輸出入手続
最終更新日:2023年11月09日
輸出入許可申請
商業省貿易局
商業省貿易局(Directorate of Trade, Ministry of Commerce)
ヤンゴン支部/Yangon Branch
所在地:228/240, Strand Road, Yangon
Tel:01-3762718(ヤンゴン支部)
Tel:067-408404(Director General Office)
Tel:067-408251(Assistant Director Office)
Tel:067-408483(Deputy Director Office)
※ミャンマー語のみ、英語不可。
E-mail:dccaygn@gmail.com
必要書類等
会社設立の上、輸出入業者登録を行い、原則として輸出入の都度、輸出入ライセンスを取得する必要がある。これまで、外国企業は現状、一定の品目を除き、原則として貿易業が認められていなかった。しかし、2018年に一定の要件の下、外国企業も卸売りおよび/または小売業ライセンスを取得することが可能となり、当該ライセンスを取得した外国企業は自社で輸入が可能となった。
従来、ライセンス取得のために首都ネピドーの商業省窓口まで出向き申請を行う必要があったが、現在は一部の輸入品を除き、商業省のヤンゴン支局で申請が可能になるなど、輸出入手続きは簡素化・自由化されている。
輸出入ライセンス免除品目
輸出はネガティブリスト方式となっている。原則としてライセンスは不要だが、1,417品目はライセンスの取得が必要である(2020年7月8日付商業省大臣官房通達第51号)。商業省は、2020年7月8日、生きている動物、珍しい魚および動物製品、ハーブ、根、林産物、鉱山から産出される原料、制限された化学製品、爆発物、肥料、骨董品(注)を輸出ネガティブリストに追加することを内容とする2020年7月8日付商業省大臣官房通達第51号を発布した。2020年7月8日付商業省大臣官房通達第51号は、2020年8月1日に発効し、2018年2月8日付商業省大臣官房通達第9号は失効した。
また、商業省は2022年3月9日、トウモロコシの種子、ポップコーン、トウモロコシ粉、穀実用モロコシの種子、小麦以外の穀物粉などの12品目を輸出ネガティブリストに追加することを内容とする2022年3月9日付商業省大臣官房ニュースレター第3号を発布した。
さらに、商業省は2022年5月23日、豆、油などの181品目を輸出ネガティブリストに2022年8月1日より追加することを内容とする2022年5月23日付商業省ニュースレター第7号を発布した。
(注)2020年7月8日付商業省大臣官房通達第51号に記載されている、生きている動物、珍しい魚および動物製品、ハーブ、根、林産物、鉱山から産出される原料、制限された化学製品、爆発物、肥料、骨董品などについては、定義など詳細が記載されていない。したがって、具体的にどのような物品が含まれるのか不明である。
輸入について、商業省は2020年10月22日、輸入ライセンス取得が必要な3,931品目を新たに発表し、2020年12月1日に発効した(2020年10月22日付商業省大臣官房通達第68号)。2021年12月以降、新たに輸入ライセンスが必要となる品目の発表が相次ぎ、2022年8月31日以降に輸入ライセンスが必要な品目数は9,029品目である。
なお、商業省が2017年6月21日に公布した、航空機材関連の31品目について、輸入許可証を不要とする通達(2017年6月21日付商業省大臣官房通達第37号)は、2023年6月21日に同省から公布されたBulletin 9/2023により更新され、2023年11月9日現在、輸入許可証が必要となっている。具体的には、航空機器の85.26と88.03は、いずれも非自動許可制度対象に分類されるようになった。
2023年3月31日付商業省通達第19号により、8,774品目が輸入許可を必要とする品目として指定され、所定の手続きに従い輸入許可証を申請した後、非自動輸入許可制度を利用して輸入することができるとされた。
