外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2016年03月17日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

会社定款を作成のうえ登記を行う。法律事務所による会社設立手続きの代行が可能。 
発起人は2人以上の成人であれば、国籍に関係なく非居住者であっても会社設立は可能。会社資産をパナマに置く必要はなく、定款の言語も不問。


1. 会社の設立(1927年法律32号・会社法90条)
(1) 定款の作成
会社の設立、すなわちパナマ共和国法に準拠した会社定款を作成するには次の情報が必要。
a. 商号
パナマにおいて既に設立または登記されている会社名に類似していてはならず、また、いずれの国の言語であっても構わないが、会社であることを示す「S. A.(Sociedad Anonima)」、「Inc.」、「Corp.」等を社名の最後につけなければならない。

b. 会社の営業目的
パナマの会社法では、たとえ定款の中で定められた目的以外の業務であっても、合法であれば行うことができる。

c. 資本金と株式数
資本金の表示は、いずれの国の通貨でも可。株式は額面式/無額面式どちらでも発行することができるので、無額面式の場合には資本金の額を表記する必要がない。ただし、発行を許可された株式数は明記されなければならない。

d. 株式の発行を無記名または記名式またはその両方にて行うかについての明記

e. 数種類の株式を発行する場合、それぞれの種類の株式数、株式の種類、優先権、恩典、議決権、制限、必須条件を明記するか、またはその決定は取締役員会の過半数の決議によりなされる旨の明記

f. 取締役員の住所、氏名(パナマ法では最低3人の取締役員が必要)

g. 執行役員の住所、氏名(パナマ法では社長(President)、財務役(Treasurer)、書記役(Secretary)の任命が最低限求められるが、1人で他の役職を兼務する事が認められている。取締役員が執行役員を兼務するのが一般的である。

(2) 手続き
・実際の手続きは、会社名、授権資本金額、発行株数と1株の額面、取締役員名(最低3人必要)とその住所、社長、財務役、書記役の氏名と住所(ただし、これら役職は取締役員が兼務することが可能)といった必要情報を法律事務所に伝えれば、あとは法律事務所にすべて任せることができる。
・パナマ会社設立には発起人が最低2人必要だが、発起人は法律事務所が手配するのが常である。会社の住所は、パナマ法では住所は会社設立の上で必須事項ではないので、通常、会社定款に記載される会社住所は「パナマ共和国パナマ市」となる。
・会社設立手続きに要する日数は、登記まで3~4日程度である。

(3) 備考

<設立に関する補足>
・パナマ会社法は一定の株主数を要求しないので、会社を1人で所有することができる。さらに受益権所有者(Beneficial Owner)自身、または受益権所有者が指名する者に会社を代表させ、あらゆる活動ができるよう全権委任状を発行することも可能。

・他国の法律では、会社が業務を開始するのに先立ち一定の資本金を払込むことが要求されるのが一般的。これに対してパナマでは、一定資本金の払込みは要求されず、単に授権資本金額とこれが分割される株数およびそれぞれの額面、あるいは発行される株式を無額面とするかどうかを定めることのみ要求される(会社法第22条)。

・パナマでは払込済資本金と会社資産との相互関係が問われない。従って、例えば払込資本1万ドルの会社が数百万ドルの資産を持つことができる。これは会社株式の額面額と会社の簿価が必ずしも一致しないことを意味する。

・2社以上の法人が発起人となり会社を設立することができる。同様にこれら発起人が当該会社の株主、取締役員、役員、経営者、代理人あるいは清算人となることもできる。

・自然人、法人を問わず会社発起人となることができるほか、取締役員、役員または清算人となることができる。

・パナマ会社の取締役員や執行役員(社長、財務役、書記役等)は、パナマ人である必要はなく、国籍やその居住地も問われない。

・取締役員会は法律で定められている必要最小限である3人が必要だが、それ以上であれば何人でも取締役員を任命することができる。

・取締役員会議を世界中、どこででも開催することができる。

・取締役員は取締役員会議に直接、または代理人を介して出席することができる。

・公正証書または私設証書を通じて付与される全権委任状または特定委任状は、これらが正式に署名された時から第三者に対し効力を発揮し、当事者の判断により登記所に登記することもできる。

・株主会議は世界のどこででも開催することができる。株主は直接または代理人を介しこれに出席することができる。

・電話、ファックスまたはその他の電子的通信手段を通じた取締役員、株主、社員、経営陣または清算人が行う合意、行為ならびに契約は、たとえ異なる場所と日時おいて書類に署名がなされた場合でも、当事者またはその代理人が直接的交信状態にあった場合には、会議に出席していたものとみなされる。

・株式発行記録や会議議事録は、単に帳簿だけではなく、印刷できることを条件に電子的手段やその他の手段で保存することができる。

<株式について>
・パナマ会社は異なる種類の株券を発行することができ、これに異なる名称、優先権、特権、議決権、制限、条件ならびに定款で定めるその他の権限を与えることができる。これにより欧州や米州の多くの国々の法律では禁じられている優先的議決権を持つ株式を設けることもできる。

・株式譲渡に関しての制限について、会社法第32条は会社定款にて他の株主が売却を希望する株式を会社またはその株主が優先的に取得できるよう定めることを認めている。会社株式の譲渡に対して制限を設けることはできるが、その譲渡を完全に禁じる規定は無効である。

・2013年8月6日付法律第47号により無記名株の保管制度が定められた。さらに、2015年4月23日付法律第18号により先の法律が修正され、2015年8月4日までに設立された会社で引き続き無記名株を保持したい会社は、その取締役員会を通じて無記名株式保管制度を受け容れる決議を行うとともに、これを登記し、認定保管業者に無記名株券とその所有者の身元を明記した文書を提出しなければならない。

