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コンソールゲームは質、デジタルゲームは収益性向上が鍵~ビデオゲーム組合(SNJV)に聞く

2014年1月
分野:ゲーム

フランスビデオゲーム組合(SNJV)のニコラ・ギョーム会長によれば、無料デジタルゲームが人気を集め、コンソール用ゲームは極めて高品質でないと購入されにくい傾向が、欧州債務危機後に加速している。他方モバイル用無料ゲームも、収益性確保という課題を抱える。

コンソールゲームにおいては質の高さが鍵

2013年11月26日に「フランスにおけるゲーム;2013年の主要データ」と題する報告を行ったフランスビデオゲーム組合(SNJV)のニコラ・ギョーム会長に翌27日、聞いた。報告書はSNJVが、フランスの調査会社であるGfKやイダテなどが発表したデータを引用してまとめた。報告書の概要について、ギョーム会長は以下のように語った。

欧州債務危機後もフランスのプレイヤーがゲームに費やす平均予算は月40ユーロと高止まりしている(元出所: 調査会社GfK、2013年10月)。その内訳はコンソールゲームに27ユーロ、デジタルゲームに13ユーロである。

しかし、プレイヤーは出費の是非を厳しく判断している。品質のよい無料ゲームが出回っているため、高額なコンソール用ゲームについては品質が非常に高いもの以外は購入されにくくなっている。この傾向は以前からあったが欧州債務危機後に加速しており、中程度の品質のゲームは今後苦況に陥ることが見込まれる。ユビソフトはこの点を良く理解し、品質の高さを実現するため、2013年にクリスマスに販売予定だったプレイステーション4用ソフト「ウォッチドッグ」を2014年に延期した。よって、コンソール分野における高品質ゲームへの投資は重要である。

無料のデジタルゲームは収益性向上が課題

世界における2013年のゲームの売上げは2012年比で17%増となる見込みだ(元出所:調査会社イダテ、2013年11月)。こうした世界的好調の陰で、プレイステーション4やエックスボックスワンなどの次世代のコンソールの発売を待っていたデリケートな期間中に、大量のモバイルゲーム、ソーシャルゲームが製作され、競争がかつてなく激化したことから、約20のフランス企業が主に2013年第1四半期に倒産した。

その一方で、特にモバイル向けゲームを初製作した企業も多数登場した。昨今では高品質なゲームを無料でプレイでき、プレイヤーに追加サービスやアイテムを購入してもらうことで収益を上げるという新たなビジネスモデルが確立した。最初にソフト代を支払う代わりに、無料でプレイを開始しプレイ途中に購入するこのモデルは、モバイル分野で人気を集めているほか、「プレイステーション4」でも同様の仕組みをもつ「ダウンロード・コンテンツ」がノベルティとして提供されている。

しかしプレイ開始後、実際に何らかのサービスやアイテムを購入するプレイヤーは全体の数パーセントにも満たないため、収益性を高めるには国際展開を進めてプレイヤー全体の数を増やす必要がある。これに成功し急成長しているフランス企業が、世界で2番目に多くプレイされているフェイスブック用ゲーム「クリミナル・ケース」を開発したプリティ・シンプル社だ。

なお、こうした無料ゲームについてスポンサーによる広告収入を得ることは、(1)キリスト教文化圏において、レジャー、特にゲームは奨励されるべき高尚なものではないという価値観が残っていること、(2)テレビCMのように、費用対高価を計る定量的手法が確立していないことから、困難である。

日欧で異なる消費行動や嗜好

フランスにおいて2013年、コンソール用ゲーム市場は前年比13%減に落ち込み、デジタルゲーム市場が前年比12%伸びるとみられている。コンソール用ゲームの販売がいまだ市場の60%を占めているにせよ、デジタル化への移行は続く見込みで、2015年にはデジタルゲームとコンソール用ゲームの市場全体に占める比率が均衡するとの見方もある。

