メキシコの貿易投資年報

要旨・ポイント

  • 2023年の実質GDP成長率は3.2%、ニアショアリング投資で過去最高水準に。
  • 半導体不足が解消し、米国向けなど自動車輸出が新型コロナ禍を超え回復。
  • メキシコの一般関税の引き上げで、日本との経済連携協定の活用に追い風。
  • 自動車関連産業を中心に日本からの直接投資は過去最高に。

公開日:2024年11月13日

マクロ経済 
実質GDP成長率は3.2%、ニアショアリング投資が活況

2023年のメキシコ経済は、実質GDP成長率は3.2%となり、2022年と比較して減速したものの、引き続き3%台を維持した。需要項目別にみると、民間最終消費支出(個人消費)では、年間で5.0%を記録し、前年とともに堅調に推移していることを示した。さらに、国内総固定資本形成は、2023年通年で18.0%を記録し、同年第3四半期は23.9%を記録するなど過去最高水準の伸び率となった。一方、財貨・サービスの輸出は2023年通年で7.4%減、同年第3四半期では、13.0%減と2桁台のマイナスを記録した。

表1 メキシコの需要項目別実質GDP成長率(単位:%)(△はマイナス値)
項目 2021年 2022年 2023年 2024年
年間 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1
実質GDP成長率 6.0 3.7 3.2 3.6 3.5 3.4 2.3 1.6
階層レベル2の項目民間最終消費支出 8.4 4.9 5.0 6.1 4.7 4.9 4.4 3.5
階層レベル2の項目政府最終消費支出 △ 0.5 1.7 2.1 1.4 2.0 2.2 2.8 1.5
階層レベル2の項目国内総固定資本形成 10.5 7.5 18.0 12.3 18.6 23.9 17.0 9.2
階層レベル2の項目財貨・サービスの輸出 7.1 8.9 △ 7.4 △ 1.0 △ 6.9 △ 13.0 △ 8.0 △ 6.8
階層レベル2の項目財貨・サービスの輸入 15.7 7.6 5.0 10.1 7.3 1.2 1.9 4.7

〔注〕四半期の伸び率は前年同期比。本データは2024年7月初旬のデータをもとに集計。
〔出所〕メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)

内需が好調の理由の一つとして、最低賃金の上昇が挙げられる。メキシコでは北部国境地域とそれ以外の地域で最低賃金が分かれているが、2023年、2024年ともに最低賃金が20%上昇した。今後も最低賃金は上昇することが見込まれており、内需が上昇している。

また、国内総固定資本形成は、前年に続き米中貿易摩擦などを背景にした、メキシコを北米の生産拠点と位置付けるニアショアリングが活発化し外資の投資が増えていることがうかがえる。加えて、政府が主導するテワンテペック地峡の開発やマヤ鉄道の建設などのインフラプロジェクトへの政府投資が合わさり、国内総固定資本形成は記録的な成長を遂げた。

一方で、財貨・サービスの輸出が減少した要因として、長引くペソ高が挙げられる。2023年はインフレ率が前年の7.8%から4.7%まで低下した。しかし、メキシコ中央銀行(以下、中銀)は2022年末に10.5%であった政策金利を、さらなるインフレ率減少を目的として最大で11.25%まで上昇させた。そのため、政策金利とインフレ率の差である実質金利が増大した影響が長期化し、それに注目した投資家のペソ買いが進み、1ドル16ペソ台までドル安ペソ高が進んだ。このように高進するペソ高の煽りを受け、輸出額の減少が続いている可能性がある。

貿易 
半導体不足が解消し、自動車輸出がコロナ禍を超え回復

2023年の貿易は、輸出が前年比2.6%増の5,930億1,200万ドル、輸入は1.0%減の5,984億7,500万ドルだった。輸出総額と輸入総額を合計した往復貿易額は、1兆1,914億8,700万ドルで、2022年の金額を超え、過去最高となった。また、機械などの資本財は20%増と大きく伸びたものの、部品や原材料などの中間財輸入は、4.9%減となり、貿易収支は54億6,300万ドルの赤字となった。メキシコは輸出する製品を製造するために中間財の輸入を必要とし、また資本財は国産が乏しいため、輸出に関する生産活動が増えるほど、貿易収支は赤字基調になる。また、ガソリンやディーゼルなどの燃料の国内生産も十分ではない。そのため、貿易収支が赤字の場合、国内の経済活動が活発であることを示している。

輸出を品目別にみると、輸出全体の約9割を占める工業製品・同部品は、前年比4.0%増の5,288億3,800万ドル、そのうち、自動車・同部品は14.3%増の1,889億300万ドルとなった。その内訳をみると、乗用車は前年を上回る16.5%増(550億6,100万ドル)と好調に推移した。これは2022年まで続いていた半導体不足が解消し、自動車生産が370万台まで伸びたことが要因と考えられる。原油は、前年の高騰から減少し、12.7%減の276億400万ドルを記録した。その他、電気・電子機器は5.2%増の897億6,600万ドルと増えた一方で、産業用機械機器は11.4%減の776億6,200万ドルとなった。

輸出を国・地域別にみると、全体の約83%を占める米国向けが前年比3.7%増の4,901億8,700万ドルとなり、最大の輸出品目(HSコード4桁ベース)は1位の乗用車が14.7%増の393億2,000万ドル、2位の自動車部品が12.1%増で349億1,300万ドル、3位のトラック・貨物自動車が14.5%増で331億7,400万ドルとなり、半導体不足により停滞していた自動車生産が回復したことが、輸出にも表れている。2位はカナダで15.5%増の179億9,900万ドル、3位は中国で7.9%減の100億5,800万ドルだった。

