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新たなニーズを取り込み業績拡大を続ける台湾のコンビニ

2011年10月

何時から始まったのか。いつの間にか平日の朝はコンビニで出来立てのコーヒーを買い、飲みながらそのまま出勤するようになった。私だけではなく、多くの通勤族もまたこのスタイルで一日をスタートしているようだ。

図:台湾における三大コンビニの売上高推移

出典:「台湾地区大型店舗総覧」(流通快訊雑誌社)

1、2年前までは、台北市内のコーヒーショップは朝、テイクアウトのコーヒーを首を長くして待つ客で溢れていたが、最近ではそれがめっきり少なくなったように感じられる。

一方、コンビニはその逆で、特にオフィス街のコンビニにおいては、平日の朝、コーヒーを待つ客で長蛇の列ができるほどの盛況ぶりだ。手頃な値段と品質の良さ、気軽にテイクアウトできる点が人気を呼び、慌ただしい台湾のビジネスマンの間でコンビニでの出来立てコーヒーテイクアウトが定着しつつある。

図:台湾における三大コンビニの店舗数推移

出典:「台湾地区大型店舗総覧」(流通快訊雑誌社)

台北市内ではスターバックス社を始めとするフランチャイズのカフェが街中のいたるところに見られる。これらのカフェは店舗数こそ減っていないものの、数年前と比較するとかつての勢いはないように見える。特に平日は、「買一送一」セール(一杯買えば、もう一杯は無料となるキャンペーン)時以外は長蛇の列もあまり見られなくなったように感じる。確かに、台湾のスターバックスでケーキとコーヒーを一品ずつ注文した場合、250台湾元程度(約650円)かかる。コンビニで幕の内弁当とドリンクを買った場合が100台湾元程度であることを考えると、この価格がいかに割高であるかが判る。35台湾元のコンビニのコーヒーに人気が出るのも頷ける。

台北において“安い出来立てコーヒー”というビジネスモデルが登場したのは10年前だ。e-coffee社が「誰說35元沒有好咖啡」(35元で美味しいコーヒーがないと誰が言ったの?)というキャッチフレーズで割安なコーヒーを武器に店舗を展開し、台北市民に「安くても美味しいコーヒーはある」というイメージを与えた。その後、2004年頃にコンビニとしてはセブンイレブンが最初に出来立てコーヒーのサービスを開始したが、他のコンビニも追随し、最近ではコンビニではあたりまえのサービスとして定着した。台湾のコンビニ大手3社は、コーヒーのテイクアウトサービスを開始して以降、テレビCMや販売促進の効果もありコーヒーの販売額を急激に伸ばしてきている。ブームに便乗して店内に座席スペースを設けたことも奏功し、単にテイクアウトだけではなく、店内でコーヒーを飲みながら、食事も摂ることができるようになり飲食目的での客足がますます伸びている。一昔前までは、コンビニの総菜や弁当は値段が高い割に味はいまいちであり、選択肢も限られているというイメージが強かったが、今では「豊富な品揃え、手頃な価格、高品質」というイメージに変わりつつある。ここ数年、セブンイレブンの店舗数はほぼ横ばいで推移しているが、ただ単に現状店舗を維持するのではなく、朝食店、弁当屋、レストランそしてコーヒーショップ等、飲食店の周辺により面積の広い店舗を出店し、代わりに狭い店舗は閉鎖するというスクラップ・アンド・ビルドを行っている。飲食店のニーズをターゲットにし、取り込もうとする意図が伺える。今後、台湾ではコンビニ間で競争しあうだけではなく、飲食業とコンビニとのニーズの奪い合いがますます激化していくと思われる。ただし、コンビニの優れた商品開発力等を考えると、経済的な面で限界のある個人の飲食店は厳しい戦いを強いられることになると見ている。

(台北 黄俊福)

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