日本からの輸出に関する制度 菓子の輸入規制、輸入手続き
品目の定義
本ページで定義する菓子のHSコード
1704 : 砂糖菓子(ホワイトチョコレートを含むものとし、ココアを含有しないものに限る。)
180620:ココア粉を除くチョコレートその他のココアを含有する調製品(塊状、板状または棒状のもので、その重量が2キログラムを超えるものおよび液状、ペースト状、粉状、粒状その他これらに類する形状のもので、正味重量が2キログラムを超える容器入りまたは直接包装にしたものに限る。)
180631:上記以外の板状または棒状で詰物をしたチョコレート
180632:上記以外の板状または棒状で詰物をしていないチョコレート
180690:上に当てはまらないチョコレートとチョコレート製品(チョコレートボンボンなど)
190531:パン、ペーストリー、ケーキ、ビスケットその他のベーカリー製品(ココアを含有するかしないかを問わない。)のうちスウィートビスケット(クリスブレット、ワッフル、ウエハース、ラスク、トースト、あられ、せんべいを除く)
190532:ワッフル、ウエハース
1905.90 :あられ、せんべいその他これらに類する米菓
2105:アイスクリームその他の氷菓(ココアを含有するかしないかを問わない。)
2021年4月に施行された混合食品含め、植物衛生、動物衛生、公的管理の規則の新制度については、ジェトロ「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」を参照してください。
関連リンク
- 根拠法等
- 規則(EEC) 2658/87(英語)
-
委任規則(EU) 2021/1329(英語)
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。 - その他参考情報
- 財務省貿易統計
- ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」
EUの輸入規制
1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)
調査時点:2023年8月
東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、EU域内への輸入に際して一部政府作成の放射性物質検査証明書が必要な食品がありましたが、実施規則(EU)2023/1453により2023年8月3日に放射性物質規制は撤廃されました。
- EUへの輸出認定国判定(薬理的活性物質、農薬、汚染物質の管理計画承認)
- 動物由来食品および動物性原材料を使用した加工食品(混合食品を含む)を輸出するには、国レベルでは、当該混合食品に含まれる動物性加工済原料の動物種が「薬理的活性物質、農薬、汚染物質の管理計画」(以前の「残留モニタリング計画」)を有するとして、実施規則(EU)2022/2293ならびに実施規則(EU)2021/405 ANNEX -Iに掲載されるとともに、当該動物性原材料のEU域内への輸出を許可された「第三国リスト掲載国」となったうえで、事業者レベルでは、「EU(HACCP)認定施設(漁船・市場・と畜場含む)」由来、加工が行われる必要があります。
- 混合食品
- EUでは、動物性加工済原料(Processed products of animal origin)と植物性原材料(Products of plant origin)の両方を含む食品を「混合食品」と定義し(欧州委員会決定2007/275/EC Article2)、特別な規制を設けています。原材料に肉加工品(肉エキス・肉パウダーなどを含む)、乳製品(乳糖を含む)、卵、魚介類(えび粉、かつおエキスなど)また、はちみつなどの動物性原材料を含む菓子類も、「混合食品」となる場合があります。事前に、混合食品に該当するかどうかをEUの国境管理所(BCP: Border Control Post)に確認するようにしてください。各加盟国の国境管理所の連絡先は、欧州委員会のサイトに掲載されています。
-
未加工動物性食品からの加工は、原則として「EU(HACCP)認定施設」で行われることが必須となります。ただし、動物性加工済原料の調達は「EU(HACCP)認定施設」に由来する必要がありますが(EUの識別マークが貼付)、調査時点では、混合食品を製造する施設に対して認定は不要です。なお、未加工動物性食品と植物性原材料を同時に加工して最終製品(混合食品)を製造する場合は、「EU(HACCP)認定施設」で行われることが必須となります。
これらのことから、原材料として含まれる動物性原材料の種類、生産工程(レシピ)により、課せられる規制・必要な証明書、日本からの輸出の可否が異なります。具体的には、EUへの輸出認定国判定(薬理的活性物質、農薬、汚染物質の管理計画承認)、第三国リスト掲載、「EU(HACCP)認定施設」での加工証明、動物検疫の有無、政府発行の衛生・公的証明書の確認が必要となります。
詳細は、本ポータルサイト「EU」の「混合食品」や、ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」および「混合食品のEU への入域に関する決定木(仮訳)」で確認することができます。
動物種 | 「管理計画」の承認状況 |
---|---|
ウシおよびウシ科動物(Bovine) | 〇 |
羊・山羊(Ovine/caprine) | × |
豚(Porcine) | △※1 |
ウマ科動物(Equine) | × |
鶏・家きん類(Poultry) | 〇 |
水産養殖物(Aqua-culture) 魚(鮮魚)・二枚貝など(冷凍・加工) |
〇 |