輸入の品目別では、前年も伸長した工業製品・同部品は、伸び幅は急減したものの前年比3.3%増だった。そのうち自動車・同部品が21.6%増と前年に続き急増しており、電気・電子機器が3.2%増となった。一方で鉱産品は29.2%減となり、特にガソリンディーゼルは25.7%減と急減し、畜産・水産品も16.2%減と2桁の減少となった。国・地域別にみると、1位は全体の42.7%を占める米国で3.6%減の2,554億4,000万ドルとなった。米国からの輸入額が最も大きい品目(HSコード4桁ベース)は、石油精製品の287億4,800万ドル(25.8%減)であり、次いで自動車部品が176億3,100万ドルとなった。 2位は前年と同じく中国で3.8%減の1,141億9,100万ドルとなった。

表2-1 メキシコの主要品目別輸出(FOB)[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 2023年
金額 金額 構成比 伸び率
農産・林産品 19,319 19,754 3.3 2.3
畜産・水産品 1,873 2,030 0.3 8.4
鉱産品 48,122 42,390 7.1 △ 11.9
階層レベル2の項目原油 31,625 27,604 4.7 △ 12.7
工業製品・同部品 508,422 528,838 89.2 4.0
階層レベル2の項目自動車・同部品 165,232 188,903 31.9 14.3
階層レベル3の項目乗用車 47,275 55,061 9.3 16.5
階層レベル2の項目電気・電子機器 85,321 89,766 15.1 5.2
階層レベル3の項目カラーテレビ・ディスプレイ 14,119 10,548 1.8 △ 25.3
階層レベル3の項目データ送受信機器 13,411 14,171 2.4 5.7
階層レベル2の項目産業用機械機器 87,691 77,662 13.1 △ 11.4
合計 577,735 593,012 100.0 2.6

〔出所〕メキシコ中央銀行「Informe Annual 2023」から作成

表2-2 メキシコの主要品目別輸入(CIF)[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 2023年
金額 金額 構成比 伸び率
農産・林産品 20,482 20,226 3.4 △ 1.3
畜産・水産品 1,066 894 0.1 △ 16.2
鉱産品 77,414 54,802 9.2 △ 29.2
階層レベル2の項目ガソリン・ディーゼル 42,601 31,643 5.3 △ 25.7
工業製品・同部品 505,652 522,554 87.3 3.3
階層レベル2の項目繊維・アパレル・皮革 17,050 17,115 2.9 0.4
階層レベル2の項目自動車・同部品 66,565 80,939 13.5 21.6
階層レベル2の項目産業用機械機器 82,698 83,112 13.9 0.5
階層レベル2の項目電気・電子機器 114,392 118,079 19.7 3.2
合計 604,615 598,475 100.0 △ 1.0
表3 メキシコの主要国・地域別輸出入[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・地域 輸出(FOB) 輸入(CIF)
2022年 2023年 2022年 2023年
金額 金額 構成比 伸び率 金額 金額 構成比 伸び率
北米 488,170 508,186 85.7 4.1 278,222 268,561 44.9 △ 3.5
階層レベル2の項目米国 472,584 490,187 82.7 3.7 265,026 255,440 42.7 △ 3.6
階層レベル2の項目カナダ 15,586 17,999 3.0 15.5 13,195 13,121 2.2 △ 0.6
中米 9,398 9,267 1.6 △ 1.4 4,358 4,570 0.8 4.9
階層レベル2の項目グアテマラ 3,012 2,942 0.5 △ 2.3 750 735 0.1 △ 2.0
階層レベル2の項目コスタリカ 1,108 1,145 0.2 3.3 1,400 1,418 0.2 1.3
南米 14,615 12,457 2.1 △ 14.8 19,511 21,248 3.6 8.9
階層レベル2の項目ブラジル 4,540 4,485 0.8 △ 1.2 12,148 13,542 2.3 11.5
階層レベル2の項目コロンビア 3,691 2,811 0.5 △ 23.8 2,048 2,252 0.4 10.0
階層レベル2の項目チリ 1,795 1,324 0.2 △ 26.2 2,159 2,097 0.4 △ 2.9
階層レベル2の項目アルゼンチン 1,140 943 0.2 △ 17.3 1,268 1,145 0.2 △ 9.7
階層レベル2の項目ペルー 1,727 1,346 0.2 △ 22.1 1,051 1,454 0.2 38.3
階層レベル2の項目ベネズエラ 335 229 0.0 △ 31.6 39 17 0.0 △ 56.4
カリブ 2,557 2,529 0.4 △ 1.1 1,343 1,246 0.2 △ 7.2
アジア 32,389 28,856 4.9 △ 10.9 229,350 223,896 37.4 △ 2.4
階層レベル2の項目中国 10,917 10,058 1.7 △ 7.9 118,696 114,191 19.1 △ 3.8
階層レベル2の項目日本 4,703 3,966 0.7 △ 15.7 18,297 20,624 3.4 12.7
階層レベル2の項目韓国 7,376 6,019 1.0 △ 18.4 22,489 19,563 3.3 △ 13.0
階層レベル2の項目マレーシア 304 443 0.1 45.7 14,583 12,026 2.0 △ 17.5
階層レベル2の項目台湾 524 604 0.1 15.3 14,976 14,328 2.4 △ 4.3
階層レベル2の項目タイ 339 381 0.1 12.4 7,992 8,782 1.5 9.9
階層レベル2の項目インド 3,716 2,545 0.4 △ 31.5 7,541 8,036 1.3 6.6
階層レベル2の項目シンガポール 1,301 1,124 0.2 △ 13.6 2,172 2,710 0.5 24.8
階層レベル2の項目香港 797 841 0.1 5.5 754 881 0.1 16.8
EU 22,833 23,753 4.0 4.0 58,940 65,122 10.9 10.5
階層レベル2の項目ドイツ 8,339 9,202 1.6 10.3 18,455 21,240 3.5 15.1
階層レベル2の項目スペイン 5,489 5,217 0.9 △ 5.0 5,649 6,276 1.0 11.1
階層レベル2の項目フランス 1,275 1,287 0.2 0.9 4,449 5,049 0.8 13.5
階層レベル2の項目オランダ 2,233 2,420 0.4 8.4 3,928 2,271 0.4 △ 42.2
階層レベル2の項目イタリア 900 1,017 0.2 13.0 7,785 8,594 1.4 10.4
その他欧州 2,572 2,869 0.5 11.5 15,389 18,109 3.0 17.7
階層レベル2の項目英国 5,018 5,276 0.9 5.1 9,479 9,851 1.6 3.9
アフリカ 1,034 1,058 0.2 2.3 2,263 2,481 0.4 9.6
オセアニア 1,445 1,332 0.2 △ 7.8 1,126 1,486 0.2 32.0
階層レベル2の項目オーストラリア 1,235 1,129 0.2 △ 8.6 713 932 0.2 30.7
その他 278 297 0.1 6.8 23 14 0.0 △ 39.1
合計(その他含む) 577,735 593,012 100.0 2.6 604,615 598,475 100.0 △ 1.0

