外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2024年02月13日

外国人就業規制

欧州経済領域(EEA)外の国籍を有する外国人が、被雇用者としてベルギーで就労する場合には労働および居住を認める単一許可証の取得が、独立事業者または会社取締役として就労する場合にはプロフェッショナル・カードの取得が、それぞれ義務付けられている。

単一許可証、プロフェッショナル・カードの申請

2019年1月より、単一許可指令(2011/98/EU)のベルギー国内への適用が開始となり、外国人従業員が3カ月以上(180日の間に90日を超えて)滞在し労働する場合、単一許可証の申請(手数料は144ユーロ)を、雇用者が所在する地域を管轄する地域政府(フランダース、ワロン、ブリュッセル首都圏)に対して行うこととなった。プロフェッショナル・カードの申請は、非居住者の場合、居住国のベルギー大使館・領事館で行う。居住者の場合は各地域政府に対し行う。
なお、フランダースにおけるプロフェッショナル・カードの申請は、「WSEオンラインサービスカウンター」を介したデジタル申請に原則移行した。ただし、代理人に申請を依頼する場合は、従来通り各地方政府窓口に対して行う必要がある。

単一許可申請を受理した地域政府は、各地域独自の条件に基づき形式審査を行い、条件に適合する場合は移民局に対して承認する旨連絡する。本通知後4カ月以内に、地域政府で労働許可、連邦政府で居住許可に関する審査をし、承認するか否かを決定し、両機関が承認する場合、移民局は日本のベルギー領事館を含むすべての関係者に対して通知し、タイプDビザが発給可能となる。その後、就労者はベルギーで有効な居住地を決定の上、入国後原則として8営業日以内に各コミューンに必要な登録を行い、当該コミューン経由で単一許可証(労働・滞在許可証)を受領する。
単一許可の有効期間は、全地域において原則として1年間(更新可能)。一定の条件を満たした場合は最大3年間有効の許可証を取得できるが、地域政府当局の判断による。更新を希望する場合は、有効期限の最低2カ月前までに申請すること。

なお、この単一許可証の取得には、(大卒以上の学位をもつ)高度なスキルを有する者または経営職に就く者で、一定水準以上の給与であることが求められる。その給与額は、ブリュッセル首都圏およびワロン地域では、高度なスキルを有する者は5万310ユーロ、経営職に就く者は8万3,936ユーロとされ、フランダースでは、高度なスキルを有する者は4万6,632ユーロ、経営職に就く者は7万4,611ユーロとされている。なお、これらの数値はいずれも2024年の申請用の数値であり、申請に伴う必要書類や基準となる給与の数値は、各地方政府によって多少の違いがある。

これらの申請は「オンライン・プラットフォーム(Digital Counter)」を通じての申請が必要。

多国籍企業グループに勤務する、EU域外の第三国の国籍を有する経営管理職と専門家、研修生はベルギーに所在する同一グループ会社において、企業内転勤者として長期就労(90日超)することができる。申請時にEU域外に居住していることが条件となる。また、同制度を利用し既にEU域内のグループ企業で就労している場合でも、同制度の下、ベルギーで長期就労することが可能となる。許可の有効期間は経営管理職と専門家が3年、研修生は1年。各地域政府(フランダース、ブリュッセル首都圏、ワロン)は、地域ごとに給与レベルや受入年数等の特定条件を定義しているが、最長でも3年までとなる。なお、許可の更新を希望する場合は、有効期限の2カ月前に受け入れ企業(グループ内のベルギー法人)が地域政府に申請し、地域政府当局が申請受理後90日以内に更新の可否を通知する。

ベルギー国内で一時的または部分的に就労する予定で、かつベルギーの社会保障制度に加入していない者は、就労前にLIMOSA(外国人登録制度)申告を行うことが義務付けられている。これは、雇用者・被雇用者のステータスや駐在派遣・出張といった就労形態には関係なく義務付けられているが、例外規定もある。

LIMOSA申告に関する問合せ先(The Limosa Contact Center:Working in Belgium外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Tel:+32 (0)2-788-51-57
Fax:+32 (0)2-788-51-58
E-mail:limosa@eranova.fgov.be

在留許可

外国人が3カ月以上(180日の間に90日を超えて)ベルギー国内に滞在するためには、滞在許可証(IDカード)を取得する必要がある。

単一許可証

単一許可指令(2011/98/EU)のベルギー国内への適用が開始された結果、被雇用者としてベルギーで就労する場合、労働許可と在留許可の申請は同時に行われる。就労者はベルギーで有効な居住地を決定の上、入国後原則として8営業日以内に各コミューンに必要な登録を行い、当該コミューン経由で単一許可証(労働・滞在許可証)を受領する。

インテグレーション・コース

2022年6月以降にベルギーへ入国し、3カ月以上滞在する18歳から65歳の非EEA国籍者で、単一許可証またはプロフェッショナル・カードを取得していない者を対象に、ベルギー社会への円滑な適応を目的として、インテグレーション・コースの受講が義務化されている。
インテグレーション・コースは各地域政府(フランダース、ワロン、ブリュッセル首都圏)によって管轄され、詳細なコース内容は地域政府ごとに異なる。受講しない場合の罰則規定も定められている。

各地域政府のインテグレーション・コース
項目 フランダース ワロン ブリュッセル首都圏
費用 一部有料 無料 無料
期限 在留許可の申請から3カ月以内の受講開始。
受講開始から2年以内に終了すること。
在留許可の申請から18カ月以内の受講完了。 在留許可の申請から6カ月以内の受講登録。
言語 選択式 選択式 選択式
コース概要 オランダ語の学習、ボランティア活動など フランス語の学習、生活に関するオリエンテーションなど フランス語/オランダ語の学習、生活に関するオリエンテーションなど
罰則 最大5,000ユーロ 最大2,500ユーロ 最大2,500ユーロ

地域政府によっては複数の窓口が設置されている。フランダースの場合は居住地域に応じて、所轄の窓口よりインテグレーション・コースを受講する必要がある。それぞれのウェブサイトは以下のとおり。

  1. フランダース
  2. ワロン
  3. ブリュッセル首都圏

現地人の雇用義務

現地人の雇用義務はない。

その他

特になし。