2023年4月25日付商業省ニュースレター第8号は、2023年6月1日から輸入許可証のない商品の輸入を廃止する旨規定した。同ニュースレターでは、これまで輸入許可が不要であった3,075品目がMyanmar Tradenet 2.0における自動輸入許可制度の対象品目として指定された。その他の商品は非自動輸入許可制度の対象となる。
2023年6月21日付商業省ニュースレター第9号は、自動輸入許可制度の対象となる品目を3,075品目から1,525品目に削減した。さらに、自動輸入許可制度は海上貿易でのみ可能となった。タイ等との国境貿易では、全商品の輸入は非自動輸入許可制度の対象となる。
輸出入業者登録までの手続き
- 会社設立
輸出入を行いたいと考える個人および企業は、まず会社を設立する必要がある(詳細は「外国企業の会社設立手続き・必要書類」を参照)。
外国企業は、原則として2002年から貿易業としての登録が凍結されていた。ただし、例外として、委託加工業者、製造業者の場合は、外国企業であっても、原材料、加工品等の輸出入は可能である。「貿易業」は製造を伴わない、農水産品等のいわゆる物品貿易取引を対象としたものと解される。
また、他の例外として、2011年の民政移管後に徐々に開放され、商業省の各通達により、自動車、肥料、種子、殺虫剤、医療機器、建設資材、農業用機器等については一定の要件の下、外国会社が卸売を行うことが認められた。そのような中、2018年5月9日に商業省は、卸売および小売事業を外国会社に開放する内容の通達を発布した(2018年5月9日付商業省大臣官房通達第25号)。本通達は一定の品目に限らず、全面的に卸売および小売事業を外国会社に認め(制限・禁止品目は除く)、どのような基準で許可が認められるかなどを規定している。さらに、2018年7月26日に商業省はNewsletter2018年2号および3号を発布し、当該Newsletterにおいて必要な初期投資額の詳細などを規定した。
2021年11月12日に商業省は、卸売および小売事業において許可される優先商品分類の追加リストを発行し、以下25品目が許可されている。当該Newsletterにおいて、Newsletter2018年3号が廃止された(2021年11月12日付商業省大臣官房通達第19号)。
- 日用品(衣服、時計、化粧品を含む)
- 食料品には以下が含まれる。
- 農産物(国家の要件に基づき許可されていない製品を除く)
- 水産物
- 動物製品
- 既製食品
- 各種ソフトドリンク
- 国内で製造された飲料
- 食品の原材料
- 家庭製品(磁器、陶器、ガラス、ガラス製品を含む)
- キッチン道具
- 医薬品および関連物質、病院設備
- 動物用食品および医薬品、動物用食品の原材料
- 文具
- 家具
- スポーツ用品
- 通信デバイス(カメラおよび電話を含む)
- 電子装置
- 建設機器および工具
- 電子機器
- 製造業界で使用される化学薬品
- 産業機械および工業原料
- 種子、農業インプットおよび農業機器
- 農機具
- 各種機械および器具
- 各種自転車
- 各種バイクおよび器具
- 自動車および機械のスペアパーツおよび器具
- おもちゃ
- 家庭用装飾品(花および植物を含む)
- 各種お土産および手工芸品
- 美術、楽器および電化製品(骨董品は除く)
なお、2019年5月21日、商業省は、2018年5月9日付商業省大臣官房通達第25号以前の通達に基づき先行して[1]農業用の肥料、[2]種まき用の種子、[3]殺虫剤・駆除剤、[4]医療用機器、[5]建設資材、[6]農業用機械および機器の6分野で輸入または販売業を行っている外国会社に対しても2018年5月9日付商業省大臣官房通達第25号に基づく卸売および/または小売事業の登録が必要である旨の通達を発布した(2019年5月21日付商業省通達第23号)。
- 輸出入業者登録
企業設立後は、輸出入業者登録をオンラインシステムのMyanmar TradeNet 2.0を介して行う必要がある。
必要書類は次のとおり。- Certificate of Incorporation(オンライン登記システム(MyCO)より取得)
- Company Extract(オンライン登記システム(MyCO)より取得)