〔注〕アジア・大洋州は、ASEAN+6(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド)に香港、台湾を加えた合計値。
〔出所〕メキシコ中央銀行「Informe Annual 2023」から作成

通商政策 
一般関税引き上げにより、経済連携協定の活用に注目集まる

メキシコの貿易に占める経済協定締結国の割合は、輸出が93.8%、輸入は66.3%となり、前年同様高いカバー率を維持している。輸入のカバー率が輸出と比べ低い理由として、メキシコの輸入額で2位の中国との経済連携協定がないことが挙げられる。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を締結した米国、カナダの貿易額全体に占める構成比は輸出で85.7%、輸入でも44.9%を占めており、メキシコにとって最もカバー率の高い協定である。2位の環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)は、輸出が4.7%、輸入が10.9%となった。CPTPPは2018年12月30日に6カ国で発効し、2019年1月14日にベトナム、2021年9月19日にペルー、2022年11月29日にマレーシアとの間で発効した。さらに、同年12月22日にチリの国会がCPTTPの批准を承認し2023年2月に発効、残っていたブルネイとの間でも同年7月13日に発効した。

チリ、ペルー、コロンビアとの経済協定である太平洋同盟は、2022年11月にメキシコで開催予定であった第17回太平洋同盟首脳会談が急きょ中止となっていた。2024年4月5日にエクアドル警察がメキシコ大使館内で政治亡命手続き中のホルヘ・グラス・エスピネル副大統領を逮捕・拘束したことで、メキシコ政府はアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領の指示によりエクアドルとの国交断絶を発表した。そのため、エクアドルの太平洋同盟への加盟は白紙となった。

2020年に英国がEUから正式に離脱(いわゆるブレグジット)したが、英国との貿易はブレグジット移行期間である同年12月末まで、EUメキシコ自由貿易協定(FTA)の特恵関税が引き続き適用され、同月15日に同措置を3年間延長した。2022年5月30日に新たな二国間FTA交渉を正式に開始することに合意し、同年7月11日から15日にかけて第一回ハイレベル会合が開催された。その後、11月1日に行われた英国との会合で既存のメキシコ・英国間での貿易継続協定の適用延長を決定、12月7日に経済省が最終的な合意内容を官報公示した。同省令では、ブレグジット後に延長していた貿易継続協定に関して、新たな二国間自由貿易協定が発効されるまで適用されることを発表した。省令の発効日は2024年1月1日からで、これによりEUメキシコFTAの特恵関税が引き続き適用されることとなる。

2023年8月15日にメキシコ政府は、世界的な鉄鋼の過剰生産が続いていることや、新型コロナウイルス感染症拡大で打撃を受けて回復しきれていない繊維・履物などの国内産業を保護することを目的として、鉄鋼・アルミニウム・繊維・衣類・履物など392品目の一般関税率を一時的に引き上げた。この引き上げによって、品目に応じて関税率は5%~25%となった。一般関税が引き上げられたことで、メキシコにおける経済協定の活用に注目が集まり、特に日本製品においては日本メキシコ経済連携協定やCPTTPの活用が期待される。

表4 メキシコのFTA発効・署名・交渉状況(単位:%)
FTA 発効日 メキシコの貿易に占める構成比(2023年)
往復 輸出 輸入
発効済み 北米自由貿易協定(NAFTA)⇒米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA) 1994/4/1
2020/7/1
65.2 85.7 44.9
メキシコ-コロンビアFTA(旧G3FTA) 1995/1/1 0.4 0.5 0.4
メキシコ-チリFTA 1999/8/1 0.3 0.2 0.4
メキシコ-イスラエルFTA 2000/7/1 0.1 0.0 0.2
メキシコ-EUFTA 2000/7/1 7.5 4.0 10.9
メキシコ-EFTA(4カ国)FTA 2001/7/1 0.4 0.3 0.5
メキシコ-ウルグアイFTA 2004/7/15 0.1 0.0 0.1
日本メキシコ経済連携協定(日墨EPA) 2005/4/1 2.1 0.7 3.4
メキシコ-ペルー通商統合協定 2012/2/1 0.2 0.2 0.2
メキシコ-中米単一FTA(5カ国) 2012/9/1 1.0 1.3 0.8
メキシコ-パナマFTA 2015/7/1 0.1 0.2 0.0
太平洋同盟(チリ、ペルー、コロンビア) 2016/5/1 0.9 0.9 1.0
環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11) 2018/12/30 7.8 4.7 10.9
合計 13協定(50カ国、〔注〕) 80.0 93.8 66.3
交渉中 メキシコ-ブラジル経済統合戦略協定 1.5 0.8 2.3
メキシコ-韓国経済補完戦略協定 2.1 1.0 3.3
メキシコ-アルゼンチン経済補完協定 0.2 0.2 0.2
メキシコ-英国経済補完協定 1.3 0.9 1.6
メキシコ-トルコ経済補完協定 0.2 0.0 0.3
メキシコ-エクアドル経済補完協定 0.1 0.1 0.0

