外国企業の会社設立手続き・必要書類
最終更新日:2024年02月21日
- 最近の制度変更
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2023年12月25日
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外国企業の会社設立手続き・必要書類
非公開株式会社(Private Company)、公開株式会社(Public Company)、駐在員事務所(Liaison Office)、支店(Branch)
非公開株式会社(Private Company)
- ステータス:パキスタン法の下で設立されたパキスタン法人である。最低2人の取締役が必要。
- 活動範囲:会社定款に記載された範囲。
- 登録官庁:パキスタン証券取引委員会(Securities and Exchange Commission of Pakistan:SECP)の登記所。
- 活動開始:会社組成後すぐ。
- 出資者制限:2~50人。
- 株式譲渡:制限あり。
- 証券取引所への上場:不可。
- 課税:「税制」の項を参照されたい。
- 経費:企業の所得、株主からの出資金、借入金から支出する。
- 国外送金:中央銀行に登録された外国資本への配当の送金が可能。外為規制の下、必要書類が提出された後、許可される。
- 設立にかかる時間:全書類の提出後、不備がなければ翌営業日に設立証明書が受け取れる。法人設立の証明書を受け取り次第、運営を開始できる。ただし、書類や背景調査等の精査は継続され、これには数カ月かかる場合がある。
- 認可期間:清算または強制・任意解散が行われない限り、永続する。
- 設立に必要な書類:次の書類などを提出する。
- 基本定款/通常定款の署名人と証人の国民番号カード(パキスタン人)/パスポート(外国人)のコピー
- 基本定款/通常定款のコピー
- 申請書(2017年会社法の附属書IV SECP:Annexure-III-IV-VIIからダウンロード可)
- 登記料
- 連絡先/住所変更:SECPに連絡。
- 帳簿・記録:すべての企業は次の記録をする必要がある。
- 当該会社が関係するすべての受け取りと支払い、またその詳細
- すべての販売、購買
- すべての資産、負債
- 原材料や労賃などが記録された製造原価報告書(製造、加工、鉱業などの活動に従事している場合)
- 取締役会の議事録
- 株主総会の議事録
- 契約の登録
- 不動産登記
- 出資者、取締役の登録
注:取締役に外国人が記載される場合は、内務省の許可が必要。
- 年次報告:払込資本金が1,000万ルピー以上の企業は、年次株主総会の後30日以内に、監査済み会計報告書を含む年次報告をSECPに提出する必要がある。
公開株式会社(Public Company)
- ステータス:パキスタン法の下で設立されたパキスタン法人である。非上場公開株式会社の場合は、最低3人の取締役が必要。上場公開株式会社の場合は、最低7人の取締役が必要。
- 活動範囲:会社定款に記載された範囲。
- 登録官庁:パキスタン証券取引委員会(SECP)の登記所
- 活動開始:事業開始証明書の取得が必要。同証明書は、発行株式への最低限の申し込みと法定書類(株式売買口座の監査証明)が揃うと発行される。
- 出資者制限:なし。
- 株式譲渡:制限なし。
- 証券取引所への上場:可能。
- 課税:「税制」の項を参照されたい。
- 経費:企業の所得、株主からの出資金、借入金から支出する。
- 国外送金:中央銀行に登録された外国資本に対する配当については、送金が可能。外為規制の下、必要書類の提出後、許可される。
- 設立にかかる時間:全書類の提出後、翌営業日に設立証明書が受け取れる。法人設立の証明書を受け取り次第、運営を開始できる。ただし、書類や背景調査等の精査は継続され、これには数カ月かかる場合がある。
- 認可期間:当該法人が清算されない限り、永続する。
- 設立に必要な書類:次の書類などを提出する。
- 基本定款/通常定款の署名人と証人の国民番号カード(パキスタン人)/パスポート(外国人)のコピー
- 基本定款/通常定款のコピー
- 登記料
- 連絡先/住所変更:SECPに連絡。