- レターヘッドおよびMD(取締役、経営者、支配人)の署名入りの申請書
- 取締役のリスト(NRC(国民登録カード)/パスポートナンバー、役職、住所、署名を含む)+各MDの顔写真を添付すること。
- 申請者のNRC/パスポートの写し(取締役または経営者)
- 資本金証明書、銀行の証拠書類(貿易業を行う外国会社の場合)
- 必要期間:3日程度
- 手続き料:登録料5万チャット~20万チャット(6カ月~5年間有効。申請するカードの有効期間により登録料が異なる)+カード料500チャット+オンライン料3,000チャット。MPU(ミャンマー・ペイメント・ユニオン)カードで支払いを行うこと。
手続き終了後、輸出入業者登録証(Exporter/Importer Registration Certificate)を取得できる。
更新は有効期限の3カ月前までに再申請が必要である。期限後の申請について、期限が切れた日から1年以内であれば所定の料金とともに再申請することができる。期限が切れた日から1年以上過ぎると、商業省は登録証を取り消し、申請者は再度新しい輸出入業者登録証を申請しなければならない。また、法規則に従わなかった申請者は、輸出入業者登録証を取り消される。
なお、2020年9月30日付商業省貿易局通達第13号が発行されており、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する目的で社会的接触を減らすために、必要情報をメールで送りオンライン決済のクイックペイを利用することによる新たな輸出入業者登録証明書の発行、修正手続きについて規定された。本通達により規定される輸出入業者登録証明書の発行に必要な情報は次のとおり。
- 会社取締役の1人の署名、電話番号、メールアドレス、住所が含まれる会社レターヘッド入りの申請書(代表者の場合、代表者の氏名、NRC番号および電話番号を記載すること)
- 会社登記簿およびオンライン登記システムMyCOから取得したCompany Extract(公開会社の場合、事業開始証明書)
- 取締役の指名、地位、住所、パスポート写真および署名を含む表の写真
- 取締役のNRCまたはパスポートの写し
- 事業目的(外国会社の場合、目的を記載すること)
- 許可証
- MIC許可証(MIC許可により実施している会社の場合)
- SEZ許可証(ティラワSEZ管理委員会の許可により実施している会社の場合)
- 卸売/小売登録証明書(卸売/小売登録証明書を既に取得している会社の場合)
- UMFCCIへの加入
原産地証明発行などのため、ミャンマー連邦商工会議所連盟(The Union of Myanmar Federation of Chambers of Commerce and Industry:UMFCCI)への加入が必要となる。
例外として、水産業者の場合は、UMFCCIではなくミャンマー水産業連盟(Myanmar Fisheries Federation)に登録してもよい。
外国企業の入会金は30万チャット、年会費は30万チャットである(入会時に、入会金と年会費3年分、合計120万チャット前納が必要)。
ミャンマー企業の入会金は10万チャット、年会費は3万6,000チャットである(入会時に、入会金と年会費3年分、合計20万8,000チャットの前納が必要)。
(参考)委託加工貿易の場合
縫製業など委託加工形態で輸出入を行う場合、CMP(注)企業として事前にミャンマー投資委員会(Myanmar Investment Commission:MIC)に申請・承認を得た上で、企業登記手続きを行うと、輸入原材料の免税を得ることができる。
(注)CMP(Cutting, Making and Packing)
ミャンマーでは、委託加工形態ビジネス(原材料を輸入し、ミャンマーで加工し、完成品を原則すべて輸出、加工者はその委託加工賃を得る)をCMP(Cutting, Making and Packing)と呼ぶ。既存企業が、CMPビジネスを後から業務として加えることはできないため、企業設立当初からCMP企業として登記する必要がある。