〔注〕中米単一FTAは、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、コスタリカ、ニカラグア(発効日は最も遅い対グアテマラの日付)
太平洋同盟の3カ国とは二国間協定も存在するため、二国間協定の貿易額を合計に採用。
CPTPPはシンガポール、ニュージーランド、オーストラリア、ベトナム、カナダ、ペルー、日本に加え、2022年11月にマレーシア、2023年2月21日にチリ、2023年7月12日にブルネイとの間で発効したが、重複を避けるために合計からは、チリ、ペルー、日本、カナダを控除。
〔出所〕メキシコ経済省ウェブサイト、INEGI貿易統計などから作成

対内・対外直接投資 
自動車関連産業を中心に日本からの直接投資は過去最高に

2023年の対内直接投資は前年比0.1%減の362億8,100万ドルであった。2019年の約341億ドルを上回り、2022年と同程度の投資額を記録した。2023年の対内直接投資額の内訳をみると、新規投資が全体の13.9%を占め、次いで利益再投資が73.4%、親子間勘定が12.7%となり、ここ数年は新規投資が最も大きな割合を占めていたが、2023年では利益再投資が7割以上を占め、既存企業の拡張投資が目立った。業種別にみると、最も構成比の大きい製造業への投資は28.7%増加し、特に自動車産業は72億3,200万ドルで、67.4%増加した。そのうち、自動車・トラック製造は、68.5%増、自動車部品製造は88.1%増となり、引き続きニアショアリングの恩恵を受け、投資が増加していることが見て取れる。特に、電気自動車(EV)関連の投資が増えており、2023年はEVの完成車メーカーの投資発表が相次いだ。その発表に次いでEV関連部品を製造する企業の投資も次々と発表された。

表5 メキシコの業種別対内直接投資[国際収支ベース、ネット、フロー](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
業種 2022年 2023年
金額 金額 構成比 伸び率
農林水産業 360 335 0.9% △ 6.7
鉱業 1,705 3,491 9.6% 104.8
電気・ガス・水道 879 △ 93
建設業 464 258 0.7% △ 44.5
製造業 14,078 18,118 49.9% 28.7
階層レベル2の項目食品・飲料・たばこ 1,635 3,180 8.8% 94.5
階層レベル2の項目化学産業 1,006 1,446 4.0% 43.7
階層レベル2の項目自動車産業 4,320 7,232 19.9% 67.4
階層レベル3の項目自動車・トラック製造 3,022 5,091 14.0% 68.5
階層レベル3の項目自動車部品製造 1,019 1,916 5.3% 88.1
階層レベル2の項目電子・電気機器 630 844 2.3% 34.1
階層レベル2の項目情報・通信・計測・電子機器 1,407 1,711 4.7% 21.6
商業 1,367 1,355 3.7% △ 0.9
運輸・郵便・倉庫 3,705 2,283 6.3% △ 38.4
通信・マスメディア 5,427 △ 221
金融・保険 5,203 7,170 19.8% 37.8
不動産・賃貸 454 360 1.0% △ 20.7
レストラン・ホテル 2,321 2,650 7.3% 14.2
その他 353 574 1.6% 62.7
合計(その他含む) 36,316 36,281 100.0% △ 0.1

〔注〕2024年7月確認分。構成比は合計に対するもの。投資額には新規投資と増資に加え、再投資利益と親子会社間勘定を含む。
〔出所〕メキシコ経済省外国投資局

国・地域別にみると、米国が137億5,700万ドルで構成比37.9%を占めているが、前年と比較すると32.0%減となった。カナダが34億9,000万ドルで2位、スペインが37億7,700万ドルで3位、4位は日本の29億1,500万ドルだった。2022年からニアショアリングの影響により、対内直接投資は好調であるが、特に日本は、自動車産業を中心に投資が増え、過去最高の対内直接投資額となった。

表6 メキシコの国・地域別対内直接投資[国際収支ベース、ネット、フロー](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
国・地域 2022年 2023年 2006~2024年1Q累計
金額 金額 構成比 伸び率 金額 構成比
NAFTA/USMCA 23,389.9 17,247.8 47.5% △ 26.3 290,253.7 50.2
階層レベル2の項目米国 20,222.0 13,757.3 37.9% △ 32.0 239,013.2 41.3
階層レベル2の項目カナダ 3,167.9 3,490.5 9.6% 10.2 51,240.5 8.9
EU 2,967.7 8,606.1 23.7% 190.0 157,444.4 27.2
階層レベル2の項目スペイン 2,146.1 3,776.8 10.4% 76.0 57,491.9 9.9
階層レベル2の項目ドイツ -34.8 2,444.5 6.7% 32,258.0 5.6
階層レベル2の項目ルクセンブルク 21.9 23.1 0.1% 5.2 5,020.6 0.9
階層レベル2の項目フランス 813.1 512.9 1.4% △ 36.9 11,160.0 1.9
階層レベル2の項目イタリア 82.6 -103.3 7,721.6 1.3
階層レベル2の項目ベルギー 46.4 760.7 2.1% 1,539.4 24,730.9 4.3
階層レベル2の項目オーストリア -5.0 16.1 0.0% 738.0 0.1
その他 9,958.7 10,427.1 28.7% 4.7 131,058.0 22.6
階層レベル2の項目アルゼンチン 2,322.3 2,251.0 6.2% △ 3.1 11,943.2 2.1
階層レベル2の項目英国 1,200.0 825.4 2.3% △ 31.2 11,976.7 2.1
階層レベル2の項目日本 2,303.4 2,915.3 8.0% 26.6 30,837.5 5.3
階層レベル2の項目韓国 687.3 504.4 1.4% △ 26.6 10,221.3 1.8
階層レベル2の項目スイス 124.9 366.1 1.0% 193.1 8,981.4 1.6
階層レベル2の項目ブラジル 372.6 491.7 1.4% 31.9 7,065.9 1.2
階層レベル2の項目中国 569.7 158.7 0.4% △ 72.1 2,073.6 0.4
階層レベル2の項目香港 105.6 290.1 0.8% 174.6 1,371.2 0.2
合計(その他含む) 36,316.2 36,281.0 100.0% △ 0.1 578,756.1 100.0