水産養殖物(Aqua-culture) キャビアなどの魚の派生品・甲殻類 |
× |
乳(Milk) | 〇 |
卵(Eggs) | 〇 |
ウサギ(Rabbit) | × |
野生の狩猟獣(Wild game) | × |
飼育の狩猟獣(Farmed game) | × |
ハチミツ(Honey) | △※2 |
ケーシング | 〇 |
動物種 | 第三国リスト掲載品目の一部(網羅版ではないため注意) | |||
---|---|---|---|---|
生鮮 | 掲載リスト | 加工品 | 掲載リスト | |
生鮮の牛肉 (Bovine animals) | 〇 |
(EU) 2021/404 ANNEX XIII |
〇 ※1 |
(EU) 2021/404 ANNEX XV |
豚(Porcine) | × |
(EU) 2021/404 ANNEX XIII |
〇 ※1、2 |
(EU) 2021/404 ANNEX XV |
鶏・家きん類(Poultry) | × ※4 |
(EU) 2021/404 ANNEX XIV |
〇 ※1、3 |
(EU) 2021/404 ANNEX XV |
水産養殖物 (Aqua-culture) |
○(ヒレ付き鮮魚) キャビア等派生品・甲殻類を除く |
(EU) 2021/405 ANNEX IX |
〇 キャビア等派生品・甲殻類を除くヒレ付き魚の加工品 |
(EU) 2021/405 ANNEX IX |
○ 冷凍された二枚貝、棘皮動物、尾索動物および腹足綱 |
(EU) 2021/405 ANNEX VIII |
〇 加工された二枚貝、棘皮動物、尾索動物および腹足綱 |
(EU) 2021/405 ANNEX VIII |
|
乳(Milk) |
〇 (原料乳・初乳) |
(EU) 2021/404 ANNEX XVII |
〇 (乳・乳製品) |
(EU) 2021/404 ANNEX XVII |
鶏卵(Eggs) |
〇 (クラスA卵) |
(EU) 2021/405 ANNEX IV |
〇 |
(EU) 2021/404 ANNEX XIX |
牛・豚・羊等、家きん、魚由来のゼラチン・コラーゲン | 〇 |
(EU) 2021/405 ANNEX XIIまたは XIIIまたは IX |
||
有蹄類と家きん由来のケーシング | 〇 |
(EU) 2021/404 ANNEX XVI |
||
ハチ | × |
(EU) 2021/404 ANNEX VII |
※5ハチミツの第三国リストはない。表1の「管理計画」の承認が必要 |
さらに、規則(EU)2022/2292のリストに掲載されている特定のCN(Combined Nomenclature:合同関税品目分類表)コードの混合食品か否かで、課される規則や必要書類が変わります。リストは本ポータルサイト「EU」の「混合食品」でも確認することができます。
規則(EU)2022/2292に記載される一部の混合食品(本サイトで対象としているCNコード1704, 1806, 1905, 2105を含む)のすべての動物性原料がEUまたは「第三国リスト掲載国」由来である場合のみ、EUに上市できます。
前述の表および委任規則(EU) 2022/2293のとおり、ハチミツについては、日本は「第三国リスト掲載国」ではないため、日本産ハチミツを原材料に使用している混合食品は、EUに輸出することができません。ただし、ほかの「第三国リスト掲載国」やEU産のハチミツを原材料に使用した場合は、日本で製造した混合食品をEUへ輸出することができます。
また、同じ名称の食品であっても、原材料の性質や加工度、製造工程(レシピ)により、混合食品か動物由来食品かを識別する必要があります。それによって、必要な認可や証明書が異なるため、注意が必要です。例えば、殻付き卵と生乳から製造するクレープは、加工済み卵製品(動物性食品)ですが、加工済み液卵と加熱処理された生乳から製造するクレープは、混合食品とされています。殻付き卵とバター、チョコレートから製造したチョコレートムースは、加工済み卵製品(動物性食品)ですが、加工済み乾燥全卵(パウダー)とバター、チョコレートから製造したチョコレートムースは混合食品とされています。商品ごとの詳細は、EUの国境管理所(BCP: Border Control Post)に確認してください。
(※)「加工」とは加熱、くん製、保蔵、熟成、乾燥、マリネ、抽出、押出成型、またはそれらの組み合わせのことで、粉末化、製粉、スライス、急速冷凍のみは未加工品となります。
関連リンク
- 関係省庁
- 欧州食品安全機関(EFSA)(英語)
- 農林水産省「EUにおける新たな混合食品規制への対応について」
- 根拠法等
- 規則(EC) 853/2004(英語)
- 規則(EU) 2017/625 (英語)
- 実施規則(EU) 2021/632(英語)
- 委任規則(EU)2022/2292(英語)
- 実施規則(EU)2022/2293(英語)
- 実施規則(EU) 2021/404(英語)
-
実施規則(EU) 2021/405(英語)
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。 - その他参考情報
- 農林水産省「証明書や施設認定の申請」(欧州連合等)
- ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」
- ジェトロ「混合食品のEU への入域に関する決定木(仮訳)」
2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)
調査時点:2023年8月