なお、CMP企業の場合も、前述の輸出入業者登録とUMFCCI加盟の必要があり、以下に述べる輸出入手続きも他の物品貿易と基本的に同じである。
輸出手続き
原則として、輸出ライセンスは不要であり、ネガティブリストに記載されている1,417目のいずれかを輸出する場合にライセンス取得が必要であった(2022年3月9日付商業省大臣官房ニュースレター第3号、2022年5月23日付商業省ニュースレター第7号、2020年7月8日付商業省大臣官房通達第51号参照)。
しかし、2023年2月4日付商業省ニュースレターにて、国境を越えて輸出するすべての物品は、物品輸送許可証が必要であると発表し、現在、すべての物品の輸出には、まずMyanmarTradenet 2.0システムで物品輸送許可証(QRコード)を申請する必要がある旨を規定した。
2023年3月22日付商業省ニュースレター第6号にて、輸出入許可証の発行と体系的な輸出入手続きの円滑化のため、船便および国境貿易による輸出は、Myanmar Tradenet 2.0システムで輸出許可証を申請した後にのみ許可されるようになった。
2023年3月31日付商業省通達第18号は非自動輸出許可制度の対象となる1,556商品のリストに関して規定しており、当該通知により2020年7月8日付商業省大臣官房通達第51号は廃止された。
2023年7月20日付商業省通達第48号は、外国人や合弁企業に許可された商品の輸出について規定しており、「籾殻やおがくずなどの副産物から作られた燃料ペレットなどの環境に優しい商品の輸出については、所定の手続きに従って輸出許可が付与される」との内容が含まれている。
ライセンス取得免除の対象品目については「貿易管理制度 輸出管理その他」を参照。
- 輸出ライセンス(export license)取得
輸出ライセンス免除の対象品目を除き、輸出の都度、輸出ライセンスを取得する。- 必要書類
2014年8月4日以降、必要書類が大幅に省略された。なお、2013年3月以降、CMP企業の輸出ライセンス申請は免除されている。- 申請書(会社のレターヘッド付きのもの)
- 輸出オンライン申請書(600チャットの収入印紙が貼付されているもの)
- プロフォーマ・インボイス
- 関係省庁からの推薦状
- 輸出入業者登録証明書
- 申請窓口
商業省(Department of Trade)、またはワンストップ・サービス・センター(OSSC)(ミャンマー投資委員会(MIC)の認可を受けた企業のみ)※従来は、すべてネピドーでの申請が必要であったが、現在では、禁制品を除くすべての品目について、商業省ヤンゴン支局で申請・取得できる。
- 必要期間
通常、窓口申請からライセンス発給まで1~3日 - 有効期間:原則3カ月
- 手数料:オンライン手続き料として、3,000チャット
- 輸出申告価格の査定について
- 商業省が独自の価格データベースに沿って、輸出価格の妥当性を確認しているが、場合によっては関係省庁等の確認を必要とするため、品目ごとの運用を確認する必要がある。
例えば、エビの輸出では、都度、販売契約書を水産庁(DOF)に持っていき、価格の確認を受ける必要がある。水産庁の指定フォームで申請し、スリットをもらう。 - 価格データベースにないものは、インターネット等で調べ、調べられないものは関係団体等からの推薦状で代替している。2013年3月以降に輸出ライセンス取得が免除された品目についても、税関による価格確認は行われている。
- ただし、2016年11月、国内主要港および空港で日本の通関システムをベースとする新たな電子通関システム、マックス(MACCS)が稼働し、2016年11月22日付商業省通達により、輸出入ライセンスをオンラインで申請し、請求書原本、売買契約書原本、請求書および売買契約書に記載された価格が実際の価格であることについての誓約書等を提出すれば、インボイスまたは売買契約書の価格ベースで輸出入ライセンスが発行されることが発表された(2016年11月22日付商業省大臣官房通達第74号)。
2017年6月21日には、インボイスまたは売買契約の価格に従った輸出入ライセンスが発出される場合のインボイスまたは売買契約の偽造等の不正行為に関して、輸出および輸入価格の検査手続についての概要を規定した商業省通達が発布されていた(2017年6月21日付商業省大臣官房通達第38号)が、2020年5月11日付商業省大臣官房通達第35号により廃止された。