モバイル用ソーシャルゲーム、カジュアルゲームにおけるプレイヤーの消費行動は日本と欧州では異なる。現実社会における社会的交流の方法が異なるためであり、それがゲームの仕組みやゲーム上での他者との交流方法にも反映された結果だ。その一例として、日本のプレイヤーはアバター用の衣服等を「カワイイから」買うが、欧州のプレイヤーは「ゲームを進めるのに必要だから」アイテムを買う。

日本製ゲームであることは、日本の漫画やアニメファンも兼ねていることが多いコンソール機器で頻繁にゲームをする若年男性プレイヤーらへは有効に訴求し得るが、モバイル機器でのプレイヤーに多く含まれる30~50歳台の女性らには必ずしも該当しない。よって、上述の消費行動の際に留意することが重要である。

モバイル分野に限ったことではないが、欧州のプレイヤーは、日本のゲームに多くみられる、過度に物語に誘導され、台詞・文章が非常に多いゲームはあまり好まない。嗜好は国によっても異なり、サッカーが盛んな英国では機器としてはコンソール、ジャンルではスポーツゲームが、ドイツでは機器としてはPC、ジャンルではストラテジーゲームやアクションゲームが、社交的なギリシャではソーシャル・モバイルゲームが人気だという。

表:フランス人が好むゲームの種類
ライトプレイヤーおよび一般大衆が好むゲームの種類とその割合
反射神経ゲーム 36%
戦略ゲーム 11%
スポーツゲーム 11%
冒険ゲーム 9%
シュミレーションゲーム 8%
戦闘ゲーム 3%
ハードコアプライヤーが好むゲームの種類とその割合
ロール(プレイング)ゲーム 17%
アクションゲーム 17%
スポーツゲーム 14%
冒険ゲーム 11%

出所:フランスビデオゲーム組合(SNJV)が「Gartner、 2013年10月」のデータを引用して作成した図を基にジェトロ作成。

機器の多様化に伴いゲーム人口が増加

2004~2013年の10年間でフランスのゲーム人口は3倍に達し、2013年には3,100万人、前年比10%増となった。ゲームをプレイするための機器の多様化が進み、いつでもどこでもプレイできることがゲーム人口の増加につながっている。

2013年にフランスではスマートフォンが約1,600万台、タブレットが約600万台(前年比65%増)販売された(元出所:調査会社GfK)。また、フランスにおいて、デジタルデバイス経由でダウンロードされる対象の約3~4割がゲームである。

調査会社GfKが2013年始めに実施した調査によれば、フランス人の約8割が過去1年以内に1回以上ゲームをした。プレイヤーの39%は限られた数のゲームを暇つぶしに時々する程度だが、61%はより多くのゲームを定期的にプレイするハードコアプレイヤーである。また、ソーシャル・ネットワーキングの普及に伴い、ゲームに費やす平均時間は週12時間と、2011年より2時間増加した。

女性・大人のプレイヤーが存在感を増す

伝統的な機器であるコンソールについては、フランスで11月22日に販売が開始されたマイクロソフトの「エックスボックスワン」と、11月29日から販売されたソニーの「プレイステーション4」により、2014年に再び市場が活気づく見込みだ。これらのコンソールの発売は、特に若い成人男性が待望していたものだ。

しかし2013年、フランスにおけるゲームプレイヤーの52%は女性であり(2012年の50%から2ポイント増)、男性を上回った。30年前にはゲームの主なプレイヤーは男性の若年層であったが、今や女性がモバイル端末からソーシャルゲームなどをするようになったため、世界で最も数が多いプレイヤー層は30~50歳の女性である。

また、フランスにおけるゲームプレイヤーの平均年齢は41歳であり、2012年の39歳から2歳上がった。若い時に始めたゲームを続けて年齢を重ねるプレイヤーに、新たにゲームを始める大人が加わっているためだ。また、プレイヤーの40%は親であり、親の65%(2010年の44%から21ポイント増)は子供と一緒にプレイする。

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