知的財産情報(知財関連法律改正の動き) デザイン保護法の一部改正法律案(議案番号:2105442)

2020年11月17日

議案番号:2105442

提案日:2020年11月17日

提案者:イ・ソヨン議員外11人

提案理由及び主要内容

訴訟中心である知的財産権紛争の解決には高費用と長時間がかかり、中小企業などに大きな負担となるため、審判で調停制度を活用するのが効果的であるが、現行の制度は不備な水準で期待に及ばない状況である。
審判段階で調停制度を利用すれば訴訟前に紛争を早期解決できるようになり、侵害訴訟が結びついた場合には訴訟まで終結することができるが、現在は「審判-調停連携制度」無しで、当事者の申請に限って産業財産権紛争調停委員会の調停手続きが行われている。
それに従って、資金力のない中小・ベンチャー企業が新たな紛争解決の手段を通じて、早期に紛争を解決できるように審判-調停連携制度を導入する必要がある。
そこで、審判事件を産業財産権紛争調停委員会に回付できる根拠を設け(案第152条の2新設)、この場合審判事件の記録を調停委員会に回付できる根拠を設けようとするものである(案第207条第1項第1号の2新設)。
また、審判手続きにおいて主張・証拠の提出時期に制限がなく、審理が遅延される問題が頻繁に発生しているが、紛争期間が長期化すればするほど資金力のない中小・ベンチャー企業に不利になるため、新たな主張・証拠の提出時期を審判長が指定し、遅れて提出した証拠等は却下できる法的根拠も設けようとするものである(案第146条の2新設)。

参考事項

この法律案は、イ・ソヨン議員が代表で発議した「発明振興法の一部改正法律案」(議案番号第2105441号)の議決を前提にしたもので、同じ法律案が議決されないか、修正議決される場合には、それに合わせて調整しなければならない。

法律第     号

デザイン保護法の一部改正法律案

デザイン保護法の一部を次のように改正する。
第146条の2を次のように新設する。
第146条の2(適時提出主義)審判手続きでの主張・証拠提出に関しては、「民事訴訟法」第146条、第147条及び第149条を準用する。
第152条の2を次のように新設する。
第152条の2(産業財産権紛争調停委員会の回付)①審判事件を合理的に解決するために必要であると認められた場合、審判長は当事者の同意を得て、該当審判事件の手続を中止し、決定により該当事件を産業財産権紛争調停委員会(以下「調停委員会」という。)に回付することができる。
②審判長は第1項により調停委員会に回付した際には当該審判事件の記録を調停委員会に送付しなければならない。
③審判長は、調停委員会の調停手続きが終了されると第1項による中止決定を取り消し、調停が成立した場合には該当審判事件が取り下げられたものとみなす。
第207条第1項に第1号の2を次のように新設する。
1の2. 第152条の2第2項に基づく調停をするためにデザイン登録出願・審査・デザイン一部審査登録の異議申請・審判・再審に関する書類やデザイン登録原簿を搬出する場合

附     則

この法律は、公布後3ヶ月が経過した日から施行する。

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