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外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2017年08月15日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

会社定款を作成の上、登記を行う。法律事務所による会社設立手続きの代行が可能。 
発起人は2人以上の成人であれば、国籍に関係なく非居住者であっても会社設立は可能。会社資産をパナマに置く必要はなく、定款に使用される言語も不問。

会社の設立(1927年法律32号・会社法90条)

  1. 定款の作成
    パナマ共和国法に準拠した会社定款を作成するには、次の情報が必要。
    1. 商号

      パナマにおいて既に設立または登記されている会社名に類似していてはならない。また、使用言語は問わないが、会社であることを示す「S. A.(Sociedad Anonima)」「Inc.」「Corp.」等を社名の最後に付けなければならない。

    2. 会社の営業目的

      パナマの会社法では、たとえ定款の中で定められた目的以外の業務であっても、合法であれば行うことができる。

    3. 資本金と株式数

      資本金の表示は、いずれの国の通貨によるものでも可。株式は、額面式および無額面式のいずれでも発行できるので、無額面式の場合には資本金の額を表記する必要がない。ただし、発行を許可された株式数は明記されなければならない。

    4. 株式の発行形態

      株式を無記名もしくは記名式のいずれで発行するか、あるいはその両方で発行するかについて、明記する必要がある。無記名株を発行する場合、無記名株保管制度を採用することを株主会議または取締役員会議で決議し、それを登記所に登記することが必要。発行された無記名株は、所有者の身元を明記した文書とともに、当局より認定された保管者(Authorized Custody)に預託されなければならない(2013年8月6日法律第47号、2015年4月23日法律第18号)。

    5. 複数種の株式発行

      複数種の株式発行する場合、種類ごとの株式数、株式の種類、優先権、恩典、議決権、制限、必須条件を明記するか、その決定が取締役員会の過半数の決議によってなされる旨を明記する必要がある。

    6. 取締役員の住所および氏名

      パナマ法では、最低3人の取締役員が必要とされる。

    7. 執行役員の住所および氏名

      パナマ法では、少なくとも社長(President)、財務役(Treasurer)、書記役(Secretary)を任命する必要があるが、1人が複数の役職を兼務することが認められている。取締役員が執行役員を兼務するのが一般的である。

