外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用
最終更新日:2024年04月29日
外国人就業規制
外国人労働者の雇用数上限は、単純作業従事者の場合はラオス人従業員数の15%、専門・技術職の場合は25%。
ラオスで事業活動を行う企業は、ラオス人の優先的雇用を推奨されているが、必要な労働力がラオス人で満たせない場合、外国人を雇用することができる。外国人労働者の比率上限は、単純作業従事者の場合はラオス人従業員数の15%、専門・技術職の場合は同25%である。5年以内の大規模国営事業における外国人労働者の雇用については、別途個別の契約で定める(2013年11月24日付改正労働法第68条)。
ただし、駐在員事務所については外国人職員を2人以下とする必要がある(2018年7月30日付外国法人の駐在員事務所の設立と管理に関する計画投資省大臣合意1815号第11条)(仮訳はラオス日本人商工会議所ウェブサイト「ドキュメント」を参照)。
ラオスで働く外国人は、20歳以上で職位に応じたスキルと専門的能力があり、犯罪歴がなく、健康で、その他必要な条件を満たす者、とされている(同法第43条)。
労働契約は1回につき12カ月間、最長5年間を超えてはならない。ただし、管理職・専門職の外国人労働者の5年以上の勤務については個別対応とする(同法第45条)。
また、2021年2月23日付ラオスへ入国する労働者の許可に関する労働社会福祉省大臣合意0600号第10条では、外国人労働者は、最長5年間ラオスで働いた後は、原則として帰国し30日後に必要な手続きを経た後に再度雇用が認められる。ただし、雇用者が5年を超えて引き続き雇用を希望する場合には、当局に申請すれば審査を受けることができるとしている。
在留許可
外国人投資家がラオスに在留するには、ビジネスビザ(NI-B2もしくはI-B2)および滞在許可証もしくはIDカードが必要。外国人労働者が滞在するには労働者ビザ(LA-B2)と労働許可証、滞在許可証が必要である。ビザは複数回の出入国が可能なマルチプルビザを取得することが可能。
滞在許可証あるいはIDカードを有する場合には、複数回の出入国が可能なマルチプルビザが発給される(2014年12月26日付外国人出入国管理法第20条、第21条、第35条)。マルチプルビザの有効期限は、滞在許可証あるいはIDカードの期限に制限され、一般的な投資家および外国人技術者・労働者には3カ月、6カ月、1年のいずれかの期限のビザが発給される。ラオス政府と10年以上のコンセッション契約を有する投資家とその家族は、3~5年の長期滞在許可・マルチプルビザの発給が受けられる。
外国人投資家・株主および家族
外国人投資家・株主用はビジネスビザ(NI-B2もしくはI-B2)および滞在許可証あるいはIDカードを取得する必要がある。また、パスポートの残存期間が6カ月以上必要である。申請は計画投資省投資奨励局投資ワンストップサービス室である。
詳細はジェトロ調査レポート「ラオス投資ガイドブック2016」の第9章 外国人労働許可および入国管理規定を参照。
外国人労働者
外国人労働者用は労働者ビザ(LA-B2)および労働許可証および滞在許可証を取得する必要がある。また、パスポートの残存期間が6カ月以上必要である。
ラオスへ入国する労働者の許可に関する労働社会福祉省大臣合意第0600号(2021年2月23日付)では、外国人労働者の条件として、20歳以上、職務に必要な技術や能力を有すること、明確な履歴があり、犯罪歴がないこと、健康であることが条件とされる(同合意第7条)。労働契約期間は1度当たり12カ月を限度とし、合計5年を超えないこととされる(同合意第10条)。
外国人の雇用が必要な使用者は、労働社会福祉省労働技術開発職業斡旋局に対して外国人労働者のクオータ(期限1年間、毎年12月31日に失効)を申請し(同合意第18~21条)、同局に対して労働者の入国許可を申請する必要がある(同合意第22条)。その後、治安維持省出入国者検査警察局にて労働者リストの承認、外務省領事局にて入国ビザの承認、都・県労働社会福祉局にて労働許可証の発行、治安維持省外国人管理警察局から滞在許可証の発行、外務省領事局にてマルチプルビザの発行手続きを行う(同合意第23条)。
手数料
滞在許可証とマルチプルビザ、労働許可証の取得にかかる費用は次のとおり(手数料・サービス料に関する国家主席令第2号(2021年6月17日付)第41条、第49条、第51条)。
滞在許可証 | 手数料 | サービス料 |
---|---|---|
6カ月(許可証発行) | 60万キープ | 10万キープ |
1年(許可証発行) | 120万キープ | 10万キープ |
マルチプルビザ | 手数料 | サービス料 |
---|---|---|
3カ月 | 30万キープ | 2万キープ |
6カ月 | 60万キープ | 2万キープ |
1年 | 120万キープ | 2万キープ |
労働許可証 | 手数料 | サービス料 |
---|---|---|
1カ月当たり | 8万5,000キープ | 1万キープ |
なお、外国人労働者はラオス入国後30日以内に労働許可証を取得する必要がある。未取得が発覚した場合、1超過日数につき5万キープの罰金が科される(ラオスへ入国する労働者の許可に関する労働社会福祉省大臣合意第0600号第41条)、また許可なく労働した場合は100万キープの罰金が科される(ラオスの出入国規則の外国人違反者への罰則と措置および管理に関する政府令第21号18条(2021年1月20日付))。
滞在許可を超えて滞在している場合は、1超過日数につき10万キープの罰金が科される(同政府令第11条)。
現地人の雇用義務
雇用契約に基づく有期雇用は最長3年。正式雇用の前に試用期間を設けることが認められている。
雇用契約に基づく有期雇用は最長3年まで認められ、3年以上の場合は期限の定めのない雇用となる。契約を更新する場合には、契約終了日より60日以内に行う(改正労働法第76条)。
試用期間については、一般労働者の場合は30日以内、専門技術者の場合は60日以内の範囲で認められている。雇用者は、試行期間終了日の7日間前までに正式採用の可否を通知しなくてはならない。試用期間中の労働の対価として、労働者は給与もしくは賃金の90%以上の支払いを受けることができる(同法第78条、第79条)。
最低賃金については、ラオスの労働者の最低賃金の改正に関する労働社会福祉省国家労働委員会ガイドライン第2718号(2022年7月8日付)にて、2023年5月1日より、月(26日間)130万キープ、1日(8時間)5万キープ、1時間6,250キープと定められている。
その他
隣国タイの入国管理局は、「ラオスを含む国境を接する国からの陸路による査証免除措置を利用しての入国を暦年で2回まで」とする旨の内務省令を2016年12月1日付官報にて告示した。同措置は2016年12月31日より施行され、ラオスで勤務する日本人もタイへ陸路にて年3回以上入国するにはタイのビザを取得する必要がある。
ラオスで勤務する日本人は、在ラオス タイ大使館においてはTOURISTのシングルビザ(手数料:1,000バーツ)および6カ月のマルチプルビザ(手数料:5,000バーツ)を取得することができる。申請に必要な書類は以下のとおりである。
- パスポート(残存期間6カ月以上)
- ラオスの滞在許可証もしくは労働許可証(残存期間6カ月以上)
- 本人もしくは組織の銀行ステートメント
- 所属会社からのレター
- 申込書および写真2枚(3.5cmx4.5cm)
在ラオス タイ大使館ウェブサイト:ROYAL THAI EMBASSY, VIENTIANE, LAO PDR