知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案(議案番号:2105544)

2020年11月19日

議案番号:2105544

提案日:2020年11月19日

提案者:ファン・ウンハ議員外9人

提案理由

現行法は、国内外の市場に占める技術・経済的価値が高いか、あるいは関連産業の成長潜在力が高いため、海外に流出される場合に国の安全保障及び国民経済の発展に重大な悪影響を及ぼす恐れがある技術を国家革新技術に指定して管理している。
しかし、国家核心技術を保有していても対象機関が国家核心技術の判定を進行しないか、又は意図的に回避する場合、それを国家核心技術として判定できるようにする制度が不在な状況である。
また、産業技術の重要性が高まっているにも関わらず、総合計画の樹立及び実態調査、処罰規定等において、まだ不十分な部分があり、それに対する改善が求められており、産業技術保護委員会を国務総理所属にしてその役割をより強化する必要がある。

主要内容

  1. 総合計画を3年毎に樹立するようにする(案第5条)。
  2. 産業技術保護委員会を国務総理所属に規定する(案第7条)。
  3. 産業通商資源部長官が対象機関において該当機関が保有している技術が国家核心技術に該当するかに対する判定を申請するように勧告できる根拠規定を設ける(案第9条の2新設)。
  4. 実態調査の周期を2年毎に行うように規定する(案第17条)。
  5. 秘密保持の義務を対象機関の契約等により、産業技術に対する秘密保持義務がある者に拡大する(案第34条)。
  6. 国家核心技術を外国で使用するか、又は使用させる目的で流出した場合、無期懲役あるいは10年以上の有期懲役に処することにする(案第36条)。

  7. 法律第     号

    産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案

    産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部を次のように改正する。
    第5条第1項のうち、「樹立」を「3年毎に樹立」とする。
    第7条第1項各号以外の部分のうち、「産業通商資源部長官」を「国務総理」にし、同条第3項各号以外の部分のうち、「産業通商資源部長官が」を「国務総理が」とし、同項第1号のうち、「次官・次長又はそれに相当する公務員のうち」を「長として」とし、同条第4項のうち、「産業通商資源部所属の公務員の中から委員長が指名する者が」を「産業通商資源部長官が」とする。
    第9条第6項を削除する。
    第9条の2を第9条の3とし、第9条の2を次のように新設する。
    第9条の2(国家核心技術に対する該当可否の判定等)①対象機関は、当該機関の保有している技術が国家核心技術に該当するかに対する判定を産業通商資源部長官に申請することができる。
    ②産業通商資源部長官は、次の各号に該当する場合であり、国家核心技術の保護及び管理のために必要であると認める場合には、対象機関において該当機関が保有している技術が国家核心技術に該当するかに対する判定を申請するように勧告することができる。
    1. 対象機関が国家核心技術に関する国家研究開発事業を遂行しているか、完了した場合
    2. 産業通商資源部長官が第15条第2項による産業技術の流出及び侵害行為の認知又は第17条による産業技術保護のための実態調査等、その他の大統領令で定める事項を通じて対象機関が国家核心技術を保有していると判断する場合
    3. ③対象機関の長は、保有している国家核心技術が第9条第3項により、変更又は指定から解除されるか、又は第3者に売却、譲渡、移転等を通じて国家核心技術に対する所有権の変更が発生する場合、大統領令で定めることにより産業通商資源部長官に報告しなければならない。
      ④第1項及び第2項による判定申請の手続きと第3項による変更申告の内容及び手続き等に必要な事項は、大統領令で定める。
      第11条第1項のうち、「等の方法で」を「等、大統領令で定める」に、「する)しようと」を「する)をしようと」とする。
      第17条第1項のうち、「必要な場合」を「産業技術の保護のために」に、「実施することができる」を「2年毎に実施しなければならない」とする。
      第34条第1号のうち「含む)」を「含む)及び対象機関の契約等により、産業技術に対する秘密保持義務がある者」とする。
      第36条第1項の前段のうち、「3年」を「無期懲役又は10年」とする。

      附     則

      この法律は、公布後6ヶ月が経過した日から施行する。

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