関税制度
最終更新日:2024年10月18日
- 最近の制度変更
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2025年3月6日
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2024年12月3日
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2024年10月3日
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2024年7月5日
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2024年5月22日
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管轄官庁
税関
税関(Royal Malaysian Customs Department
)
代表電話:03-8882 2100/2300
コールセンター:1300-888-500
E-mail:ccc@customs.gov.my
その他の関係官庁
- 投資貿易産業省(Ministry of Investment, Trade and Industry
)
- 財務省(Ministry of Finance
)
- マレーシア投資開発庁(Malaysian Investment Development Authority:MIDA
)
E-mail:investmalaysia@mida.gov.my
このほか、政府機関への問い合わせなどを1カ所で対応する「Malaysia Government Call Centre」(MyGCC)が設置されている。問い合わせ先は、次のとおり。
- マレーシア政府公式ポータル(The Government of Malaysia’s official Gateway
)
Tel:603-8000 8000
E-mail:80008000@mygcc.gov.my
Short Messaging System(SMS):603-8000 8000
X(旧Twitter)
Facebook
関税率問い合わせ先
税関
税関(Royal Malaysian Customs Department
)
コールセンター:1300-888-500 / 603-7806 7200
マレーシア税関の所在地リスト:Customs Offices
関税率検索サイト:(JKDM HS Explorer)
※検索方法の例:日本から日本マレーシア経済連携協定を利用した場合の関税率の場合は、「Tariff Type」で「MJEPA」を選択し、調べたい物品のHSコード(最低4ケタ)を入力して「Search」をクリック。
関税体系
一般税率、および各FTA/EPAで適用される優遇税率。
品目分類
分類は、国際統一商品分類(HS分類)に基づく。
2017年関税令(Customs Duty Order 2017)が2017年4月1日より施行され、9ケタの関税番号が10ケタとなった。また同関税令により、2012年ASEAN共通関税品目分類表(ASEAN Harmonized Tariff Nomenclature 2012:AHTN2012)も差し替えられた。
その後、2022年関税令(Customs Duty Order 2022)が2022年6月1日より施行され、2017年関税令は廃止された。2022年関税令は、世界関税機構(World Customs Organization)による第7版の輸出統計品目表(Harmonized System (HS2022))に沿ったものであり、ドローン、スマートフォンなどの新しい分野の製品をカバーする修正がなされている。
詳細については、次の参考資料・情報を参照。
税関:
2017年関税令(Customs Duties Order 2017(20.15MB))
2022年関税令(Customs Duties Order 2022(24.9MB))
2022年関税令 正誤表(Customs Duties Order 2022 Corrigendum(279KB))
2023年関税(改定)令(Customs Duties (Amendment) Order 2023(587KB))
参考資料・情報
関税の種類
品目の大部分に従価税が課せられるが、いくつかの品目では従量税が課せられる。税率範囲は0~60%である。
課税基準
CIF価格
対日輸入適用税率
日本マレーシア経済連携協定(JMEPA)による税率が適用される(2006年7月13日~)が、一部には一般特恵税率が適用される。日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)による税率は、マレーシア・日本間では2009年2月1日に発効した。
特恵等特別措置
一般特恵関税(GSP)、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)をはじめ、日本やパキスタンなどとの二国間自由貿易協定も締結している。
協定等に基づく関税
特恵関税協定
- 一般特恵関税(GSP)
マレーシアは現在、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、ベラルーシ、カザフスタン、ロシアなどの諸国から特恵関税の適用を受けている。適用品目は、主に関税番号25-97の工業製品であり、1-24で始まる農産物への適用については限定的である。日本からは、関税番号76について特恵関税の適用を受けている。