- 帳簿・記録:すべての企業は次の記録を取る必要がある。
- 当該会社が関係するすべての受け取りと支払い、またその詳細
- すべての販売、購買
- すべての資産、負債
- 原材料や労賃などが記録された製造原価報告書(製造、加工、鉱業などの活動に従事している場合)
- 取締役会の議事録
- 株主総会の議事録
- 契約の登録
- 不動産登記
- 出資者、取締役の登録
注:取締役に外国人が記載される場合は、内務省の許可が必要。設立後でも承認を得ることが可能。
- 年次報告:上場公開株式会社は年次株主総会の後、45日以内(非上場公開株式会社は30日以内)に、監査済み会計報告書を含む年次報告をSECPに提出する必要がある。
駐在員事務所(Liaison Office)
- ステータス:親会社と同じステータス。外国企業がパキスタンで駐在員事務所を開設する場合は、投資庁(BOI)の許可が必要となる。
- 活動範囲:営業活動はできない。製品の販売促進、技術的なアドバイス、事業調査、輸出(調達)促進、補助的活動に限定される。販売促進は、セミナー、プレゼンテーション、製品説明などは可能だが、新聞広告などを使った販促は歳入庁から営業活動とみなされる可能性が高い。活動範囲は申請書に記載する必要がある。
- 登録官庁:パキスタン投資庁(Board of Investment:BOI)の認可と、設立30日以内のSECPへの登録が必要。
- 活動開始:BOIの認可が下り次第。
- 課税:駐在員事務所は営業活動を行わないため、2001年所得税法の下、恒久的施設(PE)の定義から除外されており、税は賦課されない。しかし、パキスタン源泉の所得が発生している証拠がある場合、PEの認定を受ける可能性がある。
- 経費:本国親会社からの外貨送金を受け、それをルピーに両替して使用する。
- 国外送金:不可。ただし、閉鎖時に残っていた資金については、本国に戻すことができる。
- 機械設備の輸入:不可。
- 設立にかかる時間:書類提出から6~8週間。
- 認可期間:3~5年。更新可能。
- 設立に必要な書類:
支店・駐在員事務所案件の付与・更新許可申請は、すべて「支店・駐在員事務所管理情報システム(BLMIS)」で受け付ける。
企業は、指示に記載されているすべての必要書類をpdf形式でアップロードする。必要な手数料を支払った後、申請書の提出が完了する。申請書はBLMISを通じてオンラインで会社に返送され、不備が見付かった場合や問い合わせがあった場合は、ユーザーアカウントに表示される。必要な情報を提供することで、申請書を再提出することができる。企業は、BLMISに申請書を記入してから15日以内に、パキスタン政府機関によって正式に認証された登記簿謄本/法人設立証明書、定款/覚書のハードコピー1部を投資庁に送付する必要がある。
宛先:registration@pakboi.gov.pk- 開設申請書(用紙はダウンロード可)
BOI:BRANCH/LIAISON OFFICE - 在日パキスタン大使館認証済みの登記簿謄本コピー
- 在日パキスタン大使館認証済みの基本定款および通常定款コピー
- 設立趣意書
- 会社概要
- 代表者のCNIC/パスポートのコピー、履歴書
- 開設申請書(用紙はダウンロード可)
- 更新に必要な書類:
- 活動報告書
- 受取/支払報告書
- 銀行換金証明書(Proceeds Realization Certificate)
- 設立・更新費用:初回申請時手数料は初期1年分が2,000ドル、追加の事務所設立には1,000ドル。更新料は1年分で1,000ドル。
- 連絡先/住所変更:BOIのほか、SECPなどに連絡。
- 閉鎖手続き:BOI宛に次の書類を提出する。
- 閉鎖申請書
- 活動報告書、銀行換金証明書、監査済み前期会計報告書
- パキスタン日刊紙2紙に掲載した閉鎖広告のコピー
- 税務調査完了証明書
- 帳簿・記録:すべての駐在員事務所は次の記録をする必要がある。
- 当該事務所に係る金銭の受け取りと支払い、その詳細
- すべての資産と負債
- 親会社から送金された資金の詳細
- 年次報告:2017年会社法に基づく監査済みの会計報告書をSECPに提出しなくてはならない。
支店(Branch)