日EU経済連携協定(以下「日EU・EPA」)に基づく特恵税率の適用を受けるためには、当該輸出品の原産地が日本である旨を証明する原産地証明が必要となりますが、日EU・EPAでは、自己申告による原産地証明制度を採用しており、輸出者、輸入者または通関業者のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。書式に関しては税関のウェブサイトで確認することができます。主な関税コードおよび関税率については、「輸入関税等」の「1.関税」の項で確認してください。
- EU (HACCP)施設の認定登録
- すべての菓子に適用されるわけではありませんが、「輸入規制」の「1.輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」の項に記載のとおり、動物由来食品および動物性原材料を使用した加工食品(混合食品を含む)の場合、原則として、当該動物性原材料が「EU(HACCP)認定施設(漁船・市場・と畜場含む)」由来または加工が行われている必要があります。この施設はEUの貿易システム(TRACES)に登録されています。調査時点では、EUの識別マークが貼付された、動物性加工済原料から混合食品を製造する施設には、認可は求められていません。ただし、EU向け食品は食品衛生に関する規則(規則(EC) 852/2004)に定められた衛生基準と同等の基準を満たす必要があります。
- 日本国内で動物由来加工製品のEU向け輸出認定を取得するためには、農林水産省の「農林水産物及び食品の輸出証明書の発行等に関する手続規程」の別紙として、食品の種類ごとに定められている取扱要綱に規定された手続きに従う必要があります。
- 政府発行の公的証明書 (動物由来食品)
- EU域内への輸出時に一部の動物由来食品は、EU (HACCP)認定工場で加工されたことを証明する公的証明書(Official Certificate)(衛生証明書または輸出検疫証明書からなるもの)が必要となる場合があります。(食品として安全かという公衆衛生と獣医証明(家畜などの伝染病の予防や動物衛生)の一方または両方の観点からの証明)。原則として、規則(EU)2022/2292第20条に記載されているCNコード(本サイトで対象としているCNコード2105を含む)の動物由来食品には、政府発行の公的証明書が必要となります。公的証明書の様式は実施規則(EU) 2020/2235 Annex III Chapter 33からChapter 38に規定されています。証明書の入手方法については農林水産省のウェブサイトを確認してください。
- その他、国境管理所(Border Control Post:BCP)における公的管理(いわゆる輸入検疫)の対象となる具体的なCNコードは、実施規則(EU) 2021/632のANNEXに規定されています。詳細は、「輸入手続き」の「3. 輸入時の検査・検疫」の項を確認してください。
- 混合食品に必要な公的証明書または自己宣誓書
-
規則(EU)2022/2292に記載される一部の混合食品(本サイトで対象としているCNコード1704, 1806, 1905, 2105を含む)に関しては、動物性加工済原料の識別マークの有無(EU認可施設由来の要否)や次表の生産国要件の準拠を確認のうえ、カテゴリー・製品別に添付書類を入手する必要があります。
国境管理所(Border Control Post:BCP)における公的管理(いわゆる輸入検疫)の対象となる具体的なCNコードは、実施規則(EU) 2021/632のANNEXに規定されています。詳細は、「輸入手続き」の「3. 輸入時の検査・検疫」の項を確認してください。
分類 | 混合食品の生産国要件 | 商品の例 | 施設のEU認可の要否 | 添付書類 |
---|---|---|---|---|
混合食品 カテゴリーA ※1:温度管理が必要 |
混合食品に含まれるすべての動物性加工済原料について、第三国リスト規定されていること ※2 |
例:冷蔵のだし入りみそ、 冷蔵和菓子 |
動物性加工済原料はEU認可施設に由来する必要あり ※4 |
公的証明書※5 肉製品、乳製品、卵製品を含む混合食品: 動物検疫所 (輸出検疫証明書) 水産製品のみを含む混合食品: 農林水産省輸出・国際局(衛生証明書) |
混合食品 カテゴリーB ※1:温度管理が不要で肉製品または初乳由来原料を含む。 |
混合食品に含まれる肉製品あるいは初乳の生産国は、第三国リストに掲載されていること ※3 | 例: 肉エキスを含むラーメンスープ | 動物性加工済原料はEU認可施設に由来する必要あり ※4 |
公的証明書※5 肉製品、乳製品、卵製品を含む混合食品: 動物検疫所 (輸出検疫証明書) |
混合食品 カテゴリーC: 温度管理が不要で肉製品または初乳由来原料を含まない。 |
混合食品に含まれるか否かを問わず、肉製品、水産食品、乳製品(および初乳ベース)、卵製品のいずれかが第三国リストに掲載されていること※3 |
例:だしの素、肉エキスなどを含まないめんつゆ 和菓子など |
動物性加工済原料はEU認可施設に由来する必要あり ※4 |
自己宣誓書※6を添付 (輸入者) |
動物性加工食品 | かまぼこ | EU(HACCP)認可施設で製造 | 公的証明書 |
なお、液体状のチョコレートの品質を維持するために特定の温度で輸送する場合は、0度を下回らない限り「常温保存可能な混合食品」に区分される。