- 商業省が独自の価格データベースに沿って、輸出価格の妥当性を確認しているが、場合によっては関係省庁等の確認を必要とするため、品目ごとの運用を確認する必要がある。
- 必要書類
- 輸出通関
輸出申告書とともに、次の書類を税関局に提出する。- 輸出ライセンス(免除品目の場合は不要)
- 信用状(L/C)または支払通知(T/T)(注1)
- コマーシャル・インボイス
- パッキング・リスト
- 輸出入契約書(Sales Contract)
- 本船予約票(Booking Note)
- 製品サンプル(必要な場合のみ)
- (必要な場合)輸出品の推薦状、許可証など(例えば、林業製品の輸出の場合は林業許可証(Forest pass)、家畜の生体輸出の場合は保健証明証、野生動物の生体輸出の場合は林業許可証など)
- Certificate of Incorporation(オンライン登記システム(MyCO)より取得)
- 輸出入者登録証(Exporter/Importer Registration Certificate)のコピー(輸入ライセンス免除品目の場合のみ原本を提示の上、コピーを提出)
- 原産地証明書(必要な場合)(注2)
- 前払法人税の領収証(Receipt of Advance Income Tax)(注3)
- 出荷指示書(Shipping Instruction)
(注1)必ず輸出代金相当の取消不能信用状(L/C)を入手するか、または、事前にT/T送金を受ける必要がある。利用できる銀行はミャンマー投資商業銀行(MICB)、ミャンマー外国貿易銀行(MFTB)、外国為替を取り扱う民間銀行のいずれかで、実際の送金時は事前に各行とよく確認すること。また、日本側の銀行と提携している民間銀行があるため、可能であれば活用を勧める。
(注2)EPA、FTAなどを利用して輸入国側の特別特恵関税を適用するためには、輸出通関および船積み後、B/L等の船積書類を揃え、商業省貿易局で特定原産地証明書を取得する。
なお、ミャンマー商工会議所連盟(UMFCCI)で取得できる原産地証明書(Country of Origin)は、特恵関税適用以外の場合に使用する原産地証明書であるので注意を要する。(注3)前払法人税の詳細は「関税制度 関税以外の諸税」参照。
輸入手続き
原則として輸入ライセンスを不要とし、輸入ライセンスが必要な品目(3,931品目)をネガティブリスト形式で公表(2020年10月22日付商業省大臣官房通達第68号、同年12月1日発効)。これに加え、商業省は2021年11月9日に3,070品目をネガティブリストに追加する通達を発表(2021年11月9日付商業省大臣官房Newsletter第18号)。新たに追加された3,070品目は、2022年1月1日より対象となる。
さらに、商業省は2022年1月25日に826品目をネガティブリストに追加する通達を発表(2022年1月25日付商業省通達22号)。2022年3月1日に141品目をネガティブリストに追加する通達を発表(2022年3月1日付商業省大臣官房ニュースレター第2号)。2022年3月29日に1,131品目をネガティブリストに追加する通達を発表(2022年3月1日付商業省告示第5号)。
その後、商業省は2022年8月31日に農機具などの70品目をネガティブリストから除外する通達を発表(2022年8月31日付商業省大臣官房ニュースレター第9号)した。
したがって、2022年8月31日以降の輸入ライセンスが必要な品目は9,029目となる。
2023年3月31日付商業省通達第19号により、8,774品目が輸入許可を必要とする品目として指定され、所定の手続きに従い輸入許可証を申請した後、非自動輸入許可制度を利用して輸入することができるとされた。計画・財政省発行の2022年5月2日付通達第32号は、本通達により廃止された。
