外資に関する規制

最終更新日:2023年02月27日

規制業種・禁止業種

許認可が必要な分野あり。

ポーランドの法律では、外国企業もポーランド企業と同様に扱われる。

2018年4月、外国企業およびポーランド企業がポーランドで経済活動を行う際に適用される既存の法的枠組みの改正が行われ、特に、次の法律が改正の対象となった。

  • 起業家に関する法律
  • 中小企業のオンブズマンに関する法律
  • 事業登記簿(CEIDG)と経営相談窓口に関する法律
  • ポーランド共和国内で外国企業およびその他の外資系組織が経済活動を行う際に適用される規則に関する法律(「外国人起業家に関する法律」と呼ばれる)

この法改正は、ポーランドの経済情勢の変化への適応を目的とし、一般に「ビジネスの憲法」と呼ばれている。改正の大きな鍵となっているのは、2004年施行以来、幾度も行われた改正にも関わらず(100回以上の改正が行われている)、現代の起業家にそぐわないと言われている経済活動自由法に代替するものであるという点である。外国資本の観点から見ると、これまでに散在していた規則を「外国人起業家に関する法律」にまとめた点が重要である。

  • 規制業種

    ポーランドでの経済活動は、経済活動自由権の原則に基づいている。しかし、例外として、国家免許の取得、許可の申請または登記を必要とするなど、活動が規制されている分野がある。2018年以降、少額収入を目的とした貿易活動や不定期なサービス業などの個人事業については、登記をせずに行うことが可能になった。

    外国人は、「外国人起業家に関する法律」に定められた条件に従って、ポーランドで経済活動を行うことができる。外国人は、起業家として、ポーランドに支社または駐在員事務所を開設することができる。EU加盟国の自然人および法人は、ポーランド国民と同じ条件に基づいて、ポーランド国内で経済活動を行うことができる。EU加盟国以外の国籍の外国人は、ポーランドの在留資格の種類によって、ポーランド国民と同条件で経済活動を行うことができる場合と、経済活動が制限される場合があるが、後者の場合においても、合資会社、株式合資会社、有限会社、および簡易株式会社(PSA)を設立することができる。
    規制対象として次項で説明する業種についての詳細は、ビジネス情報ポータルサイトBiznes.gov.plのリストを参照のこと。

    規制対象になる業種リスト(Lista uprawnień外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(551KB))(ポーランド語)

    許認可が必要な分野および申請先

    国家免許の取得を必要とする分野

    次の分野については、内資、外資を問わず、経済活動に制限があり、国家免許(koncesja/concession)の取得を必要とする。

    1. 鉱業所有の炭化水素と固体化石資源の探査・識別、二酸化炭素の地下貯蔵層の探査・識別、化石資源の採掘、炭化水素の探査・識別・採掘、ポーランド領海内での化石資源の採掘、特定物資の無容器法による地下貯蔵、廃棄物の地下貯蔵、二酸化炭素の地下貯蔵:気候・環境省あるいは該当地区の郡長または県知事
    2. 爆発物、武器、弾薬、軍事的または警察での利用を目的とする製品・技術の開発、販売:内務・行政省
    3. 燃料、ガス、熱、ならびに電力エネルギーの生産・加工・保管・積み替え・輸送・供給・取引、天然ガスの液化と液化天然ガスの再ガス化、二酸化炭素の輸送:エネルギー規制局
    4. 生命・財産の安全確保(警備会社など):内務・行政省
    5. 航空輸送:民間航空局
    6. ラジオ・テレビ放送(インターネット上のみの配信番組を除く):国家ラジオ・テレビ評議会
    7. カジノ運営業:財務省

    許可の取得を必要とする分野(例)

