知的財産ニュース 韓国特許庁、「デザインの開かれた審査に向けた懇談会」を実施

2025年8月21日
出所: 韓国特許庁

デザイン審査、産業界の声を反映する!

韓国特許庁は、デザイン審査において専門性や最新動向を反映し、ユーザーフレンドリーな審査実務を行うために、下半期から「デザインの開かれた審査に向けた懇談会」を運営※(2025年7月~)し、産業からの意見を審査業務に反映していく方針だと発表した。
※一部のデザイン分野について昨年から実施中の懇談会を2025年7月から生活・産業デザイン分野に拡大

懇談会は今年7月から始め、12月まで毎月実施する予定だ。

デザイン産業はトレンドの変化が速く、業界ごとに創作手法や市場の特性が多様な特徴がある。しかし、従来の審査方式ではこのような変化や特性を随時反映することが難しかった。

特許庁は産業界の実務経験や審査官の専門性の両方を反映して審査の正確性や信頼性を高め、実際、デザインを創作するユーザーと審査側の意見の差を縮めるために懇談会を実施している。

懇談会では、産業界の専門家が「開かれた審査委員」に委嘱され、審査基準の改正、制度改善、最新のデザイントレンドへの対応、業界の特性と創作手法などについて意見を示す。これにより、審査の品質向上と制度改善という両方の効果が期待される。

今回の懇談会では、意匠の国際登録出願※における類似・創作性判断の事例を検討して一部の意見について審査結果に反映した。また、関連意匠の出願可能期間の延長、企業における生成AIによるデザインツールの使用状況、一部審査関連制度の改善など、業界からの建議事項のうち、直ちに反映できる内容については迅速な改善を進めることで合意した。
※公開後審査を行う意匠の国際登録出願

<デザインの開かれた審査の概要>
目的 ‣争点のある審査事例、および、制度改善について業界からの意見収集体系の構築
運営期間/回数 ‣2025年7月~12月/計3つの分科から毎月1回開催
参加者の構成 ‣各科からのデザイン専門企業の代表、多出願企業の知財実務担当者(5~10名)+審査官(5~7名)+局長
運営方式 ‣参加企業「開かれた審査委員」の委嘱、および、毎月1回の懇談会
主な議論事項 ‣意匠の類似・創作性の判断など個別事例について
‣デザイントレンド、業界の特性、創作手法、制度の改善事項、その他ユーザーからの意見など

根幹会を機に産業の特徴を理解した上で審査を行うことで、産業界の現実により密着した審査を実現する効果が期待される。

特許庁の商標デザイン審査局長は「デザインの開かれた審査に向けた懇談会は、産業界の声を審査実務や制度に反映するツールになる」とし、「今後もユーザーフレンドリーな審査体系をつくり、デザイン産業の競争力を高める」と述べた。

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