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アヌシー国際アニメーション映画祭で日本が存在感増す

2013年7月
分野:映画

2013年6月中旬に開催された アヌシー国際アニメーション映画祭外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます で、日本作品は受賞こそ逃したが過去最高規模の17本が上映された。併設のマーケットでも、ビジネス関係者向けの日本作品のプロモーションイベントが初めて開催された。映画祭に作品が入選した企業は、権威ある映画祭での実績はビジネスにも有効であると語った。

バイヤー向けに日本作品をプロモーション

6月10~15日に「アヌシー国際アニメーション映画祭(FIFA)」が、また12~14日に映画祭併設の「国際アニメ−ション映画マーケット(MIFA)」が、アルプス湖畔の街アヌシーで開催され、合計で7,100人が来場した。

両催事とも、アヌシー都市圏共同体、オート・サヴォア地方議会およびローヌ・アルプ地域圏が出資する文化協力事業公社「CITIA」が主催した。

アニメ分野で世界最大規模を誇る同映画祭は、1960年にカンヌ映画祭のアニメーション部分が独立して設置されたという沿革や、アカデミー賞公認の映画祭(注)でもあることから、認知度が高い。

今回は約2,460の応募作品の中から236本(2012年より7本増)が賞を争うコンペティション作品として選出された。入選作品の中からさらに26の賞を受けた作品の大半は欧州作品であり、日本作品は含まれなかった。しかし、日本からは計9本(短編部門4、長編部門1、テレビシリーズ部門1、学生・卒業制作部門3)が入選した。これらに加え、選外の公式作品として日本の短編2本と長編5本、さらに野外スクリーンで細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」を含む計17本が上映され、映画祭の事務局関係者は「日本作品の上映数としては過去最高規模」と語った。

なお、短編部門から最高賞であるクリスタル賞を受賞したのは、カナダの「Subconscious Password」であった。また、1作品で最多数の賞を受けたのは、3つの賞を獲得した米国の「Feral」であった。

MIFAへは454社・団体が出展し、80カ国から340人のバイヤーを含む2,400人が来場した。14日には、オレリー・フィリペティ文化・通信相も来場して出展者達と交流した。

日本からは文化庁と練馬区アニメーション協議会がブースを共同出展した。13日午後にはユニジャパンが、MIFAに来場するバイヤーらビジネス関係者を対象に、プロデューサーや出資者等が日本のアニメーション業界や映画祭出品作品を中心とする作品の説明・広報を行う「 フォーカス・オン・ジャパン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます 」を初の試みとして開催し注目を集めた。また14日の昼には、文化庁がビジネス関係者のための交流会を主催した。日本酒が振舞われ「クール・ジャパン」のアピールも同時に行われた同交流会は、活発に語り合う日本と海外のアニメーション関係者達で賑わった。

入選実績が商談の後押しに

同映画祭のテレビシリーズ部門に監督作品の「バナパラ♪」が入選した、短編娯楽作品の企画製作を行うボーナスの村山 太代表取締役に聞いた。

写真:アヌシー湖を臨むMIFA会場近くにて、村山 太 ボーナス代表取締役

村山氏によれば、アヌシー国際アニメーション映画祭は、同氏が他に参加しているシアトル国際映画祭、ロンドン映画祭、メルボルン国際映画祭等と比べても、世界のトップクラスのアニメビジネス関係者達に直接接触し、アピールする場として最適であるという。

村山氏率いるボーナスはMIFAへのブース出展は行わなかったが、MIFA来場者を対象とするオンラインシステムを利用し商談アポを取得した。また、今回入選した「バナパラ♪」が沖縄県産業振興公社による支援事業の一環として製作されたため、上述の「フォーカス・オン・ジャパン」にスピーカーとして参加した同公社によって、参加した世界のビジネス関係者を前に紹介される機会を得た。

なお、村山氏が手がけた作品がアヌシー国際アニメーション映画祭で入選するのは、2008年の「ウサビッチ」、2010年の「ヤンス!ガンス!(MEAT OR DIE)」に続いて3度目である。権威ある映画祭でのこの希有な実績が、アヌシーにおいては勿論、他所においてもビジネス関係者と接触する際の吸引力となっているという。

同氏はアヌシーでの商談の成果として、カナル・プリュス・スペインとの間で「ヤンス!ガンス!」の独占放映について契約に至ったことを挙げた。ヤンスとガンスという名の、自分の名前を叫ぶ以外には台詞が無い、空腹の2匹の肉食恐竜が草食恐竜を捕食するためドタバタ劇を繰り広げる同作品は、2010年9月のオタワ国際アニメーションフェスティバルへもノミネートされ、2011年と2013年には米国企業との間でもマーチャンダイジング(ゲーム化およびアプリ化)の展開について契約した。

同氏はまた、アヌシーにおける入選作品の上映会の場で、試聴者から直接得られる予想外の反応が、以降の製作の参考となると語る。但し、上映会で観客に大好評を得た表現であっても、例えば投げたフォークが他者の頭に刺さるという表現を「暴力的」と判断するテレビ局も有り得る。判断基準は国・地域、また各放送局の方針によっても異なり得るが、同氏は間口を広げる目的で、作品の面白さを損なわないように留意しつつ表現を調整することにも心を配っており、今回の「バナパラ♪」は欧州市場も意識して前作よりやや落ち着いた表現に仕上げたという。

バナナの皮で滑って転ぶ面白さは世界共通、という村山氏の着想から製作されたトロピカルコメディのバナナパラダイス、題して「バナパラ♪」は、ジャングルに住む腕白なブルドッグの女の子が、旅に出た父が残した「聖なるバナナ」を、隣人のモグラ達と協力してゴリラと豚の泥棒コンビから守るというストーリー。同作品もほぼ台詞が無いため、言語の壁を越え易い。村山氏は上映会での視聴者の反応もふまえて同作品にさらに改良を加え、海外でのビジネス展開につなげたいと考えている。

(注)アカデミー賞の短編映画賞の受賞候補として選出されるための資格要件の一つとして、同賞が公認する短編映画祭において受賞していることが含まれている。アカデミー賞公認の短編映画祭は 同賞ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます で参照可能。

(パリ事務所)

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