    次のような分野については、内資、外資を問わず、許可(zezwolenie/permission)の取得を必要とする。

    1. アルコールの販売:各地方自治体の首長(町長、市長)
    2. アルコールの卸売市場流通
      • アルコール度数18%以上:開発・技術省
      • アルコール度数18%未満:各県知事
    3. ギャンブル産業の活動(国家独占事業であるナンバーズゲーム・宝くじ・テレビビンゴゲーム・カジノ外でのアーケードゲームを除く):財務省、該当地区の税関商工会議所長(Director of Customs Chamber)、税関(Customs Office
    4. 経済特別区(SEZ)での経済活動:開発・技術省(新規の投資は、SEZで事業活動を行うための新たな許可を取得できなくなり、投資支援は、開発・技術省の意向を受けたSEZの管理者が認めた場合にのみ実施されることとなる。SEZの詳細は「外資に関する奨励」を参照)
    5. 基礎自治体(グミナ、gmina)での秩序と清潔の維持:各地方自治体の首長(町長、市長)
    6. 薬物依存症治療の代替療法に関連する活動:各県知事
    7. 薬物依存症治療の代替療法に関連するケシや大麻栽培活動:各地方自治体の首長(町長、市長)
    8. 金融商品取引に関連する活動:金融監督委員会
    9. 協同組合組織である貯蓄貸付組合の運営:金融監督委員会
    10. 各種の計測機器の設置、修繕、検針業:中央度量衡局
    11. 上下水道業(公共用水供給または公共用下水処理):各地方自治体の首長(町長、市長)
    12. 遺伝子工学研究所の運営:気候・環境省
    13. 国際旅客の陸上輸送業:道路運輸中央監察局国際輸送課
    14. 外国法人によるポーランド領内を通過する国際旅客の陸上輸送業:道路運輸中央監察局国際輸送課
    15. 外国法人による貨物のポーランド領内での陸上輸送業:道路運輸中央監察局国際輸送課
    16. 民間空港の運営業:民間航空局。ただし、外資には制限あり。詳細は「出資比率」の項を参照。
    17. 銀行業:金融監督委員会
    18. 保険業:金融監督委員会
    19. 商業漁業:海事経済河川交通省または海面漁業中央監察局
    20. 保税倉庫業:税関
    21. 医薬品の販売(発売):医薬品・医療機器・殺生物性製品登録局長
    22. 投資信託業:金融監督委員会
    23. 年金基金業:金融監督委員会
    24. 保険・再保険に関する中間商人活動:金融監督委員会
    25. 商品取引所業:開発・技術省
    26. 国内金融商品取引業者としての決済サービスの提供:金融監督委員会
    27. 原子力に関連する活動:国家原子力エネルギー局

    根拠とする法規

    1. 起業家に関する法律(官報2018年第646外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    2. 中小企業のオンブズマンに関する法律(官報2018年第648外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    3. 事業登記簿(CEIDG)と経営相談窓口に関する法律(官報2018年第647外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    4. ポーランド共和国内で外国企業およびその他外資系組織が経済活動を行う際に適用される規則に関する法律(外国人起業家に関する法律)(官報2018年第649外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    5. 禁酒の推進とアルコール依存症対策に関する法律(官報1982年第35号第230外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    6. 経済特別区に関する法律(官報1994年第123号第600外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    7. 薬物依存症対策に関する法律(官報2005年第179号第1485外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    8. 金融商品取引法(官報2005年第183号第1538外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    9. 公募、組織的取引制度への金融商品の導入条件ならびに公開会社に関する法律(官報2005年第184号第1539外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    10. 銀行法(官報1997年第140号第939外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    11. 協同組合組織の貯蓄貸付組合に関する法律(官報2012年第855外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    12. 度量衡法(官報2001年第63号第636外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    13. 公共用水供給・公共用下水処理に関する法律(官報2001年第72号第747外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    14. 遺伝子組み換え微生物・生物に関する法律(官報2001年第76号第811外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    15. 陸上輸送法(官報2001年第125号第1371外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    16. 航空法(官報2002年第130号第1112外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    17. 保険および再保険活動に関する法律(官報2015年第1844外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    18. 海面漁業に関する法律(官報2015年第222外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    19. 物品税に関する法律(官報2009年第3号第11外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    20. 薬事法(官報2001年第126号第1381外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    21. 投資信託に関する法律(官報2004年第146号第1546外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    22. 年金基金の構造・運営に関する法律(官報1997年第139号第934外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    23. 商品取引所に関する法律(官報2000年第103号第1099外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    24. 決済サービスに関する法律(官報2011年第199号第1175外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    25. 決済サービスと有価証券ならびにそのシステム管理の規則に関する法律(官報2001年第123号第1351外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    26. 原子力法(官報2001年第3号第18外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    27. 地質と採掘に関する法律(官報2011年第163号第981外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    28. エネルギー法(官報1997年第54号第348外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    29. 人物と財産の保護に関する法律(官報1997年第114号第740外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    30. ギャンブルに関する法律(官報2009年第201号第1540外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
    31. タコグラフに関する法律(官報2018年第1480外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)

