1. サイトトップ
  2. 国・地域別に見る
  3. アジア
  4. タイ
  5. マーケティング情報
  6. 日本食品の販路拡大のためのトレンド情報(2010年3月)
市場・トレンド情報

日本食品の販路拡大のためのトレンド情報

2010年3月
分野:食品・農林水産物

現地トレンド情報

2009年10月30日にタイ向け輸出が8年ぶりに解禁された日本産牛肉のタイにおける評価は上々であり、タイの高所得者層や外国人を対象としたプレミアム市場(タイ国内牛肉市場の5%程度:高級スーパー、レストラン、ホテル)向けの高級食材として期待される。

バンコク中心部のホテルで2010年1月20日に開催された「日本産農林水産畜産物・加工食品商談会」〔主催:ジェイコム(本社:大阪市北区)、後援:在タイ日本大使館・ジェトロ・バンコクセンター〕では、最上級の「A5」にランク付けされる鹿児島産「黒毛和牛」を用いた調理実演と試食が行われた。試食したタイ人バイヤーからは「肉質が柔らかく、とても甘い」「食感がデリケートで、ジューシー」「オーストラリア産やニュージーランド産以上だ」などのコメントが得られた。

また、バンコクの在タイ日本大使公邸で2010年3月3日に開催された「ひな祭りイベント」においても、最上級の「飛騨牛」が各国大使や政府関係者ら約300人に振る舞われ、好評であったという。

日本産牛肉のタイへの本格的な輸出はこれからであり、最上級の日本産牛肉にどのくらいの値がつくかは未知数である。前出の商談会で和牛を試食したタイ人バイヤーからは、提供された和牛の品質面での優位性を認めた上で、実際の購買に結び付くかどうかは「価格次第」とのコメントもあった。

なお、価格に影響する要素の一つである牛肉の輸入関税は、2007年11月に発効した日タイ経済連携協定(JTEPA)により段階的に引き下げられ、2010年度は25.00%、2014年度からは撤廃されることになっている。このため、JTEPA特恵税率の適用を受けることで、価格をある程度抑えることも可能になる。

通関事情の変化

日本産牛肉のタイ向け輸出については、バンコクの在タイ日本大使公邸で2010年3月3日に開催された「ひな祭りイベント」向けの「飛騨牛」の輸出が行われて以降、タイ政府内の調整を理由に一時停滞する事態となった。

これについては、日本産牛肉のタイへの輸入に関わるタイ保健省食品医薬品局(FDA)とタイ農業・協同組合省畜産局(DLD)との間で十分な情報共有がなされていなかったことが背景にある。

タイ保健省食品医薬品局(FDA)の担当官らが、在タイ日本大使館及びジェトロ・バンコクセンターの担当者らに語ったところによると、両者間の協議は2010年2月以降3月19日までの間、数回にわたって行われ、DLD側からは日本産牛肉のタイ向け輸出解禁(2009年10月30日)前に日本で実施された牛肉処理施設の査察に関する説明も行われたとのことである。

このFDAとDLDとの間の調整は2010年3月中には終了することとなり、4月以降は日本産牛肉のタイ向け輸出が滞りなく行われる見込みである。

一方で、担当官がかねてよりジェトロ等に語っているように、当分の間は、輸入港の担当者(通関手続き等の担当係官)により、日本産牛肉の輸入通関手続き等が円滑に行われるよう、DLDとFDAの両者に対し、日本産牛肉の輸入日時、航空機便名等を事前に知らせておくことが望ましい。

なお、実際の輸入を行なうに際しては、タイ政府該当部局に照会される等、最新情報の確認をお勧めする。

日本食についてのメディアでの掲載情報と掲載の背景にある事情についての分析

2010年1月25日付けバンコク発売の日系週刊紙「バンコク週報」をはじめとするバンコク日刊各紙は、バンコク中心部のホテルで1月20日に開催された「日本産農林水産畜産物・加工食品商談会」の模様について報じている。このうち「バンコク週報」は、同商談会には「日本の生産者約20社、タイからは現地バイヤー(輸入業者、小売業者など)約40社が参加した」と報じるとともに、「タイでは近年、富裕層を中心とした健康志向の高まりとともに、ヘルシーであるという理由から日本食に対する関心が高い。2007年11月の日タイ経済連携協定(JTEPA)発効により、現地輸入通関時に関税が引き下げられるというメリットも生まれている」と、この商談会が多くの現地バイヤー等を集めて開催される背景についてコメントしている。

現地バイヤーから見た日本食品の特性・魅力について、ジェトロが2008年10月から11月にかけて、タイ国内の主要な日本食品輸入・卸売業、小売業及びレストラン19社を対象に実施したアンケート調査結果によると、多くの回答者からある程度共通するコメントが得られており、多い順に、「高い品質」、「高い安全性や健康へのアピール」、「おいしさ」、「レベルの高い商品包装」、「繊細さや精巧さ」などとなっている。また、「かっこよさ」、「目新しさ」、「タイ料理との親和性」をあげた意見もあった。

また、タイ人の健康志向について、ジェトロが2010年2月にバンコクに住むタイ人400人を対象に実施したアンケート調査結果によると、外食で日本食を選ぶ理由として、「健康に良い」(32.5%)が最も多かった(複数回答あり)。また、8割弱が、健康のために食事に「とても気を遣う」(26.0%)もしくは「気を遣う」(52.5%)と回答している(同)。

消費者の食に対する意識、ライフスタイル、流行トレンド等のトピックス

都市部に住むタイ人のライフスタイルのうち食に関する一つの特徴として、家庭で調理することが少ないことがあげられる。職業別にみると、専門職、技術、総務、次いで事務、営業、サービス業とホワイトカラー会社員および農業以外の自営業において、食品・飲料の支出、外食割合とも高い傾向にある。

ジェトロが2010年2月に、バンコクに住むタイ人400人を対象に実施したアンケート調査によると、外食頻度について、「毎日」と回答した人は朝食では41.8%、昼食では76.5%、夕食では39.5%とそれぞれ最も多くなっている。外食で食べる料理として、朝食では約半数が「カオゲーン(好きなおかずを上にかけたご飯)」(49.8%)を、約1/3が「粥」(33.5%)と回答している(複数回答あり)。昼食および夕食では「炒めた一品料理(カオパット<タイ風チャーハン> )、パッタイ<タイ風焼きそば> など)」が最も多く、次いで「カオゲーン」、「麺」となっている(同)。

屋台やスーパーマーケットで買った食事を持ち帰り家で食べる頻度(いわゆる、中食)については、「2~3日に一度」(37.3%)が最も多く、次いで「毎日」(33.3%)、「週に一度」(16.5%)、「月に一度」(10.3%)、「全く食べない」(2.8%)となっている。また、「おかずを買う一番の理由は」との質問に対しては約8割が「便利だから、料理する時間がないから」(78.8%)と回答し、「おかずを買う二番目の理由は」との質問に対しては、1/3が「材料を買って家で料理するより安いから」(33.3%)と回答している。

このように首都バンコクのタイ人の間に、料理に要する時間を節約しようとする傾向が見られる中で、1回の食事に費やす時間についても、朝食では「15分未満」(48.5%)、昼食では「15~30分程度」(56.3%)、夕食では「15~30分程度」(41.3%)が最も多くなっており、とりわけ朝の時間を節約しようとする傾向がみられる。

(バンコク・センター)