<税について>
・パナマ会社は、パナマ国内を源泉とする利益に対してのみ納税義務を負う。パナマ国外での取引からの収入は、パナマ国内で行われた取引から生じた収入ではないので、この取引がパナマ国内にある事務所から指揮されたものであっても所得税は発生しない。

・たとえ契約がパナマ国内で結ばれた場合でも、国際海運またはパナマ船籍に登録された船舶が行う輸送業務からパナマ会社が得る収入は課税の対象にはならない。

・パナマ国内で営業する銀行に預けた預金から生まれる利息は、たとえ口座名義がパナマ会社であったとしても課税対象にならない。

・パナマ国外において完遂またはその効果を生じるローンに対する利子には上限が適用されない。

・パナマにある事務所を通じ行われた商品の売買で、しかる商品の仕入先も販売先もパナマ国外で、その輸送も仕入先から販売先に直接行われ、決済のみパナマ会社を通じる場合、その取引からパナマ会社が得る収入は課税の対象とはならない。

・パナマ国内外双方にてビジネスを行うパナマ会社は、パナマ国内にて行われたビジネスから得る所得に対してのみ課税される。

・パナマ国外を源泉とする所得によりパナマ会社が支払う配当は、課税の対象とならない。よってパナマ国外のみで活動するパナマ会社から配当を受けるパナマ会社は、しかる配当についてパナマでの課税対象とならない。

・パナマに居住しないパナマ会社の社員、取締役員や役員は、会社から得る報酬について一切の税金を支払う義務を負わない。ただし、パナマ会社がこれら報酬を会社経費として会計処理する場合はその限りではない。

・パナマ会社は取締役員会または株主の事前承認と公認会計士の監査を受ければ、その財務諸表を登記所に登記することができる。

・パナマ会社はパナマ国外にある資産を実際に差し出すことなく担保とすることができる。ただし、特定の動産または不動産が担保する債権の優先権が影響を受けることはない。

・パナマ会社に対し政府は、会社設立時に300ドル、その翌年度から毎年350ドルを徴収する。パナマ国外のみで活動するパナマ会社は、これが唯一支払い義務を負う税金となる。


2. 外国企業の支店登記(1927年法律32号・会社法90条)
(1) 必要書類
パナマにおいて外国企業の支店登記を行うには次の書類が必要である。
a. パナマにて公正証書にされた会社定款(ただし、会社の最新データが分かる修正定款も必要)
b. パナマにおける事業を決定した取締役員会、またはそのような決定を下す権限を持つ社内の機関による議定書。この議定書には、パナマにおける事業に資金をどれほど割り当てられたかを明示する必要がある。
c. 最新の貸借対照表。
d. 会社の登記証明書で、公正証書化してアポスティーユ認証を受け、その国に駐在するパナマ共和国領事による査証を受けたもの。

(2) 手続き
・必要書類を用意した後、法律事務所を通じて手続きを進めることができる。
・外国会社の支店登記に要する時間は必要書類が揃ってから3~4日程度である。

  

外国企業の会社清算手続き・必要書類

会社の解散手続き(1927年法律32号80条~89条)については次のとおり。


会社の解散手続き(1927年法律32号80条~89条)

1. パナマの会社法により設立された会社は、取締役会が会社の解散が適切であると判断した時は、取締役の過半数による投票をもって株主に解散を提案し、10日以内に同法40条および43条の規定に従って議決権を有する株主が参加する株主総会を招集、取締役会の決議に関して決断を仰ぐ。

2. 株主総会において議決権を有する株主の過半数を代表する株主が会社解散合意を承認する決議を採択した場合、社長と副社長のいずれか1人と、書記役と書記役補佐のいずれか1人、ならびに財務役と財務役補佐のいずれか1人が証明する会社役員の氏名、住所を記した名簿を添付した株主の同意書の写し1部を公正証書化し、その謄本を商業登記所に提出する(※)。

3. この謄本を商業登記所に提出後、パナマの新聞または官報を通じて少なくとも1度、謄本を公表する(※)。

※議決権を有する株主の過半数が書面で解散に同意する時は、取締役会も株主総会も必要としない。
株主の合意の証となる書類は公正証書化して商業登記所に提出した後、パナマの新聞または官報に公表される必要がある。この手続きをもって会社が解散されたとされる。

4. 会社定款で定められた存続期間の満了または解散により存続を停止するすべての会社は、かかる日より3年間は、訴訟手続きの開始、被告としての権利の弁護、取引の清算、資産の譲渡ならびに処分、資本の分配などの特定の目的のために継続する。ただし、如何なる場合においても会社の設立目的である営業を継続することはできない。

5. 存続期間の満了または解散により会社の存続を停止する場合、会社の全債務の支払いがなされたならば、取締役は取引の清算、貸付金の取り立て、あらゆる財産の売却および譲渡、株主への財産の分配等を行う権限を持ち、会社の受託者として活動する。これに加えて取締役は、会社を代表しその債権ならびに資産を巡る訴訟手続きに着手する権利および会社に対して提起される訴訟において会社を代表する権利を有する。そして取締役は会社の債務に対し共同または個人的に責任を負う。ただし、その限度は所有または管理するところの資産および資金の総額までとする。

6. 取締役は、会社の資産または資金をその役務に対する妥当な報酬に充てることができる。また取締役に欠員が生じた時は、これを補充することができる。

7. 取締役員が受託者として行動する場合、その決定は過半数の賛同により下される。

   

その他

特になし

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