EUのGSP適用は、2013年12月31日で終了した。 - 貿易特恵制度‐イスラム諸国会議機構(OIC)
マレーシアは2004年6月30日および同年8月23日、OICとの間で貿易特恵制度に関する枠組み協定に署名し、これを批准した。OIC加盟国間では、特定の製品に関する特恵関税譲許の取り決めが合意されている。
関税率25%超の品目は25%に、15~25%の物品は15%に、10~15%のものは10%にすることが目標。OICの特恵税率は、10カ国が署名して批准されてから発効し、適用が可能となる。
2023年10月時点で、マレーシア、バーレーン、バングラデシュ、イラン、ヨルダン、クウェート、モロッコ、オマーン、パキスタン、カタール、サウジアラビア、ソマリア、トルコ、アラブ首長国連邦の14カ国が同協定を批准している。 - 特恵関税協定‐発展途上国8カ国グループ(D-8)
D-8参加国(マレーシア、バングラデシュ、インドネシア、イラン、エジプト、ナイジェリア、パキスタン、トルコ)の間で、特恵関税協定(D-8 PTA)が締結され、実施されている。マレーシアの輸出業者は加盟国市場において、特定の製品に関して特恵関税待遇が受けられる。すなわち、関税率25%超の品目は25%に、15~25%の物品は15%に、10~15%のものは10%の特恵税率が適用される。
マレーシアでは、2023年10月1日に、D-8との間の特恵関税協定に基づく物品に関する2023年関税令が施行された結果、批准手続きを終えて協定を実施した他の3つの加盟国(イラン、ナイジェリア、トルコ)との間で、特恵税率が適用されている。
D-8との間の特恵関税協定に基づく物品に関する2023年関税令:Customs Duties (Goods under the Preferential Trade Agreement among D-8 Member States) Order 2023(2.1MB)(税関)
二国間・地域間自由貿易協定(FTA)
各協定については「WTO・他協定加盟状況」の項を参照。
発効済のFTAに関連して原産地証明を取得する場合は、DagangNet Technologies Sdn Bhdが運営するePCOと呼ばれる電子原産地証明システム(Electronic Preferential Certificate of Origin System:ePCO)を通じて、オンラインで申請手続きを行うことになっている。
DagangNet Technologies Sdn Bhd:Electronic Preferential Certificate of Origin System(ePCO)
その他の関税に関する制度
- 主関税地域(Principle Customs Area:PCA)
マレーシアの関税は主関税地域への輸入および主関税地域からの輸出を対象としており、主関税地域とは、フリーゾーン(FZ)、ラブアン、ランカウイ、ティオマンを除くマレーシア国内のすべての地域を意味する。
2019年7月9日に成立した2019年関税(修正)法により、2020年1月1日よりパンコールも主関税地域から除外されることになった。 - フリーゾーン(FZ)における関税免除措置
マレーシアにはいくつかの指定されたFZがあるが、FZに立地する企業は、基本的に製品の80%以上を輸出することが求められる。また、製品の原材料や部品は、主に輸入品であることが想定されているが、マレーシア政府は国内産の原材料や部品の使用も奨励している。FZ内に持ち込まれ、生産、製造、供給される物品およびサービスについては、輸入税および物品税が免除される。物品・サービス税(GST)の廃止に伴い2018年9月1日に導入された売上税(Sales Tax)に関しても、FZ内に持ち込まれる物品は、原則として課税対象外となっている。 - 保税工場(Licensed Manufacturing Warehouse:LMW)
マレーシアにおいては、各企業は自社の工場敷地内へのLMWの設置を税関に申請することができる。FZ以外の主関税地域(Principle Customs Area:PCA)に事業所を設置する輸出品製造業者に対する輸入税の保税措置であるLMW制度では、FZと同様、原則として、製品の80%以上を輸出または間接輸出することが条件になる。売上税に関しては、FZと同様に、LMW内に持ち込まれる物品は、原則として課税対象外となっている。 - 製造者の輸入における関税免除
- 機械の輸入税の免除
製造者が、自社の製造工程に使用する目的で輸入するかFZ・LMWから購入する機械・設備の関税については、「2017年関税免除令(Custom Duties (Exemption) Order 2017)」によって、自主申告制度の下で輸入税の免除が受けられる。手続きとしては、主関税地域(PCA)に立地する製造者であることの確認書「Confirmation Letter as a Manufacturer in the PCA」を投資開発庁(MIDA)から入手した上で、各種該当書式を税関に提出して通関を行う。なお、スペアパーツおよび消耗品は、免税の対象外である。前述の確認書の申請は、MIDAのウェブサイトを通じて行う。
確認書の申請ウェブページ:Application for MIDA Confirmation Letter [Surat Pengesahan MIDA (SPM)] for Import Duty and/or Sales Tax Exemption
- 原材料の輸入税の免除