〔注〕アジア・大洋州は、ASEAN+6(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インド)に香港、台湾を加えた合計値。
〔出所〕メキシコ経済省外国投資局

表7 メキシコの主な対内直接投資案件(2023年)
業種 企業名 国籍 時期 投資額 概要
自動車 BMW ドイツ 2023年2月 8億ユーロ EV生産とメキシコ初の高電圧バッテリー製造工場の新設。
自動車 ステランティス(Stellantis N.V.) オランダ 2023年2月 2億ドル EVバン「RAM ProMaster EV」の2023年末の生産開始。EVピックアップトラック「RAM1500 REV」の生産も検討。
自動車 テスラ 米国 2023年3月 非公開 北米輸出向けのEV車両工場の建設。
自動車 起亜自動車(Kia) 韓国 2023年5月 非公開 EV生産拠点の建設
金融 クレディセゾン 日本 2023年4月 非公開 メキシコにおける現地の個人、中小零細企業向けレンディング事業
電子機器 ダイヤモンドエレクトリック 日本 2023年4月 5万ペソ(孫会社資本金) ケレタロ州で電子機器・自動車部品などの製造販売
EV関連部品 Lear Corporation 米国 2023年4月 3400万ドル コアウイラ州にEV用ハーネスの新工場を建設
自動車部品 三井ハイテック 日本 2023年5月 1億3,000万ペソ(子会社資本金) グアナファト州でモーターコア生産
自動車部品 BorgWarner 米国 2023年5月 非公開 コアウイラ州でEV用バッテリー冷却プレート新規生産
自動車部品 Valeo フランス 2023年5月 非公開 メキシコ州でEV用冷却システム新工場建設
自動車部品 Ningbo Xusheng Group 中国 2023年5月 3億5,000万ドル コアウイラ州でEV用部品の新工場建設
ITサービス レゾナック 日本 2023年6月 非公開 産業向け自動化ソリューション事業の展開
工作機械 ソディック 日本 2023年6月 3,000 万ペソ 工作機械・射出成型機などの販売・保守・サービス
自動車部品 Aptiv アイルランド 2023年6月 4,000万ドル ハリスコ州でEV用低電圧ハーネス新工場建設
自動車部品 BorgWarner 米国 2023年7月 非公表 サンルイスポトシ州でEVモーター用設備導入
自動車部品 Linamar カナダ 2023年7月 6,000万ドル ドゥランゴ州でEV用部品設備導入
デジタルマーケティング トランスコスモス 日本 2023年8月 非公開 米州での事業拡大を目指し、メキシコシティにオペレーションセンター開設
FA サキコーポレーション 日本 2023年8月 非公開 ハリスコ州サポパン市でスマートファクトリー対応のソリューション提供
自動車部品 加賀電子 日本 2023年8月 約50億円 サンルイスポトシ州に、車載用証明ユニットの組み立て、空調機器用電装基板組立てをする新工場の設立
商社 丸紅 日本 2023年8月 4億2,500万ペソ(子会社資本金) カーメンテナンス事業の拡大
鋼管製造 丸一鋼管 日本 2023年9月 2,400万ドル ヌエボレオン州モンテレイ市に自動車用鋼管・構造用鋼管などを生産する新工場の設立
商社 岡谷鋼機 日本 2023年9月 非公開 ヌエボレオン州モンテレイ市に拠点拡大
物流 阪急阪神エクスプレス 日本 2023年9月 非公開 サンルイスポトシ州サンルイスポトシ市へ物流拠点の拡大
自動車部品 Endurance Motive スペイン 2024年1月 非公開 リチウムイオン電池アッセンブリー工場建設
EV関連部品 住友電気工業 日本 2023年10月 3,340万ドル アグアスカリエンテス州で自動車向けのリチウムイオン電池用のタブリードや高機能/高耐熱電線等の製造などの生産
自動車部品 Yura Corporation 韓国 2023年10月 6,600万ドル ドゥランゴ州でEV用ハーネス新工場建設
自動車部品 SKF スウェーデン 2023年10月 7億スウェーデンクローナ ヌエボレオン州で深溝玉軸受新工場建設
自動車部品 JL Mag 中国 2023年10月 1億ドル ヌエボレオン州EV用磁石新工場建設
EV関連部品 日本発条 日本 2023年11月 約75億円 グアナファト州イラプアト市でモーターコア生産
EV関連部品 TPR 日本 2023年11月 300万ドル(資本金) グアナファト州レオン市EV関連部品の製造
ITサービス クラウドエース 日本 2023年12月 非公開 クラウドの導入・設計・運用・保守・コンサルティング
自動車部品 豊田合成 日本 2023年12月 約16億円 グアナファト州イラプアト市で自動車内外装部品など生産
医療サービス プレステージ・インターナショナル 日本 2023年12月 非公開 アグアスカリエンテス州に邦人向け医療サービス(一般内科、循環器内科)を提供するクリニックを開設
自動車部品 横浜ゴム 日本 2024年3月 3億8,000万ドル コアウイラ州サルティージョで乗用車用タイヤの新工場設立

