知的財産情報(知財関連法律改正の動き) 不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律一部改正法律

2018年04月17日

法律第15580号 不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律一部改正法律

第2条第1号ロ目中「標識と」を「標識(商品販売・サービス提供方法、又は看板・外観・室内装飾など、営業を提供する場所の全体的な外観を含む)と」にし、同号ハ目中「標識と」を「標識(他人の営業であることを表示する標識については商品販売・サービス提供方法、又は看板・外観・室内装飾など、営業を提供する場所の全体的な外観を含む)と」にし、同号ヌ目をイ目にし、同号にヌ目を次のとおり新設する。

ヌ. 事業提案、入札、公募など、取引交渉又は取引過程で経済的価値を持つ他人の技術的又は営業上のアイデアが含まれた情報をその提供目的に違反して自分又は第三者の営業上の利益のために不正に使用するか、他人に提供して使うことにする行為。ただし、アイデアの提供を受けた者が提供を受けた当時、既にそのアイデアを知っているか、そのアイデアが同業界で広く知られた場合はその限りではない。

第7条第1項中「第2条第1号イ目からト目まで及びリ目」を「第2条第1号(チ目とイ目は除く)」にする。

第8条中「第2条第1号イ目からト目まで及びリ目」を「第2条第1号(チ目とイ目は除く)」にする。

第14条の7を次のとおり新設する。

第14条の7(記録の送付など)第5条に基づく損害賠償請求の訴が提起された時、法院は必要な場合、特許庁に対し第7条に基づく不正競争行為などの調査記録(事件関係人、参考人、又は鑑定人に対する審問調書及び速記録、その他裁判上の証拠になる一切のものを含む)の送付を要求することができる。

第15条第2項中「『表示・広告の公正化に関する法律』」を「「表示・広告の公正化に関する法律」、「下請取引の公正化に関する法律」に、「ヘ目まで及びヌ目」を「ヘ目まで、ヌ目及びイ目」にする。

第18条第3項第1号中「チ目及びヌ目」を「チ目、ヌ目及びイ目」にする。

附則

この法は公布後3カ月が経過した日から施行する。

改正理由

零細・小商工人などが一定期間努力した結果、一般消費者に知られた売り場の室内外装飾など、営業の総合的外観を無断で使い、零細・小商工人の営業に甚大な損害を及ぼす不公正な行為が多様な形態で発生しているにも関わらず、現行の営業標識を保護する規定はこれに対する保護の有無が不明な部分があり、これを明確に規定して需要者の利益を保護する必要がある。

また、中小・ベンチャー企業、又は開発者などの経済的価値を持つアイデアを取引相談、入札、公募展などで取得し、何の補償もせずにそれを事業化して莫大な経済的利益を得るが、開発者はむしろ廃業に追い込まれるなど、企業の営業活動に深刻な弊害を引き起こしている。 しかし、アイデア使用に対する明示的契約を締結していない、又は特許など登録による保護のための具体的要件を満たしていない場合、相当な被害を被っても救済する明確な規定がなく、損害賠償はもちろん使用禁止を要請することも難しい実情であるため、本改正により中小・ベンチャー企業及び開発者の斬新なアイデアを積極的に保護し、これを違反した行為に対し、特許庁長が調査・是正勧告をすることで健全な取引秩序を維持するためである。

主要内容

  1. 国内で広く認識されている他人の商品の販売・サービス提供方法、又は看板・外観・室内装飾など、営業場所の全体的な外観と同一又は類似のものを使い、他人の営業上の施設又は活動と混同を招く行為を禁止する(第2条第1号ロ目及びハ目)
  2. 事業提案、入札、公募など、取引交渉及び取引過程で経済的価値を持つ他人の技術的、又は営業上のアイデアをその提供目的に違反し、自分又は第三者の営業上の利益のために不正に使用するか、他人に提供して使うようにする行為を不正競争行為の類型に新設し、提供されたアイデアが同業界で広く知られていたか、アイデアの提供を受けた者が当時、既に知っていた事実を立証する場合は免責されるようにし、違反行為に対して調査・是正勧告の権限を付与する(第2条第1号ヌ目新設など)
  3. 不正競争行為に対する損害賠償請求の訴が提起された場合、法院が特許庁に対して調査記録の送付を要求することができるようにする(第14条の7新設)

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