自己宣誓書(私的証明書Private Attestation)については、「輸入手続き」の「2.輸入通関手続き(通関に必要な書類)」の「輸入する際に必要な書類」の項、および本ポータルサイト「EU」の「混合食品」のページで確認することができます。しかし、国境で公的管理を免除される対象品目の混合食品であっても、肉製品、乳製品、水産製品、卵製品のいずれかは、「第三国リスト掲載国」由来である旨など、必要な情報を求められる場合があります。また、国境での公的管理が免除されると定められているだけであり、仕向け地や、EU市場、倉庫などで公的管理が実施されることはあります。
関連リンク
- 根拠法等
- 規則(EC)852/2004 (英語)
- 実施規則(EU)2020/692 (英語)
- 実施規則(EU)2021/632 (英語)
- 委任規則(EU) 2021/1329(英語)
-
実施規則(EU) 2020/2235 (英語)
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。 - その他参考情報
- 農林水産省「EUにおける新たな混合食品規制への対応について
- 農林水産省 英国、欧州連合、スイス、リヒテンシュタイン及びノルウェー向け輸出食肉製品、 乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱(5.2MB)
3. 動植物検疫の有無
調査時点:2023年8月
「輸入規制」の「1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」の項のとおり、未加工動物性食品、加工済み動物性食品、および「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」の項のリスト内のカテゴリーAまたはカテゴリーBの混合食品には、動物検疫(輸出検疫証明書)と衛生証明書のいずれかあるいは両方が必要となります。
- カテゴリーAまたはカテゴリーBの混合食品の場合
-
第一に、公衆衛生の観点から、使用されている動物性原材料が日本国内のEU認定施設から由来しているか、EUまたは海外の認定施設に由来している必要があります。
そのうえで、動物衛生の観点から、カテゴリーAまたはカテゴリーBの混合食品の場合で、動物性加工済原料として、肉製品、乳製品、卵製品を使用している場合には、動物検疫所に輸出検査申請をし、公的証明書(輸出検疫証明書)の交付を受ける必要があります。
カテゴリーAで水産製品のみを使用している混合食品の場合は、農林水産省輸出・国際局に衛生証明書の交付申請を行い、衛生証明書の交付を受ける必要があります。 - 輸入先(EU)における動物検疫(衛生)に関して、詳細は「輸入手続き」の「3. 輸入時の検査・検疫」の項を確認してください。 なお、EUに輸出される動物性由来の食品は、必ず国境検疫所が設置されている港または空港を仕向地としなければなりません。指定されたBCPと対象アイテムのリストは欧州委員会のウェブサイトで確認することができます。
関連リンク
- 関係省庁
- 欧州委員会 保健衛生・食の安全総局(英語)
- 植物防疫所
- 根拠法等
- 委任規則(EU)2020/692 (英語)
- 実施規則(EU)2021/632 (英語)
-
委任規則(EU)2022/2292 (英語)
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。 - その他参考情報
- 植物防疫所 輸入規則等詳細情報 欧州連合(EU)
- 農林水産省「EUにおける新たな混合食品規制への対応について
- ジェトロ 動物性原材料を含む食品のEU向け輸出に関する規制について(2017年3月/2019年5月更新)
EU内の輸入関税等
1. 関税
調査時点:2023年7月
EUは域外共通関税制度の下で、域外からの輸入品の関税率は域内各国で一律となっています。
関税および統計的分類表ならびに共通関税率に関する欧州理事会規則(EEC)2658/87では、共通関税を設定するために合同関税品目分類表(CN)とよばれる物品の分類表を設定しており、これはHSコードに相当します。そのため、当該合同関税品目分類表のCNコードの中から該当する品目の関税率を特定する必要があります。
また、2019年2月から、日本からEUへの輸出品は、日EU経済連携協定(以下「日EU・EPA」)の適用対象となっています。「日EU・EPA」適用後の関税率は、「菓子が該当することが想定される主な関税コードと関税率」の表のとおりです。
「日EU・EPA」の適用を受けるには、当該輸出品の原産地が日本である旨を証明する原産地証明が必要となります。「日EU・EPA」では、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者、輸入者または代理人(通関業者など)のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。原産地証明に関する詳細は、税関のポータルサイトで確認することができます。また、商品に非日本産原料が含まれており、原産地の判断が困難な場合は、事前教示の制度により、税関当局に照会することができます。
CNコード/品目 | 関税率 | |
---|---|---|
通常 | EPA適用 | |
1704 90 30 砂糖菓子のうち、ホワイトチョコレート※ |
9.10% + 45.10 EUR / 最大100 kg ~18.90% + 16.50 EUR / 100 kg |
非課税 0% |
1806 20 ココア粉を除くチョコレートその他のココアを含有する調製品(塊状、板状または棒状のもので、その重量が2kgを超えるものおよび液状、ペースト状、粉状、粒状その他これらに類する形状のもので、正味重量が2kgを超える容器入りまたは直接包装にしたものに限る) ただし1806 20 70 を除く |
8.30% + EA MAX* 18.70% + ADSZ ** |
