知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 商標法の一部改正法律案(代案)(議案番号:2111666)

2021年07月22日

議案番号:2111666

提案日:2021年7月

提案者:産業通商資源中小ベンチャー企業委員長

1.代案の提案経緯

議案名 議案番号 代表発議 発議日 審査経過
商標法の一部改正法律案 2104854 ヤン・クムヒ議員 2020年11月2日 第384回国会(臨時会)第3回産業通商資源中小ベンチャー企業委員会(2021年2月23日)に上程した後、提案説明、検討報告、代替議論を経て、小委員会に回付
第387回国会(臨時会)第1回産業通商資源特許小委員会(2021年5月11日)に上程
第387回国会(臨時会)第2回産業通商資源特許小委員会(2021年5月20日)に上程、逐条審査及び議決(代替反映廃棄)
商標法の一部改正法律案 2105444 イ・ソヨン議員 2020年11月17日 第384回国会(臨時会)第3回産業通商資源中小ベンチャー企業委員会(2021年2月23日)に上程した後、提案説明、検討報告、代替議論を経て、小委員会に回付
第387回国会(臨時会)第1回産業通商資源特許小委員会(2021年5月11日)に上程
第387回国会(臨時会)第2回産業通商資源特許小委員会(2021年5月20日)に上程、逐条審査及び議決(代替反映廃棄)
  1. 第387回国会(臨時会)の第2回産業通商資源特許小委員会(2021年5月20日)で、上記の2件の法律案を審査した結果、それぞれの法律案を本会議に付議しないことにし、各法律の内容を統合・調整し、当委員会の代案を設けることにした。
  2. 第388回国会(臨時会)の第1回産業通商資源中小ベンチャー企業委員会(2021年6月28日)で、産業通商資源特許小委員会が審査報告した通り、建議された法律案はそれぞれ本会議に付議しないことにし、産業通商資源特許小委員会が設けた委員会の代案を提案することに議決した。

2.代案の提案理由

産業財産権における紛争の際、多くの時間と費用がかかる審判又は訴訟による解決は、資金力のない中小ベンチャー企業に不利に働く可能性があるため、産業財産権紛争調停委員会の調停制度を活用するのが効果的であるが、現在は紛争当事者の申請による調停手続きのみ行われているため、紛争調停の申請件数が期待に及ばない状況である。
そこで、「審判–調停連携制度」を導入して調停制度を活性化し、審判手続きにおいて主張・証拠の提出遅延による紛争の長期化を防ぐために審判長が主張・証拠の提出時期を制限し、遅れて提出した証拠等は却下できる法的根拠を設けようとするものである。

3.代案の主要内容

  1. 審判事件を合理的に解決するために必要な場合、審判長が当事者の同意を得て、審判事件を産業財産権紛争調停委員会に回付することができるようにする(案第151条の2新設)。
  2. 審判事件が調停委員会に回付された場合、調停のために審判事件に関する書類を搬出できるようにする(案第216条第1項第1号の2新設)。
  3. 審判手続における主張・証拠の提出に関しては、「民事訴訟法」上の適時提出主義の関連規定を準用するようにする(案第145条の2新設)。

4.参考事項

この法律案は、産業通商資源中小ベンチャー企業委員長が同日提案した「発明振興法の一部改正法律案」の議決を前提にするもので、同法律案が議決されないか、又は修正議決される場合には、それに合わせて調整しなければならない。

商標法の一部改正法律案

商標法の一部を次のように改正する。
第145条の2を次のように新設する。
第145条の2(適時提出主義)審判手続きでの主張や証拠の提出に関しては、「民事訴訟法」第146条、第147条及び第149条を準用する。
第151条の2を次のように新設する。
第151条の2(産業財産権紛争調停委員会の回付)①審判長は審判事件を合理的に解決するために必要であると認めると、当事者の同意を得て、該当審判事件の手続きを中止し、決定により該当事件を「発明振興法」第41条による産業財産権紛争調停委員会(以下「調停委員会」という。)に回付することができる。
②審判長は第1項により調停委員会に回付した際には当該審判事件の記録を調停委員会に送付しなければならない。
③審判長は、調停委員会の調停手続きが調停不成立で終了されると第1項による中止決定を取り消し、審判を再開し、調停が成立した場合には該当審判事件が取り下げられたものと見做す。
第216条第1項に第1号の2を次のように新設する。
1の2. 第151条の2第2項に基づく調停をするために商標登録出願、審査、異議申請、審判又は再審に関する書類や商標原簿を搬出する場合

附則

第1条(施行日)この法律は、公布後3ヶ月が経過した日から施行する。
第2条(審判事件の調停委員会回付に関する適用例)第151条の2の改正規定は、この法律の施行日現在において審判が進行中である事件にも適用する。

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