為替管理制度
最終更新日:2024年01月25日
管轄官庁/中央銀行
連邦経済・気候保護省、連邦財務省、ドイツ連邦銀行など。
連邦経済・気候保護省(Bundesministerium für Wirtschaft und Klimaschutz:BMWK / Federal Ministry for Economic Affairs and Climate Action)
所在地:Scharnhorststr. 34-37, 10115 Berlin
Tel:+49-(0) 30-18-615-0
問い合わせは、ウェブサイト(Contact)から送信可能。
連邦財務省(Bundesministerium der Finanzen:BMF / Federal Ministry of Finance)
所在地:Wilhelmstr. 97, 10117 Berlin
Tel:+49-(0) 30-18-682-0
問い合わせは、ウェブサイト(Contact)から送信可能。
ドイツ連邦銀行(中央銀行)(Deutsche Bundesbank)
所在地:Wilhelm-Epstein-Str. 14, 60431 Frankfurt am Main
Tel:+49-(0) 69-9566-0
問い合わせは、ウェブサイト(Contact)から送信可能。
為替相場管理
変動相場制。経済通貨同盟(EMU)に加盟。
貿易取引
原則として為替制限なし。
貿易外取引
2013年に対外経済法(AWG)が改正され、50条から28条に簡素化された。
- 対外経済法(Außenwirtschaftsgesetz-AWG / Foreign Trade and Payments Act)
対外経済法に基づき、ドイツまたは他のEU加盟国の安全、国家間の平和などの理由があれば、一時的に対外経済活動を制限できる。 - 1万2,500ユーロ超の国外取引(銀行振込含む)
連邦司法省:対外経済法施行令(Außenwirtschaftsverordnung-AWV / Foreign Trade and Payments Ordinance)- ドイツ国内の銀行を通じた1万2,500ユーロあるいは1万2,500ユーロ相当分を超えるユーロ以外の通貨の国外取引(1万2,500ユーロを超える銀行振込も含まれる)は所定の様式Z4に記入し、送金あるいは着金のあった翌月の7日までにドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに提出する。ただし、商品の輸出入にかかわる支払いや受け取り、保証金、返済期間が12カ月以内の貸付金の借入れおよびその返済は報告義務の例外(対外経済法施行令67条)。
ドイツ居住者が営む海運業に関しては、1万2,500ユーロ以内でもすべての取引を報告する義務がある(様式Z8)。 - 中継貿易および単一ユーロ支払地域内*の通常振替、その他の入出金(国外の銀行を通じたものを含む)は、様式Z4に記入した上で、支払いの翌月の7日までにドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに提出する。
*単一ユーロ支払地域(Single Euro Payments Area:SEPA):加盟国の中では、統一された振替方式を利用することとなっている。 - 有価証券ないし金融派生商品の売買による入出金、および有価証券の現金化に伴う入出金は、様式Z10に記入した上で、支払いの翌月の5日までにドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに提出する。
報告に関してはドイツ連邦銀行のウェブサイト "General statistics reporting portal "および説明書"Reporting made simple(216KB)"参照。
様式Z4、Z8、Z10の見本(PDFファイル)がダウンロード可能。
Annexes Z 4, Z 8 and Z 10 to AWV - Specimen copies incl. explanatory notes(181KB) - 様式の提出はインターネット経由のみで可能であり、ドイツ連邦銀行のオンラインサービス「ExtraNet」の「一般統計申告オンライン・ポータル(AMS)」上で、報告義務者が直接提出する。
- ドイツ連邦銀行:一般統計申告オンライン・ポータル(Allgemeines Meldeportal Statistik:AMS / General statistics reporting portal)
- ドイツ連邦銀行:一般統計申告ポータルの利用についての情報(General statistics reporting portal (AMS))(968KB)"
- ドイツ国内の銀行を通じた1万2,500ユーロあるいは1万2,500ユーロ相当分を超えるユーロ以外の通貨の国外取引(1万2,500ユーロを超える銀行振込も含まれる)は所定の様式Z4に記入し、送金あるいは着金のあった翌月の7日までにドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに提出する。ただし、商品の輸出入にかかわる支払いや受け取り、保証金、返済期間が12カ月以内の貸付金の借入れおよびその返済は報告義務の例外(対外経済法施行令67条)。
資本取引
資本取引に関する届出義務と報告義務あり。
資本取引に関する届出および報告には、使用する様式と提出期限が定められている。様式と記入時の注意事項については、ドイツ連邦銀行のウェブサイトからダウンロードが可能。ウェブサイト「一般統計申告オンライン・ポータル(AMS)」および同利用情報については、前項「貿易外取引」参照。
- 対外経済法施行令66条および71条に基づく債権および債務に関する報告義務
次に該当する場合、ドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに定められた様式に基づき、一定の時期までに「一般統計申告オンライン・ポータル(AMS)」から報告しなければならない。ただし、自然人の場合は報告義務はない。
- 居住者の非居住者に対する債権ないし債務の月末における残高合計が500万ユーロを超える場合。報告期限は次のb.とc.のとおり。
- 非居住者である銀行との財務関係による債権ないし債務は、所定の様式Z5に記入して翌月の10日までに報告する。