  2. 手続き
    1. 会社名、授権資本金額、発行株数と1株の額面、取締役員名(最低3人必要)とその住所、社長・財務役・書記役の氏名と住所(これら役職は取締役員による兼務が可能)といった必要情報を法律事務所に伝えれば、あとの会社設立手続きについては、法律事務所にすべて任せることができる。
    2. 会社設立には発起人が最低2人必要だが、発起人は法律事務所が手配するのが常である。会社の住所は、パナマ法では会社設立上の必須事項ではないので、通常、会社定款に記載される会社住所は「パナマ共和国パナマ市」となる。
    3. 会社設立手続きに要する日数は、登記まで3~4日程度である。
  3. 備考
    設立に関する補足
    1. パナマ会社法は一定数以上の株主を要求することはないので、会社を1人で所有することができる。さらに受益権所有者(Beneficial Owner)自身、または受益権所有者が指名する者が会社を代表し、あらゆる活動ができるよう全権委任状を発行することも可能。
    2. 設立された会社が業務を開始する前には、一定額の資本金が払い込まれるのが一般的だが、パナマでは一定額の資本金払い込みは要求されず、単に授権資本金額とこれが分割される株数、およびそれぞれの額面、あるいは発行される株式を無額面とするかどうかを定めることのみが要求される(会社法第22条)。
    3. 払い込み済み資本金と会社資産との相互関係は問われないため、例えば払い込み資本金1万ドルの会社が数百万ドルの資産を持つことができる。これは、会社株式の額面額と会社の簿価が必ずしも一致しないことを意味する。
    4. 2社以上の法人が発起人となって会社を設立することができる。同様に、これら発起人が、当該会社の株主、取締役員、役員、経営者、代理人あるいは清算人となることもできる。
    5. 自然人と法人とを問わず会社発起人となることができるほか、取締役員、役員または清算人となることもできる。
    6. 取締役員や執行役員(社長、財務役、書記役等)がパナマ人である必要はなく、国籍や居住地も問われない。
    7. 取締役員会は、法律で定められているとおり、3人以上で構成される必要があるが、それ以上であれば何人でも取締役員に任命できる。
    8. 取締役員会議は、世界中のどこでも開催することができる。
    9. 取締役員は、取締役員会議に、代理人を介して出席することもできる。
    10. 公正証書または私設証書を通じて付与される全権委任状または特定委任状は、これらが正式に署名された時から第三者に対し効力を発揮し、当事者の判断により登記所に登記することもできる。
    11. 株主会議は、世界中のどこでも開催することができる。株主は代理人を介してこれに出席することもできる。
    12. 電話、ファックスまたはその他の電子的通信手段を通じ、取締役員、株主、社員、経営陣または清算人が行う合意、行為ならびに契約は、たとえ異なる場所と日時おいて書類に署名がなされた場合でも、当事者またはその代理人が直接交信できる状態の下では、それが決定された会議に出席していたものとみなされる。
    13. 株式発行記録や会議議事録は、印刷できることを条件に、電子的もしくはその他の代替手段で保存することができる。
    株式について
    1. パナマの会社は、複数種の株券を発行するとともに、それぞれに異なる名称、優先権、特権、議決権、制限、条件ならびに定款で定めるその他の権限を与えることができる。これにより、欧州や米州諸国の法律が禁じる優先的議決権を持つ株式を設けることもできる。
    2. 会社法第32条は、会社またはその株主は、他の株主が売却を希望する株式を優先的に取得できる旨、会社定款で定めることを認めている。会社株式の譲渡に制限を設けることはできるものの、それを完全に禁じる規定は無効となる。
    3. 2013年8月6日付法律第47号により、無記名株の保管制度が定められた。また2015年4月23日付法律第18号によって先の法律が修正され、2015年8月4日までに設立された会社で引き続き無記名株を保持したい会社は、取締役員会において無記名株式保管制度を受け入れる決議を行うとともに、その決議内容を登記し、無記名株券とその所有者の身元を明記した文書を認定保管業者に提出しなければならない。
    税について
    1. パナマの会社は、パナマ国内を源泉とする利益に対してのみ納税義務を負う。パナマ国外での取引を通じた収入には、その取引がパナマ国内にある事務所から指揮されたものであっても、所得税は発生しない。
    2. パナマ国内で締結された契約に基づき、パナマ企業が国際海運またはパナマ船籍の船舶による輸送業務を通じて得た収入は課税の対象にはならない。
    3. パナマ国内で営業する銀行に預けた預金から生まれる利息は口座名義がパナマの会社であったとしても課税対象にならない。
    4. パナマ国外において完遂された、または効力を生じたローンに対する利子には、上限が適用されない。
    5. パナマ国内にある事務所を通じ行われた商品の売買において、商品の仕入先および販売先がパナマ国外にあり、商品の輸送は仕入先から販売先に直接行われ、パナマの会社を通じては決済のみが行われる場合、パナマの会社が得る収入は課税対象とはならない。
    6. パナマ国内外でビジネスを行うパナマの会社については、パナマ国内で行われたビジネスから得た所得に対してのみ課税される。
    7. パナマ国外を源泉とする所得によってパナマの会社が支払う配当は、課税対象にはならない。よって、パナマ国外のみで活動するパナマの会社から配当を受けたパナマの会社は、当該配当については課税対象とされない。
    8. パナマに居住しないパナマの会社の社員、取締役員や役員は、会社から得る報酬について、税金を支払う義務を一切負わない。ただし、パナマの会社がこれら報酬を会社経費として会計処理する場合は、その限りではない。
    9. パナマの会社は、取締役員会または株主の事前承認と公認会計士の監査を受けることを条件に、財務諸表を登記所に登記できる。
    10. パナマの会社は、パナマ国外にある資産を、実際には差し出すことなく担保とすることができる。ただし、特定の動産または不動産が担保する債権の優先権が、それによって影響を受けることはない。
    11. パナマの会社に対し、パナマ政府は、会社設立時に300ドル、その翌年度から毎年350ドルを徴収する。パナマ国外のみで活動するパナマの会社にとっては、これが唯一支払い義務を負う税金となる。

外国企業の支店登記(1927年法律32号・会社法90条)