非課税 0% |
1806 20 70 チョコレートミルククラム(調製品) |
15.40% + EA* |
非課税 0% |
1806 31 & 1806 32 上記以外の板状、棒状のチョコレート |
8.30% + EA MAX* 18.70% + ADSZ** |
非課税 0% |
1806 90 上記以外のチョコレート及びチョコレート製品 |
8.30% + EA MAX* 18.70% + ADSZ** |
非課税 0% |
1905 31 11 パン、ペーストリー、ケーキ、ビスケットその他のベーカリー製品(ココアを含有するかしないかを問わない。)のうちスウィートビスケット(クリスブレット、ワッフル、ウエハース、ラスク、トースト、あられ、せんべいを除く)で、一部をチョコレートまたはカカオなどの調製品で完全/部分的にコーティングされた85g以下の個包装されたもの |
9.00% + EA MAX*24.20% + ADSZ** ※ |
非課税 0% |
1905 32 ワッフル、ウエハース | - | - |
1905 32 05 水分含量10%以下 1905 32 91 塩味 |
9.00% +EA MAX* 20.7% +ADFM*** |
非課税 0% |
1905 32 11 & 1905 32 19 一部をチョコレートまたはカカオなどの調製品で完全/部分的にコーティングされたもの(85g以下の個包装か否かを問わず) |
9.00% + EA MAX* 24.20% + ADSZ** |
非課税 0% |
1905 32 99 その他のワッフル、ウエハース |
9.00% + EA MAX* 24.20% + ADSZ** ※ |
非課税 0% |
1905.90.8000 パン、ペーストリー、ケーキ、ビスケットおよびパン製造者によるその他の製品のうち、その他 |
9.00% +EA MAX* 20.7%+ADFM*** |
非課税 (0%) |
2105.00.99 アイスクリームその他の氷菓(ココアを含有するかしないかを問わない。)のうち乳脂肪分を7%以上含むもの |
7.90% + 54.00 EUR / 最大100 kg 17.80% + 6.90 EUR / 100 kg |
2023年2月1日から2024年1月31日まで 3.30% + 22.50 EUR / 最大100 kg 7.40% + 2.28 EUR / 100 kg |
その他、関税率は、欧州委員会通商総局が提供する「Access2Markets」や税制・関税同盟総局が提供する「TARIC Consultation」などで検索できます。さらに、日EU経済連携協定(EPA)の原産地ルールや税率に関しても、「Access2Markets」で確認することができます。
関連リンク
- 関係省庁
- 欧州委員会 税制関税同盟総局(英語)
- 根拠法等
- 規則(EEC) 2658/87(英語)
- 委任規則(EU)2020/760(英語)
-
実施規則(EU) 2020/383(英語)
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。 - その他参考情報
- 欧州委員会Access2Markets (英語)
- 欧州委員会TARIC Consultation 関税検索サイト(英語)
- 欧州委員会 関税検索サイト(英語)
- 農林水産省 日EU・EPA協定について
- 税関「原産地規則ポータル」
- 税関 EPA原産地規則マニュアル(3.2MB)
- 欧州委員会 日EU・EPAガイダンス「特恵の要求、確認および否認」(英語)(455KB)
- 欧州委員会日EU・EPAガイダンス「原産地に関する申告」(英語)(481KB)
- ジェトロ「経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(日EU・EPA)ガイダンス要求、確認および特恵の否認(2019年12月更新版)(ジェトロ仮訳)」(723KB)
- ジェトロ「経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(日EU・EPA)ガイダンス原産地に関する申告(ジェトロ仮訳)」(711KB)
- ジェトロ「日EU・EPA解説書」(10.2MB)
- ジェトロ「原産地証明ナビ|EPA/FTA、WTO」
2. その他の税
調査時点:2023年7月
EUへの輸入には、輸入関税に加え、各国が独自に定める付加価値税(VAT)や物品税が課されます。これらの税率は国によって異なるため、最終消費国ごとに確認する必要があります。なお、VATに関する共通システムに関しては、欧州理事会指令2006/112において規定されています。
フランスにおいて、VATは5.5% または20%が課税されます。例えば、CNコード1905.40.9000、1905.90.8000ともにチョコレートの含有量が50%未満のパン類、非砂糖菓子、チョコレートに分類されるものなどは5.5%、これに分類されない1905類は20%となります。2105.00.99に分類される乳脂肪分を7%以上含むアイスクリームは20%となります。
ドイツは7%、オランダは9%、イタリアは4%、5%、もしくは10%のVATが課税されます。
関連リンク
- 根拠法等
-
指令2006/112(英語)
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
3. その他
調査時点:2023年7月
なし
その他
調査時点:2023年7月
有機食品に関する規制