2023年4月25日付商業省ニュースレター第8号は、2023年6月1日から輸入許可証のない商品の輸入を廃止する旨規定した。同ニュースレターでは、これまで輸入許可が不要であった3,075品目がMyanmar Tradenet 2.0における自動輸入許可制度の対象品目として指定された。その他の商品は非自動輸入許可制度の対象となる。
2023年6月21日付商業省ニュースレター第9号は、自動輸入許可制度の対象となる品目を3,075品目から1,525品目に削減した。さらに、自動輸入許可制度は海上貿易でのみ可能となった。タイ等との国境貿易では、全商品の輸入は非自動輸入許可制度の対象となる。
輸入ライセンスが必要な品目の場合、輸出同様、輸入の都度、通関前に輸入ライセンスの取得が必要である。輸入品目によっては、管轄官庁の許可を要するため、事前に確認すること。
近年でも、文書で発表されることなく運用が変更されることが多く、今後、さらなる輸入規制緩和の可能性が高いため、実際の取引時は必ず事前に関係各部局に確認すること。
なお、ミャンマー政府は2021年12月以降、輸入ライセンスを必要とする品目数を増加させ、2022年3月より化学品と鉄鋼製品輸入に際し商業省の輸入ライセンス取得を条件付け、以降規制対象が紙・肥料・食品等々に拡大中である。2022年4月より過去の輸入実績に基づいて輸入量を制限するQuota制度も導入された。
ミャンマー政府の優先順位は、従来は[1]農業、[2]燃料油・食用油、[3]医療、[4]工業原材料、[5]消費財であったが、2023年10月より、商業省貿易局は、政府が定める輸入優先分野を改定している。新たな3分野と、各分野に含まれる製品の例は次のとおりである。
- 第1優先分野:医療品や医療機器、ガソリンやディーゼルを含むエネルギー関連、食用油などの生活必需品、肥料やプラスチック原料など。
- 第2優先分野:機械や鉄、建設資材など。
- 第3優先分野:電気・電子機器、自動車、食品、消費財など。
- 輸入ライセンス(import license)取得
- 口座開設
輸入ライセンスの申請には、まずMICB、MFTB、または外為を取り扱う民間銀行のいずれかに外貨口座を開設する。 - 必要書類
※2014年8月4日以降、必要書類が大幅に省略された。- 申請書(会社のレターヘッド付きのもの)
- 輸入オンライン申請書(600チャットの収入印紙のあるもの)
- プロフォーマ・インボイス(仕様の詳細、包装の形態、引き渡し期日などが記載されたもの)または売買契約書
- 関係省庁(および必要な場合は関係団体)からの推薦状
- 輸出入者登録証(Exporter/Importer Registration Certificate)
- 申請窓口:輸出と同様
商業省(Department of Trade)、またはワンストップ・サービス・センター(OSSC)(ミャンマー投資委員会(MIC)の認可を受けた企業のみ)※従来は、すべてネピドーでの申請が必要であったが、現在では、禁制品を除くすべての品目について、商業省ヤンゴン支局で申請・取得できる。
- 有効期間:原則3カ月
- 手数料:インボイスの価格に応じて最低5万チャットから最高7万チャット+手数料2,000チャット
- 輸入申告価格の査定について
- 輸入価格の妥当性の確認は、輸出時と同様に行われる。
- 商業省の価格データベースにない品目は、インターネット等で調べ、調べられないものは取引価格が正しい旨の証拠および誓約書の提出により代替している。
- 輸入ライセンス免除品目も、税関で価格が妥当かをチェックしている。
- まれに輸入ライセンス取得時の商業省の価格確認でインボイスを修正した後、税関申告時に税関の価格確認で再修正を求められる場合があるが、それぞれの価格データベースの金額設定の目的が異なっているためである。
- 輸出ライセンスと同様に2016年11月22日付商業省大臣官房通達第74号によって、インボイスまたは売買契約書の価格が認められるようになった。
- 輸入ライセンス取得の留意点
輸入ライセンス取得前に当該貨物が港に到着した場合、ペナルティーが科せられるので十分な注意が必要である。
また、当該貨物が、輸入ライセンスに記載の「Last date of import」以前に到着しない場合、再発行の必要がある(輸入ライセンス取得免除品目はこの限りではない)。