- ステータス:外国企業がパキスタンで支店を開設する場合、投資庁(BOI)の許可が必要。活動の終了時期が明確になっている場合のみ、許可される可能性がある。
- 活動範囲:契約に基づき活動し、契約の範囲を超える活動は認められていない。主に建設やインフラなど、プロジェクトベースで期間が定められている場合に利用される形態である。近年では、商業・貿易活動に対しての支店開設認可は下りにくくなっている。
- 登録官庁:BOIの認可と、設立30日以内にSECPへの登録が必要。
- 活動開始:BOIの認可が下り次第。
- 課税:契約によって得た収益に対して、法人所得税が課税される。
- 経費:本国親会社から銀行を経由して送金された外貨をルピーに替えて使用するか、パキスタン国内の契約に基づいて受け取ったルピーを使用する。
- 国外への送金:外為規制に基づく必要書類を提出し、中央銀行に許可されれば送金できる。
- 機械設備の輸入:契約に基づく輸入は可能。
- 設立にかかる時間:書類提出から6~8週間。
- 認可期間:3~5年。更新可能。
- 設立に必要な書類:
支店・駐在員事務所案件の付与・更新許可申請は、すべて「支店・駐在員事務所管理情報システム(BLMIS)」で受け付ける。
企業は、指示に記載されているすべての必要書類をpdf形式でアップロードする。必要な手数料を支払った後、申請書の提出が完了する。申請書はBLMISを通じてオンラインで会社に返送され、不備が見付かった場合や問い合わせがあった場合は、ユーザーアカウントに表示される。必要な情報を提供することで、申請書を再提出することができる。企業は、BLMISに申請書を記入してから15日以内に、パキスタン政府機関によって正式に認証された登記簿謄本/法人設立証明書、定款/覚書のハードコピー1部を投資庁に送付する必要がある。- 開設申請書(用紙はダウンロード可)
BOI:BRANCH/LIAISON OFFICE - 在日パキスタン大使館認証済みの登記簿謄本コピー
- 在日パキスタン大使館認証済みの基本定款および通常定款コピー
- 設立趣意書
- 会社概要
- (設立の活動目的となる)契約書/合意書のコピー
- 会社の代理として行動する権限を与えられた代表者の履歴書、およびパスポートのコピー/CNIC。
- 申請の検討に適切とみなされるその他の情報。
- 開設申請書(用紙はダウンロード可)
- 更新に必要な書類:
- 契約書/合意書のコピー
- 納税証明書
- 直近の監査済み会計報告書
- 銀行換金証明書(Proceeds Realization Certificate)
- 設立・更新費用:初回申請時手数料は初期1年分が3,000ドル、追加の事務所設立には1,500ドル。更新料は1年分で1,000ドル。
- 新規契約:新たな契約が発生する場合は、BOIによる認証が必要。
- 連絡先/住所変更:BOI、SECPなどに連絡しなければならない。
- 閉鎖手続き:BOI宛に次の書類を提出する。
- 閉鎖申請書
- 活動報告書、銀行換金証明書、監査済み前期会計報告書
- パキスタン日刊紙2紙に掲載した閉鎖広告のコピー
- 税務調査完了証明書
- 帳簿・記録:すべての支店は、次の会計関連事項について記録する必要がある。
- 支店が関係するすべての金銭の受け取りと支払い、またその詳細
- すべての販売および購入
- すべての資産および負債
- 親会社から送金された資金の詳細
- 親会社へ送金した利益の詳細
支店が製造・加工・鉱業などの活動に従事していた場合は、SECPから原材料や労賃などが記録された製造原価報告書の提出を求められることがある。
- 年次報告:2017年会社法に基づいた監査済みの会計報告書を、SECPに提出しなければならない。
外国企業の会社清算手続き・必要書類
外国企業が会社を清算する場合、手続き方法によって裁判所の命令による解散(強制解散)、任意解散(閉店・清算・破産)、裁判所の監督の下での解散に分かれる。
裁判所による解散(強制解散)
企業が強制解散となる場合は、次のとおり。
- 企業が、特別決議により強制解散を受け入れた場合。
- 企業登記所等への法定報告書の提出の、あるいは法定会議の開催の不履行があった場合。
- 連続2回の年次総会の不履行があった場合。
- 企業が、直前の連続する2会計年度の財務諸表または年次申告書を登記機関に提出する際に不履行を犯した場合。