EU域内で有機食品を第三国より輸入、販売するための要件およびそのラベル表示に関する規制は、欧州理事会規則(EC)834/2007および 規則(EC) 1235/2008で規定されていましたが、新公的管理の規則(EU)2017/625に照らし合わせ、新規則 (EU) 2018/848および2021/2306が2022年1月1日より適用されています。
- 有機JAS製品の同等性を利用して、EUで有機食品として販売する場合
-
調査時点で、日本の有機JAS制度は、EUの有機制度との同等性を有するとみなされており、EU域内で「有機」として販売が可能な国のリスト(第三国リスト)に掲載されているため、同リストに掲載された有機登録認定機関(Control bodies)が発行する証明書を添付することにより、有機食品としてEU加盟諸国に輸出することが可能です。なお、「有機JAS」認証を取得した食品が無条件にEU域内で有機食品として販売できるわけではないこと、発行できる登録認証機関は、規則(EU) 2021/2325 ANNEX Iに記載される有機認証団体のみであり、すべての有機JAS登録認定機関が発行可能でない点にも留意が必要です。
なお、当該証明書は、2017年10月19日からTRACESシステムを用いて電子的に提出することが義務付けられており、証明書を発行する登録認定機関がTRACESに登録されている必要があります。 - 有機JAS認定を取得した食品をEU域内へ「有機」として輸出する場合には、日本産の有機JAS認定を取得した原材料だけでなく、EU規制および有機JAS制度と同等の水準にあると認められた有機認証制度を有する国(EU加盟国、米国、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン、カナダ、韓国、イスラエル、コスタリカ、インド、チュニジア)産の有機認証原材料も使用可能です。
- また、食品に「organic」などの語句を表示してEU域内で販売する際には、有機JAS登録認定機関の認証機関コード番号もラベル表示に記載しなければなりません。また、任意でEUの有機ロゴ(ユーロリーフ)を使用することもできますが、日本から輸入した有機JAS認定食品の場合は「non-EU Agriculture」の表示もあわせて記載する必要があります。生産国が日本のみの場合は、「non-EU」を国名で代替・補足することも可能です。
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図:EUの有機ロゴ(ユーロリーフ)
- たとえ、日本で有機JASを取得していても、EUの有機認証を取得していない商品の包装に「Organic」と印刷することは違反行為となり、輸入国でラベルを張り替える、「Organic」を塗りつぶすなどの措置が求められることにも注意が必要です。
- 日本の有機JAS制度はEUの有機制度との同等性が認められていますが、日本の有機JAS制度においては一部農薬(無機銅など)の使用が認められており、かつ残留農薬基準が日本よりEUのほうが低く設定されている場合があります。その場合は有機JAS農産物であってもEUの残留農薬基準を満たさない可能性があることについて留意が必要です。
- なお、欧州理事会規則(EC) 2018/848および欧州委員会規則(EC)889/2008に基づき、EU域内に有機食品を輸入・流通させるにあたっては、EU側の輸入者・販売者にも当局への登録、査察の受け入れ、証明書の保持などが義務付けられています。このため、輸出に際してはEU域内の相手方事業者がこれらの要件を満たす事業者であるかどうかについて確認を行うことも必要です。
- 前述のとおり、新公的管理の規則(EU)2017/625に照らし合わせ、新規則 (EU) 2018/848が2022年1月1日から適用された結果、有機の第三国との同等性の規則が失効されることが示唆されています。規則 (EU) 2020/1693によると、EU有機と日本の有機JASの同等性の失効期限は2026年12月31日までとなっているため、有機JAS制度の同等性を利用したEUへの有機食品の輸出ができなくなる可能性があります。
関連リンク
- 関係省庁
- 欧州委員会 保健衛生・食の安全総局(英語)
- 欧州委員会農業農村開発総局 (フランス語)
- 根拠法等
- 規則(EC) 889/2008(英語)
- 規則(EU)2017/625 (英語)
- 規則 (EU) 2018/848 (英語)
- 規則 (EU) 2020/1693(英語)
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実施規則(EU)2021/2325(英語)
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。 - その他参考情報
- 農林水産省 有機JASに基づく有機食品の輸出入方法などの変更について
- 農林水産省 有機食品の検査認証制度
- 農林水産省 有機登録認定機関一覧 (148KB)
- 欧州委員会農業農村開発総局 Import/Export: Trade in organic products(英語)
- 欧州委員会 TRACES(英語)
- ジェトロ 欧州における有機食品規制調査(2018年3月)
遺伝子組換え作物に対する規制
EUでは、欧州議会・理事会規則(EC)1829/2003に基づき、認可を受けた遺伝子組換え作物のみ(大豆、とうもろこし、綿実、菜種、テンサイ)がEU域内での販売・流通を認められており、流通させる場合には遺伝子組換え作物を使用している旨の表示が義務付けられています。
認可を受けた遺伝子組換え作物のリストは、欧州委員会のウェブサイトで検索が可能です。
