知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 特許法の一部改正法律案(議案番号:2106185)

2020年12月08日

議案番号:2106185

提案日:2020年12月8日

提案者:クォン・チルスン議員外10人

提案理由及び主要内容

現行法は、特許発明が国の非常事態、極度の緊急事態又は公共の利益のために非商業的に実施する必要がある場合、特許期間が満了されていない特許発明を政府が実施するか、又は政府以外の者に実施させることができるように強制実施権に関する規定を定めている。
これに関連し、最近新型コロナウイルスのパンデミック状況において、新型コロナウイルス治療剤およびワクチンの特許権者である新薬開発者や特定の国が市場を独占して医薬品の価格を高めるために供給を拒否する場合、それに対処することが難しくなるため、そのような場合でも、強制実施権の行使が可能になるように法律的根拠を設ける必要があるという意見がある。
そこで、政府が感染症のパンデミック状況の際に、特許期間が満了されていない治療剤およびワクチンなどの医薬品の特許発明を実施することができるよう、その根拠を明確に設けようとするものである(案第106条の2)。

法律第     号

特許法の一部改正法律案

特許法の一部を次のように改正する。
第106条の2第1項のうち、「国家」を「感染症の大流行など国家」とする。

附     則

この法律は、公布日から施行する。

新旧条文対照表

現行 改正(案)
第 106 条の 2(政府等による特許発明の実施) ①政府は、特許発明が国家非常事態、極度の緊急状況又は公共の利益のために非商業的に実施する必要があると認める場合には、その特許発明を実施するか、又は政府以外の者に実施させることができる。
②~④(省略)
第 106 条の 2(政府等による特許発明の実施) ①----------感染症の大流行など国家------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------。
②~④(省略)

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