製造者が、自社の製造工程に直接使用する目的で輸入する原材料の輸入税については、免除申請ができる。マレーシア国内に該当する原材料がなければ、通常は免除される。マレーシア国内に同等の製品がある場合では、輸入しなければならない明確な理由や、国内メーカーからの同意書などが求められる場合もある。
手続きについては、MIDAのウェブサイトを参照。原材料・部品の輸入税免除申請に関するガイドラインおよび手続き:GUIDELINES AND PROCEDURE FOR APPLICATION FOR IMPORT DUTY AND/OR SALES TAX EXEMPTION ON RAW MATERIALS AND COMPONENTS FOR MANUFACTURING SECTORS
(126KB)
- 機械の輸入税の免除
- 支払った輸入税の還付請求
輸入税が支払われ、いったんマレーシア国内に輸入された物品を再輸出する場合、1967年関税法(Customs Act 1967)に基づく条件が満たされ、かつ必要な手続きが適切にとられていれば、支払った輸入税の90%を還付申請することができる。ただし、通関して輸入税を支払った時点で還付請求する旨を申し立てていることが前提であり、申請後は担当官の求めに応じて関連書類を改めて提出するなど、手続きにはかなりの時間を要し、実際に還付を受けるのは難しい。なお、還付請求に必要な主な書類は、次のとおり。- 申請書
- 所定の書式による請求申立書
- フォームJKED 2
- 委任状(代理人によって請求が行われる場合)
- 税関フォームNo. 1、2、9、SP3D、Eksais 7、Eksais 8のいずれか該当するフォーム(注)
- インボイス
- パッキングリスト
なお、税関フォームに関しては、次の資料を参照。
各種税関フォーム (CUSTOMS (AMENDMENT) REGULATIONS 2018(932KB))(政府法令サイト)
関連法
関税に関する主たる法律は、1967年関税法(Customs Act 1967)である。
関税に関する関連法規には、次のものがある。
- 1967年関税法(Customs Act 1967)
- 1993年相殺関税およびアンチダンピング関税法(Countervailing and Anti-Dumping Duties Act 1993)
- 1976年物品税法(Excise Act 1976)
- 1990年フリーゾーン法(Free Zone Act 1990)
関税以外の諸税
売上税および物品税がある。
2018年5月の政権交代により、売上税は2018年9月1日、物品・サービス税(GST)が2018年8月31日に廃止されたのに伴い導入された。
2022年1月1日から9月30日まで、間接税の特別自主開示プログラム(Special Voluntary Disclosure Program)が実施された。売上税、サービス税、物品税、関税などの間接税を対象として、納税者が過去の無申告や過少申告、過少納付などを自主的に修正する場合には、罰則が減免された。具体的には、2022年1月1日から2022年6月30日までの第1フェーズではペナルティの金額の100%の免除、2022年7月1日から2022年9月30日までの第2フェーズではペナルティの金額の50%の免除とされた。
また、2023年6月6日から2024年5月31日まで、特別自主開示プログラム2.0(Special Voluntary Disclosure Program 2.0)が実施されており、直接税および間接税を対象として、納税者が過去の無申告や過少申告、過少納付などを自主的に修正する場合には、ペナルティの金額の100%が免除とされた。
売上税(Sales Tax)
売上税は、課税物品の輸入および課税事業者たる製造業者がマレーシア国内で製造する課税物品に課され、税率は5%または10%である(石油製品を除く)。課税事業者が材料などを輸入または他の課税事業者から購入する場合、免税を適用することができる。指定地域(ラブアン、ランカウイ、ティオマン、パンコール)および特別地域(フリーゾーン、保税倉庫、保税工場など)は、原則として売上税の対象外とされている。
また、オンライン市場で販売され、陸路、海路または空路でマレーシアに配送される500リンギ以下の価格の低価格商品についても、10%の売上税が課されることとなった。
低価格商品に対する課税は、2024年1月1日から施行された。
低価格商品に対して課税がなされることに伴い、2024年1月1日より、低価格商品の販売額が年間50万リンギを超える者は、マレーシア国内外を問わず納税義務者となり、登録販売者(RS)として税関に届け出を行う必要がある。
税関:
登録申請ウェブページ:Application for Sales Tax on Low Value Goods (LVG) Registration
Sales & Service Tax(SST)公式ウェブサイト:MySST
物品税(Excise Duty)
ビール、スタウト・ビール、その他の酒、一定の加糖飲料、タバコの葉が含まれた巻たばこ、電子たばこなどのたばこ製品、自動車、トランプを含む特定品目に対しては、物品税が課せられる。物品税の税率は課税対象品によって異なり、物品税の課税対象となる製品の製造業者は、当該品目を製造するライセンスを取得しなければならない。物品税の課税対象品の保管にも、倉庫ライセンスが必要となる。
物品税は、一般に当該品目が製造地を離れた時点で支払うが、自動車の物品税については、当該車両が道路交通局に登録された時点で支払われる。輸出品には、物品税は課されない。
税関:物品税に関するウェブページ:Excise & Levy
その他
特になし。