菓子の原材料に日本で遺伝子組換え作物の流通・使用が認められている原材料(大豆・トウモロコシなど)を使用している場合には、次のEUと日本の規制の違いについて留意する必要があります。
- 日本では、遺伝子組換え作物のDNAおよびタンパク質が加工工程で除去される食品(しょうゆや植物油など)については、たとえ遺伝子組換え作物を原料としていても遺伝子組換えの表示義務がありません。しかし、EUでは、最終食品におけるタンパク質・DNAの存在の有無にかかわらず、原材料に遺伝子組換え作物を使用した場合には、その旨の表示義務(原材料名の後ろに‘genetically modified’と記載、または、‘produced from genetically modified ○○(原材料名)’と記載)があります。
- 日本では、遺伝子組換え農産物が食品などの主な原材料(原材料の上位3位以内で、かつ全重量の5%以上を占める場合)ではない場合には、遺伝子組換えについての表示義務がありません。しかし、EUでは、食品添加物を含む加工食品のすべての原材料について、遺伝子組換え作物を原材料に使用している場合は、表示義務があります(例えば遺伝子組換え由来の大豆レシチンやコーンスターチなど)。
- 日本では、遺伝子組換えではない原材料について、許容される遺伝子組換え体の「意図せざる混入」の割合は5%未満となっていますが、EUでは、同割合は0.9%未満となっていることから、これを超える場合は遺伝子組換え作物使用の表示が必要です。
- 日本では、表示可能面積が30平方センチメートル以下の加工食品については、遺伝子組換え表示義務の対象外となっていますが、EUでは、最大包装面積が10平方センチメートル以上の食品には、遺伝子組換え表示の義務があります。また、最大包装面積が10平方センチメートル未満の包装食品や非包装食品についても、遺伝子組換え作物を原材料に使用している場合には、食品陳列棚の近傍に常に見えるかたちで表示する義務があります。
- 日本では『遺伝子組換え不分別』の概念がありますが、EU規制には当該概念がありません。遺伝子組換え作物を使用もしくは遺伝子組換え作物を飼料の原料としている場合は表示が必要です。
- 食品成分として使用した遺伝子組換え微生物(酵母エキスなど)にも遺伝子組換え作物使用の記載義務があります。
「遺伝子組換えでない(GM(O)-Free, Non-GM(O)s)」などの表示については、EUの共通規制はありません。従って、EU規制上は、遺伝子組換え作物の混入が偶発的な意図せざるものであり、混入割合が当該原材料の0.9%未満であれば、「GM(O)-Free」などの表示を任意で行うことが可能です。
ただし、加盟国によっては、GM(O)-Free表示に関して独自の規制を課していることがあるため、注意が必要です。スウェーデンとベルギーにおいては、GM(O)-Freeなどの表示はガイドラインにより禁止されています。また、ドイツ、フランス、オランダ、オーストリアなど一部の加盟国においては、国内法やガイドラインによりGM(O)-Freeに関する表示ができる場合のルールや使用できる文言、ロゴが独自に定められています。これらの国・地域でGM(O)-Freeに関する表示をする場合には、各国・地域の規制を確認する必要があります。
例えばフランスでは、デクレにより植物食品に「非遺伝子組換え(sans OGM )」と記載する際は、偶発的または技術的に回避できない事情で、遺伝子組換え農産物の混入率が0.1%未満である必要があります。ただし、EUで対象となっている遺伝子組換え種に限ります。
動物性食品において、遺伝子組換え農産物の混入0.1%未満の飼料で育てた畜産由来の未加工品の場合(卵・生乳をのぞく)は「nourri sans OGM (<0.1 %)」、卵・生乳を含む遺伝子組換え農産物の混入が0.1%未満の飼料で育てた畜産由来の材料からなる加工品には「issu d’animaux nourri sans OGM (<0.1 %)」と記載することができます。また、遺伝子組換え飼料の混入が0.9%未満の場合「nourri sans OGM (<0.9 %)」、あるいは「issu d’animaux nourri sans OGM (<0.9 %)」と記載できると規定されています。特定のロゴは定められていません。
EU規則における表示制度 | 日本における表示制度 | |
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表示対象 |
EUで認可されたGMO登録された品目(綿、とうもろこし、菜種、大豆、てんさい) 認可されない作物は使用不可 |
大豆、とうもろこし、ばれいしょ、菜種、綿実、アルファルファ、てんさい、パパイヤ、からし、およびこれからなる33食品群(加工食品) 上記以外の作物に「遺伝子組換えでない」などの表示は不可 |
複合原材料からなり、GMOで構成されているあるいはGMOを含有する場合 |
使用した場合、表示義務あり 原材料リストの当該原材料の直後に「genetically modified(遺伝子組換え)」または「produced from genetically modified [name of ingredient ] (遺伝子組換えの[原材料名]から生産された)」を表示 |
表示義務あり ただし、
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成分が品目の名前で指定されている場合 (例「GM大豆から生産されたレシチンを含む」など) |