  1. 必要書類

    外国企業がパナマにおいて支店登記を行うには、次の書類が必要となる。

    1. パナマで公正証書にされた会社定款(ただし、会社の最新データが分かる修正定款も必要)。
    2. パナマにおける事業を決定した取締役員会または決定権限を有する社内機関による議定書。この議定書には、パナマにおける事業にどれほどの資金が割り当てられたかを明示する必要がある。
    3. 最新の貸借対照表。
    4. 会社の登記証明書で、公正証書化してアポスティーユ認証を受け、会社が本社を置く国に駐在するパナマ共和国領事による査証を受けたもの。
  2. 手続き
    • 必要書類を用意した後、法律事務所を通じて手続きを進めることができる。
    • 外国会社の支店登記に要する時間は、必要書類が揃ってから3~4日程度である。

外国企業の会社清算手続き・必要書類

会社の解散手続き(1927年法律32号80条~89条)については、次のとおり。

会社の解散手続き(1927年法律32号80条~89条)

  1. パナマの会社法により設立された会社は、取締役会が会社の解散が適切であると判断した時は、取締役の過半数による投票をもって株主に解散を提案し、10日以内に同法40条および43条の規定に従って議決権を有する株主が参加する株主総会を招集し、取締役会の決議に関して株主の決断を仰ぐ。
  2. 株主総会において、議決権を有する株主の過半数を代表する株主が会社解散を承認する決議を採択した場合、社長と副社長のいずれか1人と、書記役と書記役補佐のいずれか1人、ならびに財務役と財務役補佐のいずれか1人が証明する、会社役員の氏名・住所を記した名簿を添付した株主の同意書の写し1部を公正証書化し、その謄本を商業登記所に提出する(※)。
  3. この謄本を商業登記所に提出した後、パナマの新聞または官報を通じて、少なくとも1度、謄本を公表する(※)。

    ※議決権を有する株主の過半数が書面で解散に同意した時は、取締役会や株主総会の開催は不要。
    株主の合意の証となる書類は、公正証書化して商業登記所に提出した後、パナマの新聞または官報に公表する必要がある。この手続きの終了をもって、会社の解散が正式に認められる。

  4. 会社定款で定められた存続期間の満了または解散により存続を停止するすべての会社は、当該日より3年間は、訴訟手続きの開始、被告としての権利の弁護、取引の清算、資産の譲渡ならびに処分、資本の分配などの特定目的のために存続を継続する。ただし、いかなる場合においても、会社の設立目的である営業を継続することはできない。
  5. 存続期間の満了または解散により会社の存続を停止する場合、会社の全債務の支払いがなされたならば、取締役は取引の清算、貸付金の取り立て、あらゆる財産の売却および譲渡、株主への財産の分配等を行う権限を持ち、会社の受託者として活動する。これに加えて取締役は、会社の債権ならびに資産を巡る訴訟手続きに着手する権利、および会社に対して提起される訴訟において会社を代表する権利を有する。そして取締役は、会社の債務に対し、共同の、もしくは個人的な責任を負う。ただし、その限度は、自らが所有または管理するところの資産および資金の総額までとする。
  6. 取締役は、会社の資産または資金を自らの役務に対する妥当な報酬に充てることができる。また取締役に欠員が生じた時は、これを補充することができる。
  7. 取締役員が受託者として行動する場合、その決定は取締役会における過半数の賛同により下される。

その他

会計帳簿の作成が義務化された。

会計帳簿作成の義務

2016年10月27日付法律第52号により、2017年1月1日以降、パナマ国外で活動するパナマの会社に対し、会計帳簿を付けることが義務付けられた。会計帳簿に記録された取引を裏付ける書類の保管も義務付けられ、会社の居住代理人(Resident Agent)の事務所または会社取締役員会が定める場所に、いすれも5年間保管しなければならない。会計帳簿が居住代理人の事務所と異なる場所に保管される場合、居住代理人は会計帳簿の保管場所と保管者を記録しなければならない。

この他、居住代理人は、株券の写しと株主の記録を保持しなければならない。会計帳簿とその裏付書類をパナマ国外に保管する場合、所轄官庁から提出要請があった場合には、15日以内に居住代理人に提供しなければならない。この期限内に会計帳簿の提供を受けられない場合、居住代理人は辞任しなければならず、こうした状況が解消するまでの間は、新たな居住代理人を登記することはできなくなる(注:パナマの法人は、法律により居住代理人を持つことが義務付けられている)。

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