〔出所〕 各社発表および報道などから作成

表8 メキシコの主な対外直接投資案件(2023年)
業種 企業名 投資国・地域 時期 投資額 概要
テレコン アメリカ・モービル(America Movil ) 米州 2024年1月 85億ドル 2023年にかけて「5G」の周波数を増加した。
経理 アルファ(Alfa) 米国 2024年2月 1億9,200万ドル 2023年の営業資産のメンテナンスと代替。
食料 シグマ(Sigma) 米国 2024年2月 2億9300万ドル 2023年に「ロスアルトス」工業とアイオワ州のコールドカット加工工場の購入とメンテナンス。
ポリエステル工業 アルペック(Alpek) 中東 2024年2月 2,800万ドル 2023年にシートや樹脂のビジネスを購入。
食料 グルマ(Gruma) 米国、メキシコ、アジアとオセアニア 2024年2月 2億1,100万ドル 2024年に米国の設備の機械交換、そして生産のキャパシティの拡大を予定。ほかの設備では近代化とメンテナンスを予定。
自動車部品 ネマック(Nemak) メキシコ、ドイツ、チェコ 2024年2月 5億3,700万ドル 2023年に電池のケースを作る工場を3件設立。
セメント セメックス(Cemex) 米国 2024年3月 8億1,500万ドル 2024年にサステナビリティの投資。
ボトラー アルカ・コンティネンタル(Arca Continental) 米国、南米 2024年3月 76億5,000万ペソ 2024に生産キャパシティを拡大、流通を改善、デジタルテクノロジーの使用を推進する。
レストラン アルセア(Alsea) 欧州、南米 2024年3月 24億ペソ 2024年に商品の革新、新しいデジタルツールを設置。
テレコン アメリカ・モービル(America Movil ) オペレーションのあるすべての国 2024年4月 71億ドル 2024年に「5G」への集中的な投資を表明。

〔出所〕 各社発表および報道などから作成

対日関係 
乗用車輸出が好調

メキシコ側統計によると2023年の対日輸出は前年比15.7%減の39億6,600万ドル、対日輸入は12.7%増の206億2,400万ドルであった。日本側統計では対メキシコ輸出は20.0%増の130億8,700万ドルで、輸入は11.0%減の57億ドルとなった。輸出統計は仕向け地主義を採用するが、輸入統計では原産地主義をとり、米国など第三国経由の貿易も計上するため、両者に差が生じている。両国間の貿易実態をより正確に把握するためには両国の輸入統計を用いることが必要で、双方の輸入統計を合計した2023年の往復貿易額は263億2,400万ドルを記録した。

日本側の統計で対メキシコ輸入を品目別にみると、農水産食料品が、前年比4.5%減の12億8,800万ドルとなった。特に、食肉は11.2%減の6億6,400万ドルで、このうち牛肉が前年の伸びから一転し39.2%減となった。工業製品では、スマートフォン・携帯電話(音声・画像の送受信・変換・再生機械)が、15.1%増の2億8,900万ドル、乗用車が21.3%増の4億8,400万ドルとなった。一方で、前年好調だったコンピュータ・同ユニットが11.9%減の2億4,500万ドルとなり、半導体デバイス(38.5%減)、集積回路(56.8%減)、不揮発性半導体記録装置(29.4%減)と半導体関連製品の減少が目立った。

メキシコ側の統計で対日輸入を品目別にみると、構成比で35.5%を占める電気・電子機器は前年比26.8%増の73億1,700万ドルと復調した。その中でも、コンデンサーは2.2倍、発動機、発電機は44.3%増、トランスフォーマーが12.8%増と2桁成長となった。また、構成比26.2%を占める輸送機械(鉄道以外)は 34.3%増の53億9,900万ドルとなり、特に乗用車はメキシコ国内の国内販売が好調なこともあり68.4%増の23億4,800万ドルと前年の減少から回復した。

表9‐1 メキシコの対日主要品目別輸出(FOB)[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 2023年
金額 金額 構成比 伸び率
農水産食料品 1,260 1,135 28.6 △ 10.0
階層レベル2の項目食肉 816 682 17.2 △ 16.4
階層レベル3の項目豚肉 610 554 14.0 △ 9.1
階層レベル3の項目牛肉 174 108 2.7 △ 38.1
階層レベル2の項目果実、ナッツ 196 193 4.9 △ 1.7
階層レベル3の項目アボカド 108 110 2.8 1.7
階層レベル3の項目バナナ 50 47 1.2 △ 5.0
階層レベル2の項目魚介類 49 44 1.1 △ 10.5
階層レベル3の項目クロマグロ 34 31 0.8 △ 10.4
階層レベル3の項目エビ 11 7 0.2 △ 39.5
階層レベル2の項目野菜類 15 21 0.5 40.5
階層レベル2の項目野菜・果実調製品 46 59 1.5 29.4
階層レベル2の項目飲料、アルコール 55 59 1.5 7.0
階層レベル3の項目テキーラ・メスカル 44 56 1.4 26.9
鉱物生産品 1,120 729 18.4 △ 34.9
化学品 62 73 1.9 17.7
繊維製品 9 6 0.2 △ 34.2
鉄鋼・同製品 134 134 3.4 △ 0.1
一般・産業機械 461 469 11.8 1.8
階層レベル2の項目自動データ処理機 246 231 5.8 △ 6.2
階層レベル2の項目エンジン用部品 67 68 1.7 1.3
階層レベル2の項目遠心分離機、ろ過機、清浄機 44 22 0.6 △ 50.1
階層レベル2の項目コンピューター部品 14 15 0.4 6.1
電気・電子機器 570 428 10.8 △ 24.9
階層レベル2の項目ラジオ放送用受信機 198 143 3.6 △ 27.9
階層レベル2の項目電話機、その他機器 97 117 2.9 20.1
階層レベル2の項目集積回路 156 33 0.8 △ 78.6
マイク・拡声器・ヘッドホン・イヤホン 23 32 0.8 42.4
階層レベル2の項目不揮発性半導体記録装置 20 10 0.2 △ 50.7
輸送機械(鉄道以外) 579 591 14.9 2.0
階層レベル2の項目乗用車 389 442 11.1 13.6
階層レベル2の項目自動車部品 188 148 3.7 △ 21.6
光学・精密機器 97 104 2.6 7.1
合計(その他含む) 4,703 3,966 100.0 △ 15.7

