外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2024年08月19日

外国人就業規制

一部の公職を除いて、一般的に外国人が就業できない職業はない。

一部の公職(大統領、国会議員、裁判官、正規軍人など)を除いて、一般的に外国人が就業できない職業はない。
ただし、職種によっては、弁護士のように二国間条約によってのみ許可されているものや、医師のようにチリ政府による資格認定の必要なものもある。

出所:チリ外務省

在留許可

新外国人移民法の施行により、かつての雇用契約に基づく居住ビザ(Visa Sujeta a Contrato)は「Residencia Temporal」へと変更された。

チリで外国人が就労するためには、次のいずれかを取得する必要がある。

  1. 居住ビザ(Residencia Temporal
  2. 永住ビザ(Residencia Definitiva
  3. 特別労働許可(Permiso de Trabajo con Permanencia Transitoria

移民庁(Servicio Nacional de Migraciones外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
新外国人移民法〔法21325号・2021年4月20日官報掲載〕

居住ビザ(Residencia Temporal

チリに一定期間滞在しようとする外国人に対し発行される滞在許可。就労目的でチリに入国する場合、居住ビザ(Residencia Temporal)を日本から申請する必要がある。

  • 対象:チリ人および永住者と家族関係にある者、報酬を得る合法的な活動を行う者、国認定の教育機関に留学する目的で居住する者、人道的理由に基づきチリに居住する者など。
  • 申請:入国前に移民庁(Servicio Nacional de Migraciones)のオンラインプラットフォーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますより申請する。
  • 有効期間:2年。2年の延長が可能で、最大4年。同ビザの期限が切れるまでに永住ビザの申請を行うことができる。詳しい内容は永住ビザを参照。

永住ビザ(Residencia Definitiva

在留期間に制限なく居住できる許可であり、法律および規制により禁じられていない限り、いかなる合法的な活動を行なうことを認めるもの。

  • 対象:居住ビザを所有する外国人で、少なくとも24カ月間チリに居住している者。チリ国内で安定した生活を送るための収入が得られない場合、居住日数が少ない場合などは、永住ビザ申請に最大で48カ月間の一時居住期間が必要となる。また、居住ビザ所有者で、チリ人および永住者と家族関係がある場合、十分な収入が証明できる場合、チリで投資や事業を行っている場合、社会、文化、芸術、科学、スポーツ分野などで国の発展に貢献している場合などは、一時居住期間が1年以上2年未満であっても永住ビザを申請することができる。

永住ビザを取得した場合でも、2年以上連続してチリを離れた場合、失効する。ただし、失効する前にチリ領事館にて1度だけ延長することができる。延長期間は2年間。

特別労働許可(Permiso de Trabajo con Permanencia Transitoria

  • 観光者(Permanencia Transitoria)としての入国者
    定住する意図なく、観光、ビジネスまたはその他の理由で入国した外国人に対し、一定期間の滞在を許可するもの。
    • 対象:観光者には入国時に、観光者カード(Tarjeta de Permiso de Permanencia Transitoria)が与えられ、観光、スポーツ、医療サービス受益、研究、ビジネス、家族訪問、宗教等の活動が認められている。
      ただし、報酬を伴う活動(海外で報酬を受けた場合も含む)は原則として禁じられている。
      なお、日本のパスポートを所持して観光者として入国する者にはビザは必要ない。
    • 滞在可能期間:最大90日だが、その後90日の延長が可能。
      観光者として入国しても、所定の申請を行い、移民庁が妥当と認めた場合のみ、特別労働許可が与えられる。

これまで、観光者(一時滞在許可)としてチリに入国し、入国後、就労可能な居住ビザへの変更が可能だったが、新外国人移民法では一部の例外(チリ人または永住者と家族であることが証明できる場合、政府が許可した場合など)を除き不可となった。

※VISA TECH

Visa Techは、2017年7月19日より開始した、テクノロジーサービス部門における国内外の企業や、スタートアップチリ(Start-Up Chile)プログラム関連の企業が、その分野に特化した専門技術者を雇用するため、就労許可の取得プロセスを簡素化するものである。

  • 対象:チリおよび海外の科学技術分野、革新分野での経験を有する外国人専門家または技術者。
  • 就労許可の取得:次のいずれかの書類を提出した場合、最大15営業日以内に取得できる。
  1. 対内投資促進庁(InvestChile)が発行する招待状および雇用保障証明書(外国資本企業の場合)
  2. Start-Up Chileが発行する招待状および雇用保障証明書(同社がこのプログラムに関連している場合)
  3. 経済副大臣(la Subsecretaría de Economía)が発行する招待状および雇用保障証明書(国内企業の場合)

雇用主は、雇用保障証明書と雇用契約書のコピーを提示しなければならない。
この契約は最低3カ月以上でなければならず、社会保障、法人所得税および契約の妥当性に関する特定の条項が含まれていなければならない。

現地人の雇用義務

25人以上の従業員を有する企業では、少なくとも85%がチリ人でなければならない。代替が不可能な分野での外国人技術者の雇用制限はない。

労働者の国籍

労働法典19~20条〔法効力を有する労働・社会福祉省令DFL1号・2003年〕

同一雇用のために働く労働者のうち、少なくとも85%はチリ国籍の者でなければならない。
雇用する労働者が25人を超えない企業には、この規定は適用されない。
比率計算にあたっては、次の点が考慮される。

  1. 同一雇用者がチリ全域で雇用する労働者の総数を基準とする。
    個々の支社ごとの労働者を基準とするものではない。
  2. チリ人により代替し得ない専門家は除外される。
  3. 配偶者、または子女がチリ人である外国人は、チリ人とみなされる。
    チリ人たる配偶者が死去した外国人も、チリ人とみなされる。
  4. チリに5年間を超えて居住する外国人も、チリ人とみなされる。
    この場合、一時的な出国期間を考慮に入れる必要はない。

社会保険

労災保険〔法16744号15条・1968年〕失業保険〔法19728号 5条・2001年〕傷害保険(SIS)〔法3500号・1980年〕健康保険〔法令3500号84条・1980年〕年金〔法令3500号17条・1980年〕

チリでの社会保険負担率は以下のとおり。

  1. 従業員(本人)負担率:18.18~19.05%
    従業員負担率の内訳:
    • 失業保険:0.6%
    • 健康保険:7%
    • 年金:10.58~11.45%
  2. 事業主負担率:5.18~8.58%
    事業主負担率の内訳:
    • 労災保険:0.90~4.30%
    • 失業保険:2.4%
    • 傷害保険(SIS):1.88%

労災保険は活動内容や業種に応じて0.90%に0~3.4%が加算される。
失業保険は期限付き契約の場合、雇用者負担は3%となる。
傷害保険(SIS)は2023年7~9月の値。
健康保険は個人の希望に応じて割増することができる。
年金は10%に年金運用会社のコミッション(0.58~1.45%)を加えた金額となる。

その他

特になし。