商業省は2022年6月24日、輸入ライセンスの有効期間を7月1日から暫定的に変更し、アジア諸国からの輸入の場合は30日間、それ以外の国からの輸入の場合は45日間に短縮すると発表した。従来の有効期間は3カ月だった。その後、7月24日から従来の3カ月+最長2カ月の延長が認められ、最長5カ月有効とされている。 - CMP企業の留意点
CMP企業に対し、輸出ライセンス取得が免除されたが、一部の品目では依然として輸入ライセンス取得が免除されていないので注意が必要。 - ODA関連の輸入
免税手続きでは、通関前に所管官庁(例えば、通信機器なら通信・情報技術省)の紹介状を入手した上で、財務省から免税措置のレターを入手しておく必要がある。 - MIC企業の留意点
ミャンマー投資委員会(MIC)は2021年12月14日付で、認可企業の原材料・機械・資材の輸入手続き関する通達(No.26/2021)を発表した。同通達によると、MICもしくは管区・州の投資委員会の認可を受けて事業を行う企業が、免税・減税の対象とならない原材料・機械・設備の輸入を行う際は、2021年12月15日以降、ミャンマー投資法規則第230条に基づきMICの許可を得ることなく、商業省貿易局および税関に直接申請することが求められる。なお、同通達では、アルコール、ビール・たばこの製造および自動車(二輪車を含む)の製造・組み立て、商業用砂糖の製造企業は除外されている。アルコール、ビール・たばこの製造および自動車の製造・組み立てを行う企業が原材料・機械・資材を輸入する際は、MICの許可を得た上で、商業省貿易局および税関に申請することとなる。さらに同通達では、商業用砂糖を製造する企業は、年間で輸入が必要となる原材料の数量をミャンマー投資委員会に申請することが義務付けられた。
- 口座開設
- 輸入通関
ミャンマーの取引銀行(L/C発行銀行:MICB、MFTB、外為を取り扱う民間銀行のいずれか)で決済し、船積書類を入手した上で、通関手続きを開始する。
このとき通関業者に対し、事前に本船・貨物到着予定日時の連絡が必要だが、実際の通関手続きは書類がないとできない。ただし、[1]積地の銀行からミャンマー側銀行へ通知、[2]当該銀行がBank Guaranteeを発行、[3]Shipping AgentからRelease Orderを得ることで、銀行に書類が未到着でも通関手続きは可能。
しかし、ミャンマーの場合、手続きに日数を要するため、結果的に、銀行に書類が到着するのを待つのとあまり変わらないことが多い。- 必要書類
- 輸入ライセンス(必要な品目のみ)
- Bill of Exchange(L/Cでの取引の場合のみ)
- コマーシャル・インボイス
- パッキング・リスト
- 保険証券
- (必要な場合のみ)輸入品に関する(関連省庁からの)推薦状
- B/L
- Delivery Order(DO)discharged by Shipping Agency Department of Myanmar Port Authority
- Certificate of Incorporation(オンライン登記システム(MyCO)より取得)
- 輸出入者登録証(Exporter/Importer registration certificate)のコピー
- 売買契約書(Sales Contract)
- 原産地証明書
- 輸入申告価格の査定について
税関は低価格での申告(under value)を警戒しているため、過去の輸入価格から作成した独自の価格データベースや市場価格を参考に課税する場合が多い。不当な価格で課税された場合、輸出側の書類や売買契約書を見せて税関と交渉する必要がある。特に、過去にミャンマーに輸入されたことがない品目を輸入する場合は、注意が必要。ただし、2016年11月、国内主要港および空港で日本の通関システムをベースとする新たな電子通関システム、マックス(MACCS)が稼働したため、今後はこれまでの賦課課税方式から、輸入者の申告価格に基づく申告納税方式へと、関税評価の方式も切り替わっていくことが期待される。
- 必要書類
査証
不要。
その他
特になし。