知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案(議案番号:2104495)

2020年10月13日

議案番号:2104495

提案日:2020年10月13日

提案者:コ・ミンジョン議員外17人

提案理由

現行法は、国家核心技術を保護するために、国家核心技術を保有・管理している対象機関の長に国家核心技術を取り扱う専門人材の転職管理及び秘密保持等に関する契約締結などの措置を取るように規定している。
しかし、国家核心技術を保有している対象機関のうち、国家核心技術の保護のための専門担当組織が設置されている機関は全体の35パーセントに過ぎず、国家核心技術の保護業務を行う専門担当役員ないし担当役員を備えている機関はほぼ皆無で、対象機関で国家核心技術の保護業務が実質的に行われていない状況であるため、それに対する立法の補完が必要な状況である。
また、現行法で窃取・欺罔・脅迫や、その他不正な方法で対象機関の産業技術を取得する行為、又はその取得した産業技術の使用や、それを公開する行為を禁止しているが、適法な方法で産業技術を取得した場合、対象機関の同意なしに取得した産業技術を使用ないし公開しても窃取・欺罔・脅迫やその他不正な方法が介入されず、その行為者の不正な目的が証明されない限り、その行為者を処罰できない処罰の空白が発生している状況であり、それに対する補完が必要である。

主要内容

  1. 国家核心技術を保有している対象機関の長は、国家核心技術を保護するために、国家核心技術を保護するための人員を指定して組織を設置し、それを産業通商資源部長官及び情報捜査機関の長に申告しなければならない(案第10条の2新設)。
  2. 適法な方法で対象機関の産業技術を取得した後、対象機関の同意無しに、その取得した産業技術を使用するか、又は公開する行為を禁止するようにする(案第14条第1号の2新設)。
  3. 国家核心技術を保護する人員の指定、又は組織の設置を申告しない者に過料を賦課する(案第39条第1項第1号の2新設)。


  4. 法律第     号

    産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部改正法律案

    産業技術の流出防止及び保護に関する法律の一部を次のように改正する。
    第10条の2を次のように新設する。
    第10条の2(国家核心技術を保護する人員の指定及び組織の設置等)①国家核心技術を保有している対象機関の長は国家核心技術の保護のために次の各号の措置を取り、それを産業通商資源部長官及び情報捜査機関の長に申告しなければならない。
    1. 「独占規制及び公正取引に関する法律」第14条第1項の公示対象の企業集団に属する対象機関の場合、役員として国家核心技術を保護する最高責任者を指定し、専門担当組織を設置する。
    2. 「中堅企業の成長促進及び競争力強化に関する特別法」第2条第1号の中堅企業に該当する対象機関の場合、国家核心技術を保護する担当役員を指定し、担当組織を設置する。
    3. 「中小企業基本法」第2条第1項の中小企業に該当する対象機関及び第1号・第2号に含まれていない国家核心技術の保有機関の場合、国家核心技術を保護する担当組織を設置する。
    4. ②第1項第1号による国家核心技術を保護する最高責任者は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。
      1. 国家核心技術を保護する担当組織で、大統領令で定める国家核心技術の保護措置における全般的な業務を3年以上遂行した者、又はそれに相当する者。
      2. 国家核心技術を保護する担当組織で「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」第45条の3に該当する業務の全般を3年以上遂行した者、又はそれに相当する者。
      3. ③第1項第1号により指定及び申告された国家核心技術を保護する最高責任者は、第4項の業務以外の他の業務を兼任することはできない。
        ④第1項第1号により指定及び申告された国家核心技術を保護する最高責任者は、第10条で定める国家核心技術の保護措置における業務を総括し、「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」第45条の3に該当する情報保護責任者の業務を遂行することができる。
        ⑤国家核心技術を保有している対象機関は、侵害事故に対する共同予防及び対応、必要な情報の交流、その他大統領令で定める共同の事業を遂行するために、第1項第1号による国家核心技術を保護する最高責任者を構成員とする国家核心技術を保護する最高責任者の協議会を構成・運営することができる。
        ⑥政府は、第5項の国家核心技術を保護する最高責任者協議会の活動に必要な経費の全部又は一部を支援することができる。
        ⑦第1項による申告の方法及び手続等に関して必要な事項は、大統領令で定める。
        第14条第1号の2を次のように新設する。
        1の2.適法な方法で対象機関の産業技術を取得した後、対象機関の同意無しに、その取得した産業技術を使用するか、又は公開する行為。
        第39条第1項に第1号の2を次のように新設する。
        1の2.第10条の2第1項に違反して国家核心技術を保護する人員の指定、又は組織の設置を申告しなかった者

        附     則

        第1条(施行日)この法律は、公布後6ヶ月が経過した日から施行する。
        第2条(国家核心技術を保護する人員の指定及び組織設置の申告に関する経過措置)この法律の施行当時に第10条の2第1項により国家核心技術を保護するための人員を指定するか、又は組織を設置して申告しなければならない対象機関の長は、この法律の施行後、産業通商資源部長官が告示する日まで国家核心技術を保護する人員を指定するか、又は組織を設置して申告しなければならない。

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