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市場・トレンド情報

円高による日本食市場への影響‐仕入れ値急騰も値上げには慎重‐

2010年11月
分野:食品・農林水産物

フィリピンには和食レストランが多くあるが、「日本の味」にこだわり、多くの店が食材を日本から仕入れている。そのため円高の直撃を受けている。昨今の円高について、マニラ首都圏に属し、高層ビルやショッピングモールが並ぶマカティ市内の「リトルトーキョー」内に店舗を構える和食レストランにインタビューを行った。

高騰する仕入れ値

フィリピンに駐在する邦人は給与をドル建てで支給されるケースが少なくない。そのため円高が進めばその分所得が目減りする。日本人客の多いある和食レストランでは、10月に入ってから客の注文状況に変化がみられるという。具体的には「1ドル83~84円の水準を超えたあたりからお客様の注文が控えめになってきている。今までの注文数から一品減らす方が増えている」とレストラン関係者は指摘する。

レストランにとって円高は、売上のみならず食材の調達状況にも影響を及ぼす。仕入業者への支払いをペソで行っている場合、円高は負担増となる。円高が叫ばれ始めた10月初めから11月初めの1カ月間で、食材の調達費が「全体で2割程上昇」、春先から比較すると「3割の上昇」とのコメントを得た。同レストラン関係者は、苦しい状況ではあるが客離れをおそれるため、「値上の決断はぎりぎりまで下したくない」と述べる。「安易に値上げするとお客様の消費意欲を削ぎ、結果的に売上が落ち利益が減ってしまう」からだ。しかし「円高がこのままの水準で推移すると、11年の早い段階で値上げに踏み切らざるを得ない」という声も聞かれる。

経費節減で急場をしのぐ

日本の味を出すためには、調味料は日本のものを使用することが不可欠という。例えば、フィリピンではグラニュー糖は調達できるが上白糖は日本から仕入れなければならない。上白糖はグラニュー糖に比べ甘みが強い。コンソメも日本産は顆粒があるが、フィリピン産は固形のものしかなく、出汁の味わいが微妙に異なるという。味にこだわればこだわるほど、調味料も日本から仕入れる必要があり、当然のことながら円高の影響を受ける。

鶏肉、豚肉、まぐろ、うに(ミンダナオ島で養殖)等は現地調達で対応できる。しかし、うなぎ、はまち、さんま、さけ、イクラはフィリピンでは獲れないため、すべて日本からの輸入となる。さばやたこはフィリピンでも獲れるが日本産のほうが味が優れているとされる。なお、11月上旬のさんまの仕入れ値は10月比80%増、さばは同50%増とのことである。さらに今年は猛暑であったため、一部の輸入野菜は価格が急騰した。

このような状況下では、まず経費節減に着手しなくてはならない。節減対象は光熱費や人件費となる。あるレストランは、今まで国の指定休日(同日に業務を命じる場合、最初の8時間に対しては100%の割増賃金を払うことが義務付けられている)でも営業していたところ、現在は休業し人件費の抑制を図っているという。円高に伴う利益幅の減少はどのレストランにも共通しており、対応への苦慮が垣間見られる。

(マニラ・センター)

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