知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 商標法の一部改正法律(法律第18817号)

2022年02月03日

国会で議決された商標法の一部改正法律をここに公布する。
大統領 ムン・ジェイン
2022年2月3日
国務総理 キム・ブギョム
国務委員及び産業通商資源部長官(特許庁所管)ムン・スンウク

法律第18817号

商標法の一部改正法律

商標法の一部を次のように改正する。
第2条第1項第11号ロ目中「譲渡し、引き渡し、譲渡又は引渡しの目的で展示・輸出若しくは輸入」を「譲渡し、引き渡し、電気通信回線を通じて提供する行為又はこれを目的として展示し、輸出・輸入」に改める。
第40条第1項第1号を第1号の2に改め、同項に第1号を次のように新設する。
1.第55条の2に基づく再審査を請求する場合:再審査の請求期間
第41条第1項に第2号の2を次のように新設する。
2の2.第55条の2に基づく再審査を請求する場合:再審査の請求期間
第54条各号以外の部分に後段を次のように新設する。
この場合、商標登録出願の指定商品の一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その指定商品のみに対して商標登録拒絶決定をしなければならない。
第55条の2を次のように新設する。
第55条の2(再審査の請求)①第54条に基づく商標登録拒絶決定を受けた者は、その決定の謄本を送達された日から3ヶ月(第17条第1項に基づいて第116条による期間が延長された場合にはその延長された期間をいう)以内に指定商品又は商標を補正して当該商標登録出願に関する再審査を請求することができる。ただし、再審査を請求する時に既に再審査に基づく拒絶決定があるか、第116条に基づく審判請求がある場合には、この限りでない。
②出願人は第1項に基づく再審査の請求とともに意見書を提出することができる。
③第1項に基づいて再審査が請求された場合、その商標登録出願に対して従前に行われた商標登録拒絶決定は取り消されたものとみなす。ただし、再審査の請求手続きが第18条第1項に基づいて無効になった場合には、この限りでない。
④第1項に基づく再審査の請求は取り下げることができない。
第57条第1項各号以外の部分本文中「場合には」を「場合(一部の指定商品に対して拒絶理由がある場合には、その指定商品に対する拒絶決定が確定された場合をいう)には」に改め、同項第2号中「商標登録出願」を「商標登録出願の指定商品」に改める。
第68条中「場合には」を「場合(一部の指定商品に対して拒絶理由がある場合には、その指定商品に対する拒絶決定が確定された場合をいう)には」に改める。
第87条第1項各号以外の部分に後段を次のように新設し、同条に第4項を次のように新設する。
この場合、指定商品追加登録出願の指定商品の一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その指定商品のみに対して指定商品の追加登録拒絶決定をしなければならない。
④審査官は第2項に基づいて拒絶理由を通知する場合、指定商品別に拒絶理由と根拠を具体的に書かなければならない。
第88条第2項中「第53条」を「第53条、第55条の2」に改める。
第116条中「審判」を「拒絶決定された指定商品の全部又は一部に関して審判」に改める。
第148条第2項中「第117条第1項」を「第116条に基づく拒絶決定に対する審判や第117条第1項」に改める。
第185条第2項中「第40条第2項第4号」を「第40条第1項第1号、同条第2項第4号及び第41条第1項第2号の2」に改める。
第191条中「場合には」をそれぞれ「場合(一部の指定商品に対して拒絶理由がある場合には、その指定商品に対する拒絶決定が確定された場合をいう)には」に改める。
第193条第1項中「場合には」をそれぞれ「場合(一部の指定商品に対して拒絶理由がある場合には、その指定商品に対する拒絶決定が確定された場合をいう)には」に改める。
第193条の2を次のように新設する。
第193条の2(再審査請求の特例)国際商標登録出願に対しては第55条の2を適用しない。
第210条に第4項を次のように新設する。
④審査官は第2項に基づいて拒絶理由を通知する場合、指定商品別に拒絶理由と根拠を具体的に書かなければならない。
第212条中「第50条」を「第50条、第55条の2」に改める。

附則

第1条(施行日)この法律は、公布後1年が経過した日から施行する。ただし、第2条第1項第11号ロ目の改正規定は、公布後6ヶ月が経過した日から施行する。
第2条(再審査の請求等に関する適用例)第40条第1項、第41条第1項、第55条の2、第88条第2項及び第212条の改正規定は、この法律施行後に出願する商標登録出願、指定商品追加登録出願又は商品分類転換登録の申請から適用する。
第3条(商標登録拒絶決定等に関する適用例)第54条、第57条第1項、第68条、第87条第1項、第116条、第148条第2項、第191条及び第193条第1項の改正規定は、この法律施行後に出願する商標登録出願又は指定商品追加登録出願から適用する。

改正理由

近年、オンライン上商標を表示するか、オンラインを通じて一方的にダウンロードする方式の多様なデジタル商品(Digital Goods)が流通されているが、現行法上、商標の使用行為は既存の伝統的類型のみを規定しており、このような時代の変化を反映できていないため、デジタル商品のオンライン流通行為を商標の使用行為に含めようとするものである。
また、商標登録出願書に記載された指定商品中一部のみに対して拒絶理由がある場合、残りの指定商品は商標を登録できるようにする部分拒絶制度を導入し、商標登録拒絶決定に対する拒絶理由を簡単に解消できる場合は、審判手続きの他に新しい不服手段として再審査請求制度を導入することで、出願人の便宜と権利確保の機会を拡大しようとするものである。

主要内容

  1. 商品又はその包装に商標を表示したものを、電気通信回線を通じて提供するか、そのために展示・輸出・輸入する行為を商標の使用行為に含める(第2条第1項第11号ロ目)。
  2. 商標登録出願に対する拒絶理由が一部の指定商品のみにある場合、拒絶理由がない残りの指定商品に対しては商標を登録できるようにする部分拒絶制度を導入する(第54条・第57条・第68条等)。
  3. 審査官の商標登録拒絶決定後、指定商品範囲の縮小等によりその拒絶理由を簡単に解消できる場合は、必ずしも審判手続きを経る必要なくして審査官に再審査を請求できるようにする(第55条の2新設)。
(法制処提供)

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