    許可申請先

出資比率

原則、100%外資出資可。 ただし、空港の運営業への出資、次の保護対象となる会社の支配権掌握に対しては、条件が異なる。

外資によるポーランドの会社への100%出資そのものは許可されている。例外は公営空港運営業で、外国法人(注)またはその子会社が出資する場合、次の条件を満たす必要がある。

  1. 出資先企業の役員は、
    1. 創業資金総額の51%以上の持分または株式を所有すること
    2. 役員会の票数、役員構成、決定、管理と、資産の管理、運営に対して決定的な影響力を有すること
  2. 出資先企業の役員の半数以上を、外国法人の役員が占めないこと

(注)「外国法人」とは、ポーランド共和国を含むEU加盟国、スイス、欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国ではない国・地域を拠点とする法人を指す。

航空法(官報2002年第130号第1112外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)

外国企業の土地所有の可否

外国人および外国企業の不動産取得が可能。ただし、内務・行政大臣の許可が必要。

外国人および外国企業が不動産を取得する場合、内務・行政大臣の許可が必要。
また、不動産を持つ会社を買収する場合も、内務・行政大臣の許可が必要。

ポーランドの現地法人や支店が土地を取得する場合、内務・行政大臣の許可は不要。
また、EEA諸国(EU、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)、スイスの市民、企業は、内務・行政大臣の許可は不要な場合がある。

農地売買については、近年多くの国内法により、さらに制限は厳しくなっている。

内務・行政省(Ministry of the Interior and Administration外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます / Ministerstwo Spraw Wewnętrznych i Administracji外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
所在地:ul. Stefana Batorego 5, 02-591 Warszawa
Tel:+48 22 250 01 12
E-mail:kontakt@mswia.gov.pl

外国企業による投資の規制

2020年6月24日に、戦略的に重要なポーランド企業を新型コロナ禍による被害から保護することなどを目的とした、法改正パッケージ(緊急対策パッケージ第4弾)が制定された。この一環で、EU加盟国、スイス、欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国、経済協力開発機構(OECD)加盟国ではない国・地域を拠点とする法人による、保護対象とされる企業の買収、重要な資本参加、支配権の取得に対する規制が導入された。
規制を統括するのは、競争消費者保護庁(UOKiK)の長官である。保護対象の企業の買収、重要な資本参加、支配権を取得しようとする企業は、UOKiK長官に事前に通知しなくてはならない。事前通知がない取引、またはUOKiK長官の承認なくなされた取引は無効となる。なお、OECD加盟国である日本を拠点とする法人は、本規制の対象とはならない。

根拠とする法規
  • 新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けた企業への銀行融資に対する利子補給および感染対応体制承認手続きの簡素化に関する法律(官報2020年第1086外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)
  • 特定投資の規制に関する法律(官報2020年第2145外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)

資本金に関する規制

有限会社と株式会社では、最低資本金の額が異なる。

有限会社(Sp.z o.o.)の最低資本金:5,000ズロチ
株式会社(S. A.)の最低資本金:10万ズロチ

2021年7月に施行の改正会社法により、簡易株式会社(PSA)という会社形態が新設された。PSAは、資本金1ズロチで設立が可能。

会社法(官報2000年第94号第1037外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(ポーランド語)

その他規制

特になし。