使用した場合、表示義務あり 「contains genetically modified [name of organism](遺伝子組換え[作物名]を含む)」または 「contains [name of ingredient] produced from genetically modified [name of organism](遺伝子組換え[作物名]から生産された[原材料名]を含む)」を表示 |
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最終製品のDNAやタンパク質の検出の可否を問わず、GMOを使用している場合(添加物や香料、高度精製品含む) |
最終製品のDNAやタンパク質の検出の可否を問わず、GMOを使用している場合表示義務あり。 食品成分として使用した、添加物や香料、高度精製品、微生物(酵母エキスなど)にも表示義務あり。 |
最終製品にDNAやタンパク質が検出されない場合、表示義務なし。油やしょうゆの場合、DNA等が検出できないため、表示義務なし。 添加物についても遺伝子組換えの表示義務なし。 |
表示が免除される技術的に不可避または偶発的な(意図せざる)混入率 |
0.9%未満 正、回避するために必要なすべての措置を講じたことを証明する必要がある。 「遺伝子組換えでない」「非遺伝子組換え」「不分別」「分別生産管理流通管理済み」の表示は不可 |
大豆やとうもろこしは5%以下 「分別生産流通管理済み」等の表示が可能 (改正前の制度では「遺伝子組換えでない」「非遺伝子組換え」の表示が可能だったが、2023年4月1日から「分別生産流通管理をしており、かつ遺伝子組換えの混入がない場合」と改正されたため、表現の使用を下記の場合とで分ける必要がある) |
「GMO Free / Non GMO (遺伝子組換えでない)」表示 |
EUで統一した規則はなく、各加盟国法で定められている場合や民間認証団体の仕様書に規定がある。 例)フランスの場合、デクレn 2012-128により「Sans OGM (遺伝子組換えでない)」の表示は、植物性食品の場合、GMOの混入が0.1 %以下であれば可能。畜産品の場合0.1 %以下または0.9%以下の場合とし、正確な混入率を表示する。「sans OGM (<0,1 %) 」 「sans OGM (<0,9 %)」の表示をする |
分別生産流通管理をして、遺伝子組換えの混入がないと認められる原材料を使用した場合「遺伝子組換えでない」「非遺伝子組換え」の表示が可能 (2023年4月1日より改正) |
関連リンク
- 関係省庁
- 欧州食品安全機関(EFSA)(英語)
- 根拠法等
- 規則(EC) 1829/2003(英語)
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規則(EC) 1830/2003(英語)
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。 - その他参考情報
- 欧州委員会 遺伝子組み換え作物に関する検索サイト(英語)
- ジェトロ 遺伝子組換え食品規制調査 -EU-(2016年3月)
- EUにおけるGM-Free食品表示の現状と共通規則の必要性に関する調査(英語)(4MB)
- EUにおけるGM-Free食品表示の現状と共通規則の必要性に関する調査 ケーススタディ(英語)(1,152KB)
新規食品に関する規制
調査時点:2023年7月
EUでは、規則(EU) 2015/2283により、1997年5月15日以前にEU内でヒトによって相当量(significant degree)を消費されていなかったとされる、食品または食品原料を「新規食品(Novel Food)」と定義し、認可を受けた新規食品のみEU域内で販売または食品に使用することができます。
新規食品には、植物からの新たな抽出物(例:菜種タンパク質)、第三国からの農産物(例:チアシード)、新たな生産工程を用いて製造された食品(例:紫外線処理されたパンや牛乳)、新たな栄養素源(例:藻類から抽出されるドコサヘキサエン酸が豊富なオイル)といった幅広い食品が含まれます。一部の日本や外国でなじみのある第三国由来の伝統食品であっても(例 しそ、一部の海藻など)97年より以前にEUで消費されていなかったとされ、規制の対象となり、流通できないこともあるため注意が必要です。
その他、原材料が新規食品とされる「人工ナノマテリアル」の形態で製品中に存在する場合、当該原材料の名称の後に括弧を付して「Nano」と記載する必要があります。
「人工ナノマテリアル(nm)」とは、意図的に製造された物質であって、「1またはそれ以上の外形寸法が100ナノメートル以下のもの」または「内面または表面が離散性の機能要素によって構成され、その多くの1またはそれ以上の外形寸法が100ナノメートル以下のもの(100ナノメートル以上の大きさであってもナノスケールの特性を有する強凝集性または弱凝集性の構造を含む)」を指します。
なお、EUではナノマテリアルである二酸化チタン(TiO2/E171)(白色着色料)の使用が2022年2月から禁止されています。
認可された新規食品のリストは、実施規則(EU) 2017/2470のANNEXに規定されています。 また、欧州委員会の「新規食品カタログ」でも新規食品に該当するかを調べることができます。
販売しようとする食品が新規食品に該当するかどうかの判断がつかない場合は、最初に販売しようとする加盟国の当局に対して、当該食品が新規食品に該当するか否かを照会することができます。各加盟国の所轄当局のリストは、欧州委員会のウェブサイトで確認することができます。
関連リンク
- 根拠法等
- 規則(EU)2015/2283(英語)
-
実施規則(EU)2017/1470(英語)
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。