労働許可証の取得には、各関係当局からの書類入手など、現地側でしかできない手続きが多い。
ルーマニアに既に事業所があり、当該事業所で対応できれば問題ないが、それが困難な場合や新規事業所開設の場合、手続きを代行する法律事務所や会計事務所に委託するのが一般的である。
ルーマニア入国後90日以内に手続きを完了する必要があるため、入国前の事前準備が重要である。
具体的には、許可申請者がルーマニアに入国する前に、日本における居住地の警察で無犯罪証明書(警察証明書)を取得しておくことが、時間短縮のポイントとなるが、日本国内で無犯罪証明書(警察証明書)を取得する手続きは、子会社(在ルーマニア)での採用決定後にしたほうが良い。採用決定日前の日付で取得した証明書が、ルーマニア側での手続きにおいて、添付書類として認められない場合がある。なお、以前必要とされていた卒業証明書については、法改正により現在は提出不要となった。
出向社員の契約期間は最長1年であり、2年目以降は子会社との直接雇用契約が必要である。出向期間は最長で5年。
労働許可証の申請から取得までの申請手続きの流れは次のとおり。
- 出向許可証もしくは労働許可証の取得
必要となる許可証の種類はルーマニア企業との雇用関係により異なり、日本人が日本からの出向者としてルーマニアの企業で働く場合には出向許可証を、ルーマニア企業と直接雇用契約を締結する場合には労働許可証を取得する必要がある。
出向許可証もしくは労働許可証を取得するにあたっては、次の書類を内務省移民局に申請する必要がある。
出向許可証もしくは労働許可証取得までの所要期間は、必要書類を提出した日から約30~45日。- 現地雇用となる駐在予定者、もしくは出向者側が用意すべき書類
- 履歴書(健康状況および最低限のルーマニア語または国際言語が話せるという自己申告含む)
- 出向契約書のコピー(公証翻訳人による翻訳が必要)※出向者の場合
- 本国での雇用契約書のコピー(公証翻訳人による翻訳が必要)※出向者の場合
- ルーマニア企業との雇用契約書のコピー ※現地雇用の場合
- 無犯罪証明書のコピー
- パスポートのコピー
- 顔写真2枚
- ルーマニア企業側が用意すべき書類
- 申請書
- 申請委任状
- 登録証明書(オリジナルおよびコピー)
- 商業登記所発行の登記簿
- 税務当局発行の納税証明書(滞納税金がないことを証明)
- ルーマニア企業の無犯罪証明書
- 日本側の会社とルーマニア側の会社との間で締結された出向サービス契約のコピー(公証翻訳人による翻訳が必要)※出向者の場合
- 現地雇用となる駐在予定者、もしくは出向者側が用意すべき書類
- 滞在許可証の取得
労働許可証の発効日から30日以内、かつ適法な滞在が認められている期間内に、申請して取得しなければならない。
備考
- 各種書類が日本語の場合には、公認翻訳事務所によるルーマニア語への翻訳の後、公証を受ける必要がある。公証人によっては、協力事務所を持っている場合がある。
- 代表者の署名が必要な場合には、日本の公証人役場で本人が署名し、法務局の公印を得た上で、外務省の付箋証明(アポスティーユ)を受ける必要がある。
- 労働許可証の申請にあたっては、法的代理人を立てることができる。公的機関の担当者によって法の解釈や理解に差異があるケースがあり、申請者が慣れていない場合、申請が受理されるまでに多くの時間や労力を費やす場合もある。
- 労働許可証発行の費用は100ユーロ。季節労働者、学生としての滞在許可を持つルーマニアの大学の卒業生、家族再統合のための一時滞在許可の保持者、雇用主の変更、同一の雇用主のもとでの職位の変更といったケースでは25ユーロ。
滞在許可証を紛失した場合、5日以内に移民局に報告して既存許可証の破棄を依頼すれば、後日、同局から新しい許可証が発行される。
現地人の雇用義務
現地職員の雇用は義務付けられていないが、ルーマニア人ではなく日本人を雇用する場合、企業は、当該ポストへの就業に必要とされる条件を満たす現地人がいないことを示す証明書が必要になる。
証明書の発行には、職業安定所(Agenția Municipală/Județeană de Ocupare a Forței de Muncă)に英語およびルーマニア語で求人票を提出する必要がある。求人票を提出してから9~30日後に、職業安定所より証明書が発行される。その後、日刊紙等に求人を出す必要がある(法令2014年25号)。
必要条件に「日本語を流暢に話すことができる」「特定分野について相当長い経験がある」などを挙げることにより、派遣者以外に応募がないようなケースにすることが多く行われている。
その他
特になし。