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市場・トレンド情報

台湾市場における日本産果実

2014年7月
分野:食品・農林水産物

台湾向け日本産果実・野菜の2013年の輸出額が98億円、台湾向け日本産食品の輸出額に占める果実・野菜の割合が13.3%であることからもわかるように、台湾は、日本産果実にとって最大の市場である。一方、近年は日本だけでなく、他国および台湾内での生産技術の向上により、他国産果実の品質が向上してきていると指摘する台湾果実関連業者もいる。このような状況のなか、台湾において日本産果実の輸入、卸売、小売に携わる業者に、台湾市場における日本産品の位置付け、および競合商品の出現の可能性についてヒアリングを行った。

高級ギフトとしての位置付けは依然として不変

りんご、梨、桃、ぶどう、いちご等の主要輸出品目において、日本産品は、台湾産を含めあらゆる生産国の果実の中でトップ品質の高級品であるという認識は、今回ヒアリングした企業の中で一致している。以下に、品目ごとの特徴を概観する。

<りんご>
価格は他国産に比べて高く、例えば高級スーパーでギフト用に販売される日本産りんご1玉分の価格は、米国産やチリ産りんごの5~6倍程度の価格である。高級スーパーの関係者によると、日本産果実の売り上げの8割程度はギフト用、または催事用での販売とのことであった。自家消費用としては、中間所得者層はなかなか手が出せない価格帯となっているのが現状だ。

<梨>
日本産以外の果実の中で、近年ギフト市場に台頭してきた品目で小売業者の口から比較的多く聞かれたのは、台湾産梨であった。台湾産梨は、一級品においても形状にばらつきがあることはあるものの、1玉当たりの大きさは増しており、糖度も十分だと高く評価する意見も聞かれた。中秋節シーズンのギフト用カタログの果実ページには、日本産梨の箱詰めセットが並ぶが、近年台湾産もギフト用箱詰めとしてカタログに掲載され始めている。価格は日本産の5割~6割程度のものが多い。一方、韓国産梨は、2013年は年間9,052トン(日本産は同年571トン)と、梨においては韓国産の輸入品が最も多く、ギフト市場にも出始めているものの、中秋節シーズン(8月下旬~9月上旬)と韓国の梨の出荷時期(9月中旬~)とが合わないため、ギフト用としての取り扱いが難しいという見方もあった。

<ぶどう>
ぶどうについては、台湾産の「巨峰」の品質が向上し、市場に多く出回っている状況にある。日本産ぶどうでは、ピオーネ、シャインマスカット、マスカット等の、台湾を含めた他国にはない、高級品種ほど需要が高いとの意見が聞かれた。

<柿>
柿については、台湾産が大きさ、形、色がよいと評価が高く、ギフト用箱詰めとしても販売されている。

<総括>
ギフト用果実としては「日本産」であるということ自体が、消費者が商品を選択する上でのポイントとなっている。一部他国産の台頭はあるものの、他国産に比べて色、形、味が良く、綺麗なパッケージの日本産品は、高級ギフトの象徴的な位置にあるといえる。そのため、ギフト商品としての台湾市場での地位がすぐに変わることはない、というのが多くの関係者の見方であった。

自家消費用としての日本産果実

日本産にギフト用高級品としての地位があるなかで、日本産のりんごについては自家消費用市場への進出も果たしている。台湾の一般スーパーの関係者によると、日本産りんごが10年程前から一般消費者向けに、1玉(中玉か大玉)50~100元の値段で販売を開始したという。それでも他国産のりんごの1.5~2倍はするが、同スーパーのりんごの売り上げの大半が日本産の自家消費用りんごとのことであった。この低価格帯のりんごは、ギフト用りんごの高級品種より、1~2ランク下の品種(王林、ふじ、世界一等)のものが多い。

同スーパー関係者によると、自家消費用のりんご市場では、日本産の品質の優位性は依然変わっていないものの、米国産のふじが低価格で品質向上してきており、日本産品の競合となる可能性があるという。この点は、輸入業者からも挙げられており、りんごの場合は米国産の「サンふじ」等のふじ系列のりんごが低価格で高品質と台頭してきているという。

高級品種の果実も自家消費用として購入されることがあり、消費者層は富裕層、または日本人等の外国人の占める割合が高い。ただし普段の消費用としては、日本産目当てというよりも、その時期の旬のもの、値段を意識して買う消費者が多いとの声も聞かれた。なお、中間所得者層においても、週末に家族や友人との集まりの席で、普段より少し豪華な食品を一緒に分けて食べるという目的で、日本産果実を購入するケースもあるようだ。

なお、りんご以外の日本産果実の二級品が台湾市場に受けいれられるかを聞いたところ、多くの関係者の見方は否定的であった。二級品においても日本産果実の価格は高く、一般スーパーや伝統市場での、自家消費用としての普及は難しいだろうとの見方が多い。日本産果実は高級品との認識が出来上がっているため、あえてそれを崩すような商品は投入しない方がいいとの意見もあった。

日本産果実に対する期待

品質(形、色、味)の維持は、台湾の輸入、卸売、小売の各関係者が日本産果実が台湾市場でのプレゼンスを守るために必要と話すポイントである。高品質であることが、日本産果実に対する台湾の消費者の信頼につながっている。品質管理についても、各業者間での日本産果実への信頼は高い。例えば1箱10個入りの他国産のりんごや梨の場合、1~2個鮮度の問題で売りに出せないものが混ざっていることがあるという。また、高級品種の箱の中に、中級品種のものが混在していることもある。日本産の場合、こうした鮮度管理、品種管理が徹底されているため、業者側としては販売に際しての品質管理の負担が軽減されている。

このように消費者、業者間の高い信頼の上に日本産果実の地位がある関係上、それが崩れるような事態は避けたいところだ。特に注意したいところが、台湾マスコミによるマイナスイメージの報道である。台湾のメディアはテレビ、新聞共に、扇動的な表現を好む傾向にあり、良くも悪くもニュースが大きく報道されがちだ。食品については特に2013年秋より、食用油、米等の不正表示・広告、有名鍋チェーンの成分不正広告等が大々的に取り上げられ、消費者、マスコミが食の安全・安心問題に敏感になっている。

日本産食品関連では、2014年の1月に日本産および韓国産いちごの残留農薬検出がテレビ、新聞にて報道されたことがあった。農薬については、日本と台湾で使用可能な薬品が違い、日本国内では問題なく使用できても、台湾では許可されないケースがある。このような事情があっても、使用禁止の農薬が検出された、という点に重点を置かれて報道されていた。関係者によると、マスコミのマイナスイメージの報道の影響力は強く、一度流れてしまうと回復に相当な時間がかかるとのことであった。

消費者、市場関係者の各段階において安心・安全と信頼されている日本産果実にとって、台湾市場での地位を保つためにも、このイメージをいかに維持するかに注意することが大切だと思われる。

(交流協会台北事務所)

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