〔出所〕 メキシコ中央銀行「Informe Annual 2023」、INEGI貿易統計から作成

表9‐2 メキシコの対日主要品目別輸入(CIF)[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 2023年
金額 金額 構成比 伸び率
農水産食料品 24 27 0.1 11.1
鉱物生産品 478 522 2.5 9.3
化学品 545 584 2.8 7.2
繊維・縫製品 104 94 0.5 △ 9.0
金属・同製品 7 6 0.0 △ 15.6
鉄鋼・銅製品 3,090 3,550 17.2 14.9
一般・産業機械 3,744 3,850 18.7 2.8
階層レベル2の項目エンジン部品 249 355 1.7 42.7
階層レベル2の項目機械類(固有の機能を有する) 479 452 2.2 △ 5.7
階層レベル2の項目ガソリンエンジン 216 165 0.8 △ 23.8
階層レベル2の項目ギヤボックス・変速機・駆動軸 240 255 1.2 6.3
階層レベル2の項目コック・弁類 196 181 0.9 △ 7.5
階層レベル2の項目印刷機・プリンタ 169 183 0.9 8.2
階層レベル2の項目真空ポンプ・気体圧縮機 162 121 0.6 △ 25.6
電気・電子機器 5,769 7,317 35.5 26.8
階層レベル2の項目蓄電池 203 190 0.9 △ 6.4
階層レベル2の項目コンデンサー 1,009 2,218 10.8 119.9
階層レベル2の項目スイッチ、回路 610 648 3.1 6.3
階層レベル2の項目集積回路 627 663 3.2 5.6
階層レベル2の項目半導体デバイス 491 407 2.0 △ 17.1
階層レベル2の項目スイッチ回路部品 311 329 1.6 5.9
階層レベル2の項目トランスフォーマー 263 297 1.4 12.8
階層レベル2の項目着火点火用電子機器 276 232 1.1 △ 16.2
階層レベル2の項目発動機、発電機 256 369 1.8 44.3
階層レベル2の項目電気制御盤 179 137 0.7 △ 23.9
階層レベル2の項目電気抵抗器 387 110 0.5 △ 71.6
輸送機械(鉄道以外) 4,019 5,399 26.2 34.3
階層レベル2の項目自動車部品 1,874 2,061 10.0 10.0
階層レベル2の項目乗用車 1,395 2,348 11.4 68.4
光学・精密機器 1,105 830 4.0 △ 24.9
合計(その他含む) 18,297 20,624 100.0 12.7
表10-1 日本の対メキシコ主要品目別輸出(FOB)[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 2023年
金額 金額 構成比 伸び率
農水産食料品 12 18 0.1 47.3
鉱物生産品 388 493 3.8 26.8
化学品 263 246 1.9 △ 6.5
繊維製品 67 65 0.5 △ 3.4
鉄鋼・同製品 2,165 2,775 21.2 28.2
一般・産業機械 2,002 2,135 16.3 6.7
階層レベル2の項目ガソリンエンジン 175 132 1.0 △ 24.6
階層レベル2の項目エンジン用部品 214 267 2.0 24.9
階層レベル2の項目機械類(固有の機能を有する) 260 184 1.4 △ 29.2
階層レベル2の項目ギヤボックス・変速機・駆動軸 155 186 1.4 19.8
階層レベル2の項目加熱機器・湯沸かし器等 141 116 0.9 △ 17.5
階層レベル2の項目金型類 79 105 0.8 34.2
階層レベル2の項目コック・弁類 89 109 0.8 22.3
階層レベル2の項目玉軸受・ころ軸受 67 89 0.7 32.7
階層レベル2の項目印刷機・プリンタ 73 84 0.6 14.7
階層レベル2の項目マシニングセンター等 38 58 0.4 51.8
階層レベル2の項目鍛造機 69 35 0.3 △ 49.6
電気・電子機器 1,674 1,917 14.6 14.5
階層レベル2の項目スイッチ、回路 172 208 1.6 21.0
階層レベル2の項目着火・点火用電子機器 187 177 1.4 △ 5.5
階層レベル2の項目蓄電池 161 181 1.4 12.7
階層レベル2の項目テレビ・ラジオ部品 121 97 0.7 △ 19.4
階層レベル2の項目電動機・発電機 116 195 1.5 68.7
階層レベル2の項目照明機器、ウインドスクリーンワイパー 79 90 0.7 14.2
階層レベル2の項目ケーブル・配線セット 73 75 0.6 2.4
階層レベル2の項目集積回路 116 139 1.1 20.5
階層レベル2の項目スイッチ,回路部品 67 70 0.5 3.1
階層レベル2の項目はんだご付け、レーザー溶接機器 79 112 0.9 42.5
階層レベル2の項目コンデンサー 67 73 0.6 7.9
輸送機械(鉄道以外) 2,891 3,734 28.5 29.2
階層レベル2の項目自動車部品 1,379 1,434 11.0 3.9
階層レベル2の項目乗用車 1,067 1,719 13.1 61.1
階層レベル2の項目貨物用自動車 298 363 2.8 21.8
光学・精密機器 366 459 3.5 25.6
合計(その他含む) 10,909 13,087 100.0 20.0