- 非金融機関の場合、次のように債権・債務の内容により報告する所定様式は異なるが、いずれも報告期限は翌月20日まで。
- 非居住者である非金融機関との金融取引に伴う債権ないし債務:Z5a版シート1/1または1/2
- 非居住者である非金融機関との財・サービスの取引に伴う債権ないし債務:Z5a版シート2/1または2/2
- 非居住者との金融派生商品の取引による債権ないし債務が、各4四半期の終わりに5億ユーロを超える場合は、その四半期終了後50日以内に様式Z5bに記入して報告しなければならない。
- 居住者の外国における資産に関する対外経済法施行令64条および71条による報告義務
ドイツに居住する外国の企業および個人が次に該当する場合、当該外国企業の資本参加状況も同様に報告しなければならない。
- 総資産額300万ユーロ超の非居住会社に、資本金の10%以上に相当する資産を有するか、議決権を有する場合。
- 総資産額300万ユーロ超の非居住会社に、ドイツの出資者(単独あるいは複数)が50%以上の資本参加をしている場合。
報告は年に1度、決算日の状況(個人は12月31日の状況)を様式K3に記入し、6カ月以内にドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに提出する。この報告は「一般統計申告オンライン・ポータル(AMS)」から行う。
様式入手および提出方法は次項3.を参照。 - 非居住者のドイツ国内における資産に関する対外経済法施行令65条および71条による報告義務
総資産額300万ユーロ超のドイツ居住会社で、非居住会社1社または互いに経済的に結びついた複数の非居住会社が、資本金の10%以上の株式または議決権を有する場合。また、当該ドイツ企業が国外から50%以上の出資を受けている場合、この申告者に従属する他のドイツ居住会社も、同様に報告を行わなければならない。非居住会社のドイツ支店に帰属する総資産額が300万ユーロを超える場合も報告義務がある。
報告は年に1度、決算日の状況(個人は12月31日の状況)を様式K4に記入し、6カ月以内にドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに提出する。この報告は「一般統計報告オンライン・ポータル(AMS)」から行う。
使用する様式K3、K4および記入に関する注意事項については、ドイツ連邦銀行のウェブサイト "Stock Reports on cross-border equity investments (K 3 and K 4)" からダウンロードできる。2013年9月1日以降、対外経済法施行令の改正で報告の様式が変更され、株式会社への直接投資に関してはISINコードの記入が、また、国際会計基準を使用する場合に限っては、「その他の包括利益累計額」の報告が求められるようになった。
なお、最新の情報については、「直接投資状況の報告についての説明書」および「直接投資状況の報告についての説明書-銀行への補足案内」にまとめられている。- ドイツ連邦銀行:直接投資状況の報告についての説明書 "Notes on reporting direct investment stocks(76KB)"
- ドイツ連邦銀行:直接投資状況の報告についての説明書-銀行への補足案 "Additional notes for banks on reporting direct investment stocks(16.50KB)"
- 証券業務、金融派生商品とこれに関連する収入・支払いに関する報告義務
ドイツ居住者と非居住者間の証券業務および金融派生商品の売却・取得の支払いで1万2,500ユーロを超えるものは、様式Z10に記入し、翌月の5日までにドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに提出しなければならない。
国外における証券発行者の償還業務、および国内証券の償還との関係で、海外の証券管理所からドイツ国内経済地域に戻された支払いについても、様式Z10に収入として記述する。
なお、非居住者との金融派生商品の取引による債権ないし債務が各4四半期の終わりに5億ユーロを超える場合は、その四半期終了後50日以内にドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに提出しなければならない(前述1.を参照)。提出は「一般統計報告オンライン・ポータル(AMS)」から行う。ドイツ連邦銀行のウェブサイトから様式Z4、Z8、Z10の見本(PDFファイル)がダウンロード可能。
Annexes Z 4, Z 8 and Z 10 to AWV - Specimen copies incl. explanatory notes(181KB) - 会社または支店の設立に伴う出資払込みおよび増資に関する報告義務
会社または支店の設立に伴う出資金のドイツ国内への払込みの場合は、対外経済法施行令67~73条に基づき、様式Z4に記入した上で、払込みがあった月の翌月の7日までに、ドイツ連邦銀行の対外経済統計サービスセンターに提出する。
国外に対する払込みの場合は、様式Z4に記入して、振込依頼の際に金融機関に提出する。当該金融機関がドイツ連邦銀行に対して電子的に通知する場合、様式Z4は、遅くとも翌月の7日ないし次の営業日までにドイツ連邦銀行に届いていなければならない。提出は「一般統計申告オンライン・ポータル(AMS)」から行う。ドイツ連邦銀行のウェブサイトから様式Z4、Z8、Z10の見本(PDFファイル)がダウンロード可能。
Annexes Z 4, Z 8 and Z 10 to AWV - Specimen copies incl. explanatory notes(181KB)
関連法
対外経済法(AWG)、対外経済法施行令(AWV)。
連邦司法省(BMJ):インターネットで読む法律(Gesetze im Internet)
対外経済法(Außenwirtschaftsgesetz–AWG / Foreign Trade and Payments Act)
対外経済法施行令(Außenwirtschaftsverordnung – AWV / Foreign Trade and Payments Ordinance)
その他
特になし。