知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 実用新案法一部改正法律案(議案番号:2112383)

2021年09月02日

議案番号:2112383

提案日:2021年9月2日

提案者:イ・ソヨン議員外9人

提案理由及び主要内容

現行法上は、実用新案権者又は専用実施権者がその実用新案権又は専用実施権に対する侵害を受けた際に適用される「侵害罪」について、権利者の告訴があればこそ該当の罪を犯した者を起訴することができる「親告罪」と規定している。
ところが、「刑事訴訟法」第230条によると親告罪は、被害者が犯人を知った日から6ヶ月が経過すると告訴できないように告訴期間が制限されている。そのため、第一に、実用新案権者又は専用実施権者が上記の制限された告訴期間(6ヶ月)が徒過してから侵害の事実を知り告訴できなくなる場合が発生する可能性がある。第二に、実用新案権侵害が不明確であるにも関わらず告訴期間を徒過させないように一旦告訴を提起してみる告訴乱発の懸念もある。第三に、捜査機関が侵害事実を認知しても実用新案権者又は専用実施権者の告訴意思を確認する前には積極的に捜査を進め難い。
そこで、「侵害罪」を現在の「親告罪」ではなく、告訴期間の制限も無く、告訴しなくても一旦捜査の開始と進行が可能であり、万が一、その後に被害者が起訴を望まないという意思を確実に表明した場合にのみ、始めて起訴しない反意思不罰罪に変更することで、実用新案権と専用実施権者の権利保護を強化しようとするものである(案第45条第2項)。

実用新案法の一部改正法律案

実用新案法の一部を次のように改正する。
第45条第2項のうち、「告訴がなければ公訴を提起することができない」を「被害者の明示的な意思に反して公訴を提起することができない」とする。

附則

第1条(施行日)この法律は、公布日から施行する。
第2条(訴訟に関する適用例)第45条第2項の改正規定は、この法律施行後の犯行から適用する。

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