〔出所〕 財務省「貿易統計(通関ベース)」から作成

表10-2 日本の対メキシコ主要品目別輸入(CIF)[通関ベース](単位:100万ドル、%)(△はマイナス値)
品目 2022年 2023年
金額 金額 構成比 伸び率
農水産食料品 1,349 1,288 22.6 △ 4.5
階層レベル2の項目食肉 748 664 11.7 △ 11.2
階層レベル3の項目豚肉 564 543 9.5 △ 3.7
階層レベル3の項目牛肉 152 92 1.6 △ 39.2
階層レベル2の項目果実,ナッツ 250 244 4.3 △ 2.5
階層レベル3の項目アボカド 124 121 2.1 △ 2.1
階層レベル3の項目バナナ 66 64 1.1 △ 2.8
階層レベル2の項目魚介類 57 50 0.9 △ 11.4
階層レベル3の項目クロマグロ 34 29 0.5 △ 14.2
階層レベル2の項目野菜類 84 76 1.3 △ 9.0
階層レベル3の項目アスパラガス 36 31 0.5 △ 13.6
階層レベル3の項目カボチャ 36 34 0.6 △ 5.9
階層レベル2の項目野菜・果実調整品 58 67 1.2 14.5
階層レベル2の項目飲料、アルコール 46 68 1.2 47.1
階層レベル3の項目テキーラ・メスカル 34 63 1.1 87.9
鉱物生産品 961 394 6.9 △ 59.0
階層レベル2の項目亜鉛鉱 189 116 0.0 △ 38.6
階層レベル2の項目 91 86 0.0 △ 5.5
階層レベル2の項目原油 408
化学品 225 203 3.6 △ 9.9
繊維・縫製品 36 31 0.5 △ 14.2
貴金属・宝飾品 223 111 0.0 △ 50.2
階層レベル2の項目 206 104 0.0 △ 49.5
一般・産業機械 595 580 0.0 △ 2.5
階層レベル2の項目コンピュータ・同ユニット 278 245 0.0 △ 11.9
階層レベル2の項目エンジン部品 75 58 1.0 △ 22.1
階層レベル2の項目ターボジェット・ガスタービン 35 50 0.9 44.0
階層レベル2の項目ギヤボックス・変速機・駆動軸 34 44 0.8 28.8
階層レベル2の項目遠心分離機、ろ過機、清浄機 28 24 0.4 △ 15.4
階層レベル2の項目コンピューター部品 24 21 0.4 △ 11.5
電気・電子機器 1,079 1,033 18.1 △ 4.3
階層レベル2の項目音声-画像の送受信・変換・再生機械 251 289 5.1 15.1
階層レベル2の項目レーダー、航行用無線 145 90 1.6 △ 38.0
階層レベル2の項目マイク・拡声器・ヘッドホン・イヤホン 103 140 2.5 35.5
階層レベル2の項目半導体デバイス 108 67 1.2 △ 38.5
階層レベル2の項目ラジオ放送用受信機器 107 90 1.6 △ 16.1
階層レベル2の項目スイッチ、回路 60 62 1.1 3.9
階層レベル2の項目絶縁体ケーブル 49 65 1.1 33.7
階層レベル2の項目照明機器、ウインドスクリーンワイパー 28 34 0.6 22.1
階層レベル2の項目集積回路 34 15 0.3 △ 56.8
階層レベル2の項目不揮発性半導体記録装置 29 20 0.4 △ 29.4
階層レベル2の項目電気制御用パネル 32 28 0.5 △ 12.4
階層レベル2の項目着火・点火用電子機器 26 27 0.5 2.4
輸送機械(鉄道以外) 687 773 13.6 12.6
階層レベル2の項目乗用車 399 484 8.5 21.3
階層レベル2の項目自動車部品 283 286 5.0 1.0
光学・精密機器 882 926 16.2 5.0
階層レベル2の項目医療用・獣医用機器 660 672 11.8 1.9
合計(その他含む) 6,405 5,700 100.0 △ 11.0

基礎的経済指標

(△はマイナス値)
項目 単位 2021年 2022年 2023年
実質GDP成長率 (%) 6.0 3.7 3.2
1人当たりGDP (米ドル) 10,180 11,260 13,642
消費者物価上昇率 (%) 7.4 7.8 4.7
失業率 (%) 4.1 3.3 2.8
貿易収支 (100万米ドル) △ 10,754 △ 26,879 △ 5,464
経常収支 (100万米ドル) △ 4,494 △ 17,599 △ 5,426
外貨準備高(グロス) (100万米ドル) 200,775 194,125 206,351
対外債務残高(グロス) (100万米ドル) 2,182 1,787 11,817
為替レート (1米ドルにつき、メキシコ・ペソ、期中平均) 20.51 19.51 16.97


貿易収支:国際収支ベース(財のみ)
出所
実質GDP成長率、消費者物価上昇率、失業率、経常収支、対外債務残高(グロス):メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)
1人当たりGDP、外貨準備高(グロス)、為替レート:IMF
貿易収支:メキシコ中央銀行