- 企業が、設立後1年間活動を開始しない場合、あるいは1年間活動を停止した場合。
- 非公開会社の場合、株主が2人以下となった場合。公開会社の場合、株主が3人以下となった場合。
- 企業が債務を返済できなくなった場合。
- 企業が、非合法な活動や詐欺行為を行ったり、そのような行為をしているという疑念を抱かせたりした場合。
- 法や規制で許可されていない事業を行った場合。
- 株主、少数株主、企業の構成員等に対し、抑圧的な方法をとった場合。
- 詐欺などの不正行為を行った者が、会社の運営や経営に携わった場合。
- 2017年会社法、定款、裁判所の決定、登記機関などの命令に背いた場合。
- 上場企業としての活動を停止した場合。
- 企業経営が行き詰まった、企業の主要目的が未達成となった、損失の発生が繰り返された、株主の多数に対して攻撃的だったり抑圧的だったりした、不正に企業を設立した、公共の利益に反した、株主がいなくなったなどの場合を含め、裁判所が解散したほうが良いと判断した場合。
手続き
- 会社のメンバー(株主)の4分の3以上による特別決議を得た上で、Form 26を提出する。
- 会社が債務を返済できないことを明確にするための資産リストを作成する。
- 債権者のリストを作成する。
- 債務不履行の場合、債権者は清算申し立てをすることを意思決定する。
- 登記所等が会社の清算を申請する場合は、当該企業が詐欺や違法ビジネスを行っていたことを証明するか、定款で認可されていない業務を行ったか、詐欺・職権乱用・不正によって有罪判決を受けていることを証明しなければならない。
必要書類
- 申請書(企業からの申立ての場合はForm 26)
- 宣誓供述書(Affidavit)
- 特別決議のコピーなど
- 債権者などとの合意書
- その他必要書類
任意解散
株主総会での特別決議の承認により、企業は解散できる。その手続きは次のとおり。
- 役員はForm 107によって、当該企業に債務の支払い能力があることを宣言しなければならない。同宣言には監査役の証明が必要である。
- 臨時株主総会あるいは定時株主総会において、会社の解散を決定する。同時に清算人を指名し、同清算人の報酬を決定する。清算人の指定とともに役員会は廃止される。
- 10日以内に解散決議を官報に告知するとともに、新聞にも掲載する。告知内容は登記所にも通知する。
- 清算する会社は、自社の指名した清算人を10日以内に登記所に通知する。清算人は自身が指名されたことについて、14日以内に登記所に通知する。
- 清算人は、債務が全額支払われないと判断した場合、債権者会議を開催し、当該企業が保有するすべての資産および債務を開示しなければならない。
- 清算に1年以上かかる場合、清算人は株主総会を招集した上で、裁判所に清算手続期間の延長を申請する。
- 総会における決算報告および議事録は、10日以内に登記所に提出しなければならない。
- 会社の業務が完全に清算され次第、清算人は清算の報告および説明を行い、最終社員総会を招集し、最終社員総会招集通知をForm 111に記入しなければならない。
- このような会合の通知は、会合の日の少なくとも10日前までに官報および新聞に掲載されなければならない。
- 清算人は総会後1週間以内に、報告書および決算書の写しをForm 112で登記所に送付しなければならない。
裁判所の監督の下での解散
企業が解散を決議した場合、解散する企業、あるいは裁判所に解散を申請できる者の依頼に基づき、裁判所の監督の下での解散ができる。
その他
2017年会社法により、営業活動を停止し既知の資産および負債を持たない企業には、簡易な清算手続き方法が提供されている。この場合、企業登録所に所定の申請料金を支払った上で、会社の登記簿からの除名を特定の方法で申請することができる。
申請書の提出
会社名の除名申請する際には、以下の書類・フォームを登録機関に提出するものとする。
- 会社名の除名申請書(Form EE-Ⅰ)
- メンバー決議書(Form EE-Ⅱ)
- 宣言/補償(Form EE-Ⅲ)
- 監査人証明書(Form EE-Ⅳ)
料金の支払い
以下の申請料は申請会社が負担する。
- オンライン提出の場合5,000ルピー
- 手交提出の場合1万ルピー