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市場・トレンド情報

シンガポールの食品関連見本市概況-見本市訪問レポート、主要見本市、伸びている見本市(コントラクト、エコ、オーガニックなど)-

2010年3月
分野:食品・農林水産物

2010年1月29日、パンパシフィック・シンガポールにおいて、熊本県農畜産物輸出促進協議会と熊本県物産振興協会農林水産物輸出促進部会が商談会を実施した。参加者は熊本の生産者(会社)8団体にJA熊本を加えた9団体。来場した輸入業者や外食店経営会社関係者にシソ、きくらげ、焼酎、ノリ、茶、銘菓、メロン、イチゴなど「おいしい」「安全」「安心」を売りにした熊本県産品の魅力をPRした。

商談会の特徴は、シンガポールで多くの外食店に商品を卸している地場の卸売業者が仲介役として積極的な役割を果たしたことである。顧客である外食店関係者に商品の説明をし、彼らが商品に興味を示せば、卸売業者が窓口となり商品を仕入れる。彼らにとっては、商品の卸し先がはっきりしているという保証があり、リスクを負わずにビジネスができるという旨味から、積極的に熊本県産品のPRを行った。熊本県側からの依頼があったものと思われるが、商談会を成功させる一つの方法としては注目に値するものとなった。
輸出したい側(今回の熊本県に限らず)は、大量の商品を確保して輸出する保証ができないという問題を抱えていることが多い。前述したような卸売業者を絡ませることで、最初は少量の注文を望む外食店を新規顧客として開拓できる可能性が高まる。そういう点では輸出したい企業にも大きなメリットがある例として、今後の見本市や商談会の参考となるのではないかと思う。

シンガポールを含めた海外市場開拓を視野に入れながら県産品を紹介する場合、その多くが同県の観光事業プロモーションと抱き合わせのケースが多い。昨年9月に初めて来星し、県の観光と県産品の売り込みをした岐阜県も、シンガポール最大の国際旅行見本市「NATAS HOLIDAYS 2009(※1)」(2009年8月28~30日)に出展。9月1日には観光プロモーションを行い、レセプションでは特産の飛騨牛、天然水、ナシ、酒などの試食コーナーが設けられた。

熊本県も商談会の前日には、同じくパンパシフィック・シンガポールにおいて同県の観光セミナーを開催。セミナーでは蒲島郁夫熊本県知事が、同県の観光地とともに特産品のデコポンや焼酎について英語で紹介した。またセミナーに引き続き行われたレセプションでも、イチゴや牛肉、刺身、焼酎などが招待客に振舞われた。このように観光セミナーの場でも、蒲島県知事自らが翌日の商談会を後押しする役割を果たしている。蒲島知事は29日の商談会にも参加し、各商品のPRを行った。また翌30日には、日系スーパーマーケット「明治屋」で行われた試食販売会でも直接、来店客に県産品のメロンやイチゴをアピールした。
今回、熊本県農畜産物輸出促進協議会と熊本県物産振興協会農林水産物輸出促進部会が実施した商談会は、「Food and Hotel Asia(FHA)(※2)」のような見本市とは異なり、小規模模なイベントではあるが、定例化することで少しずつ新規顧客開拓につなげている参加者もいるという。その裏には、小規模ながら戦略的かつ緻密に計算された方法が功を奏していると思われる。

※1 NATAS:シンガポール国内で最大の旅行フェア。通常年に2回2月と8月に開催。
※2 シンガポール・エキスポで2年に1度開催されるアジア最大の食品見本市「Food and Hotel Asia(FHA)」は、2010年4月20~23日まで開催。前回2008年開催では、来訪者が3万7,000人を超えた。

(シンガポール・センター)