外国企業の会社設立手続き・必要書類
最終更新日:2024年10月01日
- 最近の制度変更
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2019年4月18日
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外国企業の会社設立手続き・必要書類
加盟各国法規に従う。
一定の条件を満たす場合、域内統一の会社法に基づいた欧州会社(SE)を設立することができる。
会社設立手続き
域内での会社設立手続きは原則的に、会社を登記する加盟国の法規に従う。このため、設立の要件や必要書類などは各国間でばらつきがあるが、EUはすべての加盟国に次の目標を満たすよう要求している。
- 会社登記の所要日数を3営業日以内とする。
- 登記に必要な費用を100ユーロ以内とする。
- 設立・登記に関わるすべての手続きを1つの窓口を通して行うことができるようにする。
- 設立・登記に関わるすべての手続きをオンラインで完遂できるようにする。
- 域内の別の国での会社登記をオンラインで行うことができるようにする。
欧州委員会:加盟各国の窓口 "Points of Single Contact"
なお、一定の条件を満たす場合、EU統一の会社法に基づいた欧州会社(SE:Societas Europaea)を設立することができる。欧州会社法に関する理事会規則2157/2001は2001年10月にEU理事会で承認され、2004年10月8日に発効した。
欧州会社(SE)は設立、登記、決算報告などの会社運営を、加盟国ごとの会社法ではなく、域内共通の欧州会社法規則に準じて行う。このため、複数の加盟国で事業展開をする場合や、本社を域内の別の国に移転する場合などに、行政手続きや情報開示などに要する時間やコストを削減することが可能となる。
- 欧州会社法に関する2001年10月8日付欧州理事会規則2157/2001(Council Regulation (EC) No 2157/2001 of 8 October 2001 on the Statute for a European company (SE))
欧州会社法規則
欧州会社法規則では、欧州会社(SE:Societas Europease)は、資本金12万ユーロ以上の公開有限責任会社と定められており、次の4通りの方法でSEを設立することができる。
- 域内の少なくとも2つ以上の異なる加盟国に所在する公開有限責任会社による合併。
- 域内の少なくとも2つ以上の異なる加盟国に所在する公開・非公開有限責任会社による持ち株会社の設立。
- 域内の少なくとも2つ以上の異なる加盟国に所在する複数の会社による共同子会社の設立。
- 本社所在地以外の加盟国に子会社を少なくとも2年以上所持している公開有限会社のSEへの転換。
欧州委員会:欧州会社(SE)の設立 "Setting up a European Company(SE)"
また、欧州会社法規則の付属指令として、2001年10月8日付従業員の経営参加に関する理事会指令2001/86/ECがある。同指令では、SEの設立に際しては、従業員の経営参加に関して協議しなければならないとしており、このため全従業員を代表する特別交渉組織を創設する必要がある。
2020年12月末に英国のEU離脱に伴う移行期間が終了したことから、英国に設立されたSEは2021年1月、自動的に英国の会社形態「UK Societas」に転換された。
- 従業員の経営参加に関し欧州会社法を補足する2001年10月8日付欧州理事会指令2001/86/EC(Council Directive 2001/86/EC of 8 October 2001 supplementing the Statute for a European company with regard to the involvement of employees)
外国企業の会社清算手続き・必要書類
加盟各国法規に従う。
欧州会社(SE)の場合は、本社事務所のある加盟国の公開有限会社の破産・清算手続きに従う。
加盟各国の法規に従って域内に設立された会社の破産・清算などの手続きは、当該国の法規に従う。手続きは、設立時と同じ加盟各国の窓口を通して行う。
なお、欧州会社法規則に基づき設立された欧州会社(SE)の破産・清算などの手続きは、本社事務所のある加盟国の公開有限会社の破産・清算手続きに従って行う。
その他
特になし。